※この作品はR-18です。

プリマドンナ~TS転移娘がふたなりサキュバスに堕とされる話~   作:Sfon

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十三日目 満たされて
十三日目 満たされて


 目が覚めた時、オレの体はベッドに沈んでいた。あたりのシーツは精液と愛液、お潮、その他もろもろの粘液が渇いてバリバリになっていて、お世辞にもキレイとは言えない。そしてオレ自身の体も、それら粘液がこびりついていた。艶があってサラサラした自慢の黒髪ロングヘアも、この分だとすっかり汚れているだろう。

 

「ゔぁ……いま、なんじだ……?」

 

 体を起こそうとすると、節々の動きがぎこちなくなっていた。決して痛い訳ではないけれど、グリスの切れた蝶番を無理やり動かしているような感覚だ。昨晩は限界までニカさんに犯されていたから、そのせいだろう。

 

 体を起こしてあたりを見渡すと、ニカさんが隣で呑気に寝ていた。オレも彼女もセックスしたままの姿だから、何も身に着けていない。彼女の体を上から眺めれば、大きく膨らんだおっぱいも見えるし、股間からだらんと垂れさがっているおちんぽも残っていた。

 

「消し忘れてるし。随分とまぁ、隙だらけなんだから」

 

 あんなことをしておいて、報復されるとか考えないんだろうか。確かに後半はオレのほうから求めることもあったし、だいぶ媚びたセリフも吐いちゃったけどさ。ニカさんの、あ、赤ちゃんを孕むだの産むだの……。

 

 一度思考を男に戻されてから受けた調教じみた攻めは本当に熾烈で、男のプライドはぽっきりと折られた。明るい部屋の中で散々痴態を晒したし、ニカさんに弄られていないところはこの体にほとんど存在していない。あったとしても眼とか、鼻とか、そういうえっちとは縁のない繊細な器官だけだ。

 

 女性器は全部舐められたし、お尻だっておもちゃとか指とかいろいろ突っ込まれた。ニカさんへのご奉仕も下品な顔でしちゃったし、ここまでしておいて『自分は男だ』って言い張るのはちょっと無理があるだろう。

 

(やめよう。思い出しただけで顔から火が出そうだ)

 

 思考を切り替えようとして頭を振ると、長い黒髪がバサバサと舞った。すっかり汚れた髪はいつものようにサラサラとなびかず、幾筋かは頬や背中に張り付いている。

 

(……さっさと風呂に入るか)

 

 ニカさんは放置して、着替えを持って一人お風呂へ。素っ裸なので脱ぐものもなく、そのまま浴室に入ると、大きな鏡に自分の体の映ったのが見えた。それは中学生くらいの黒髪碧眼美少女ながら、髪の毛には白濁した汚れが付いているし、胸元やお腹、太ももにも同様の汚れがこびりついていて、レイプ現場にいそうな風体だ。

 

「うわぁ……酷い見た目だ」

 

 思わず声に出てしまう。これほどになるまで犯されたなんて、ニカさんの性欲は尋常じゃなかったのだろう。ふと気になっておまんこに指を突っ込んでみれば、その中はキレイなものだった。中に納まりきらないほどの精液を出された記憶があるけれど、この体が吸収したのだろう。言われてみれば肌艶が昨晩よりずっとよくなっている気もする。そこで、ふと気づいた。

 

(あれ、精液をこの体が全部吸収するのだとしたら、ニカさんの赤ちゃんなんてできないんじゃないのか?)

