※この作品はR-18です。

星に願いを   作:霧里

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甘えん坊2(Hシーン

 

ガチャリと、部屋の扉が開いてしまった。

 

「へ…まろ、ん?」「あ…ゆり、か?」

 

一瞬、時間が止まった。

 

初めて仲良しをした次の朝。二人でお見合いをした空気とも違う。

温かいような、くすぐったいような気分は何処にもない。

ただ、ドキッと、心臓が固まり、時間が凍るような冷たさが二人の間を流れていた。

 

「な、んで? きょう…学校で、まだ、時間…」

「だ、だって今日は、早く帰れる日で、マロン喜ぶかなって、急いで戻ってきて…えっと、だから」

 

口ごもるように答えながらも、ゆりかの視線はマロンの股間に注がれていた。

 

おちんちん…。無くなってたんじゃないんだ。

それに、あんな大きく膨らませて「好き、好き」って、扉の向こうから私の名前を呼んでたのだって聞こえていた。

 

寝言かなって、ちょっと嬉しくなった。

起きた時、私が隣りにいたら、マロン驚いてくれるかなって、悪戯心もくすぐられてしまう。

 

でも、部屋に入ったマロンは、ベットの上で丸まっていて。

ゴソゴソと、自分のお股を弄ってた。

 

何をしてるかなんて、気づかないではいられない。

あの日、私がしてあげてたように、今度は自分で、自分のおちんちんを触ってるんだってのは分かる。それも、私の名前を呼びながらだ。

 

ちょっとだけ、肌が汗ばむ。

 

はぁって、変に熱い溜息が漏れると同時に、私の女の子の部分が落ち着かなくなってくる。

 

期待しなかった訳がない。

 

二人で仲良ししてそれっきりだったんだもん。

 

また誘われちゃうのかなって。その時は、どうやって応えてあげようって、頭の中でグルグルと、同じやり取りを繰り返してた。

 

一緒にお風呂に入った時もそう。嫌がるマロンを無理矢理湯船に沈めて、数を数える代わりに、二人で歌を歌いながら、内心はすっごくドキドキとしていた。

 

一緒にベットで寝た時だって。ちょっと手狭なベットの上で、二人でくっつきながら同じ布団に入る。「おやすみなさい」って微笑み合って、寝た振りをしながらも、いつ悪戯されるのかなって明け方までドキドキしていた事だってあった。

 

それも結局は、私の取り越し苦労だ。

 

初めて仲良ししてからそれっきり。マロンは私に手を出そうとはしてくれなかった。

 

いつものように私にくっついてきて、頬にキスをしたり、されたりと、変わらない愛情表現は してくれていても、まるであの日の事が無かったように振る舞われると、少しだけ寂しくなる。

 

もうちょっとくらい、意識してくれても良いんじゃないかって。

もしかして、私と仲良しするの、そんなに気持ちよくなかったのかなって。

 

不安だった。

 

キス以上に求められる嬉しさを知ってしまうと、何もされないことが酷く怖い。

 

気を使ってくれてるだけなら良い。

痛いことは痛いって、言っちゃったんだもん。マロンだって、気後れすることもあるはずだ。

 

私から、誘ってあげた方がいいのかなって。

 

友達からの誘いも断り、チャイムと同時に教室を飛び出した私の足は、家に近づくにつれて、だんだんと足早になっていた。

 

ちゃんとマロンと話をしよう。

 

どんな風に思っているのかなって、それを知りたかった。

我慢をしてるだけならそれでいい。私のことを気遣ってくれてたんだって、嬉しくも思うし、それならちゃんと、今度は私から仲良ししようって言って上げられる。

 

もし、それ以外だったら。

 

思い当たらない原因があるのはちょっと怖いけど、それも話してみないと始まらない。まさか、一回しちゃったらもういいやって、飽きられたとかは思いたくないけど。

 

そんな風に、もやもやとしながら、自分の部屋の扉に手をかけた時だった。

 

「好き、好き」て、「ゆりか、ゆりか」って、私の名前を呼ぶマロンの声に、胸が跳ねた。だってそれは、射精する前のマロンの声にとてもよく似ていたから。

辛そうで、でも、気持ちが良さそうで。

ゴチャゴチャになった色んな感情が、一気に溢れ出す、そんな間際の声だった。

 

「そっか…そう、なんだ…」

 

部屋に入ったゆりかは、その後ろ手で扉の鍵を落としていた。

 

