興味本位などで来るんじゃなかったと。
ただの噂なんだろと、軽い気持ちで。
そして僕たちは恐怖を体験することとなる。
今回の短編小説が初めての投稿となります。
まだ全く慣れていないのでよくわからないところなどがあると思いますが……見てくれるだけでも嬉しいです!
朝、窓の外から聞こえてきた大声で目を覚ました。
窓を開け下を覗くと僕の友人「カズ」がいた。
「おーい!ユウ!面白い噂を耳にしたんだが話を聞いてくれないか-!?」
「どうせいやっていっても聞かされるんだろー?」
「わかってるじゃないか!」
着替えをすまし、玄関に向かいカズを招き入れた。
(なんでわざわざこんな朝っぱらから、まだ八時だぞ。そんなにすごい話なのかな?)
いつも騒がしいカズがいつも以上に騒がしいので、僕もちょっと真剣になり。その話を聞くことにした。
「いいか?よく聞けよ?学校の裏に山があるだろ?その頂上に古ぼけた館があるらしいんだよ、そこに誰かが肝試しにいったみたいでさ、たしか四人組とかいったっけな?でも、帰ってきたのは一人だけだったらしい、その帰ってきた人はショックのあまりそのことについては何も話してくれないみたいで、結局何もわからずじまいだったらしいよ」
「……」
僕は少し考えてから口を開いた。
「……はぁ、朝っぱらから大騒ぎしてきたから何事かと思ったら幽霊話か」
「ええ!?反応薄いな!」
「だって噂話だろ?」
どうせ誰かが作った、ただの噂話でしかないだろう。ユウはやれやれとため息をついた。
「じゃあ嘘じゃないか確認してみようぜ!」
「......え?」
僕は一瞬固まった。
「だーかーら!俺とお前で確認しに行こうぜってことだよ!」
「………カズ、お前マジで言ってるのか?」
「ん?マジさ大マジ!もしかしたら本当かもしれないだろ!?」
純粋な子供のように目を輝かせカズが興奮気味に言ってきた。
「……」
ユウはもうこれは断るわけにはいかないなと思い、諦め半分に答えた。
「ーーわかったわかった、ついて行ってあげるよ僕も少しだけ興味が湧いてきたし」
「おぉ!それでこそユウ!決まりだな!」
「で、カズ、いつ行くんだ?」
少し考えてからカズは答えた。
「今から行こう!!」
「急だな、まぁ、別に構わないが……」
ここまで来たらもう行く以外に他ないな、少し興味はあるが、実は少し恐いというのもあるからあまり行きたいとは思わなかった。でも、カズもいるから多分大丈夫だろうと決心した。
「よーし!ユウ、そうとなりゃ早速出発しようぜ!」
こうして僕とカズは噂の館へと足を運んだ。
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僕の家から少し歩いたところに学校があり、その裏の山にその噂の館はあった。
薄暗く不気味な雰囲気を漂わせていた。
「おー、近くで見ると案外でかいんだな!」
「僕もこんな近くで見たのは初めてだよ」
その館は、大きいと言っても二階建てくらいの大きさで周りは木で覆われており、まだ昼間なのに夕方くらいの暗さだ。
「なんか、いざ来てみると少し緊張するな。ユウ」
「いや、カズがきたいっていったんだろ?入る前から怖気づいてるのか?」
「ばーかやろう!んなわけ無いだろー!武者震いだよ!武者震い!」
「……それは幽霊に合う前提の発言なのか?」
しかし、よく考えると、もし本当に幽霊に遭遇したらどうする、その四人組のうち一人しか帰ってきたという噂がもし本当だとしたらこのまま本当に潜入しても大丈夫なのか?