 

 もしそうだとしたら、する必要もない宣言をしてしまったかもしれない。いや、そもそもニカさんはそれを分かっているだろうし、そのうえでオレにあんなことを聞いたのだろう、意地悪な人だ。

 

(まったく。まったく……もう……)

 

 オレにあの手この手でえっちなことをしてくるニカさん。オレが気絶するまで犯すし、元男ってことを何度も意識させてくるし、その上でメス堕ちしろなんて言ってくる。そんなひとは嫌いになって当然のはず。そのはずなのに、どうしても嫌いになれない。

 

(惚れた弱み、なんだろうな)

 

 深く考えてもしょうがないだろう。暖かいシャワーを浴びて気分を入れ替えたほうがよさそうだ。

 

 

 

 体中を入念に洗って気分もさっぱりした。新しい下着とルームウェアを着て鏡を覗けば、スッキリした顔の黒髪碧眼美少女がいる。髪もサラ更に戻ったし、ぼんやりした表情も治った。よし、いい感じだ。

 

 寝室に戻ると、部屋に充満しているえっちな匂いが頭を殴りつける。せっかくそういう気持ちを振り払ったのに、こんなことで再燃させられては困ったものだ。お風呂に入る前はこの部屋の匂いに気付いていなかったから、それだけ昨晩のセックスで嗅覚がエロい匂いに慣れてしまっていたのだろう。

 

 床も所々が体液の乾いた跡で汚れているから、そこを踏まないように気を付けて窓を開けた。ベッドの上を眺めれば、ニカさんはまだ惰眠を貪っている。時計を見ればもうお昼過ぎ、そろそろ起きてもいいだろうに。カーテンも開けて部屋が明るくなったから、そのうちニカさんも起きるだろう。それまでは勉強机の椅子にでも座って待っていればいいか。

 

 全裸のまま、布団を被ることもなく寝ているニカさんをぼんやりと眺める。その表情はあどけなく、股間の立派なものやサキュバスの羽と尻尾に目をつぶれば、可愛らしい高校生に過ぎなかった。

 

 

 

 ニカさんが目を覚ましたのは、それから三十分ほどしてからのことだった。

 

「……おはよ。もう起きてたのね」

「起きてたしシャワーも浴びたよ。ニカさんもさっさと浴びてきて、この部屋の片付けもしておいてね。その間にごはんを作っておくからさ」

「分かったわ。……うわ、結構汚したわね、めんど……」

「半分はニカさんが原因でしょ、オレのもあるけどさ。じゃ、よろしくね」

 

 体を起こしたニカさんを確認してキッチンへ。ありあわせのものを使ってお昼ご飯を作ると、ちょうど終わったころにニカさんがリビングへやってきた。着ているのはとてもシンプルなスウェット。今までの可愛い恰好から一転して、随分とリラックスした服装だ。一方オレはというと、普通のショーパンとキャミソールにパーカー。こっちも最近の誘惑全振りな服装から自分がリラックスできる服装に切り替えてるから、人のことは言えない。

 

「終わったわよ……。シャワーの後に掃除するんじゃなかったわ」

「お疲れ様。ご飯できてるよ」

 

 二人向かい合って食卓に着き、揃っていただきますをしてから食べ始める。昨晩、散々痴態を見せた相手が目の前にいると考えるとどうにも落ち着かないけれど、ニカさんの様子を盗み見たら随分と落ち着いていて、オレだけ妙に意識してしまっているのだろうか。それが何となく気に入らなくて、こちらからジャブを打ってみることにした。

 

「そういえばさ、昨日の夜オレに『孕め』とか言ってたけど、オレ、赤ちゃんできるの? 精気は吸収するんじゃなかったっけ?」

「――ごほっ! けほっ……ちょっと、なによ急に。前にも言ったけど、大体その認識であってるわよ。精気は独りでに吸収されちゃうから、排卵魔法を使ってもすぐに孕むわけじゃないわ。でも、吸収できる量にも上限があってね、それを満たすとデキるようになるみたい。聞いた話だと、毎日三回注いで十年かかったとか、そのくらいみたいよ」

「へ、へぇ、そうなんだ」

 

 ニカさんへのちょっとした悪戯は成功したけど、帰ってきた答えは予想外だった。てっきり、魔術によって排卵させられれば、それで赤ちゃんができるようになるんのだと思っていたのに。いや、別に残念なんてこれっぽっちも思っていないけれど。それでも、随分先の話だなぁ、と感慨深くなっていた。

 

