そろそろ同人ゲームで何か書きたいなーと思いながら他に連載してる小説を頑張る日々
現実世界がクリスマスで盛り上がっている頃、僕はのんびりと淫魔界で過ごしています。
いつになったら現実世界に帰してもらえるのだろうか。きっとエンプレスさんに頼めば帰してもらえるかもしれない
フェッセタウンに建てられた一軒家のコタツの中でのんびりしながら蜜柑を剥いていると…賑やかな同居人がドアを勢いよく開け放った。
「マグルート君!Merry Christmas!!コタツで丸くなってるところ悪いけど遊びに行くよ!」
「メリクリメリクリ。お外寒いし冬が終わってからにしない?」
「クロエ姉さんもメアちゃんもエンプレスさまも居るよ〜?」
「何してるのフェッセ、早く行くよ!!!」
大切な友達をこんな雪降り積もる大地に待たせておいて自分だけあったかゴロゴロしている場合か
対応の差に文句を言うフェッセを宥めて冬服を羽織った僕はフェッセに手を引かれながら外へ飛び出した。
◆
「思ったより雪が積もってるね…雪だるまもかまくらも色々作れそうだ。」
「雪合戦も面白そうだよね〜、マグルート君を賞品にすればきっと大盛り上がりだよ!」
「雪がこの世界から消えそうな企画はやめようね!」
盛り上がりはするだろうが間違いなく大変なことになってしまう。遊びでは済まなさそうな知り合いが多い。
冗談だと思いたいフェッセの軽口に切実な叫びを返しながら積もった雪を踏み締めて雪原を進んでいくと、見慣れた友達の姿を見かけた。
「マグルート君、メリークリスマス…!えへへ、友達みんなと雪遊びするのって楽しいね…私、ずっと憧れてたんだ…いつも、遠くから眺める事しかできなかったから…」
「メリークリスマス、メア。楽しいなら何よりだよ…遊べなかった分、これからも一緒に遊ぼうねっ…!」
所々に雪を被ったメアはニコニコと満面の笑みを浮かべて笑っていた。少し先にはさっきまで雪の中で戯れていた淫魔達がこちらに手を振っている
…この涙は寒さに目がやられて流れてるだけなんだ。彼女の悲しい過去の境遇を哀れに思った訳ではない…
「お目目が真っ赤だよ…マグルート君…泣かないで…ほら…ぎゅってしてあげる……えへへ…私ね、もう寂しくないよ。貴方のおかげで色んな友達が出来たんだ。最初に友達になってくれた貴方が、私を救ってくれたの…ふふ、大好きだよ…マグルート君…」
「メアぁぁっ…!」
庇護欲を抱いてしまうほど細くても柔らかいメアの身体は、確かな生命の熱を放っている…時間を忘れたように抱きしめ合ってお互いの身体を温め合った。
本来助けられなかったはずの彼女を助けられただけで、僕は胸がいっぱいだと言うのに。メアの愛は何処までも心を打ってくる。……運命を捻じ曲げた責任をとって幸せにしないといけない
「……あああーもう!湿っぽいのはナシだよ!2人とも!!今日は目いっぱい遊んでデッカイもみの木に飾り付けして最後はチキンとケーキをお腹いっぱい食べるんだからね!」
「ふふふっ、そうだね。厄災にも淫魔界の未来にも怯える必要が無くなったんだから、人間も淫魔も泣いたり悲しい思いをしなくていいんだよ。」
「エンプレスさんもメリークリスマス。お身体は大丈夫ですか?」
「まだ全快とは言えないけれど、君達のおかげで不自由無く過ごせているよ。…そういえば私もフェッセからマグルート君も来るからって呼ばれただけで何をするかは聞いてないんだけど…」
「とりあえず人数分の雪だるまでも一緒に作りましょうか。今まで皆さんの為に頑張ってきたんですから、たまには思いっきり遊ぶ日も大切ですよ。」
「なんだか気恥ずかしいね…マグルート君も一緒に遊んでくれるなら付き合うよ。2人でいっぱい作ろうね…♡」
「雪だるまの話ですよね???」
下腹部を撫でながら流し目でこちらを見つめるエンプレスさんを見ないようにして雪だるまを作った。
メアは雪合戦に戻って幼い淫魔達とわいわい雪玉を投げ合って仲良く遊んでいる…幸せな光景だ…巻き込まれたフェッセの顔に雪玉が直撃した!