「へ? ゆりか? なんで…鍵閉めて?」

「別に? 邪魔されたくないだけだよ、ホントそれだけだもん」

 

それは嘘。

 

お母さんが入ってくるかどうかの心配よりも、私にとっては、マロンが逃げ出さないかどうかの心配の方が重要だった。

 

閉じ込めたんだ。

 

マロンが逃げられないようにって。

 

鍵の落ちた扉に背中を預けたゆりかは、つまらなそうにマロンの痴態に目を向ける。

 

「続き、しないの?」

「し、しないよっ! する訳無いだろ…そんな、さ?」

「私が見てるから?」

「そりゃ、そうだろ…」

 

なぜだかは分からない。

 

けれど、その時。ゆりかの怒ったような空気を感じ取ったマロンは、気が気ではなくなっていた。

 

見られた恥ずかしさはもちろんある。想像の中で、ゆりかに乱暴をしていた事だって隠していたい。彼女のベットを汚した事だって、謝らないといけないだろうけど。

 

単純に、どうしたら良いか分からない。

普段 怒らない人が見せる、怒りの変化に、戸惑うばっかりだ。

 

「マロンのバカ…」

「は? 何怒ってるんだよ、そんないきなりバカとか言われても、わかんないって」

「怒ってないよっ! 私はっ、ただっ…んっ、べつに…ぇぅっ…あ、や、だめ、なんで、涙…あぅ」

 

ますます訳が分からない。

 

急に声を荒らげたと思ったら、今度は急に泣き出して。

ボクが悪いのか? そりゃ、原因の一つではあるんだろうけど、思い当たるフシが何処にもない。

 

子供みたいな悪戯だって、最近は我慢していたし。

まさか、朝ちゃんと起こさなかったのを、こんなに引きずる様な子でもないはずだ。

 

でも、ボクにとっては。

 

ゆりかが泣いている、その事以上に重要な事なんて何処にもなかった。

 

「ホントに、どうしたんだよ? 急に泣き出してさ? やな事でもあった?」

「ちがっ! 泣きたいんじゃ、やだ…離して、優しく、しないでよ…」

「なんか、そんな風にダダ捏ねるのも久しぶりだよね?」

「んっ! んっ! 子供扱い…やだ…って」

 

性欲なんて、どっかに飛んでいた。

そこにあった愛情は紛れもなく親心で、彼女を守りたいっていう庇護欲だ。

 

ボクが抱きしめるのもイヤがったゆりかに、何度も胸元を叩かれた。

その度に首輪の鈴が、チリンチリンと音を立てると、なんだか本当に彼女が小さかった頃を思い出してしまう。

 

この鈴の音が、彼女は好きだった。

 

ボクは寝たいっていうのに、何度も何度も、無意味に指で転がされてさ。

何が楽しいのか、それですぐに笑顔になるんだから、いじける ゆりかをあやすのは、いつもボクの役目だったんだ。

 

「だって、だってね…」

 

ほら、効果覿面だ。

 

あれだけグズっていたのにさ。

 

鈴の音が転がった分だけ、だんだんと握りこぶしが弱くなってくる。

「ぐすっ…」と、鼻を鳴らす頃には、涙まで引っ込んでいた。

 

ぎゅっと、胸元を叩いていた彼女の手が、ボクの服にシワを作る。

 

逃したくないのか、離れたくないのか。震える小さな手から伝わってくるのは、一抹の不安だった。

 

「だって、マロン…。あれから、何もしてくれないし。キスはしてくれるけど、ほっぺにばっかりで…だから、だから…。どうしたのかなって、我慢させちゃってるのかなって、心配で、なのに、さ…。一人で…してるんだもん。意地悪だって、おもったよ? 意地悪してやろうって、思っただもん。でも、だって、だから…あ、あぁっ。んっ、ぐすっ…はぁ、私がしてあげるより、一人の方が良いんだって、そしたら、悲しくなって、あたま、うわぁぁって、なって…ごめん、ごめんね? こんな、だから、マロンに遠慮されちゃってるんだよね、わたし…」

 

ああ、そうか。始めから間違えていたのか。

 

何もしない事、いつも通りに過ごすことが、彼女のためだと思ってた。

けれど、それは逆。何もされない事、求められない事の方が、彼女の不安になっていたんだ。

 

