「はっ…!!」
次の瞬間、ゆりかはベットから飛び起きていた。
目覚めの間際、薄ぼんやりとしてきた意識の中で思い出した夢の内容は、あまりに刺激的で、寝ぼけ眼をこするのも忘れてしまう程だ。
「え、なに…夢、アレが、わたしの…」
嘘でしょ…。
マロンと? 人間の女の子になった飼い猫とエッチをする?
一体どんな欲求不満が捻じ曲がれば、そんな頭の悪い夢になってしまうのか。
「いっ…な、んで?」
けれど、思わぬ痛みに顔をしかめたゆりかは、恐る恐ると、覚えのある痛みを探るように自分の体を見下ろした。
肩口が痛い、首筋がヒリヒリするし、お腹の奥の方でピリッと感じた痛みは、まるで、さっきまで何かが挿っていたみたい。
痛いだけならそれでもよかった。
寝違えただけ、変な夢のせいで、変な体勢になっちゃっただけって。
でも…。
お股がヌルヌルしてた。パジャマも開けていて、おっぱいも、お腹も、全部丸見えになっちゃってる。
肌の上には何かが乾いた跡と、続くおへそに残っていたのは、まだ乾ききらないヌルヌルの水たまり。
くちゅ…。
指先を、おへその中に。
押し出されてきたヌルヌルが、肌の上を流れ落ちていく。
間違いなく夢の続きだった。夢だと思って、だから、少しだけ大胆になれたのに。実際は、夢でも何でも無かったとしたら?
だったらアレは…。
「マロンっ。ねぇ、マロン!」
慌てて部屋の中を見回した。
いつもなら、隣に居てくれる彼女の姿を探していると。
私の足元、ベットの隅で丸くなっている布団の塊が目に入る。
たとえばそう。私くらいの女の子が、頭から布団を被ればそうもなるんじゃないかって有様は、一瞬でも感じていた焦りが、呆れに変わるほどだった。
「えっと…マロン?」
「…っ!」
ただ声を掛けるだけじゃない。
そこにいるんでしょって。丸まった布団のお化けに話しかけると、変な盛り上がりがビクリと跳ねる。
「にゃ、にゃぁ…」
「…」
ネコだ。
ネコの鳴き声の真似だ。
誰もがやるネコの鳴き真似だったけど。それは、夢の中であった女の子、マロンの声にとてもよく似ていた。
「マロンってば、そこにいるんでしょ? もうっ、出てきてばっ!」
布団に手を伸ばし、引っ剥がそうと力を込める。
しかし、力が強い。
しっかりと握りしめられた布団は中々剥がれず、その抵抗を示すように布団の中から、チリリン、チリンっと、鈴の暴れる音が聞こえてきた。
「大丈夫だよ、マロン。私、怒ってなんか無いんだから。そりゃ、ちょっとは驚いたし、なんで、こんななってるかとかもわかんないんだけど、とりあえずさ? ね? お話しよ? ちゃんと顔見せて欲しいな?」
「…う、うん」
ようやく観念したのか、渋々といった様子で布団が緩んでいく。
スルスルと、糸を解くように布団を手繰り寄せると、中から出てきたのは、とっても可愛い女の子だった。
明るい栗色の髪の毛。頭に出っ張った大きくて可愛らしいネコのミミ。
ふわふわとした綿毛みたいに白い肌。彼女から漂う 日向のような優しい匂い。
ちりんっと、鈴の転がる音がした。
重なった視線。彼女と見つめ合った僅かな時間。
金色と青い瞳に吸い込まれる。さっと、その綺麗な瞳を隠すように彼女が顔を伏せると、チリンっと、また首輪に下がった小さな鈴が音を鳴らしていた。
「マロンっ!」
「え、あ、ちょっ、ゆりか…ぁぅ」
思わず、彼女に抱きついてしまっていた。
一体どんな奇跡が起きたんだか。どんなクリスマスプレゼントにだってこんなに喜んだことなんかない。
もう、自分たちがさっきまでしていた事すら、頭の中からすっぽ抜けてしまっていた。
