愛生まばゆ×巴マミのエロ短編集 作:つむぎルカ
マミさんが吸う側です。
まばゆちゃんが吸われる側です。
いわゆる授乳手マンってやつです。
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──白い息を燻らせる。
「はぁっ……」
湿気は冷えた空気に霧散してゆき、消える──。
──なんだか、今日は疲れちゃった。
鉛みたく──は言い過ぎにしても、体が重い。
でも、今日もまた──まばゆさんの予知を頼りにして、敵を滞りなく仕留める事ができた。
まばゆさんが居てくれる限り、何も心配なんて要らない。
私たち魔法少女コンビは、いつだって共に在れる。
──それは、揺るぎない筈なのに──。
『──マミさん?』
「──!」
あっ、いけない──。
「え、えぇ……大丈夫。片付いたわ。今から戻るわね?」
あの子からの念話で、私の思考が現実に引き戻される。
『……本当に大丈夫ですか……?』
──大丈夫。
今もこうして、まばゆさんが気に掛けてくれる。
そんな日々が続く限り、私は大丈夫。
でも──。
「……体の方は大丈夫よ。心配しないで」
『マミさん……』
まばゆさんが、縋る様に呼び掛けてくる。
何かあったら、遠慮なく相談して欲しい──まばゆさんが言ってくれたこと。
その言葉が何よりも嬉しくて、まばゆさんのそんな想いを無碍にする訳にもいかなくて。
だから、私は──。
「……大切な友達だものね。そうなんだよね……?」
『私で良ければ、いつまでも──』
「ふふっ、ありがとうっ……。……帰ったらお話するね……?」
『はいっ。お待ちしてます、マミさんっ……』
友達で居てくれる。
だから、隠し事なんてもう要らない。
あの子が受け止めてくれる。
もう、寂しい思いをしなくて良い。
──なのに、私は──。
いつものように、マンション──自宅への廊下で歩を進めて。
けれど──何故だろう。
視界が揺らいでならない気がするの。
それに、どことなくふわふわしている。
私の両足が、地面に着いてないように。
「っはぁ──はぁ──っ」
白く燻らせる息は、上がり気味。
ああ、私──どうしちゃったんだろう。
ただ歩いてるだけなのに。
こんなんじゃ、まばゆさんに心配を掛けてしまう。
──やだ、そんなの……。
まばゆさんの下には、いつだって元気で帰ってきたい。
だって──まばゆさんの予知は最善で、最高の結果なんだもの。
なのに、私が倒れる訳には──いかなくて。
──なのに。
「──マミさんっ!」
こつこつと駆け寄ってくる音と共に、聴き慣れたあの子の声が頭の中に響く。
──ああ、まばゆさん──。
「ごめん、ね──」
響く彼女の声を残滓に、私の意識は──。
──さみしい。
いかないで。
ずっといっしょにいて。
私をひとりぼっちにしないで。
ずっとずっといっしょにいてくれなきゃやだ。
さみしいよ……こわいよ……。
──おねがい……私のそばからはなれないで……。
──光が射し込む。
「んぅ……」
見慣れた天井。
大きなガラス張りの窓。
けれど光は日向でなく、闇夜を照らす月明かり。
瞼を擦りながら、側を見やると──。
「あ……マミさん……」
「……まばゆさん」
大好きな大好きな──会いたかった、私の友達。
──いつでも会える筈なのに──ね。
「だから言ったんです。マミさん、大丈夫かな……って。ここのところ、ずっと頑張り過ぎだったんですよ、マミさん……」
学校に、テストに、それに魔法少女として毎晩戦って──。
ああ、確かに疲れてしまっても。
「……ふふっ、ごめんなさい……。ちょっと大丈夫じゃなかったみたい……」
自嘲気味な笑みを向けながら。
現に、体の火照りは──熱っぽさは、今も治ってない。