「マロンが、したくないって、気分じゃないって言うなら、良いんだよ? でもね? でもね? やっぱりさ。おちんちん、そんなにしてるのに、何も言ってくれなくって、ずっと隠されてて、一人でしちゃうんだって…そっちのほうがいいって、思われるのは、すっごく、寂しくって…私、も、マロンに、なにかしてあげたかったのに、私じゃ、ダメだったかなって…怖くって、不安で…」

 

結局は、ボクの独りよがりか。

 

ボクの事を、ちゃんと受け入れてくれた ゆりかの強さを分かっちゃ無かったんだ。

多分、心の何処かでは、まだ子供なんだと思ってたんだろう。

女の子として欲しいと言っておきながら、中途半端に求めた結果がコレでは、ボクが情けなさ過ぎる。

 

「ゆりか。ごめんね? ん…」

「へ、あ…ちゅっ」

 

再び、涙を浮かべ始めた ゆりかの頬に手を添えて、マロンは彼女の唇にキスをした。

 

ただ、触れ合うだけの優しいキス。でも、マロンはなかなか離してはくれなくって、キスをされたまま、彼女の指が私の体を撫でていく。

 

一瞬、頭が真っ白になった。

 

急にキスをされて、抵抗できなくって、でも全然イヤじゃない。

むしろ、緊張で胸がドキドキしているのに、体からは力が抜けていく。

 

「んはっ、あ、や、マロン…ちょっと、あ…んっ」

 

息苦しくなって、唇を離す。けれど、またすぐにマロンの唇に塞がれちゃって、だんだんと、自分の鼻息が荒くなるのが恥ずかしかった。

 

どうしよう?

 

恥ずかしいのに、嬉しくなって。

キスをされるだけじゃない。当然、その先の事までをかんがえると、太ももの内側を、もじもじと擦り合わせてしまう。

 

マロンの指先が、私の背中を撫でていく。

くすぐったい。背筋を反らして逃げたくなるのに、でも、ちょっとだけ気持ちが良いことに気づくと、もっと触って欲しくもあった。

 

ザラッとした感触に、唇を舐められる。

それが、マロンの舌先の感触だったことに気づくと、頬が熱くなった。

唇。開いたほうが良いのかな? でも、それは、大人の、エッチなキスのやりかたで。

 

興味はある。だから決められない。

 

マロンが求めてくれるなら、受け入れる勇気はあっても、自分からそれを求める恥ずかしさは、一回抱かれた程度でなくせるものでもない。

 

唇を半分開き、やっぱり閉じようとして。中途半端を繰り返していると、ふいにマロンの舌先が、私の唇に挟まれてしまった。

 

驚いて、目を開いて。マロンが微笑んだのに気づく。

 

それが、なんだか悔しい。

 

からかわれてるみたいで、意地になった私は自分から唇を開いてみせた。

そんなんだから子供扱いされるんだろうなって、気づきもしないし、そんな余裕なんて何処にもなかった。

 

どうしたらマロンが喜んでくれるかだとか、どうしたら上手にキスが出来るかだとか、そんなどうにでもなる事よりも、胸のドキドキを抑え込むのに精一杯だ。

 

口の中に滑り込んできた、マロンの舌先が、私の舌先をつついてくる。

 

慌てて、驚いて、舌を引っ込めて。だけど、マロンの舌は無理に触れてこようとはせず。まるで、手を差し伸べるような距離感で動きを止めていた。

 

良いのかな? 大丈夫かな?

 

どのみち、我慢は長く続かない。舌を引っ込め続けていると、だんだんと疲れてきて、ほんの少しと緩んだだけで、マロンの舌に私の舌先が触れてしまう。

 

ただ、疲れただけなのに。自分から触っちゃったみたいで凄く恥ずかしい。

それを合図にしたのか。マロンはさらに舌を伸ばすと、舌っ足らずな私の舌が、まるで抱きしめられるみたいに、マロンの舌に絡め取られていく。

 

「ん、はっ…ぁ、ろ、はぁ…ん、んっ、ちゅぅ、ふぅ…ふぅ…っ」

 

驚いて、逃げようとして、だけど、少し離れた唇は、すぐにマロンの唇に蓋をされてしまった。逃さないように頬を抑えられ、更に深くマロンの舌が入ってくる。

 

なんだか、すごく、エッチなことをしているみたい。

 

ううん、紛れもなくそうなんだ。

 

心臓が、すっごくドキドキしていて、今にも張り裂けそう。

恥ずかしくって、逃げ出したくって、でも、止めて欲しくもない。

逃げる私を捕まえて、もっと、もっとと、愛して欲しくなる。

 