「もちろん、ミーナが嫌なら避妊魔術があるから、気にせずセックスできるわよ。でも私としては、そうね、やっぱり欲しいわ」

「そっか。まぁ、考えとくよ」

 

 幸いなことに、まだまだ時間はある。その時までゆっくり考えれば良いだろう。

 

 ご飯を食べ終え、食器も洗い終えると、何もすることが無くなった。ニカさんも今日はこんな昼間から勉強をするつもりがないみたいだし、家事は溜まってないし、本当に何もない。ニカさんを何となく眺めて何か言い出さないかと待っていると。

 

「ねえミーナ。首輪、外したじゃない? その代わりのを買いに行こうと思ってるんだけど、どうせなら一緒に選びたいなって思って。一旦は今までの首輪をつけてお出かけすることになるんだけど、それでもよかったらどうかしら」

「付き合うよ。オレもちょっと興味あるし」

 

 ほとんど一日中つけることになるものだろうから、オレの気に入ったものを見つけられたら、毎日の生活が楽しくなるに違いない。あの首輪には妙な力が込められていたみたいだけど、普通に買えるやつなら大丈夫だろうし。……いや、この世界だとそうとも限らないか。それはそれとして、そもそもどうしてあの首輪が付けられていたのかを思い出した時、ふと疑問が沸いた。

 

「そういえばさ、首輪変えて大丈夫なの? あの首輪って特別製で、あれじゃないと意味ないと思ってたけど。プリマドンナのメスの証なんでしょ?」

「プリマドンナのメスの証っていうところはそうなんだけど、要はあの首輪のバックルがポイントなのよ。見た目は普通だけど、サキュバスならだれでも見分けがつくから、バックルだけ付け替えられれば問題ないわ。それに、それを念頭に置いた首輪を作っているブランドがあって、そこのはプリマドンナ御用達のお店なのよ」

 

 確かに、いつまでも同じ首輪をさせ続けるというのもつまらないだろう。せっかくメスに着けさせるなら楽しみたいだろうし、お金を持っているプリマドンナを相手にする商売ともなれば、作るほうとしてもいい儲け話になるだろうな。

 

 

 

 街に行く格好にお着替えをして、タクシーを呼んで、早速例のお店へと向かった。今日着ているのは先週末も着たブレザーとミニスカートで、頭がリセットされた今のオレとしては結構恥ずかしい恰好だ。足の大半が剥き出しになっているし、ブレザーは体にフィットするサイズ感だから小さな胸の膨らみでさえも浮かび上がっている。

 

(うぅ……スカート、めっちゃ短いな、これ。ニカさんを誘惑するために選んだから当たり前だけど、結構攻めた丈だからふとした瞬間に見えちゃってもおかしくないだろ)

 

 足をピッタリとくっつけてタクシーの席に座っていても、全然落ち着かない。なにせ、隣に座っているニカさんが、ずっとオレの太ももをスカート越しに撫でているのだから。

 

「……ニカさん。急に積極的になったね」

「ミーナが私を受け入れてくれたのだから、もう取り繕う必要もないでしょう?」

 

 見上げれば、ニカさんがいい笑顔でオレを見下ろしていた。羽も尻尾も機嫌よさそうに揺れており、その表情はニヤニヤと浮ついている。オレをその手の中にようやく収めたつもりなのだろう。確かにオレはニカさんのものになることを受け入れたけど、だからと言ってオレの心をすべて明け渡したわけでもないのに。随分自信があるようだ。しかし、かと言ってニカさんからの戯れを跳ね除けることなどできるわけもなく、好きにさせるしかない。彼女の指先がオレの太ももを布の上から這い、素肌の出ている膝元へと進んでいく。

 

 そうしてそのままずっと足を撫でられたり、精々おっぱいに向かうのかと思っていたら、ニカさんは唐突にその顔をオレのすぐ横まで進めた。

 

「私のミーナなんだから、私のそばにいてくれないと」

 

 それがどういう意味なのか、聞くことはできなかった。

 

