プリマドンナ~TS転移娘がふたなりサキュバスに堕とされる話~ 作:Sfon
短い休み時間も後半になると、教室の前に大きなスクリーンが持ち込まれ、教壇には簡易的なベッドが設置された。大きめの背もたれがついていて、体を預けられるようになっている。ベッドはあるのに掛布団は無く、枕だけ乗せられており、まさかこれから昼寝をさせてくれるわけでもあるまい。次の授業で使うのだろう。
普通の授業でないことはすぐ分かったけど、じゃあ何の授業をするのかと考えれば想像がついた。ここはサキュバスの学校で、オレはメス。どうせえっちな授業なんだろう。できれば予想が外れてほしいと願いつつ、ニカさんに聞いてみると。
「セイギよ」
「正義?」
「性の技術で性技。要はセックスの授業よ」
「あぁ……やっぱり」
残念ながら、想像の通りだった。いくらニカさんがオレのことを大事にするつもりだと言っていても、授業のカリキュラムには逆らえないだろう。こんな世界では処女喪失だってお食い初めくらいのノリで済ませたっておかしくない。みんなの前で裸に剥かれて『今から犯すわね』とか言われたりして。
昨日はニカさんから最後までされることは無かったし、まだ先なんだと思っていたけど、今日みんなの前で処女を散らすのだろうか。そうと決まっているわけでもないのに、オレの気分はすっかり落ち込んでしまっていた。
(ニカさんと二人きりで初めてを済ませるのは無理だったかぁ……)
そんな考えが湧き上がり、それを自覚した瞬間、熱が首筋から駆け上がり、顔が熱せられた鉄板のように熱くなる。オレは今何を考えた? 自分がニカさんに犯される場面を想像し、当たり前のように彼女を受け入れる立ち位置に自分を置いていたんじゃなんじゃないか?
(体に流されすぎだろ、この姿になったのは昨日だってのに、なんでもう犯される立場を受け入れてるんだ!)
えっちなことをするくらいどうってことないはずなのに、初めてを特別なものだと意識してしまう。クラスメイトみんなの前で処女を奪われるのは嫌だと思ってしまう。そんなのおかしいだろう、オレは男のはずで、セックスなんて性病にかからなければ拒むものでもないはずなのに。でも、頭の中に浮かぶのは、もっとムードのある場面と場所で初体験をしたいって願い。頭を振ってそれを振り払おうとしたら、隣に座っているニカさんがオレの肩を抱き寄せた。
「ひゃぅっ⁉」
急に体を触られて、すっかり固まってしまう。結局のところ、中身のオレは女に不慣れな男のままなのだろうか。頭がすっかり女のものになっているのだとしたら、これくらいどうということはないだろうに。花のようなふんわり甘い香りが漂ってきて、柔らかいニカさんの体の感触にドギマギしてしまう。
「緊張しなくても大丈夫よ。今日は本番どころか、服も脱がないから」
「あ、そうなの?」
「そうよ。今のうちに説明しておいた方が良いわね」
ニカさんが取り出したのは、薄い冊子。渡されたので手に取れば、表紙に『性技シチュエーション一覧』と書かれていた。開いてみると、『体の開発』やら『四十八手』やら『特殊プレイ』やらと大きく括られたカテゴリがあり、さらにその中に、『体の開発』であれば『乳首開発』などのような細かいシーンがご丁寧に写真付きで記載されていた。
「この中から、毎回最低一つのシチュエーションを選んで実施するの。今日しようと思ってるのは、これね」
ニカさんが開いて見せたのは、『乳首開発』と『クリトリス開発』のページ。それぞれチェックボックスが設けられており、『オナニー』『着衣での実施』『脱衣での実施』『おもちゃ』といった項目がある。つまり、ニカさんはこの二つの開発について、着衣での実施を行うよ、ということだろうか。