疲れも、まだ抜け切ってはいない。
そんな私へ、やっぱりまばゆさんは──。
「笑い事じゃないですよ……! もしマミさんの身に何かあったら──」
「──本当にごめんなさい……っ。私、どうしてか……あの時は大丈夫だって思ってしまったの。……その後から、ちょっと辛くなっちゃったけど……ね……」
自嘲なんて、するべきじゃなかった。
こんなにも心配してくれるまばゆさんには、寧ろ──悪い事しちゃった。
「……なら仕方ないです、けど……」
少し拗ねるように、口籠るまばゆさん。
普段であったならば、その仕草さえも可愛い……って思ってしまうのだろうけど、今は──そう思ってしまうと申し訳ない気がして、胸がちくりと痛んでしまうの。
「……あの、まばゆさん」
「なんですか……」
依然と拗ねたまま。
──だったらちょっと、頼っちゃおうかな……。
「……コーヒーを」
「……!」
「暖かいコーヒーが飲みたいわ。お願いできるかしら……?」
拗ね気味な顔が、みるみる内に晴れてゆき──。
「はい……、はいっ! お安い御用です! 今、淹れてきますね……!」
普段の笑顔に戻ってくれて、とてとてと小走りで台所へと向かってくまばゆさん。
ああ──よかった。
「……ふふっ」
やっぱり、まばゆさんには──頼って良いんだ。
そう思うと、自然と笑みが溢れてきちゃった。
まばゆさん──。
ベッドの上に、二人で肩を寄せ合いながら──。
「──っはぁ……」
喉を通して、体の中から温めてくれる。
香り高い苦味を、ミルクのまろやかさが包んでくれる、まばゆさんの優しいコーヒー。
「……にひひっ、よかったです」
言葉にするよりも前から──私の表情から、まばゆさんのコーヒーに癒されてる事がはっきりと伝わってくれたみたい。
まばゆさんの、いたずら気味な笑み。
彼女のこの表情を見てると、心の底から安堵出来る気がするの。
胸の重石が、解れてくれる──。
「……はぁ、美味しい……っ」
普段は紅茶派だけど、まばゆさんの淹れてくれるコーヒーなら、いつだって飲んでいたい。
この味を、この温かさを、ずっとずっと忘れないでいたい。
忘れたくない。
この優しい時間が、いつまでも続いてくれるなら──いつまでも──。
「……まばゆさん」
「なんでしょう?」
「いつでも……飲めるのよね……?」
──飲めなくなるなんて、あるはずない。
けれど、もしも──飲めなくなってしまうのなら、って。
そんなこと、考えたくない──考えたくもないのに──。
今日の私には、過ってしまうの。
「……いつでも飲めますよ」
と、微笑んでみせつつ──。
「と言うかラテアートの修行中なので、余っちゃう程なんです。お陰でお腹たぷたぷで、カフェインで夜も寝られなかったりなんてしちゃう程ですよ、もう……」
毎度お馴染みの、まばゆさんの困り顔。
お口を三角形に尖らせて、ハの字の眉がどことなく波打ってる様に見えてしまって。
「……と言う訳で、余っちゃう程なんで、マミさんにはいつでも淹れてあげられます」
ごまかす様に、少しおどけてみたりなんかもしてしまう。
そんなまばゆさんの『らしさ』が、私には心地良くて──。
「ふふっ。……うん、ありがとうっ……」
カップを手のひらで覆いながら、笑みが溢れてしまう。
こう言う手のひらの行いは、本当はマナー違反だけれど──今はとにかく、この温もりに縋りたかった。
「ごちそうさまっ」
「お粗末さまでした。何か──今日マミさんに淹れる事が出来たの、本当よかった気がします」
「うん、よかった……。飲めてよかったあ……」
「にひひっ。……じゃ、片付けてきますね」
コーヒーの香りを残滓に、まばゆさんは──。
「何かご入用だったらいつでも──」