一番の仲良し。
小さい頃からずっと一緒で、姉みたいで妹みたいな、もしかしたらお母さんと過ごしたよりも、もっとずっと近くにいてくれた相手。
話したいことは一杯あった。一杯ありすぎて、何から話していいか分からずに、何も言えなくなってしまう。
嬉しい。嬉しい。嬉しい。
ただ、それだけは間違いなくって、あふれる感情のままに、ゆりかはマロンの体に頬を寄せ続けていた。
「ゆ、ゆりかっ。ごめん、ちょっと、はなれ…てっ」
堪らないのはマロンも一緒だった。
小さい頃からずっと一緒で、姉のような妹の様な、時には娘のようにも思った相手。彼女がもっと幼い時には、ボクが守ってやらなきゃなって、一丁前なことも考えたりもしていたし、それは今でだった変わらない。
嬉しいことは嬉しい。自分だって、ゆりかと もっとお喋りできたらなって幾らも思った。
本当だったら、もっと素直に抱き合ったり、ネコだった時みたいに頬ずりしたり、顔を舐めてあげたくもあるんだけど。
中途半端に叶った夢を恨めしくも思ったさ。
どうせなら、男の子の体にしてくれればなって。そうすれば、もっとちゃんと、素直に彼女のことを愛せたのに。
それが、どうして今になってココにある。
自分の体はどこからどうみたって、ゆりかと同じ女の子のものだ。
髪は細いし、肌も薄い。膨らんでいるボクの胸は、いっそゆりかのより大きいくらい。
女の子の部分だって、ちゃんとあったさ。
さっきの興奮が残っているみたいに、じわっとお腹の奥に感じるものだってある。
それと同時に、股間に感じる違和感と言ったら無かった。
ムズムズと何かがそこに集まってくる感覚がある。
ドクンっと波を打つ度に、だんだんと熱を帯び始めると、膨らんで、大きくなって、固くなってきて。
それが、男の子のものだって、気づくのに時間はかからなかった。
こんなのが生えてきたせいか、ゆりかから、さっき以上に良い匂いがする。
ボクの、ボク自身の匂いに混じって、汗と、涙と、それから強い ゆりかの匂いに頭がくらっとさせられる。
そりゃそうだ。
あんな、しちゃった後だもん。
部屋中のそこらにだって、僕らが番った後の匂いが残っているくらいだ。
多少頭も冷えたとは言え、むしろ興奮が収まった後だからこそ、事後に感じる彼女の匂いをより強く意識してしまう。
そんな、ほとんど裸みたいな格好でさ。
そんな、無防備に抱きついてきてさ。
脱がしたのもボクだけど。
あんなにしちゃったのもボクだけど。
さっきよりも、ゆりかの事が可愛く見えた。
彼女の事をみているだけで、股間のモノが強く反応して、本能的に押し倒してしまいそうなる衝動を、ぐぅっと堪えるのに必死だった。
「おねがっ、ゆりか…ほんと、いったん、はなれ…」
ボクの掠れる声は、興奮しきったゆりかの耳には届かない。
肌が触れ合う。彼女の小さな胸がボクの体に押し付けられる。
チラリと見えた首筋に、ボクの付けた傷跡を見つけた途端に、興奮の度合いが一段と上がってしまう。
柔らかい胸を押し付けられながら体を揺すられ、揺れた体が、ボクのモノへの刺激を強くすると、だんだんと我慢が効かなくなっていく。
ビクンっと、ボクのが強く震え上がった。
足の間に入り込んできた ゆりかの太ももが、無邪気にボクのモノを擦り上げてくる。ズリズリと、それは何度も何度も、しつこいくらいで。ボクは必死に彼女を引き剥がそうとしてるのに、我慢してるのに、出来なくなって。
次の瞬間、目の前が一瞬真っ白になった。大きく膨らんだ先っぽから、何か熱いものが迸ると同時に、溢れ出す快感を、ボクは抑えきる事が出来なかった。