なるほど、あくまでメスはプリマドンナの持ち物だから、いくら学校と言えども授業内容を強制することはできないと。だから、『プリマドンナが授業内容を選んだ』という建前の元で進めるのだろう。
「マンネリ防止のために、基本的には内容を被らないようにするためのものね。とりあえず一年間で一周することになると思うわ」
「一周って……この本に書いてあること、全部やるってこと⁉」
パラパラとページを捲ってみれば、当然のようにSMプレイとか、ソーププレイとか、あまりにも恥ずかしいものが記載されている。それらは読むだけでも顔が熱くなるほどで、まさか自分にできるとは思えなかった。
「大丈夫、簡単なことからゆっくり進めれば、ミーナにだってできるわ。それに、食わず嫌いはいけないことでしょう? えっちだって同じよ。してみないと好き嫌いすら分からないじゃない」
「それは、そうかもしれないけれど……!」
「本当は私だけのミーナにしたいけど、そうもいかないのよ。だから、ね? おねがい」
慌てているところに叩き込まれたニカさんのセリフは、オレを惚れさせようとしているのかと思えるほどに効果抜群だった。自分はまだ男の思考を保てているのだろうか、それとも女に染まり始めているのだろうか、そんな不安が彼女の魅力で上書きされる。頭を殴られたような衝撃が走り、脳内で『私だけのミーナ』が反響して、返事するのにたっぷり十秒くらいはかかっただろう。
「とりあえず、今日は裸にならないってことだね」
「ええ、そうよ」
「……わかった」
安心とまではいかないけれど、今日のところはひとまず何とか耐えられそうだ。昨日の夜ニカさんからしてもらったことを考えれば、あれよりずっとライトなえっちだろう。しかし、明日はどこまで進むか分からない。女の子としての自分の体にまだ慣れていないのに、そんな状態でみんなの前で裸にならないといけなくなったら、きっとパニックになってしまうだろう。問題を先延ばしにしただけだから、何とか今日でこの体に慣れないといけない。
いや、別に男の矜持を捨てるわけではない。ただ、今の生活に適応しないと困るのはオレ自身だ。『オレは男だ』とか言って変に抵抗したところで、どうせニカさんの鶴の一声で無理やりいうことを聞かされるんだから。それに、あの本に書いてある内容は半分以上が本番行為前提のもので、確率だけで言えば、明日処女を散らしてもおかしくない。そんな不安がよぎったのすら、ニカさんにはお見通しだった。
「流石に、いきなり本番とかしないわよ。授業でするのは最低でも再来週からね」
「そうなんだ……良かった」
「なによ、私とするのが嫌? ……冗談だから、そんなに怖がらないで。ね?」
自分の精神が女に引っ張られていることにモヤついていたら、もう授業が始まる時間になっていた。教室に先生が入ってきて、ベッドに上がるようオレたちに指示を出す。二人並んでベッドに腰かけると、ベッドの隣に置かれたスクリーンにオレたちが映し出された。教室の後ろにあるカメラが俺たちのことを撮影しているようだ。
先生が長々と『ニカさん以外は手を出さないで見るだけ』とかいろいろ注意事項をしゃべった後、唐突に手綱がニカさんに渡される。
「では、始めてください」
「じゃあ……ミーナ。とりあえずこっちを向いてくれる?」
隣に座っているニカさんへ顔を向けると、両頬に手が添えられた。軽く顎を持ち上げられ、ニカさんと目が合う。オレよりも背の高い彼女を見上げる形だ。相変わらず可愛い顔をしている。碧い瞳がオレのことをじっと見つめていて、それだけで顔が熱くなってしまう。
ちらりと目線を教室に向ければ、クラス中のサキュバスがオレたちのことをジッと見ていた。教室の後方にあるカメラも妙な威圧感があって、首筋がぞわぞわする。