──まばゆさんが、行ってしまう。
やっぱり私は、我慢できなくて──。
「──わっ!? ま、マミさん……!?」
「っ……」
単に片付けに行くだけなのに。
まばゆさんの小さな体を、全身で抱きついてしまうの。
──ああ、まばゆさん……温かいなぁ……。
この温かさを、決して放したくなくて──私は──。
「……行かないでよ……っ」
「あ、えっと……カップを洗いに行くだけで……」
「そんなの、私が洗うのっ。私がご馳走になっちゃったもの」
「で、でも……私が淹れちゃいましたし……。それに、シミになっちゃったら良くないし……」
「お願いっ……ずっといっしょに居てっ……」
まばゆさんが、私を放っておく訳ないのは分かってる。
そんな薄情な子じゃないのも分かってる。
でも──だめなの。
今日はずっと、心の底に澱んでる。
彼女のコーヒーで温めてくれようとも、結局晴れる事はなく──むしろ、より強まってしまったの。
「寂しいよ……やだよおっ……。ひとりぼっちは、もうやだ……」
「……」
ああ、こんな駄々っ子──流石に幻滅されちゃうのかな。
私らしくもない──ううん、醜いほどに素の私。
『寂しい』を受け入れてくれるまばゆさんにかこつける、醜い私。
私って、とても嫌な子──。
「──マミさん」
全身を、まばゆさんの温もりが包んでくれた。
「ボッチは私の専売特許って、言ってるじゃないですか」
まばゆさんが抱きしめ返してくれた。
受け止めてくれた。
撫でてくれた。
私を頭から撫でてくれる、まばゆさんの小さな手の心地。
それが、いっそう──この子から離れたくないって気持ちを強めてしまうの。
離れるだなんて、そんなこと──ないはずなのに──。
「……分かりました、いっしょにいます。心細い時って、ありますもんね……」
「……ずっと心細いよ……?」
「うん……」
「ずっと、いっしょに居させる事になっちゃうよ……?」
「そのつもりです……」
「本当に……? ずっといっしょにいてくれるの……? いつまでも、いっしょなの……?」
──どうして、声が涙色になってしまうのかしら。
「離れ離れになんて、ならないよね……?」
そして、涙に濡れた声を堰き止められるなんてなくて──。
「っ……マミさん」
まばゆさんへと、雪崩てしまう。覆い被さってしまう──。
瞳を見開き、頬を赤らめ、少しびっくりしてしまうまばゆさん。
ああ、やっぱり私……駄目な子だ……。
こんなにも心配してくれるまばゆさん──。
頼ってもいい──そこに付け込んでしまってるみたいで、私自身が嫌になってしまう。
でも──今の私は、どうしてか我慢が出来なくて──。
「っ……ごめんなさい、私っ……」
「……いいですよ、マミさん……」
気遣ってくれてるのかしら、紅潮しながらも、まばゆさんは微笑んで──。
「あなたの『寂しい』を、私なんかで良ければ受け止めますから……。だから、遠慮なんて要らないです……」
そうして、受け止めてくれればくれるほど辛くなってしまう。
いっそう、別れたくなくなってしまう。
私には、あなたしかいなくなってしまう。
『寂しい』が、いっそう強まってしまう。
遠慮が、抑えが、利かなくなってしまう──。
「はむ……っ」
「っん……ぁむ……っ」
まばゆさんの、この温もりを──芯まで感じていたい。
二度と忘れられないように、脳裏に刻み付けたい。
そんな欲求が過ってしまえば、私は──まばゆさんのお口を、お口で塞いでしまって──。
「ちゅ……ちぅ……」
「んふ……んぅ……」
まばゆさんの、ケーキの甘みとコーヒーの香り高い苦味が同居した、お口の味。
この味と香りが、私の頭の中を融かしてしまう様な心地がするの。
「ぷは……」