「うぐっ! あっ、あぅ…ゆり、か。ごめ、ボク…あぁぁっ…はぁっ…んくっ!」
「え、あれ、へ?」
突然の事だったんだろう。急にボクが声を上げるから、驚かせてしまった。
だけど、一度射精を始めたボクのモノは収まることを知らずに、2度、3度と、精液を拭き上げると、きょとんっと、呆けている彼女の顔に、剥き出しの肌の上を、白濁液で汚していってしまう。
「え、あれ、これって…。うわぁぁぁっ!! な、な、な…なに? それ、だって、おち、へ? それにこれ…だって、もしかして、せ…ぅぅっ…」
顔にへばりついた白濁液のせいだろうか。その頬が、赤く染まっているのが良く分かる。
驚き、飛び跳ねるような勢いで、マロンの体から離れたゆりかは、自分の体を彩る白濁液に視線を泳がせた。
「ま、マロンって、男の子、だったの?」
「違うよ、違うけど…。だから、離れてって…言ったのに。見られたくなかったから。人の体になってるだけでもおかしいのに、こんなのまで生えてきちゃってて」
「えと、それは…なんか、ごめんね?」
頬を真っ赤にしながらも、自分の体を汚している精液を気にするよりも先に、ゆりかの視線は、目の前のモノに泳いでいた。
行ったり、来たりと。
顔を背けているようで、だけど、興味は拭えない。
だって、また大きくなってきているから。
射精した後、少し萎んで見えていたのに、こうして話している内に また だんだんと、力を取り戻していくみたいに膨らんでいく。
「マロン…それ、さ?」
「み、見ないでよっ! ちゃんと落ち着かせるから…ちょとだけまって」
落ち着くんだろうか? 本当に?
だって、男の子のそれってさ? 好きな人を見ているとそうなるんだって言うじゃない? マロンは私の事好きでしょ? それは絶対だもん。
射精しちゃったその一瞬だって、気持ちよさそうにしたマロンの顔は、今でも私の目に焼き付いていた。
Tシャツの裾を思いっきり引っ張って、大きくなっていく おちんちんを隠そうとするマロン。
辛そうだった。
おちんちんの無い私には、それがどれ程のものかは分からない。
たとえ落ち着くにしたって、その間にも、マロンはイヤってほど我慢をしないといけないはずだ。
「ねぇ、マロン? 大丈夫だよ? 私、怒ってないから?」
「ちょっ、ゆりか。ダメって、今、ボクに…近づかないでぇ…」
「大丈夫だから、逃げないでよ…」
「逃げてるんじゃなくって、ボク…ホントに、今は…ダメなんだからぁ」
震える声だった。泣きそうになってるのも分かる。
こんなマロン、初めて見た。
離れてしまった距離を取り戻そうと私が近づく度に、マロンはベットの上で後ずさりながら逃げていく。
ズルっ、ズルっ…。ズルっ、ズルっ…。
けれど、そんなに続くものじゃない。
一人用のベットの上だ。すぐに壁に行き当たってしまったマロンは、自分を守るように、足を抱えて丸まってしまった。
「つかまえた…」
「うっ…」
逃さないように、彼女の体を抱きしめる。
それですら嫌がったマロンは、顔を上げて、なんとか私から離れようと必死だった。
「マロン、だから怒ってないんだって」
「違うんだよ。ゆりかが、怒ってるとか無いとか、関係なくって、ボクが…むりなんだって」
「うん。分かんないけど、分かるよ? マロンの事だもん。エッチ、したいんでしょ? その、それ…おちん、ちん? 触ればいいの?」
「うっ…!?」
その言葉に体を震わせたマロンは、信じられないものを見るように、だけど、どこか期待をするような熱っぽさで、ゆりかを見つめていた。