放課後。学力主体の特別試験が訪れた際にスムーズに対応できるように、と堀北や幸村の主導で不定期の勉強会が行われていた。
場所は図書館。メンバーは堀北、幸村、須藤、軽井沢、綾小路、篠原、池、そして俺、田中の8人だ。カップルで成績を伸ばそうとしている軽井沢綾小路ペアと、篠原池ペア。そして最近勉強に力を入れている須藤。
至って真面目に勉強する連中の集まりであるが、俺は勉強をするつもりなどハナから0だ。
当然その目的は――
「ねぇねぇ清隆~この問題はどうやればいいの?」
「悪いが俺は分からないな・・・・確かその分野は堀北が得意だったはずだ」
「あたしは清隆に教えてもらいたいの~」
「あら、つれない彼氏さんね。数学満点はまぐれだったのかしら。それで軽井沢さん、どこが分からないのかしら?」
堂々といちゃつく2人。皮肉を交えつつそこに入る堀北といった形。
「さつきー、これ分かるか?」
「どれ。ふーん、えーっと、ふぅーん。・・・・あんたちょっとは自分で考えたら?」
「なに――さつきだってわかんねえんじゃねえかよ!!」
「あんたよりは分かってるから!」
「おいおいお前ら、ここ図書館なんだから騒ぐなよ」
喧嘩するほど仲がいい(のかは知らないが)、揉めそうになる2人を宥めようとする須藤。
「今の俺なら教えてやれるかもしれねぇ。どれ、見せてみろよ」
そういって池と篠原の間に割り込み、須藤は問題集を覗く。
誰かに勉強を教える須藤なんて、入学当初の堀北クラスでは想像もつかなかった図式である。
―――と。そろそろ頃合いだと感じた俺は、堀北の背中に目を向ける。
背後からのねばつく視線を察知してか、堀北はすぐにこちらを振り返る。そして目が合う。
その目つきは険しく、『まさか他のクラスメイト達がたくさんいるこの状況で、変な命令をするんじゃないわよね?』とでも言いたげである。
俺に言わせれば半分正解で半分不正解である。
俺は軽く手を挙げて、
「すまん堀北。ちょっといいか?」
「何かしら?」
堀北は言わんとすることが何かを理解している。だがあくまて、この場では分からないフリをしているのだ。
「ちょっと勉強のことで込み入った相談があってさ。その――恥ずかしいからさ、もしよかったらみんなから離れた所で聞いて貰えないか?」
「分かったわ――ごめんなさいね、軽井沢さん。ここまで教えれば、もうあとは1人でできるわよね」
ここで『勉強の相談別に今じゃなくてもいいんじゃないかしら?』と、無意味に話を引き伸ばし、俺に関係性を暴露されることのリスクヘッジをした堀北の判断は、やはり聡明といえる。
「う、うん、ありがとうね。堀北さん」
堀北に感謝を述べ、綾小路の方に向き直る軽井沢。
「じゃあ、行きましょうか」
立ち上がり、図書館の一番端へと歩き出す俺たち。
少し離れたところで堀北は俺に肩を寄せ、不満そうに言う。
「あなた――TPOは弁えなさいよ・・・・」
「なんだTPOって。まさか堀北、チンポの略――ぐへっ」
ふざける俺の脇腹に、強烈な肘打ちが飛んでくる。
「まあ――図書館でエロい事をしてるのがバレたら、不純異性交友で重い処罰が下されるは理解してる。それが堀北のもっとも避けたいことだということも。だからこそ、絶対にバレないように堀北が頑張る必要がある」
「要するに、私が声を押し殺せばいいという事ね・・・・」
不安げな堀北。確かに昨日も、俺に乳首を弄られて快楽のあまり大きな喘ぎ声を漏らしていたな。
「今日はその心配は無い」
はて、と堀北は首を傾げる。性奴隷の立場で、今日も自分が奉仕されるとでも思っているのだろうか。こう見えて意外と欲深いのかもしれない。
そして図書館の端へと到着する。皆が勉強している場所からは本棚数個分離れており、まともにしていればこちらで何をやっていようともバレることは無いだろう。高育の図書館は勉強スペースも兼ねており、その都合で話し声も許可されているため、多少の水音等は気にならないはずだ。
「じゃあ早速だが。しゃがんで膝立ちになってくれ、堀北」
ガチャガチャとベルトを外し、ズボンを脱ぐ。