 

 

 着いた先は、中心街から少し離れて小さな店が立ち並ぶエリア。あたりは人通りもまばらで、休日の昼間だというのに随分と静かだった。あたりを見渡しても、プリマドンナ御用達というには似つかない、素朴な店しかない。

 

「こっちよ。手を離さないようにね」

 

 ニカさんに手を取られて進んだ先は、そこから少し歩いたところにある路地裏の更に奥。エアコンの室外機やらダクトやらが並んでいるせいで人ひとりが通れる程度の幅しかない道を進み入れば、唐突にニカさんが立ち止まった。

 

「ここよ」

 

 それは、小さな光取りの窓だけが付けられた、おおよそ店とは思えない佇まいの建物だった。それも建物に囲まれたここでは意味もなく、外から中は一切見えないし、ドアもごくごく普通の民家と変わりない。

 

「ほんとにあってるの?」

「あってるわよ。たぶん」

「たぶんって」

「私だって初めてくるんだからしょうがないじゃない」

 

 ニカさんがインターホンを押して暫くすると、ドアの鍵が開いた音がした。中から人の出てくる気配はなく、入れということなのだろう。ニカさんに手を引かれて中に進めば、そこはごく普通の玄関だった。やっぱり場所を間違えたのではないか、いやしかし鍵を開けてもらったし、どういうことだと不思議に思っていると、奥から人の声がする。

 

「どうぞお進みくださいな。土足のままどうぞ」

「は、はい!」

 

 ニカさんも戸惑っている様子で、あたりをきょろきょろと見渡しながら進む。フローリングの床を歩き、ドアの開け放たれた部屋に入ると、ようやく店らしい光景が広がっていた。そこには多種多様な首輪が棚に並べられており、シンプルな革製のものから金属製のもの、ネックレスのように上品なものや、ただのチェーンのように無骨なものまであった。中には大きな宝石が付いているものもある。しかし、妙なことに、黒い革製のものは一つとしてなかった。首輪といえば定番の見た目だと思うのだが。

 

「姦通おめでとうございます。どうぞお好きなものを」

「ありがとうございます。ほら、ミーナ。気に入ったのはあるかしら」

「あー、いや、その前に、お店の人が言ったの、何?」

「そっか、言ってなかったわね。プリマドンナのメスが付ける首輪はね、セックスするまでは今つけている黒の革製をつけるんだけど、セックスしてプリマドンナのメスを受け入れたら変えるのよ。この体は全部プリマドンナのものになりましたって宣言ね」

 

 思い返せば、確かにスインさんもアルマさんも、黒い首輪はしていなかった。彼女たちがオレの首輪を見て処女だと気づかなかったのは、彼女たちの処女が奪われたのが起きてすぐだったからだろう。きっと黒い首輪自体初めて見たに違いない。

 

「そんな意味があったのか……。だからみんなこの首輪を見てなんとも言えない顔をしていたわけだ」

「そういうこと。メスをもらって二週間も経っているのにセックスしていないなんて、よほど変人に見えたでしょうね。もっとも、後悔はしていないけれど。これだけ懐いてくれたんですもの」

 

 オレの顎を指先で撫で上げられ、その快感に思わず肩をすくめ、目を細めてしまう。手慰みついでに可愛がられて思うところが無いと言えばウソになるが、この体はニカさんにすっかりベタ惚れだから抵抗もできない。

 

「まるで猫みたいね、可愛いわよ、ミーナ」

「ちょっ、人前でよくもこんなに堂々と……んっ♡」

 

 いつの間にか指先は顎から耳元、そしてうなじと移動していた。こんな触り方をされたら、体がえっちモードになっちゃうからやめてほしいんだけど。なんて思っていたら、名残惜しそうにオレの髪をサラサラとなびかせながら、その暖かな指先が離れていく。

 

「あっ……ち、違うからな」

「何が違うの?」

「それは、えっと……それより、首輪でしょ! ちょっと待ってね。選ぶから。ここにあるやつ、どれでもいいの?」

「ええ。どうせこれが最後じゃないから、気負わなくていいわよ。首輪に飽きたらまた新しいのを買いに来るから」

 

