「ん、ん〜…朝でしょうか…もしかしてお昼ですか…?起きてください、兄さまぁ」
「ん…おはよう…ミスズ…今日もカワイイカワイイね…」
「ふふ、まだ寝ぼけてますね…」
その後、起床した二人のもとに領主様からお話があると伝えられた
共に身支度を整えて、領主の間に向かう
領主の間では、一睡もせずに頑張り過ぎている娘をとても心配している心優しい父親の姿があった
「お二方、お見苦しい所をお見せしましたな…娘から話は聞かせてもらいました。
今回の件、本当に感謝しております。なんとお礼をすればいいのやら…」
「全ては、ワシの弱い心が招いた事態。今後このような事が無いよう精進するとともに、民のために粉骨砕身していく所存です。」
「私はその言葉が聞けただけで十分です。それに大変なのは、これからだと思いますし…」
「二人共、話したいことがあるんだ。
ここではなんだから、少し歩かないか?」
レンカに連れられて領主の間を離れ、庭に出る
レンカから礼と感謝を受けた後…ヨルガサが言ってた、朱比売をこの地にもたらした古代に存在した神の事で話し合った
レンカが住んでいた家の北隣に、手がかりを持ってると思われる人物が暮らしているようだ。
レンカはまだ忙しくて一緒に向かえない為、二人で向かう
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目的の人物、キハルから話を聞く所…神の名はシキツホコト。悪神、淫神と呼ばれる存在であること
有名な神であり…『青く光る刀』を持った英雄に討伐された逸話が、この地域では良く語られていたそうだ
レンカも知っている逸話のようだが、名前は省かれて『悪い神』と物語には表記されているらしい。
そして、実際の物語に書かれた鍛治の神が打った『青く光る刀』は名を″神刀天比売″と言うようだ
その名に朱比売が強く刀身を振るわせて反応する─
幸い、淫気は出なかった
二人は様々な有力な情報をもらって、新たな地に向かう…目指すは都の東。
スサヤ古道を抜けた先に広がるヒリョクの森…伝承に記された大霊樹。朱比売は天比売なのか、仮にそうならどうやって元に戻せるのかを知る為に。
二人は、レンカとキハルに別れを告げて出発した
「朱比売は天比売なのか…大霊樹があるのかどうか…うーん、不確かなことばかりですね…兄さまはどう思いますか?」
「朱比売には尋常じゃない力が秘められてるし、鍛治の神が打ったと言われても納得できる業物だ。ほぼ確定だと思うよ」
「大霊樹も実在する事は確かだし、信じて進もうか」
「兄さまが信じているならば…進みましょうか」
古道に住む妖怪…デカい蛙やデカい蜘蛛、かまいたちをミスズが退治するのを見守りながら、二人はヒリョクの森に到着した
「ここがヒリョクの森…周りとは空気が違って、満ち満ちた生命力を感じます…」
「確かに…ここならば大霊樹も存在するかもしれませんね、兄さま」
「伝承通りだと良いね」
その後、二人の前にズイエツが現れた
「ミスズと人間か、こんな所で会うとはな。」
「ズイエツ!なぜ貴方がこんな所に!?まさか、また経立達の管理を怠っているのですか!?」
「そう警戒するな、経立共も俺が不在だからといって、たやすく言いつけを破るほど命知らずではない。」
「それに、監視役の経立も設けている…ミスズとの約束は守っているぞ。」
ズイエツの言葉にミスズは安心し、疑った事を謝った。疑うに足るべき事があったから構わない、とズイエツは許してくれた
ズイエツは、よそ者を入れたくないこの森に住む化け狸達に化かされて、森の奥に到着できないようだ。
「そんな…折角ここまで大霊樹を探しに来たのに…」
「む?お主もスイに会いに来たのか?」
「…スイ?い、いえ、ですから私達は大霊樹を探しに…」
「だから、スイに会いに来たのだろう?」
「ミスズ、スイというのは大霊樹に宿る木霊の名前だよ」
「ほう、知っておったのか」「ナリハ様から話を聞いた事がありましたから」
「私は領都の伝承だけで、具体的な事は知りませんでした…」
「スイの所まで辿り着き、言葉を交わせる人間はそうそういないからな…人間の情報ではそんなものだろう。」
「ナリハ様はミスズに過保護気味ですから…たぶん俺にしか聞かせてないんです」
「過保護なのか…あの白雌狐は…いや、しかし…ミスズのような弟子ならば囲っておきたいという気持ちもわからなくはないか…」
大霊樹を目指す理由を聞かれた二人は、領都の出来事と得た情報をズイエツに話した
その後、ズイエツからギテンという化け狸の親玉の事と…戦う上での助言を聞いて別れる
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二人は無事に、化け狸に騙される事なく変わり果てた大霊樹に到着した
木霊・スイと大霊樹を囲むように蔓延っている毒々しい蔦が、大霊樹から養分を吸い取って弱らせているらしい
大霊樹とスイを助けようとした二人の前に…狸の親玉、ギテンが飛び出してきた!