僕は今になって少し不安になってきた。
その時、カズが言った。
「おいユウ、見てみろよ。ドアが開いてる、先客がいるのかもしれないぜ」
「本当だ、しかもうっすらと人の足跡らしきものもあるね」
「よし!行こうぜ!」
「せっかちだなぁ、ちゃんと周りも警戒しながら進まないと」
「わかってるって!心配症だなぁユウは」
やれやれと思いながら僕とカズは館に足を踏み入れた。
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「お邪魔しまーす……」
館の中は薄暗く、思ったほど汚くはなかった。
今入ってきたところはロビーのようだ。そして左右に不気味に廊下がどこまでかわからないが伸びていた。
「なんか思ったより綺麗だったな、暗いけど」
「カズ、とりあえず入ったがこれからどうする?」
うーんと考えるようにカズは腕を組み少ししてから何かを思いついたらしく僕に言った。
「そうだな、とりあえずは探索してこの館の広さ的なのを調べるとこからにするか?」
「うん、それがいいかもね。じゃあ、右と左どっちに行こうか」
「じゃあ、俺は右を見に行くからユウは左の方を頼むよ」
……僕は黙り込んだ、なにか嫌な予感がする。まだ何かが起こると決まったわけではないが、何故かそんな気がする。このまま黙ってわかれると絶対にいけない、そう思った。
「ーーいや、単独行動は危険だ。二人で行動しよう」
「そうか?お前がそう言うなら……あ、ユウもしかして恐いからじゃないのかー!?」
「そうだ、いろんな意味で恐いからだ。だから必ず二人で行動しよう。約束だ」
「お、おう……ユウがそこまで言うなら仕方ないな」
これで少し僕の不安が落ち着いた。と、思ったその時。
「ギャアアアアアアアアアアアア!!」
館の中に悲鳴が響く。右の廊下の方から聞こえた。
「な、なんだ!?今の悲鳴は!?」
まさか!本当に幽霊が!?そんなことあるわけがない!あってたまるか!
僕はこのままでは危険だと判断し、カズに向かって叫んだ。
「カズ!このままじゃ危険だ!今の悲鳴聞いただろ!?もう外に出よう!」
「わかってる!もう帰ろう!そうしよう!!」
僕とカズは玄関に戻りドアノブにてをかけた、しかし。
「何でだ!玄関が開かない!」
「なんだって?そんなハズはーー」
開かない、いくら力を入れてもビクともしない。押してみたり蹴ってみたりしてみたが傷すらつけられない。
閉じ込められた。
「なんで開かないんだ!クソッ!」
「カズ!落ち着け!何かほかに脱出する方法があるかもしれないだろ?ここで冷静さを失ってはいけない!」
カズは少し黙って深呼吸をしてから言った。
「ーーすまん、取り乱しちまって……」
「大丈夫、でもここは少し危険だ悲鳴が聞こえた反対側の廊下の方に行こう」
「わかった、多分部屋とかあるかもしれないし。ここを脱出するヒントも見つかるかもしれないしな」
そうして僕たちは一旦そこから離れることにした。
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少し歩いていくと、右側と左側、二つの部屋が向かい合わせに並んでいた。
一応調べてみると、二つとも鍵はかかっていないようだ。
「また二択か……ユウ、この先からの判断はお前に任せるよ。たぶんユウの方が冷静な判断が下せるだろうしな」
「ーーわかった、じゃあ、左の方の扉から」
ゆっくりと除き込みながらドアを開けて、部屋に入る。
辺りを見回すと、農業機具や箱などがたくさん置いてあった。
どうやらここは倉庫のようなものらしい。
「こんな物があるってことは誰かが住んでるってことかな?」
カズが箱に腰をかけながら言った。
「どうかな、でもさっきの悲鳴を聞く限り仮に幽霊じゃないとしてもまともな奴が住んでいるとは思えないよね」
「確かになぁ、てか一体ここで何が起きてるんだ?」
しかしこれからどうする、さっきの悲鳴は?なぜ急に扉に鍵がかかったのか?本当にここから脱出できるのか?頭の中に色々と謎や不安が浮かび上がってくる。
脳内に色々な思考が飛び交い僕の頭を悩ませる。
どうすればいい?あの時は混乱していてあいまいだが、確か初めに入ってきたドアにはかかっていた気がする。いや必ずそうだ。あるに違いない。自分にそう言い聞かせカズに言った。