すとんっと、まるで落ちるように、体から力が抜けていった。

 

頬に添えられたマロンの指が、すぅっと首筋にまで流れてくる。

ゾクゾクとした、くすぐったいのに気持ちがいい。

そのまま肩を撫でられて、二の腕を、肘から下を、そして、恋人同士がするみたいに指を絡め合う。

 

「あ、はっ…や、だめ。マロン…まだ、お昼、で…お母さん、いつ帰ってくるか」

 

よろめいた体が、扉に支えられ、なんとか倒れ込まずに済んだ。

マロンを逃さないようにって鍵を締めたはずなのに、いつの間にか逃げられなくなっているのは私の方。

 

鍵を開けようにも、繋いだ手が離れない。

とんっと、扉にマロンの手が置かれると、彼女の顔がぐっと近づいてくる。

 

「それはなに? ダメだけどしてってやつ? ゆりかが読んでた絵本にもあったっけ? 強引にされる方が好きなのかな、キミは?」

「そうじゃなくって、お母さんに見つかったら大変だよねって、話で」

「ふーん、それだけ?」

「それだけって…あむっ」

 

また、頬に手を添えられて、あごを持ち上げられると、マロンに唇を塞がれてしまう。

 

本当に、それだけだった。

 

マロンの言う通りだ。抵抗してみせた自分に、興奮してないとも限らない。

だって、マロンにキスをされただけで体に力が入らなくなっちゃう。

普段、誰も触らない場所。お母さんだって触らないような場所を、マロンの舌に舐め回されていると、されるがまま、抵抗らしい抵抗もできなくなって、自分の体なのに、どうして良いか分からなくなる。

 

抵抗しないと。イヤって言わないと。

 

だけど、何も出来なかった。

 

お母さんに見つかったら、なんて言おう?

 

その心配はあっても、私を求めてくるマロンを拒める訳がない。

 

私が抵抗しないと見るや、頬を支えていた手が下に降りてくる。

首筋を撫でられ、服の上から胸に触れられた。脇腹を、お腹を、服の裾をめくられると、指先が中へと入ってくる。

 

ゾクゾクとした、ゾワゾワとした。

 

くすぐったくて、でも気持ちがいい。

 

ひやりと感じる部屋の空気に、興奮している自分の体に気づく。

お腹を撫でていた指先に、おへそをくすぐられて「あっ…」と、飛び出た高い声に顔を熱くさせられた。

 

少しずつ服をめくりながら、マロンの指先が服の中から上へと昇ってくる。

だんだんと、焦らすように、ゆっくりと。近づいてきた指先が、私のおっぱいの袂に触れた途端に「んっ…」と、小さく息を飲んだ。

 

このまま、前みたいに、ぎゅっとされちゃうのかな?

少し痛くって。でも、乱暴にされるのが、ちょっとだけ嬉しい。

 

想像した光景に、自然と太ももを擦り合わせながらも、けれど、思い描いた興奮からは遠ざかっていく。

 

私の おっぱい。その膨らみ始めた輪郭を、マロンの指先が辿っていく。触れるか触れないか、くすぐるよりも曖昧な感覚で、薄い肌を撫でられると、甘く痺れるようなもどかしさに胸が焦げ付くみたいだった。

 

指先が、そのまま脇の下まで伸びてくる。

 

人差し指、中指、薬指に、小指。そして、手の平が押し付けられると、親指の方からすくい上げるように、おっぱいを軽く持ち上げられた。

 

「ふぅぅぅ…ふぁぁぁぁっ、あ、んっ…ちゅっ、ゃっ、んっ」

 

ゆっくり、やさしく、大切にされる。

ちょっぴり強引に、少し乱暴にされるのとは違う快感に心が乱れる。

 

じんわり、じんわりと、頭がぼんやりとしていって、何も考えられないんじゃなくて、何か考えたそばから、何を考えていたのか分からなくなって。

 

だって、気持ちがいい。

 

さっきまで抱えていた、悩みとか、不安だとかで、あんなに胸が一杯だったのに、もう、その心配はないんだと安心できた。

じゃあ、これからのことは? お母さん、いつお出かけから帰ってくるか、わからないんだけど…。

 

そんな事も、もうどうでも良かった。

 

だって。

 