ボロン。俺は勢いよくパンツを下げ、堀北の前にムスコをさらけだす。
「っ―――」
図書館の中で男子生徒に男性器を見せつけられる――普通なら狂気極まれりな状況だが、非日常に順応しつつある堀北の動揺は薄い。
まだ弱々しい俺のムスコ。いわば愚息の状態だ。
「まず元気にしてもらっていいか?」
堀北は頬を赤らめつつ、上着を脱ごうとする。
だが――
「いや、今日は服を脱ぐな」
万一他の生徒がこちらに来た場合の対策として、そう命じる。
「分かったわ――」
堀北は手によだれを垂らしてから、俺のチンコに触れてくる。
昨日の調教が効いたのか、堀北のスキルは着実に進化している。
ぐちゅり、ぐちゅり。俺の愚息は瞬く間に大きくなった。
勃起に合わせ堀北は更に手の速度を早めようとするが、俺は腰を引いてそれを制止する。
「――何かしら? それじゃ捌けないのだけれど」
「堀北、今日は口で俺のチンコをしゃぶれ」
目を見開く堀北。
「うっ――想定はしていたのだけれど、いざやれと言われると相当の覚悟が必要なものね・・・・」
俺のバキバキになったチンコを見て、堀北はそう呟く。
「できないのなら動画をばら撒くまでだぜ?」
そう言われてはどうしようもない。
「くっ――相変わらずこんな卑劣なやり方に屈している自分自身が情けなくて堪らないわ――」
そういって、堀北は恐る恐る俺のチンコに舌を近付ける。
れぇ、と亀頭に生暖かい感触が走る。
それから順に、チロチロと細長い舌が俺のチンコを舐め回す。
「ちゅ・・れぇ・・・・」
甘い快感の波が断続的にこちらに押し寄せてくる。
が、その波は俺を包むまでには至らない。ただ舌を這わせるだけの刺激では、到底射精などできるはずがない。
「堀北、口を窄めてくれ」
堀北は言われた通りに、小さな口をしっかりと丸にする。
そして俺は堀北の後頭部を思い切り掴んで――
「んぐぅ・・・・はぶっ・・・・ぐぅ!?」
堀北を喉穴便器に見立てて、イラマチオをする。前に後ろに前に後ろに。乱雑に、オナホールのように扱っていく。
ただ舐めるだけとは打って変わり、ジャンキーな快感が背筋をゾクりと駆け抜けていく。
「じゅる・・じゅる・・・・ぐぼぼぼぼぼぼぉ」
端正な顔が、ちんぽで醜く歪んでいる。堀北が今の自分の顔を見たら泡を吹いて倒れるだろう。
イキそうになったところで俺は堀北の頭から手を放し、チンコを引き抜く。
「ちゅぽ・・・・もう、落ち着いたのかしら?」
「んなわけないだろ。まだ出してないんだからな。最後は堀北に自主的にしゃぶってもらおうと思ってな」
堀北は眉をひそめる。
「私を物みたいに扱った挙句に、ね――全く、悪魔の様なやり口ね」
俺の堀北に対するプロセスの意図を理解したのか、そんなことを呟く。
「御託はいいから、さっさとしゃぶれ」
「言われなくても・・・・んっ」
パクりと、俺のチンコを口いっぱいに頬ばり、フェラを再開したその瞬間――
「堀北さんたち、何してるんだろうねー」
「ね、相談っていっても、普通そんな長引くかな? 教師との面談じゃあるまいし」
カタカタと、2つの足音がこちらに近づいてくる。声の主は軽井沢と篠原だ。
堀北は大きく肩を跳ねさせて、すぐに俺のチンコから離れようとする。が、俺はそれを許さない。堀北の肩をガシリと掴む。
「ジュルる・・・・ふぅーつ、ふぅー、ひのはらさんたひがきへるからぁ!!」
「バレたくないんなら、俺を早くイカせるしかないぞ」
焦燥と羞恥と怒りとが混ざりあって堀北の表情は濁っていく。この表情が、たまらなく好きだ。
「ぐ――ふぅ・・れぇ・・・・わはった、わよぉ・・・・」
ぐちゅぐちゅ、れろれろ、じゅぼじゅぼ。器用な堀北は水音でバレないようにと、なるべく音を抑えつつ、それでいて刺激は更に強めていく。
足音は更に大きくなる。
「らひて・・・・早く、らひて・・・・!!」
その言葉に導かれるように、俺は一際深く堀北の口の中にチンコをねじ入れる。精液がぐんぐんと上昇しているのを感じる。
「イクぞ――!!」
そして喉奥深く、
ドビュルッ、ビュル、ドク、ビュルル――!!!!