「カズ、僕の考えではあの入口は鍵を手に入れれば開けられると思うんだ。確信はないが、もしかしたらそれでここから脱出するかもしれない」
「そうだなー、それが一番現実的な考えだよな。下手にうろちょろしてなにか酷い目にあったりするよか鍵があるか探してみる方がマシかもな」
うんうんとカズが頷きながらつぶやいた。
「よし、決まりだね。じゃあとりあえずこの部屋から探してみようか」
「そうすっか」
箱の中を見たり、ひっくり返してみたり、農業機具などに引っかかってたりしないかなど手当たり次第倉庫を調べたがそれらしきものは見つからなかった。
「この部屋には無さそうだね。向かい側の部屋の方に移動しようか」
「そうだな、じゃ、向かい側の方に行くか!」
その時だった、僕がドアノブに手をかけドアを開こうとした瞬間、僕はその手を止めた。
なにか足音がする。
ピチャピチャピチャピチャと何かが張り付くような足音がロビーの方からこちらに向かって近づいてきている。
「カズ、今の足音聞こえたか?」
小声でカズに問いかける。
「あぁ、聞こえたぜ。人間の足音にしては珍しい音してたよな」
「ーーもしかしたら本当に幽霊なのかもね……ッ近づいてきた?」
二人はバレないよう、息を殺した。
冷や汗が出る、心臓がバクバクする。
『………………』
ピチャピチャ、とドアの目の前で止まった、僕の心臓も止まりかけた。
頼む、頼むからこっちには来ないでくれ!そう願った。
すると、足音はロビーのほうに向かっていった。
「ーー行ったみたいだ。なんとか逃れたね」
「ふぃー心臓爆発しそうになったぜー」
「じゃあ、気を取直して向かい側の方部屋に行こう」
互いに頷きながらドアに手を伸ばした。
ーーーーーーーー
ゆっくりとドアを開け廊下に出た。
そして向かい側のドアの目の前にきた。
「さっきのやつ、見た目はわからないがやばそうなのは確かだな」
「うん、もしかしたら幽霊とか化物かもしれないしね」
「だな、じゃあ次は俺がドアを開けてみるぞ」
「わかった」
カズがドアを開けようとした瞬間に独りでにゆっくりとドアが開き始めた。
僕とカズは少し後ろに下がり警戒しながら様子を伺っていると、ドアの隙間から何かが倒れ込んできた。
それを見た瞬間、カズと僕は凍りついた。
死体だ、しかも大量に血を流している。見た限りだとまだ血が流れていると言うことはついさっき殺されたとみて間違いない。
まさか、さっきの、悲鳴はこの人だったのか。顔が潰れていて良く分からない。
「おいおいおいマジかよ……!これマジもんの死体だぜ……!」
「本格的に不味くなってきたね、早く鍵を探そう」
この死体が出てきた部屋はヤバそうだから他の部屋にしようとカズに提案し、ロビーに向かおうと振り向いたとき『それ』はいた。
「クカカカカ」
見た瞬間、身体が固まった。
『それ』は鳥のような顔に全身が毛で覆われており、ナイフのような爪を持つ怪物だった。
「うわああああああ!!」
「な、なんだこいつは!?こんな生物見たことがない!」
その時、怪物が手に鍵のようなものもっているのに気がついた。
「カズ!アイツが持っているのって……」
「あぁ!玄関の鍵に違いない!」
「なぜコイツが持っているんだ……?」
少し疑問に思いながら相手を警戒する。
だがどうする!?鍵が見つかったのはいいがどうやってコイツから奪えばいいんだ!?と、解決策を頭の中で必死に探していると。『それ』の後ろからこっちに向かって誰かが走ってくる足音がする。
「だ、誰だ?まだなんかいるのか!?」
カズが不安そうに言う。
しかし、怪物ではなかった。斧を持った男性が『それ』目掛けて斧を振り下ろそうとしていた。
「死ねえええええ!!!」
だが、その斧が『それ』を切り裂かなかった。男が叫び振り下ろそうとした瞬間に『それ』のナイフのように鋭い爪がその男の腹を貫いたからだ。男の身体が固まり、手から斧が落ちた。『それ』が男の腹から腕を抜いた瞬間に、血飛沫をあげてその場に崩れ落ちた。
「ーーま、マジかよ……。あんな奴からどうやって鍵を奪えってんだよ……!」
「無理かもしれない、だけどそれしかない!」
「どうやって!?今の見ただろ!?一発で身体を貫く程の力を持ってるんだぞ!?」
僕は戸惑った。もうもしかしたらここから出るのは不可能なんじゃないのか、このままコイツに殺された二人とも帰れないのではないかと。駄目だ!マイナスに考えてはいけない!必ず生きてここから逃げ出すんだ!