二人、繋いでいた手からマロンの指が離れていこうとするだけで、私は慌ててそれを引き止めてしまっていた。

ぎゅっと、力を込めて指を繋ぎ直し、彼女に回した自分の手を引き寄せる。

 

行かないで、止めないで、もっと、ちゃんと、愛して欲しい。

 

「ふふっ。離してくれないんだ?」

「っ…」

 

からかうように微笑むマロンが見てられなくて、ついと顔をそらしてしまった。

 

「そんな気持ちいい? 顔、すっごい赤くなってるけど」

「ちがっ…これは、だって、マロンがずっとキスばっかりしてるから…息が上がってて、だからで…」

「そうなんだ?」

「そう、だよ。そうでしょ?」

 

私のマロンが、私の知らない内に変な事を覚えてる。

なんか、変に格好つけてさ。乱暴にはしないけど、でも、どこか意地悪だ。

 

その原因は、多分に心当たりがあった。

 

私が読んでた少女漫画。

 

もし、マロンがそれを参考にしてるなら、だって、次にされる事は…。

 

「あっ…」

 

また、声が出てしまった。

驚いて、びっくりして、でも、少しだけ喜びに震えるような、そんな声。

 

もじもじと、太ももを寄せていたって、もう私の体には、ほとんど力なんか入っちゃいない。後ろに扉が無かったら、もう、すぐにでも膝から崩れてしまう程度だ。

 

マロンの足が、太ももの間に入り込んでくる。

 

足を開かされて、固い膝の感触が、私のお股を押し上げると、ドキンっと強い鼓動に胸を叩かれた。

 

「こういうの、されたかったんだろ?」

「ちがっ。あれは、漫画のお話で…私がっていうんじゃ」

「そう? なんか、いつも熱心に読んでるじゃん?」

「熱心とか、言わないでよ」

「でもさ、つまらなかったのは ゆりかだけじゃないんだよ? ボクがいるのに、ずっとそんな絵本ばかり読んでて、何度襲ってやろうかと思ったか」

「うっ…。じゃあ、分かるでしょ…? 私が、なんか、イヤだなって思ったの」

「分かるよ? だからさ?」

「んひっ!?」

 

変な声が出ちゃった。

 

マロンの膝に、私のお股が擦り上げられると、ゾクッとした感覚がお腹の奥から昇ってくる。でも、強い刺激は最初の一回きりで、そこからはまた、私の体を揺らすみたいに、ゆっくりと、あやすように優しく、擦られて、上に、下に、右に、左に体が揺れてしまう。

 

くちゅり、くちゅり…。

 

刺激がゆっくりな分だけ、自分の体の変化には敏感になっていた。

お股から聞こえてくる水の音。それは、耳からじゃなくって、肌を伝って頭に響く。

 

くちゅり、くちゅり…。

 

刺激される度に下着から溢れたヌルヌルは、太ももにも流れ出していく。

濡れた感触が、太ももの内側に広がると、広がっていたキュロットの布地がべったりと肌に張り付いてしまう。

 

私の体はもう、すっかりと、エッチの準備を終えていた。

 

けれど、それでもマロンは、私を可愛がるのを止めてくれなかった。

お股を膝で擦られながら、優しく胸を持ち上げられる。

 

ふわり、ふわり…。

 

マロンの温かい手の平で包まれながら、淡い膨らみを持ち上げられて、ふっと力を抜かれると、元の形にもどった おっぱいが、ふるっと揺れてしまう。

 

優しい快感に満たされる。

 

胸のドキドキが大きくなって、心臓が喉から飛びててしまいそう。

 

お股を膝で擦られながら、同時におっぱいを刺激されて、だんだんと、だんだんと、息が詰まって、胸が苦しくなって。

ふわぁっと、お腹の奥から膨らんだ快感に全身を満たされると、膝が震えて、立っているのももうやっとだった。

 

「気持ちよかった?」

「ん、はぁ、はぁっ…。うん…でも、マロンが…」

「分かってる。だから、もうちょっとだけ がんばって」

「…うん」

 

抵抗は、しなかった。

 

だって、マロンの手が離れていっても、不安に思うことなんて無くなっていたから。

 

ホックを外されたキュロットが、足元にストンと落ちた。

マロンの指がパンツに掛かる。下へとずらされて、そのまま脱がされると、

膝の間で丸まったパンツが、吸い込んだヌルヌルの重たさで、ふくらはぎにまでズリ落ちてくる。

 

「ちゃんと、掴まってて?」

「う、うん…」

 