「あっ、ここに居たんだね、マグルート君…メリークリスマス。最近めっきり寒くなってマグルート君も部屋に篭りがちだったから心配してたけど、元気そうで良かったよ。」
「メリークリスマス、クロエさん!サンタ衣装とても似合ってて綺麗ですね、最高です!」
「ふふ、ありがとうマグルート君。おめかししてきた甲斐があったよ。嬉しいな…」
普段のクロエさんは肌の露出も少ない黒い服装を着こなしているから、サンタさんの格好をして赤い服を着ている姿はとても新鮮で可愛い。
この姿を一目見れただけでも来てよかったと思える。
「それじゃあ何して遊ぼっか?マグルート君はどんな事したい?」
「それじゃあ…一緒にかまくらでも作りませんか、クロエさん。こんなにいっぱい雪があれば2人で入れるサイズも作れそうですから」
「…くすくす、いいよ…今だけ2人っきりのお家、作ろっか。いつか一緒に住む為の予行演習だね…♡」
いつの間にか僕の貞操も人生も彼女達の物になってしまったようだ。どうして……
2人で作ったかまくらの中で敷物を敷いて並んで座り、手を繋いで雪原を眺める…交わす言葉は少なくても、クロエさんと静かで充実した時間を過ごせるのは確かな幸せだった。
メア達の雪合戦に乱入したフェッセだが健闘虚しく負けてしまって雪だるまにされている……エンプレスさんも楽しそうに雪だるまフェッセを飾り付けている。これが自由か。
◆◆◆
夜を迎えて雪も強く降り始め、みんなで家の中に逃げ込んで冷えた身体を温めながらクリスマスパーティーが始まった。
賑やかな聖夜を思う存分楽しんで過ごし、夜更けには広い部屋に毛布と布団がひしめき合う中僕たちは眠りについた…
そして、僕を取り巻く舞台は夢世界へ…
「かまくらでは満足できないご主人様、メリークリスマス。こちらには雪と氷のドームにサンタサキュバスどころかサンタクロースご本人もいらっしゃいますよ。人ではなく夢魔ですしトナカイも見当たりませんが…些細な事ですよね?」
「ん…メリークリスマス、シルキィ…これって些細な事で済むかなぁ…済まないかも…夢の中くらいはあったかい場所で過ごしたいな。」
微笑むシルキィに手を引かれるまま歩き続ける…氷結図書館かあるいはホームに向かうのかと思っていたが、彼女はサンタクロース達が住んでいる隠れ里に着いた。
「焚き火のおかげで温かいね…こうして考えると、焚き火にあたるのは初めてかも…ありがとう、シルキィ。」
「お喜びいただけて何よりです、ご主人様。…それでは、新たな世界を旅したご主人様が体験した様々な話を聞かせてくださいませんか。私達の知らない事を、貴方の口から色々聞きたいのです♡」
「よろこんで。…そうだね……まずはヘメレとアイテルのように淫魔界でも頑張ってアイドル活動をしてる子の話でもしようか。」
火に焼かれている木材がパチパチと弾ける音を聴きながら、隣に腰掛けたシルキィへ求められるまま想い出話に興じる…
起きている時に過ごす世界も、寝ている時に過ごすこの世界も、どちらも僕の大切な世界だ。
童話の世界や淫魔界を救ってみせたように、両方の世界を守ってみせる。こんな僕を慕ってくれる大切な従者と、かけがえのない友達とこれからも楽しく過ごす為に。
正月はどうあがいてもミスズちゃんになってしまいそうだ…姫はじめ叡智も頑張って書くからゆるして