 悩んで悩んでようやく決めたのは、白い革製の首輪。これならどんな色の服にも合わせられそうだし、そういえばウエディングドレスって白が多いなって思っちゃったのも……ちょっとはあるかも。新しい首輪にバックルを移植してもらって、ニカさんに首輪をつけてもらった。今度は黒い首輪をつけたり外したりしてもあんまり感覚が変わらなくって、この体は頭の中まですっかりメスになってしまったのだろうか。

 

「そういえば、その首輪、ずるくない? オレを簡単にメスに堕とすなんて、そんな機能のせいで大変だったんだから」

 

 それは、あまり意識せずに漏れたセリフだった。しかしその言葉はニカさんにとってかなり引っかかるものらしく、暫く考えた末に、こう返事された。

 

「……ん? 何のことかしら。首輪にそんな効果は無いわよ。ただの飾りというか、証明書みたいなものだから」

「そうですね。しいて言えば、処女の証という効果はあるかもしれませんが」

 

 二人の表情からは、嘘をついている様子がまるで見当たらない。心底不思議がっているのが分かり、むしろオレの居心地がとても悪くなる。それと同時に、胸の中が急激にうるさくなった。

 

(いや、待って。嘘だよね。じゃあ、なんであの時、犯される前に首輪を外された時、男の頃の感覚が舞い戻ってきたんだ?)

 

 全くもって分からない。そんなにあの首輪に執着していたのだろうか。あれを心の拠り所にしていたのだろうか。無意識のうちに、あれのせいだと決めつけていたのだろうか。パニックになりかけているオレの内心に気付いているのかいないのか、ニカさんは良いことを聞いたとニヤけながら、オレに仕掛けてきた。

 

「あ、もしかして……首輪をつけてたから、私に支配されたつもりになっちゃってたのかしら? ミーナって結構マゾっ気あると思ってたけど、そんなにだったのね。なら、こういうのも使ってみたい?」

 

 ニカさんが差し出したのは、犬の首輪に着けるような、細い革製のリード。その終端にはどんな首輪にでもつけられるような輪っかが取り付けられている。もし、あのリードがオレの首輪につけられて、リードを引かれて連れまわされて、言うことを聞かなかったらグイって引っ張られたら……。

 

「そ、外でそんなことするなんて、オレはそんなに変態じゃないぞ!」

「じゃあ、家の中ならいいの?」

「……っ♡」

 

 想像してしまった。肩が震え、頭がジンと痺れる。床に這いつくばり、上から蔑むような、それでいて喜んでいるような表情のニカさんに見降ろされて、必死に媚びている自分を。

 あぁ、オレはもう、ニカさんのメスなんだって、はっきりと分かった。

 

 

 

 街に出たついでにいろんなアクセサリーとか服とかを買ってもらった。より正確にいうなら、ニカさんがオレに付けたかったり着せたかったりするものを買い漁った。いかにも女の子な服を片っ端から試着させられて、今日だけで三十着くらいは試したんじゃないだろうか。ロリータやらメイド服やらチャイナ服やら、コスプレ衣装みたいなのも沢山。買った量もそれだけ多くて、十着は買ったんじゃないかな。全部買ったお店から家に送っていたから、そのうち大量に届くだろう。

 

 ただ、そんな中で唯一持って帰った服がある。いや、あれは服というか……下着? どうせ今晩にでも使うのだろう。ヤりたい盛りの男子高校生より性欲が強いともいえるサキュバスのニカさんにしてみれば、いい子の振りをしてオレの機嫌を取らなくてよくなって、欲望をストレートにオレにぶつけられるようになったのが嬉しいのは分かるけど。

 

 

 

 買い物を終えて帰宅し、ご飯を食べてひと段落してソファでのんびりリラックスしていたら、隣にニカさんが座ってきた。しかも、すぐ隣にぴったりくっついてきたし、太ももをさわさわと撫で始める。