相手も警戒してるのか、なかなか動かない。やるならチャンスは今しかない。
「ーーカズ、僕がアイツの気を引くからさっきの斧を拾って腕を切ってくれないか」
「な、なんだって?無理だそんなの第一そんなことしてお前が……」
「わかってる、もしかしたら失敗して二人ともここで終わりかもしれない、でもこれしか手段がないんだよ」
「ーーッ、確かにな……わかったよ!やるしかねぇ!」
カズも覚悟を決めた。
「よし、じゃあ行くぞ。1.2の3!!」
僕の合図とともにカズが横に走り、僕は奴の気を引く為に真正面から突っ込んでいった。
頭が恐怖と緊張で真っ白になった。
もう動き出した!今更引くことはできない!やるしかない!これでカズが斧を拾い上手くいけば鍵を手に入れられる!だから僕はめいいっぱい奴の気を引くことだけに集中しろ!
「おい化物!こっちだ!かかってこい!」
少し間を空けながら奴を挑発する。
「グガアアアアアアアア!!」
挑発に乗ったのか、こちらに向かってきた。
「今だ!カズ!斧を拾って!!」
「おう!」
合図とともにカズが走り、斧を拾うことに成功した。
まずは第一段階成功した。問題はこの次にコイツの腕にある鍵を奪って逃げられるかどうかだった。
「ユウ!もう大丈夫だ!離れろ!」
ハッとして僕は即座に化物から離れた。
奴が斧を拾ったカズの方に顔を向けた。
「お、おお?やんのか!?お、お前なんか恐くねぇぞ!!」
カズが少しビビリ気味に叫んだとき奴がカズに向かって走っていた。
「グガアア!!」
「や、ややってやるよ!か、かかってこいやぁ!!」
奴はカズに片腕を振り上げながら走っていった。
その瞬間、奴がカズの目の前でバランスを崩し倒れた。
僕とカズはその瞬間に何が起こったのか理解できなかったが、足元を見て気がついた。
血だ!さっき殺された男の血を踏んで滑ったのか!
奴はその地面に倒れた瞬間に手から鍵を落とした。
「ーーユウ!早く鍵を拾え!」
僕はカズの叫び声を聞きとっさに奴が落とした鍵を拾いその場から離れた。
「よし!ナイス!早く逃げるぞ!!」
僕とカズは必死に玄関に向かって走った。
しかしそう上手くは行かなかった。
奴が起き上がりこちらに向かって走ってくる。
「やべぇ!はやくはやく!!」
ようやく玄関の前にたどり着き鍵穴に鍵を差し込み、回した。
「よし!開いた!」
「よっしゃあ!早く出るぞユウ!」
僕たちは急いで玄関から出て全速力で山の下まで走った。
学校の前にたどり着き、後ろを振り向いた時にはもう奴は追ってきてはいなかった。
僕とカズは、助かった、とその場にへたりこんだ。
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それから数ヶ月が経ち、あの館が取り壊されることになった。
あの化物はなんだったのか?なぜあの館に住み着いていたのか?数ヶ月経った今でも鮮明に覚えているあの時のこと。
あの日以来、僕とカズは興味本位や浮かれ気分などで知らない場所などに探検に行くのはやめようと心に誓った。
雨の日になると思い出す、ピチャピチャなるあの足音だけがどうしても耳から離れなかった。
これを見てくださった方がいたら、この作品をただ目に止めて見てくれただけでも嬉しいです。前書きとだいぶ内容がかぶっていてすいません。