(い、いきなりか。人前でファーストキスだなんて……)
思えば、昨日はキスすらしないでえっちをしたのだった。貞操観念はどうなっているんだと言いたくなるけれど、この世界においてはその順番なんて些細なことなのだろう。でもやっぱり、オレにとっては、初めてのキスはもっと大切にしたかった。何をするにしても、『最初』というステータスは記憶に強く残る思い出の筆頭なのだから。
「ちゃんと、私の目を見るのよ」
「ひぁっ♡ ご、ごめん……」
耳を撫でられ、思わず肩をすくめて感じてしまう。くすぐったいだけではない、確かな性的快感が首筋を走り、微かに声も漏らしてしまった。ニカさんにしてみれば、もっとオレに集中してほしいんだろう。これはオレが悪い。恥ずかしいけれど、きちんと向き合わなくては。
気合を入れてニカさんの目を見つめれば、その中には顔を赤くして潤んだ眼をしている黒髪ロングの美少女が居た。これが今のオレ。まだ飲み込めてはいないけれど、ニカさんの前にいるのはオレしかいない。あまりの恥ずかしさに泣いてしまいそうだ。
「じゃあ、するわよ」
「こ、こいっ!」
ゆっくりと顔が近づけられ、あまりにも整ったその美少女面が眩しくて目を閉じる。唇に力が入っていたら良くないだろう、鼻息が荒くて彼女の顔にかかったら嫌だ、などと思考を加速させて受け入れ態勢を整えた。キス顔なんて作るのは初めてで、しかも自分からするんじゃなくって人のを受け入れる立場になるなんて思ってもいなくて、心臓がバクバクとうるさい。
(よし、いつでもっ……!)
一秒待つだけでも逃げ出したくなるくらいに恥ずかしいのに、いつまでも唇に何の感触もやってこなくて泣きそうになってしまう。でも、不意に目を開けてそこにニカさんの顔があったらと思うと動けなくて、そのままずっと待っていると、不意に耳元でニカさんの囁く声と吐息が。思わず肩をビクつかせ、首筋にゾワッとした痺れが走る。
「今日は初めて人前で体に触るけど、絶頂してくれないと私のメンツが立たないわ。上に立つものとして、ナメられるわけにはいかないの。ナメられたら私だけじゃなくて、ミーナにも危害が及んじゃうんだから、受け入れてよね」
言っていることは理解できた。メスを絶頂させることすらできないサキュバスなんて、いくら勉強ができたところで軽視されるだろうし、力の弱い主人を持った奴隷がどうなるか考えればその重要さは分かる。でもオレは何と返事すればいいか分からなくて、ただコクリと頷く。
「ありがとう、それで充分よ」
優しい言葉を残したニカさんの熱が耳元から遠ざかった。さらりと唇が撫でられ、頬にニカさんの吐息がかかる。ミントのような、爽やかなにおいがした。きっと、今からキスされる。そう確信した。その次の瞬間、ニカさんの唇がオレの唇に重なり、そっと吸われる。
ちゅっ♡ ちゅぅっ♡
ニカさんから貰う初めてのキスは、桃のリップの味がした。ニカさんの唇の暖かさや柔らかさが、体の中でも敏感な部分でしっかりと感じ取れて、しかも彼女と顔が近いからフワッと漂うニカさんの香りまで頭に注ぎ込まれる。
(うわ、キスって、こんな感じなんだ……)
唇が押し付けられ、離され、また押し付けられる。上から落とされるキスを無抵抗に受け入れると、理性がゆっくりと溶かされていくような感覚。手をどこに置いておけばいいか分からずにいたら、ニカさんがオレの背中に腕を回してくれた。オレもそれを真似して、恐る恐るニカさんを抱きしめる。可愛い女の子の体に手を回すなんて、それだけでも手が震えてしまいそうだ。
その震えをニカさんが感じ取ったのか、ニカさんはオレの背中を撫で、後ろ髪を撫でてくれている。頭のてっぺんからうなじへと指で髪を梳かれ、心地よさに思わず喉を鳴らしてしまった。おかげで手の震えは少しずつ収まり、体のこわばりも取れていく。