「ただでさえ猿だの狐だの人間だのが我らの縄張りを荒らして頭に来とるというのに。これ以上の身勝手は許さんぞ。」
「なぜ邪魔をするのです!蔦を切らなければこの木は死んでしまいます!!」
「この蔦の力さえあれば、ゆくゆくは我々怪狸がこの地の頂点に立つことも夢ではないのだ!!」
「ミスズ、ギテンさんは蔦に操られて暴走しているんだ。話し合いでは止められない…止めるには蔦を斬るしか方法はないよ」
「兄さま…分かりました。ミスズ、参ります!!」
「貴様らを無残な姿にして霊樹の根元に埋めてやるわ!!」
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ギテンはミスズに倒され、そこにようやくズイエツが到着した
ミスズが蔦を切ろうとしたところ、蔦の力で回復したギテンが立ち上がる
しかし、ギテンはズイエツに抑えられた
「目を覚ませギテン、貴様は別に善良ではないが…スイやこの森を蔑ろにする輩ではなかっただろう」
「ズイエツ…てめぇよくも…!」
「ミスズ!!ギテンは俺が抑えておく!今のうちに蔦を斬れ!!」
「はっ…はいっ!!」
ミスズが大霊樹に蔓延る蔦を粗方斬った事によって、変わり果てていた大霊樹はもとの姿を取り戻した。この地を司る大樹だから、開放さえされれば自己修復は容易らしい
二人のところへ、スイが降りてきて礼を述べた。自分達の事を知っているスイに驚いたミスズに
スイは…二人のこと、朱比売のこと、そして淫神のことも知っていると伝えた
「スイの知識量と情報収集力は誰よりも優れていると思っていい。」
「鳥も獣も木々も精霊も、沢山のお話をしてくれますから。あんな状態でしたが、情報の収集だけは欠かしていませんでした。」
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ギテンが暴走した理由、そして何故スイに淫気が蓄積されてそれを求めた蔦に寄生されたのかを教えられた
起き上がったギテンから謝罪を受け、自身の暴走を止めてスイも救ってくれたミスズにギテンは感謝を伝える
ギテンはミスズが望むならケジメをつけるようだが
ミスズは、ギテンに悪気が無いのならこれ以上責めることはできないと断った
ミスズの優しさに感動したギテンは、深く感謝を伝えた
その後、スイから話を聞く
「お二人がここに来た目的は知っていますし、私は答えも持っています。ですが…それが必ずしもミスズさんの望む吉報になるとは限りません…」
「この話は長くなりそうですし、決断を迫る事があるかもしれません…一度、休まれてから話をしましょう。」
ミスズがどんな決断をするとしても、傍で支えていよう。
会話形式を盛り過ぎると文字数爆発しちゃう