のぼせてしまったように、浮かされてしまったように、銀の糸をお口とお口に掛けながら、見つめ合う二人。
「……嫌だったら言ってよ……? 私っ、まばゆさんが嫌がること……したくないの……」
だから、どうか──お願い。
私を、止めて。
ここで止めてくれなきゃ、嫌がってくれなきゃ──私はあなたに甘えてしまう。
なのに──。
「……本気で嫌がったなら、私には奥の手があるって……知ってますよね……?」
ああ──まばゆさん──。
瞳を潤わせて──。
「……ふふっ。そうだったわね……」
「にひひっ。そう言うことです……」
ずるい──ずるいよそんなの……。
まばゆさんが微笑んで、そう言ってくれるのなら、私はもう──戻れなくなってしまうしか、なくなってしまう──。
ああ、もう──まばゆさんっ。
「ぁむ……ぢゅっ……」
「っんむ……んぅ……っ」
お口とお口で繋がり合いながら、着衣のまま──制服姿のまま、体と体を擦り付け合う。
もう、抜け出せなくなってしまうのだろう。
これから先、私は──まばゆさんに溺れるしかなくって──。
「ぷは……っ。ああっ……まばゆさんっ……」
「なんです……?」
私を真摯に見つめてくれるまばゆさん。
普段は前髪で分かりにくいけれど、近くで見れば──切れ長で凛々しいお目々をしてる。
けれど──ひとたび微笑んでくれると、そんな切れ長なお目々が垂れ下がって、とても可愛らしくなってしまうの。
そんなお顔で、まばゆさんは言ってくれた。
私といっしょにいてくれるって。
私の『寂しい』を分かってくれるって。
まばゆさん──あなたの全てが愛おしい──。
愛おしくて、もう──堪らないの──。
「素敵っ……。……はむ……っ」
「っん……ちゅ……」
また、お口でお口を塞いでしまう。
まばゆさんの、甘くて苦いキスを味わい尽くしてしまう。
そんな私はもう、きっと元になんて戻れない。
まばゆさん無しでは、きっと生きてけない──。
いつしか、お互いに一糸まとわぬ姿になってしまって。
「ぷは……、……っはぁ、まばゆさんっ……」
「はぁ……はぁっ……、マミさんっ……」
甘えてしまう。
甘える事を許してくれるまばゆさんに、甘えてしまう。
ああ──まばゆさん。
あなたは、何もかもが綺麗なの──。
私なんかといっしょに居てくれるって囁いてくれる、その唇も。
近くで見ればよくわかる、切れ長のお目々も。
いたずらっ気な微笑みも。
お肌は白くて──けれど、ほんのりと桜色を帯びていて。
細い手足でいて、指も白魚のようで、小柄なカラダで──。
私より控えめとは自嘲してたけれど、私なんかのよりも、よっぽど丁度良くて、形の整った胸──。
まばゆさん──。
「っぁあ……っ、まばゆ、さんっ……んぅ……っ」
湿気を込めた息を燻らせながら、まばゆさんのカラダへと擦り寄せる。
まばゆさんの、高まった体温と共に桜色を帯びたカラダが温かい。
私のカラダも、あつい。
「ん……ふぅ……っ、まばゆさん……っ……」
「ひゃう……っ、うぅ……んっ……」
まばゆさんの胸に、私の胸を押し付けて。
胸と胸がつぶれ合って──。
「っぁん……、まばゆ……さんっ……んうぅっ……」
「ぁふ……んっ……、マミさんっ……」
涙目をぎゅっと瞑って、目尻に滴を溜めるまばゆさん。
こりこりとした胸の実が擦れ合って、捏ね合って。
そうする度に、カラダが震えて、ぎゅっ……と、気持ち良くなって。
「はうぅ……ぅうんっ……」
気持ち良くなってしまったカラダは、とても寂しくて、心細くて、切ない。
胸が締め付けられてしまう。
「……まばゆさんっ……!」
もっとまばゆさんといっしょに居たい。
もっとまばゆさんと触れ合って居たい。
もっとまばゆさんが欲しい──。
「ひぁ……!? マミさんっ……!?」