 

「……あのさぁ、いや、いいんだけどね。いいんだけど、随分と手つきがイヤらしくなったね」

「可愛いミーナに思う存分かまってよくなったんだもの。ミーナだってこの気持ちは分かるでしょ? それに、ミーナだって私のことを好きにしていいのよ。抱き着いたり、おっぱい揉んだり、何をしたって良いんだから」

「でもそのあとにお仕置きが待ってるんでしょ?」

「お仕置きは無いけど、セックスする気分にはなるかもね」

 

 軽口を言い合っている間にもニカさんの手はオレの足を這いまわり、徐々におまたの方へ上ってくる。テレビを二人で見ながらも、ニカさんからのちょっかいが気になって全然頭に入ってこなかった。膝をカリカリと指先で触られたと思ったら、スカートの下に手が差し込まれて、太ももを直に触られる。そしてその手はショーツの縁をなぞり、そこで止まった。

 

(な、なんでそこで止まるんだよ。今のはおまんこを触ってくれる流れだっただろ)

 

 この体の辛いところは、一度その気にさせられてしまうとなかなか熱が引かなくて、しかも途中で止められたら泣きそうになってしまうくらいのもどかしさを与えてくることだ。彼女の指がショーツの輪郭をなぞり、おまんこをこれでもかってくらいに意識させられるのに、そこから先には全く進んでくれないのが悲しくてしょうがない。

 

「……っ!」

「なによ、ミーナ。言いたいことがあるなら言えばいいじゃない」

「き、嫌いになるよ?」

「本当に?」

「う……いや、ならないけど……」

「ふふっ、可愛いわね、ミーナ」

 

 勢いで言ったのは良いが、ニカさんにじっと見つめられると嘘が付けない。それが情けなくて、でもニカさんを悲しませるようなことはできなくて、なんてことを口走ったんだとすぐに後悔した。

 

 それから数分待ってみたけれど、いつまでたってもニカさんは手を進めてくれなくて、お風呂に行ってくるのを口実にニカさんの元から離れた。お風呂に入った後はきっとえっちするんだろうなって思ったから。そしてその裏付けは思ったよりもすぐにとれた。

 

「ミーナ。お風呂に入るなら、今日買ってきたやつに着替えてね」

「あー……わかった」

 

 すると分かっててセックスをするのは今回が初めてだ。今まで散々体を弄られてきたけれど、体の大切なところ同士で繋がるかどうかの差はとても大きい。お互いに弱いところをさらけ出して、相手に差し出すのだから。

 

 どうせ今日も照明を消さずに明るい部屋のままするのだろう。そうだとしたら、体の隅々までキレイにして、最高にいい匂いのする体にしなければ。気は進まないけれど、お尻の穴の中までしっかりと。たぶん弄られるんだろうし。

 

 脱衣所で服を全部脱ぎ、首輪も外して、本当に身一つになってから浴室へ。壁に備え付けられた大きな鏡の中には一糸まとわぬ黒髪碧眼美少女がいて、そいつは随分と硬い表情をしていた。体を眺めれば、どう悪く見たって美しいとしか言いようのない白い肌と、慎ましくもふっくらと膨らんだ胸、そして淡いピンク色の小さな乳首が乗っている。

 

 昨晩ニカさんに首輪を外されたせいで男の思考に戻されたなんて思っていたけれど、あれがオレの思い込みだなんて思えなかった。何もついていない首を見るのは今朝のお風呂に引き続き二度目で、いつの間にか首輪のある生活が当たり前になっていたのだと実感する。

 

(明らかに一昨日までと違うんだけどなぁ。異性の体を見た時の恥ずかしさがぶり返してるし、ニカさんに女の子扱いされるのもなんというか、むず痒いし)

 