ちゅぅっ♡ ちゅっ♡ ちゅ~っ♡
数分ほどはそうしていただろうか。腕が解かれ、ニカさんの香りが遠ざかった。ゆっくりと目を開けると、頬を染めた彼女がこちらを見ている。
「ミーナの唇、とっても柔らかかったわ。キスだけでそんなに顔を蕩(とろ)けさせるなんて、随分と快感に弱いのね」
「……キス、初めてだったから」
ふんわりと笑みを浮かべるニカさんに見つめられると、顔がカッと熱くなってしまう。きっと耳まで赤くなっているだろう。横髪を耳にかけられて、指先で耳の縁をなぞられると、熱っぽい吐息が漏れてしまった。
お互いの信頼や愛情を確かめ合うための、優しいキス。ただ唇を合わせただけなのに、心の底から幸せがあふれてくる。昨日会ったばかりなのに、まるで何年も一緒に過ごしてきたように錯覚してしまうほど。深い深い愛情が伝わってきた。
(あぁ、オレは、ニカさんのことが本当に好きなんだな……)
お互いのことをまだまともに知らないのに、好きという感情だけが先走って、頭を支配する。見た目が好きなだけだったら、ここまで心が揺さぶられることは無いだろうに。オレは一体、ニカさんの何に惹かれているんだろう。
「あら、耳もこんなに真っ赤にして。ゆでだこみたいってこういうことを言うのかしら」
クスクスと笑われて、ニカさんに顔を向けていられない。視線をニカさんの首筋まで下げると、ニカさんの腕が再びオレの後頭部と背中に回され、ゆっくり抱きしめられた。ニカさんの胸の中にオレの顔が取り込まれると、頭の上で深呼吸をする音が聞こえる。
「ミーナ、とってもいい香りがするわ。甘酸っぱい女の子の香り」
「ちょっ……やめっ、恥ずかしいだろっ……!」
体臭を思いっきり嗅がれて思わず、臭くないかと体がこわばってしまう。お風呂に入ったのは昨日の夜だし、寝汗をかいてたらどうしようとか、登校するとき走ったよなとか考えてしまうけれど、実際のところはそれらは関係ないはずだ。だって、この体は汗をかかないし、老廃物も出ないんだから。でも、恥ずかしいものは恥ずかしい。ニカさんの腕の中から逃げ出そうとするけれど、体にはまともな力が入らないし、ニカさんの抱きしめる力は思った以上に強くってびくともしなかった。
「大丈夫よ。シャンプーの匂いと、後はミーナの匂い。私好みの、とってもいい匂いしかしないから」
そうしてギュッと抱きしめられると、オレの顔がニカさんの胸に押し付けられるわけで、オレよりずっと大きな胸に顔が沈み込む。息を止めているわけにもいかず、ニカさんの胸の中で鼻から息を吸うと、花のような柔らかい香りが胸いっぱいに広がった。
(なんだろう、暖かくて、柔らかくて、ちょっと眠くなってくる……)
胸に抱かれて頭を撫でられていると、幼い頃に戻ったみたいだ。全身の力が抜けて、多幸感に包まれる。こんなに安心できる気分なのはいつぶりなんだろう。思えばいつしか、一人で立派に過ごさないといけないと気張って生きるようになっていた。人に迷惑を掛けないように、弱さを見せないようにと、肩から力を抜く暇がなかった。それらの緊張が今、ニカさんによってゆっくりと溶かされていく。
まだ男の癖が残っていて心の底から甘えることはできないけれど、形だけでもニカさんに身を任せることで、精神的な重荷がするすると抜け落ちていった。男なら堂々と立っていないといけない、パートナーを守らないといけない、そんな使命感という名のプレッシャーから解放された。
今のオレの立場では、ニカさんに甘えても白い目で見られることはない。それに一度気づいてしまったら、男としてのプライドなんて簡単に崩れていってしまう。ニカさんに思いっきり抱き着き、頬ずりをすれば、全身にゾクゾクとした快感さえ走るほど。ここが自分の身の丈に合っている場所、ニカさんに守ってもらう存在として相応しい場所なんだと認めてしまった。