まばゆさんに全身で縋り垂れて、私は──。
「っちゅ……はむ……っ」
彼女の胸を、その実ごと──お口に含んでしまう──。
「うぅ……っ、マミ……さんっ……」
まばゆさんのくぐもる声が、私の鼓膜を通して、頭に響く。
「ん……んふぅ……れろ……っ」
感触が、舌に伝わってくる。
つん……と立った実の、こりこりとして、小気味よい感触。
「ひぃ……ん……っ、マミさんっ……くすぐったっ……」
潤う瞳をしつつ、瞼をぎゅっと瞑りながら、困り笑顔を浮かべて堪えるまばゆさん。
ごめんなさい──ごめんね、まばゆさん……。
こんなにも甘え尽くしちゃって、ごめんね……。
「っぢぅ……ぢゅっ……」
もう、姿勢としては垂れ尽くしちゃって──まばゆさんに膝枕でもしてしまってるかのよう。
「あふ……ぅう……、ううぅぅ……! マミさん、マミさんっ……!」
くすぐったくて、苦しそうだけど、高く声を鳴らしてしまう、まばゆさん。
「ぢゅ……ちぅ……っむ……ぁむ……っ」
多分、今の私──とっても、みっともない姿をしてると思うの。
こんなの、まるで赤ちゃんみたいね。
寂しくて、いっしょにいたくて、甘えながら乳を吸う赤ちゃん。
なんて──なんて、みっともない──。
でも──。
「……マミ、さんっ……」
私の髪に、頭に──温もりが乗せられる。
懸命に、私の頭を撫でてくれる。
お顔を真っ赤にしてるのに、それでも頑張って甘えさせてくれてしまう。
それでいて、まばゆさんは──。
「マミさんっ、無理……しないでください」
「っぷは……。まばゆ……さん……」
──後頭部を、小さな手で支えてくれた。
乳を吸う私が、首に負担をかけないように。
彼女の手のひらを、枕代わりにできるように。
「……ぁむ」
「ひぁ……っ」
小さな悲鳴を聞きながら、私は再び──彼女の乳に口を付けて──。
「ちゅ……む……っ、はむ……っ」
「うぅ……、マミさん……おいしいですか……?」
「ぅん……っ。ぢぅ……ちぅっ……」
「そ、それはなにより、です……? ぁう……っ」
実のところ、汗ばんでしまってるせいか、味はちょっとしょっぱい。
でも、まばゆさんのカラダの味。
それだけで──私にとっては嬉しい。
もっと、もっと──甘えたい。
「……!? ま、マミさん……!?」
まばゆさんの白い手に、私の手を添えて──。
「ぷは……。……まばゆさん、ごめんね……っ」
彼女の手を、私の──へと、誘ってしまい──。
「マミさん……」
「……だめ……?」
ああ、泣いちゃいそう。
拒まれても仕方がないくらい。
でも、受け入れてくれても──惨めで悲しくなっちゃう。
胸がズキズキする。
こんな感覚、私──もう耐えられなくって──。
「……マミさんが望んでる事なら……っ」
真っ赤な微笑みは、私の『わがまま』を受け入れてくれた。
これで私は、惨めな私──。
「ひゃぅ……っ!」
まばゆさんの細い指が、私へと触れる。
「ま、マミさん……!?」
「んぅ……ぁうぅ……っ!」
一度触れられただけで、この心地。
カラダ全身が、甘やかに痺れてしまう。
「い、痛かったら言ってくださいね……!?」
「っ……大丈夫っ……」
「で、でも……っ」
「お願いっ……! 続けてっ……!」
「っ……わかりました……」
こんな心地、一度っきりだなんて──耐えられない。
もっと浸っていたい。
お預けされるなら、ひどいんだから……。
「ん……んふぅ……!」
まばゆさんの指が、再び私の中を穿くる。
その度に、私は──。
「きゃ……うぅっ! ゃ……ゃあっ……!」
力が入らなくなってしまう。
骨抜きにされちゃう──。
それに──。
「ぁんっ……! うぅ……ひゃうぅっ……!」
ああ──なんてざま──。
みっともない、あられもない声が、私から──。