 それは本当に首輪のせいなのだろうか。もしかしたらニカさんから本格的にメス扱いされて気持ちが昂ったせいなのではないか。自分の中にあるマゾの部分を刺激されて、己の置かれた立場を実感させられたからなのではないか。いくらでも可能性は思いついた。とはいえ、犯人探しをしてもしょうがない。ひとまず今は、体をキレイにして、セックスの準備をするしかないのだから。

 

 

 

 お風呂から上がり、浴室でゆっくり髪を乾かした。いつもはルームウェアに着替えてリビングで乾かすのだけれど、ニカさんから指定されている刺激的な服を着てそんな悠長なことなんてできるわけもなかった。

 

 たっぷり時間を使って髪を乾かし終わると、いつものサラサラロングヘアに戻った。腰まで伸びている長い髪は顔を動かせば肩や背中をくすぐるし、耳や顔の横や胸元は髪に覆われている。男でこの長さまで伸ばしている人はめったにいないし、オレはその『めった』に入っていなかったから、やはり女性を感じるところでもあった。

 

 この髪は気に入っている。なんと言っても、ニカさんが事あるごとに褒めてくれるし、優しくなでてくれるから。それに、長い髪への憧れもあったし。艶のある黒いこの髪は、この体の中で一、二を争うくらいに大切なものだと思っている。

 

 お風呂に入ってすることも全部こなしてしまって、いよいよ時間稼ぎができなくなってしまった。指定のスケスケショーツを穿いて、ニカさん指定のものを着た。それは天女の衣のように薄い生地でできた、黒いベビードールだ。明らかに普通のルームウェアではない、えっち目的のものだった。

 

「……上がったよ」

「おかえり。――って、なんでバスローブを着てるのよ」

「お披露目するには早いでしょ。ニカさんもお風呂に入るんだろうし。見せるのはニカさんがお風呂から上がって、二人で寝室に行ってからね」

「それもそうね……超特急で入ってくるから待ってなさい!」

「ごゆっくり~」

 

 

 

 ニカさんがお風呂から帰ってくるまで、ベッドでゆっくりしていたらいつの間にか眠ってしまっていた。なんだかんだで疲れがたまっていたのだろう。目を覚ました時には、ニカさんが目の前にいた。

 

「ちょっと、先に寝ちゃうなんて酷いじゃない」

「悪い……今起きるよ」

 

 体を起こすと、バスローブ姿のニカさんがいた。お風呂から上がったばかりなのだろう、ほんのり上気した顔が色っぽい。長いブロンドの髪をそのまま流していて、それもまた一役買っているのだろうか。彼女はオレの隣に腰掛けると、おもむろに頭を撫でてくる。優しい手つきでされるそれはとても心地よくて、思わず目を細めてしまった。

 

「昨日は意地悪しちゃったから、今日は思いっきり甘やかしてあげる。バスローブ、脱がすわね」

 

 ニカさんの手がオレの肩に伸び、バスローブをそっと外した。するりとはだけてベッドに落ち、オレの下着姿が露わになる。薄いネグリジェとショーツだけを身に着けたこの格好は裸と変わらないくらい心もとなく、肌の白さが強調されるだけに全裸よりも扇情的に見えているだろう。彼女のえっちな視線がおっぱいを撫で、お腹を撫で、おまんこを撫でた。

 

「ミーナ、とっても可愛いわよ。良く似合ってる。あなたの白い肌には黒い服が良く似合うわね」

「……んっ♡」

 

 細い細い肩紐をなぞられ、そのまま肩を手のひらで優しく撫でられると、くすぐったさと共に淡い快感が首筋に走った。女の子らしい柔らかな曲線を描く肩から背中へ、滑らかなベビードールの生地を楽しむように撫でまわされると、じわじわと体に熱が溜まっていく。

 

(この服、何も着てないより恥ずかしい……。胸の膨らみとか、腰の括れとか、体のラインが浮かび上がって、全然落ち着けないや)

 

 服の胸元が突っ張って気になり、無意識のうちに姿勢が悪くなっていたのだろう、姿勢が悪いとニカさんに注意されて渋々胸を張ると、少し硬くなった乳首が浮かび上がってしまう。