マロンに促されるまま、肩に手を回し、少しだけ体を持ち上げた。

背中を、お尻を支えられて、つま先に掛かっていた自分の体重が、ふっと軽くなる。

 

「いくよ?」

「うん…。大丈夫、遠慮しなくても…あっ」

 

大きくなっていたマロンのおちんちんが、私の中に挿ってきた。

 

くちゅっと、入り口を押し開らかれる。

にゅるっと、中にそのまま挿ってくる。

 

身構えていた程の抵抗はない。むしろ、あっさりと思えるくらいに、私はマロンのモノを受け入れてしまっていた。

 

「痛くない?」

「うん。ちょっと、変な感じはするけど、マロンが挿ってるって、分かるから、うん」

 

何も言えない。

 

マロンのが私の中に挿ってる。あの夢みたいだった感覚に満たされると、彼女の体を抱きしめながら、自分の全部を預けていた。

 

ゆっくりと、中に挿ってくる。

ゆっくりと、外に出てってしまう。

 

挿ってきて嬉しくって、出ていかれて寂しくって。

 

私の中で、繰り返し、繰り返し、感情がごちゃまぜになると、ヌルヌルに変わった興奮が、繋がった二人の隙間から溢れて出てしまう。

 

「はぁっ、はぁっ、ゆりか…痛かったら、言ってね? ボク、んっ、はぁ…頑張るから、さ?」

「んっ、あ、ふぁ、あ、平気、だよ? もっと、強くたって、私…全然、んあっ♥」

 

快感に浮かされながら、曖昧な返事を返す私を試すように、意地悪をしたマロンがちょっとだけ強く、私を小突き上げてきた。

さっきよりも深くに繋がって、お腹の奥の行き止まりに、おちんちんの先が届くと、甘い痺れに体が震えてしまう。

 

「ゆりかさ、ほんと優しいよね? 今、ボクが…乱暴したって、はぁっ。絶対怒らないでしょ?」

「あははっ。そう、かな? まぁ、そうだね。怒りはしないけど、でも、拗ねちゃおうかな? マロンのエッチってくらいは言うかも?」

「そうだけど。勘違いしないで欲しいな? ボクがエッチなのは、ゆりかが好きだからで」

「じゃあ、したくなったらさ? ちゃんと、言ってね? はぁ…んっ、はぁ…一人で、また、さっきみたいに、誤魔化しちゃ、やだよ?」

「なにさ、エッチなのは ゆりかもじゃんか」

「そうだよ? マロンがそうしたんだから、ちゃんと可愛がってくれないとやだ」

 

マロンを抱きしめたまま、マロンに抱きしめられたまま。

マロンのモノを受け入れながら、私は彼女にキスをした。

 

ゆっくり、ゆっくり、体が上下に揺られている。

 

彼女のおちんちんの動きに合わせて、体が揺すられていると、お腹の奥から伝わってくる快感が、だんだんと大きくなっていく。

 

「はぁっ、ん、はぁっ…マロン、あ、ちゅっ…すき、すきぃ…だから、んちゅっ」

「ボクだって、ゆりかのこと、ずっと、ずっと、大好きで、ちゅっ、だからっ」

 

興奮が高まるに合わせて、彼女の動きが激しくなってくる。

女の子の部分に感じる快感が熱を持つにつれて、足に力が入らなくなってくると、私はぎゅっと彼女の肩に回した手に力を込めた。

 

チリリン、チリンっ…。

 

彼女の動きが大きくなると、首輪を飾る鈴の音が転がりだす。

この音が好きだった。子供をあやす おもちゃの様に、私にとっては、マロンの鈴の音が、一番に安心出来るものだった。

 

いつも一緒で、一番の仲良しで。

 

チリリン、チリンっ…。

 

マロンが一番近くにいてくれるだけで、私に怖いものは無くなってて…。

 

「あっ♥ はぁっ、ふぁっ、んっ、やっ、あ、あ、あぅ。まろん、わたし、もう、げんかっ、いっちゃい、そうで。だからっ、はぁ、んふっ、ふぅふぅ、んあっ、だめっ、そんな、ゃっ♥」

「いいよ、ほら? イッちゃいな、よっ。ボク、がっ。見ててあげるから、さっ」

「やだっ、やだぁぁっ。一緒っ、マロンと一緒じゃなきゃ、わたしっ。意地悪しないでよっ、マロンとっ、一緒が、ひゃっ、ん、はぁっ、んぁっ、いいのっ」

「意地悪って、言われても、さぁっ。ん、くっ、じゃあ、もうちょっと頑張って、くれないと…ボク、も、そろそろ、でそうだ、からっ」

 