「よし……じゃあ、靴を脱いでベッドに上がって、私の前に座って」
もっとこのまま抱きしめてもらいたかったけれど、そんなわがままは言えなかった。言われるがままに靴を脱ぎ、教室のみんなに見えるように、みんなへ脚を向けて座る。女の子座りしたニカさんの足の間に腰を下ろし、そのまま足を前に投げ出して、背中をニカさんの胸に預けた。
先ほどまでニカさんに抱きしめられていたせいで体は骨抜きになってしまっているから、言われずとも体の力はすっかり抜けきっている。ぼんやりと真正面に目線を向けると、みんなの視線がオレの体に突き刺さっているのが分かった。その視線はオレの顔、胸、そしてスカートの中に向かっている。
長いスカートを穿いているんだから、その奥のショーツや股間は見えるはずがない。それは分かっているのに、まるで服を透視されているのではないかと思ってしまうほどに鋭い視線が、教室中から向けられていた。
(みんな、そんなにオレの体が見たいのか)
未だに慣れない。自分のこの体が、こんなに多くの人(サキュバスだが)から魅力的に思われているなんて。昨日一日でたくさんの人から同じ視線を投げかけられたけれど、今日になってからは初めてのことだった。みんな女の子のような見た目をしているのに、その眼は男が女に向ける視線そのもの。肉欲にまみれたものだ。
体勢が取れたところで、ニカさんがオレの肩にそっと手を置き、ブラウスの上から手を這わせた。首の近くから腕に向かい、わき腹をなでられてくすぐったい。それはニカさんの手を受け入れている証拠だった。もしも嫌だったのなら、ただ触れられている感触しかせず、快感など生まれないだろう。
「ん……なんかいやらしい手つきだね……」
「ミーナに気持ちよくなってもらうためだから。ミーナの体は華奢ね」
昨日の夜ニカさんに触れられた時よりもより繊細に、体に触れられている感覚が伝わってくる。一晩寝たからだろうか、この体にオレの精神がより馴染んだのかもしれない。細い腕や括れた腰は女の子らしさに溢れていて、これが自分の体なんだと思うとドギマギしてしまう。
「でも、この体が好みなんでしょ?」
「ええ。守ってあげたくなるわ」
すり、すりっ♡ ニカさんの手が体をなぞる。
「んんっ……♡」
子猫が甘えるような媚びた声が、自分の喉から出ている。その事実に胸が震えながらも、ニカさんの指先によって簡単に啼かされてしまう。女の子はこんなにも快感に弱い生き物なのか、それともニカさんが上手いだけなのか。
彼女の手がオレの肩から腕にかけてまんべんなく撫で上げた後、ようやく胸へ指先を向けた。小さいながらも女の子らしく膨らんだ胸を、下から軽く持ち上げるようにしてなぞられる。自分の胸が穏やかに膨らんでいることをオレに教え込むように、その輪郭を手のひらで撫で上げる。少し持ち上げてからパッと手を離されると、フルンと震えて落ちる。
「ちょっと、そんなに、みんなに見せつけるみたいに触らなくたって、いいじゃん」
「いいえ、みんなに見てもらうことが目的よ? こんなに可愛いメスをジロジロ見れるなんて、私と同じクラスになった人の特権なんだから」
「へえ、このクラスって何か特別なの?」
「入学試験の成績が良かった上位四十人が集められてるの。それだけ、メスと近くに居れるってことは特別なのよ」
「そう……んっ♡ なんだ、ふぅっ♡」