声を出すまい──と必死に抑えても、漏れ出てしまう。
「ゃ……うぅっ……! まばゆさん、まばゆさんっ……」
恥ずかしい──恥ずかしいよ……。
恥ずかし過ぎて、泣いちゃいそう──ううん、泣いちゃってる。
耐えきれず、堪らず、瞼をぎゅっと閉じてしまう。
泣いちゃって、頬が濡れてて──今の私、たぶん顔が大変な事になってる。
私が招いてしまった事なのに、ね……。
「ぁむ……!」
「ひゃっ……!」
再び、お口に含んでしまう。
まばゆさんの、白い胸。
「ぢゅ……ぢぅっ……!」
「……マミさんっ……!」
それからは──また、頭を撫で撫でされながら。
私を、慰めてもらいながら──。
「んぅ……やぁ……! ぁんっ……!」
カラダをビクビクと震わせながら、我慢なんて出来るわけなくって、なさけない声を漏らして、乳を吸って、まばゆさんに醜態を晒す。
「はぁ……はぁ……っ! ぁ……ふぅ……っ! ぁむっ……!」
もう、涙だらけで前が見えない。
水滴が視界をぼやかして、何も見えない。
「ぢゅっ……! ぢゅるっ……! ぢうぅっ……!」
私の中を──カラダの芯から、ぎゅ〜っと……掴まれて、搾り尽くされるような、堪らない、切ない心地。
私は、そんな『寂しさ』から抜け出せないでいる。
ううん、むしろ──。
「っぢゅ……! ぷはぁ……っ! ひゃうぅ……うぅ……!」
「マミさんっ……どう、ですか……?」
「うぅ……気持ち良いっ、気持ち良いよおっ……! あ……ふうぅっ……! ゃんっ……!」
もう既に、まばゆさんに溺れてしまってる。
私はもう、助からない。
救いようがない。
「っ……! ぁむ……!」
立ち込める水音が、いっそう際立たせてしまう。
私は、もう──どうしようもないんだって。
「ちぅ……はふっ……! ……れろっ……!」
寂しくて、心細くて、どうしようもない子。
どうしようもないくらいの、駄々っ子。
無力な乳飲み子も同然な、駄目な子。
「っ……っっ……! ぁんっ……!」
それでも、私は──まばゆさんを求める事をやめられない。
こんなの、逃げられたっておかしくない。
むしろ、いっそのこと逃げてほしいぐらい。
なのに、私はこの子を放したくない。
そして、離れてほしくない。
離れ離れになったら、私は──きっと──。
「うぅ……っ! まばゆさん、私っ……もうっ……!」
「いいですよ……っ」
ああ──だめよ。
「っうぅん……! はうぅっ……!」
「私でよければ、どうぞ遠慮なんてしないで……」
やめて──やめて、まばゆさん。
「っぁあっ……! やだぁ……! やだぁあっ……! まばゆさんっ……まばゆさんっ……!」
私を、私でいさせて──。
そんな事を言われたら、私──は──。
「うぅっ……!」
──私は、私でなくなってしまう。
私が──まばゆさんへと融けてってしまう。
「ううぅぅっ……!」
私、あなたに融けてしまう。
融けて、戻れなくなってしまう。
ダメになってしまう。
ずっとずっと、あなたに甘えたまま。
もう二度と、離したくなくなってしまう。
だから、この寂しさも──心細さも──。
「ううううぅぅぅぅっ……!」
──ずっと、このままなんだと思うの。
「っぁぁああっ! ひぁぁああっ……!」
水飛沫が響く。
ぷしぷしと、迸らせる。
カラダは痙攣するように震え、思うように力が入らなくて──。
「ゃだ……! やだぁぁああ……っ!」
悲鳴に近い涙声をあげながら、切なさを排泄するように、水音と共にはき出して──。
「っひぐ……うぅ……ぅぅううっ……!」
しゃくりあげながら、歯を食いしばって、涙に濡れた瞼をぎゅっとつむって──。
破れてしまいそうな程にシーツを掴んで、爪を食い込ませて堪えて、それでも水音は止んでくれなくて──。