こんっ、こんっ、こんっ…。

 

マロンに強くされる度、体の何処かが扉に当たって、ノックをするような音が響いていた。

 

その音が聞こえる度に不安になる。

 

今、もし、お母さんが帰ってきたらって、でも、だけど…。

 

何も考えられなかった。

 

ううん、何も考えたくなかった。

 

マロンと一緒に気持ちよくなりたい。

頭の中はそれだけで、それ以外に大切な事なんて何もない。

感じる不安でさえ、胸のドキドキを強くするだけで、早く、早くと、急かすように鼓動の音が強くなる。

 

「はや、くっ、はやくっ。マロン、マロンぅぅぅっ!」

 

お母さんが帰ってくるその前に。

 

早く終わって欲しくて、早くイカせて欲しくって、二人で幸せになりたくって。

マロンの体にしがみつき、自分から腰を動かしていく。

無意識に、だけど、的確に、自分の体から快感を引き出すような動きは、すぐに絶頂の予感を滾らせると、そのまま一気に私を限界へと押し上げた。

 

ビクビクして、ゾクゾクして、体の震えが止まらない。

 

頭が真っ白。全身が真っ白。

 

快感の衝撃で何も考えられないくせに、自分の中を刺激する おちんちんの感覚だけはハッキリと伝わってくる。

 

ビクビクして、ゾクゾクして、おちんちんの震えが止まらない。

 

私が達するのと同時に、きゅぅっと彼女のモノを締め付けると、敏感になった体は、その刺激をより強くに受け取ってしまう。

 

「あっ、はっ!! ふぁっ、あ、まって、まろん、わた、いま、いって、しげき、つよ、くって、あ、あ、だめ、だめっ、とまって、んあっ♥」

「とま、れる分け、無いだろっ! そんな、締め付けといてっ、ほら、いま、だすからさっ、ボクもっ、一緒に…くっ、あ、ゆりかっ、んあぁぁっ!!」

 

快感から逃げようとして体を浮かせる。

つま先をきゅっと閉じて、背伸びをするみたいに腰を持ち上げた。

 

だけど、マロンに腰を抑えられると、伸ばしたつま先が ぺたんと床に付いてしまう。その勢いのままに、おちんちんが、もっと深くに挿ってきた その瞬間。

 

ドクンっ…。

 

私の中で、強く、大きく、弾けるように、マロンのモノが震え上がった。

ドクンっ…。ドクンっ…。繰り返し、繰り返し、何度も、脈を打つように、震えた おちんちんから、熱い塊が吹き出すと、その刺激は私のお腹の中で、一気に広がっていった。

 

「あ、はっ、ぁっ。でて、マロンの、が。は、はぁっ、あ、あ、あ、やっ、また、んっ、ふあぁぁぁぁぁっ!!」

 

絶頂の興奮が冷めないまま、さらに強い刺激を受けた私は、耐えきれずにまた声を上げさせられていた。

 

もう、体を逃がす余裕さえもない。

 

ただ、マロンにしがみつくばっかりで、お腹の中に広がるマロンの熱を、ただ感じては、快感に悶えてしまう。

 

「くっ、あぁぁっ。ゆり、か…ボクの、全部…だし、くぁっ…!!」

 

抱きしめられて、抱きしめて。二人で抱き合って、一緒の快感に悶えて叫ぶ。

 

その瞬間が、何より幸せだった。

 

絶頂の波が過ぎ去った後も身動きが取れず、二人で荒い息を吐きながら、ゆるゆるとその場に崩れ落ちる。

 

なんか、なんか、すごかった。

 

何も分からないまま、仲良しした初めての時とは違ってて、マロンから伝わってきた、たっぷりの愛情が、私を惚けさせたまま離してくれない。

 

「はぁぁ…ふぁ、あ、はぁぁぁ…」

 

熱い、熱い、溜息を繰り返す。

 

なんど深呼吸を重ねても、胸はドキドキとしたままで、落ち着いたはずの絶頂をずっと忘れられず。その刺激を思い返しては、体がフルリと震えてしまう。

 

「ゆりか? 大丈夫?」

「う、うん。マロン、は?」

「ボクは…全然」

「そうじゃなくて…満足した? もう、後で、一人でしようとか思わない?」

「思わないよ。その時は、ゆりかにお願いするから」

「うん。約束…破ったら、イヤなんだから」

「ん、分かった」

 