確かに、メスがそんなに貴重な存在なのであれば、同じクラスで授業を受けられるというだけでも素晴らしいことなのだろう。町中を歩いたって滅多にお目に掛かれないメスを、三年間ほぼ毎日見ることが出来るのだから。しかも、性技の授業なんて特別な授業まで受けることが出来る。他のクラスでも同じ授業はあるかもしれないけど、メスを使った実習形式なんてここ以外では無理だろう。
そんなことを考えて思考を逸らそうとしても、ニカさんが休むことなくオレのおっぱいを揉んでいるせいで、全然気持ちが落ち着かない。さっきのキスで体がそういうモードにされてしまって、ただの脂肪の塊を触れられているだけのはずなのに、ドキドキが止まらない。呼吸も荒くなるし、じわっと汗もかいてきた。もしかしたら、おまんこも少しずつ湿りだしているかもしれない。
そんなオレの表情はカメラにバッチリ撮影されていて、スクリーンに映ったそれをニカさんも見たのだろう。機嫌の良さそうな声で、オレに囁いた。
「おっぱい、触られるだけで気持ちよくなっちゃうの?」
「別に、こんなの、ケツを揉まれてるのと同じだろ……んぁっ♡」
「そうかしら。私はそう見えないけどね。みんなにおっぱいを見られて、すっごく恥ずかしがってるミーナ、とっても可愛いわよ。ご褒美に、ここ、触ってあげるわね」
「――あんっ♡ ふっ、ふぅっ♡ ふーっ♡♡♡」
唐突な快感に思わず喘いでしまい、慌てて口を手で押さえる。なんだ、『あんっ♡』って。まるで女の子の喘ぎ声じゃないか。ジャンパースカートとブラウス、キャミソール、ブラ越しに触れているのに、乳首はあまりにも敏感で、指が触れる度に肩が震えてしまった。
「あら、そんなに肩を震わせて、もう気持ちよくなってきたの?」
「あ、ふぅっ……♡ そりゃ、こんなに触られたら、そうなるって……ん♡」
服の上からわかるほどではないはずなのに、ニカさんの指先にはその突起が伝わっているんだろう。的確に乳首に当てられた指先によって、そのまわりをクルクルと回すようにこねられ、思わず身をよじってしまう。
かり、かりっ♡ くるくるっ♡
「そんなに甘い声を出して、みんなに聞かれちゃってるのに良いのかしら」
「いじわる……んっ♡ 言わないで……はぁっ♡」
「でも、こういうこと言われるほうが気持ちいいんでしょ?」
「そんなこと、ない、から……っ♡」
オレが元男だって分かってるのに、ニカさんはオレのプライドを傷つけるような言い回しをした。それは今までオレを大事に扱ってくれて、気遣ってくれていたのとはかけ離れている言動。だというのに、オレの体はそんな言葉でさらに燃え上がってしまう。
(ニカさんになじられて、興奮しているのかよ。そんなの、変態じゃないか……!)
男としてあまりにも情けないのに、体の反応は隠すことができない。乳首から全身へと熱が注ぎ込まれ、汗が滲み出す。その汗には塩分や肌の汚れは一切含まれておらず、代わりにサキュバスと自分自身を発情させるフェロモンが混ざっていた。
乳首を弄られると、おっぱいもふにふにと形を変える。自分が女の子であることをまじまじと見せつけられて胸が高鳴った。今のオレは可愛い女の子。おっぱいを揉まれ、乳首を弄られて可愛い喘ぎ声を漏らす女の子だと実感させられる。そして、声を漏らすたびにクラスのみんなの視線が熱くなっていく。一瞬たりともオレの痴態を見逃すまいと、目を見開き、細部まで余すところなく目に焼き付けようとしているのが伝わってきた。
(すごい、みんな、オレをみてる……っ♡)
快感に細められた目、上気している顔、半開きになった口、どれも恥ずかしいのに、自分では止められない。止めようとすると自分の体の中に快感が溜まって、発情が進んでしまって、逆効果になっちゃうって分かっているから、我慢もできない。
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