「あうぅっ……! ひっ……うぅっ……!」
堪えきれなくって、両手の手のひらで、涙でぐしょぐしょな顔を覆い隠す。
「っ……ぐす……」
惨め極まりなく、透明の蜜を散らし、シーツに染みを描いて、私は果て尽くしてしまった──。
──全部終えて、ベッドの上で。
「……まばゆさん」
「……はい」
汗まみれになってしまった私たち。
まばゆさんに至っては、胸のあたりが──私の唾液でべっとりと濡れてしまってる。
それに、私の頭を撫でて、支えてくれていた方のまばゆさんの手が──よくよく見れば、ぴくぴくと震えてしまってる。
──無理、させちゃった……。
「……ごめんね……っ。なんだか、めちゃくちゃになっちゃった……」
「どっちかと言うと、そこは『ありがとう』って言って欲しかったです」
「ふふっ、もうっ……。ぐすっ……」
「にひひっ……」
まばゆさんったら、こうして──いつだってズルいの。
いたずらっ子みたいな笑みと共に、ズルく私の心を抱きしめてくれる。
寂しい寂しい私を、慰めてくれる。
「……本当、ありがとう……まばゆさん……」
「……私もです。私なんかを気に掛けてくれて、本当にもう……」
──だから、いっそう心細い。
「帰ったらまばゆさんに話すって、言ってたよね……」
「……ですね」
せっかく約束して、まばゆさんも聞いてくれるつもりなんだもの。
ちゃんと無碍にせず、言わなきゃ──ね。
「……まばゆさんの予知は、いつだって最善を尽くした結果。それは分かってるの……」
「……」
胸をズキズキと痛ませながら、まばゆさんに吐露して──。
「でも、時折思ってしまう時があって。……悪い予知が告げられて、まばゆさんと……いっしょに居られなくなってしまう日が来たらどうしよう、って……。だから私、もっともっと……より良い未来を呼び寄せられるように、強くならなきゃって……」
「……っ」
まばゆさんも、瞼を閉じてしまって。
そして再び開ければ、瞳は潤い気味で──。
「……私も、時々思ってました。この日常が、終わりを告げられてしまう日が来たらどうしよう、って……」
──目尻に、涙を溜めてしまいながら。
「ああっ……、そうですね……っ。私も、辛いです。本当に辛い……。でも、マミさんっ……」
潤った瞳を私へと向け直して、まばゆさんは──。
「実は、私も寂しいんです……。自堕落ボッチ陰キャって自称してて、何でもないフリしてますけど──ひとりぼっちって、寂しいものなんです。ひとりぼっちになってしまって、寂しくない人なんて……居ないと思うんです」
震える声を我慢した、小さな小さな──まばゆさんの声。
まばゆさんが泣きたくなる時には、いつもこんな声色になってしまう。
このまばゆさんの声は──嘘なんてついてない、本当の声。
「だから、『寂しい』って時は──遠慮なんてしないでくださいね……? 私も、マミさんにはお世話になりっぱなしだから、負い目なんて感じないでくださいね……?」
──ああ、まばゆさん。
あなたって、本当に──。
「──ふふっ」
「わわっ……」
また、ぎゅ~って……抱きしめてしまう。
まばゆさんに、甘え尽くしてしまう。
「……ずっとずっと寂しいの、私。だから……遠慮なんてしないわよ……?」
「にひひっ、それで良いのです」
「ふふっ、もぉ……っ」
まばゆさん、今日は嘘をつかずに受け応えてくれた。
それはとっても嬉しくて、泣いちゃいそうになる程なの。
でも──。
「ずっと一緒にいようね……? まばゆさん……」
「えぇ、えぇ……。そのつもりです──」
嘘じゃない代わりに、はぐらかされてしまった──。
そんな気がしてならないの。
この胸のズキズキは、多分──もう治らない──。