チリンっ…。

 

力の抜けたゆりかの体が、マロンに胸元により掛かると、首輪の鈴が小さく揺れていた。

 

ー

 

「忙しい子たちね?」とは、母親の言葉だ。

 

そう言われてしまうのも、まぁ無理もないんだろう。

この間ケンカしてたと思えば、今度は必要以上にくっついて離れない。

どこか呆れるようでいて、責められてるというよりは、少しだけ嬉しそうな気もあった。

 

勘の良い母親のことだ。もしかしたら、ボク達の関係が少し変わった事にも気づかれてるのかもしれない。

だとしても。何も言われないって事は、見逃されてると思ってて良いんだろうか?

許されるかどうか別にしても、羽目を外しすぎないようにしておきたい。

 

その日の夜。

 

いつものように、二人で同じベットに入る。

 

「おやすみ、マロン」「おやすみ、ゆりか」

 

くすっと、同じタイミングで声を出したことに笑いあい、おでこを合わせて目を閉じる。

 

けど、眠れない。

 

胸のドキドキが少しだけ邪魔をしていたけれど、ボクの気がかりとはまた別の事だ。

 

「ねぇ、ゆりか?」

「なに、まろん?」

 

眠そうな声だ。昼間から仲良ししたせいで、ちょっとだけ無理をさせちゃったのかも知れない。

 

「ボクがさ? 母親とデートにいったらイヤ?」

「お母さんと?」

「うん、そう。なんかさ、ちょくちょく誘われるんだよね…」

「ああ、それ。デートっては言うけど、お出かけするだけだよ? 私もよく誘われるし、お母さん寂しがりだから」

「寂しがり…ね」

 

なんか、納得してしまう。

 

母親が寂しがりなら、その娘は甘えん坊か。

 

別に、イヤでもないんだけど。少しだけ、鬱陶しいと思う時はあった。

ゆりかが学校に行った後、ボクと二人きりになると、なにかにつけてボクに構おうとしてくるのも、娘の手が離れた事も原因だったのか。

 

「なに納得してるの? 甘えん坊なのはマロンもなんだから」

「むっ、別に…そんな事考えてなんか…」

「どうだか…」

 

勘が良いのも母親譲りか。これ以上勘ぐられては堪らないと、余計な考えを頭から追い出した。

 

「まぁ、良いけど。でも、行ったら行ったでさ。結構連れ回されて大変だよ? あちこち行くの、お母さん好きだもん」

「ふーん…」

「なに? 私にヤキモチでも妬いて欲しかった?」

「なっ、あ? なに…ボク、そんなわかりやすい?」

 

図星だった。

 

甘えん坊なのはボクも一緒だってのは その通りで。

行くならどうぞ? みたいな ゆりかの態度に、ちょっとだけつまらないと思ってしまったんだ。

 

「ううん、ぜんぜん。分かるようになるまで大変だったし、いまだって隠されると分かんないくらいだよ? だから当てずっぽうでーす」

 

微笑んだゆりかは、ボクの胸元に頭を乗せると、鈴を鳴らすように頬を擦りつけてくる。

 

「良いよ、行っても…。行ってもいいけどさ、帰ってきたら、いっぱい可愛がってくれる? たくさん好きってして?」

 

首輪の鈴をコロコロ転がしながら呟いた ゆりかは、少しイジケてみえた。

妬いて欲しいと思ったボクの気持ちを組んだのか、それはそれとして思う所があったのかは分からない。

 

だけど、ボクは単純なもので。そんな彼女の仕草を可愛いと思ってしまったんだ。

 

「うん、約束する」

「ほんと? 仲良しもしてくれる?」

「う、うん。頑張る…」

「そっか、頑張っちゃうのか、ちょっと大変そう? 私も頑張らないとね? にひひ…」

 

くすくすと、胸元で笑う ゆりかの吐息がくすぐったい。

彼女が笑う度に、首輪の鈴が転がって、なんだか からかわれてるみたいでしょうがなかった。

 

「ね、マロン?」

「うん」

 

上目遣いにボクを見つめ、顔を近づけてきた ゆりかが目を閉じる。

求められるまま、求めるままにボクたちはキスを交わした後、心地よさそうな ゆりかの寝息が、ボクの胸を温かくしてくれていた。

 

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