「ングッ――!?!? ガハッ――ゲホ、ゲホ・・・・」
大量の性液が喉に絡みつくのが苦しいのか、ごほごほと咳き込む堀北。
「ふぃー気持ちよかった。ところで堀北、それ全部飲み込めよ」
パンツとズボンを上げながら、俺は堀北にそう命じる。
絶対に無理よ、と言わんとして首を横に振る堀北。しかし俺は目で『これは命令である』と堀北に刻み込む。
「ンクッ、ンンッ、ンクッ・・・・ゴクッ・・ごぷ・・これで・・いいのかしら?」
堀北はゆったりとだが、全て飲み干してくれた。じっくりとお掃除フェラをさせたいところではあるが、そうやらそうもいかないらしい。
タイムオーバーだ。
「やっほー堀北さんたち。遅いから心配して迎えに来ちゃった。って――なんで床にしゃがみこんでるの、堀北さん?」
怪訝そうに堀北を見る軽井沢。その目は疑念ではなく疑惑に満ちている。それにどこか少し楽しげだ。
しかし俺たちの行為は100パーセントといっていいほど軽井沢にはバレていないはずだ。
冗談で俺たちをいじくっているのか、それとも――
俺は脳内で数パターンのシナリオを展開する。この場を乗り切ることを用意だが、あえて沈黙を選択する。堀北がどの筋書きを採用するのかは単純に見ものだからだ。
「恥ずかしいところを見られちゃったわね」
軽井沢はやや口角を上げる。
「恥ずかしいところ? それってつまり――」
「そう、私としたことが高いところにある本を取ろうとして、うっかり足を滑らせてしまったの」
なるほど、ここでもっとも単純明快なアンサーを出す堀北。
「ふーん。田中君の相談を聞くってのに、なんで本を取る必要があるわけ?」
「簡単な話よ。田中君の相談に対しては、その本に書いてあることを伝えるのがもっとも効率的と考えたからよ」
そういって堀北は、本棚上部にある分厚い本を指さす。タイトルは『公共倫理と人間について』いかにも小難しそうな作品名だ。このチョイスは非常に上手い。勉強の苦手な軽井沢にしてみれば、『優等生である堀北が、自分では理解できそうもない難解な本を話題に挙げる』それだけである種の説得力が生まれるからだ。
「どうしてこの本が田中君の悩みに有効なのか――そもそも、それを説明するにはまず田中君の悩みの内容から話さなければいけなくなるわね。相当長くなると思うのだけれど・・・・軽井沢さんのつまらない妄想を否定するには、それに付き合ってあげても構わないわ」
まくしたてるように言う堀北。説得術としては二流だが、即興にしては悪くない。
沈黙する軽井沢を横目で見る篠原。
フェラしていた事実を覆い隠す逃げ道を考え付き、その上で周辺にある本に目を配り、軽井沢のパーソナリティを理解した上で言葉を選択していく。
散々俺に弄ばれた後に、この短時間でここまでの情報処理を行う堀北には素直に感心する。
「なるほどねぇーひとまずは理解したわ。でもさーそれにしても、なーんか腑に落ちないのよね。なんだろうな。そう思わない? 篠原さんも」
「確かに思うところはあるけど、それより・・・・軽井沢さんってもしかして――そういうシチュエーションのえっちな漫画とかよく見てる系? って思っちゃった」
「なっ、なんなのよそれ! べ、べつにそんなんじゃないんだから!」
分かりやすく動揺する軽井沢は、まず間違いなくむっつりだ。
「そういうことだ。俺たちにやましいことなんて一切無い」
こちらに傾いた場の流れを利用して俺はきっぱりと断言する、嘘を。
「ええ、その通りよ。私の名誉を毀損するような妄想は控えてもらいたいわ――それと、勉強会の主催が長く席を外すというのも恰好が付かないものね。流石にそろそろ戻るとするわ」
そういって堀北は、軽く手を挙げてから足早にテーブル席へと戻っていく。
「誤解を招くようなマネをしたことは悪かったな。それじゃ俺も、今さっき堀北に教えてもらったことを参考して自分の勉強に戻るとする」
* * *
数分先に戻っていた堀北は、何やら既に須藤を指導していた。
「あーそういうことか。ようやく理解できたぜ――って鈴音、何か口元に黒い・・・・毛? みてぇなのが付いてるぜ」
普段、人並み以上に身だしなみに気を配っている堀北だ。
まさか自分が縮れ毛を付着させたままにするミスなどハズはないと、口元にゆっくりと手を伸ばす。
「ホントだわ。私にしては珍しいわね・・・・あ――っ!?」
急に何かを思いだしたように、ビクりと跳ね上がる堀北。ようやくその正体に気付いたようで。
そして俺はニヤリと笑う。
「あー須藤。それ俺のチン――」
「――ごほん、なんでもないわ。今のは忘れてくれるかしら、須藤くん」
暴露されると思って焦った堀北は、いきなり俺の頬を勢いよくつねってきた。
「分かったけどよ――鈴音と田中ってそんなに仲良かったか?」
堀北が俺にスキンシップを取ったことを見て不思議そうにする須藤。まあそれも無理はない。
「えぇ。最近ケヤキモールとかでバッタリ会う機会が多くてね。それで少し話す仲になったのよ」
堂々ともっともらしい嘘を吐く堀北だが、その目は微かに泳いでいる。
こういうところのポーカーフェイスが完全ではないところは、まだまだ未熟だな。
第一、こんな些細な動揺を不思議に思う人間なんていないだろうがな。
* * *
その後、勉強会はつつがなく進み、図書館の閉館時間ギリギリに解散となった。
当然先程の秘め事は、俺と堀北の2人以外は誰も分からない、分かってはいけないはずだ。
しかし――気付かれていないと思っていたのだろうか。それともあえてなのか――??
定期的に俺と堀北に向けられていた、
綾小路清隆。超高難度の数学の筆記試験満点や満場一致試験で明らかになった。ヤツの実力の底はまだ計り知れない。
――俺と堀北の関係性を継続させるには、綾小路の掌握も必要十分条件なのかもしれないな。