 

「あら、もう乳首をぷっくりさせちゃってるのね。片方は私が触ってあげるから、もう片方は自分で弄ってみて?」

 

 ニカさんの指が乳首の輪郭をくるくるとなぞり、膨れたところの側面をシコシコとしごく。軽く摘まんだり、上からクニクニとつぶしたりしながら、他の指はおっぱいの輪郭をなぞってオレの気分を高めようとしていた。もう一方の手は変わらず背中を撫で続けているかと思えば、腰からお尻へとゆっくりと下がっていく。腰の括れやお尻の柔らかさをオレに突き付けているようだった。

 

「ん……ふぅっ……♡」

「気持ちよくなってるミーナの顔、とっても可愛いわね。ほら、こっちを向いて。キスしましょ」

 

 ニカさんの唇がオレの唇と合わさって、プニプニと形を変える。何度か押し付けられてその熱に慣れてくると、今度は軽く啄まれて自然と口が開いていった。そこを見逃さないニカさんは、すかさず舌を伸ばしてくる。

 

「ちゅぅっ……♡ ほら、ミーナも舌を伸ばして、私の舌と絡めてみて?」

 

 舌を突き出すなんて恥ずかしくて、でもニカさんにお願いされたら断れなくて、顔を真っ赤に染めながらそっと差し出した。それほど突き出せなかったというのに、ニカさんの舌はそれを起用に絡めとり、オレの口の中まで侵入する。それはもはやセックスそのものだった。

 

 キスで完全に思考を絆されたところで、そっと抱きしめられた。ニカさんの柔らかいおっぱいが押し付けられて、恥ずかしいような、安心するような、不思議な感覚。

 

「ミーナ、あなたは私のもの。だから私に思う存分甘えていいのよ。私はミーナが好き。ミーナは私のこと、好き?」

「す、すきだよ。ニカさんのこと、最初からずっと」

「私たち両想いね。今日は私の大好きをミーナに沢山伝えたいの。ミーナ、愛してるわ。私のものになってくれてありがとう。大好きよ」

 

 耳元で囁かれる好きの応酬で、頭がクラクラしてきた。人からこれほどの濃さと量の好意を向けられるなんて慣れていなくて、酔ってしまったのだろうか。そっと首筋にも唇を落され、思わず背筋を震わせ体を反らしたところで、ゆっくり優しくベッドの上に押し倒された。その上から覆いかぶさってきたニカさんの表情は、嗜虐に満ちていた昨日とは違う優しいもの。このニカさんなら、安心して体を預けられそうだ。

 

「ミーナ、たくさん気持ちよくなってね」

 

 

 

 考えが甘かった。いくら優しいとはいえ、ニカさんはニカさんだった。手始めに乳首を入念に攻められて乳首イキをキメさせられた後、しっとり湿ったおまんこをショーツの上から手のひらで入念に捏ねられて、クリイキまで一瞬で持っていかれた。愛液とイキ潮でぐっしょり濡れたショーツを割れ目に食い込まされ、クリがぴんっ♡と浮き出たところでグリグリと指先で押しつぶされてまた絶頂。

 

 それらの攻めが行われる間にも、オレの耳元ではニカさんが甘い声で愛を囁き続けていた。頭の中はニカさんの『大好き、愛してる』と性的な快楽で満たされて、もう狂ってしまいそうなほどだった。だから、今日はさっさとおねだりした。

 

「にかさん、もうおかしくなりそうだから、はやくおまんこにおちんぽください……♡」

「素直になってくれて嬉しいわ。今日もミーナの子宮に私の精液をいっぱい飲ませてあげるわね」

 

 あまりにもいやらしく下品なそのセリフですら、今のオレにとっては背筋を震わせるほどに甘美なものだ。上からニカさんに見降ろされ、腹を見せて降伏姿勢をとっているオレには抵抗する意志なんてなくて、さっさとショーツを脱いで股を開く。そこからは、愛に溢れたセックスが朝まで続いた。




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