今回の妄想短編は
原作『 神隠し しょぅじょ贄 』
ホラータグが死んでおるし、ホラー系描写を含むエロゲーで何か書いてみようかなーと思うてのう
気付いたら地の文パレードの9800文字になっておったんじゃ。一話の平均文字数が爆発しちゃうね
山の谷間に『人を祟る神』が住む村がある。
その村の神に祟られた者は一夜の内に血の泡を吐き、白目を剥き出し苦しみ抜いて死に至る。
村の民はその厄神を遠い昔から祀っていた
そして、村に金を積めば祟り神に殺したい人間を祟るように頼んでくれると…
権力者の中にはそれを利用する者もいるとか。
しかし…人を殺めるほどの祟りを起こした神の身体には、相応の穢れが澱み始め
それを祓うためには長い年月か人の子の生贄が必要となる。
昔は祟りを求める願いに応じて、その代価として村から差し出された生贄の少女達を迎えてきたが
年月が経ち…祟り殺しの願いも少なくなっていた。それに併せてこの身の穢れも少なくなり、もはや生贄はいらないのだが…
また、一人の少女が生贄として祟り神に捧げられた
「求めてもおらぬのに、よくもまぁ生贄を差し出してくるものだ…」
村人達は生贄を捧げなければ村に災いが訪れると恐怖し、何かがあれば俺の怒りだと勝手に畏怖している
村に起きた飢饉なぞ、俺の関わり無い事だ。
この地を護る力、そして道理を曲げて祟る力こそあれど…農作物まではどうにもできぬ。
神社の縁側に腰掛けた男は、山道まで訪れた村人達のやり取りを眺めて1人ごちる
「たたり様…生贄が来ます…」
「あぁ。行ってくるよ、きつね」
「村人どもは何か悪い企みをしてた…みな祟ってやろうよ、たたり様」
「よせ…俺を祀ってくれる者たちだ。無闇に脅かす必要は無い」
村人達を監視し、報告しに来てくれた狐の耳と二股に別れた狐の尾を生やした少女を屋内で休ませて
哀れな生贄の元へ向かった
・・・・・・・・・・
あまり整備されておらず、枯葉が散らかっている神社に座っていると
紫色の着物を纏い、青みがかった髪へ花飾りを身に付けた少女が訪れた
「お前が今年の生贄か。もっと近う寄れ…その姿を見せろ」
「あなたが、神様ですか?生贄って、どういう…」
「簡単な話よ。俺の祟りが村に降り掛かるのを避ける為に、村人達が選んだ俺への供物だ」
少女の表情が蒼白くなっていく…無理もない。今まで見る事も叶わなかった綺麗な着物に身を包み、神へ感謝を捧げるだけで村に貢献できると思っていればこんな仕打ちだ
「村長様からは、神様にお礼を伝える為に行けとしか聞いてません!」
「村人共は何も伝えずに騙すような形で生贄を用意するからな…まずは名を聞こう。人の子よ」
「…ひっ、
「そう怯えるな、楸。俺に生贄を喰い殺す趣味はない」
穢れはもう自然と消えつつある。楸を神隠ししてまで穢れを落とす必要は無いだろう
楸にはこれから性交を通して精と穢れを送り込み、人ならざる妖に変化させる事を伝え
決して殺めるような真似はしない事を約束したが、楸は性交自体が分からぬようだ
「そうか…まぁよい、実践して知っていけば良い。こういった事は実践するのが最も理解できるはずだ」
「あまり、痛くしないでください…」
「初めては多少痛いと思うが、我慢しろ」
縁側に腰掛け、楸にはこちらへ向かい合うように膝の上に座らせて着物を脱がせる…当然だが毛一つとして生えていない秘部はぴっちりと閉じたままだ
肉体を持たない神である男が身体を得た頃は、大きな鬼のような顔と身体つきをしていた。
しかし、そんな身体では生贄との夜伽や交流に支障が出た為、身体を人の形へと変化させている
その変化を片腕だけ解くと、元の鬼の手指を次は粘液を滴らせる細い触手へと形を変えて楸の秘部に当てる
「…ひっ…んっ……はっ……神様…んぅっ…むず痒いです…」
まともに触れた事もないであろう秘部から流れてくる感覚に戸惑っている楸は、小さく息が切れる程度の反応しかできない
「いずれ気持ち良くなる、今は身体の力を抜いて大人しくしていろ」
人の子を発情させる成分を秘めた粘液を纏う触手で秘部全体を撫で回し、媚肉に包まれた陰核を弱めに挟んだりしていると
楸の反応も声が上擦り始め艶を帯び、その身体に仄かな熱を纏い始めていた
「あっ…♡神様っ♡なんか変ですっ…♡お腹の奥っ、熱くなってっ…」
こちらに抱きついて未知の感覚に耐える楸の頭をゆっくりと撫でてやり、次は触手を膣内に侵入させていく
「ひゃっ、ああぁぁっ♡♡私の中にっ、入ってぇっ…!?♡♡」
「まずは慣らしてやろう、まだ俺のを挿れても痛いだけだからな」
小さくて締まりの強い膣内を、傷付けないようにゆっくりと触手で舐り回す。
しばらく続けていると、楸の身体も快感を受け入れて結合部から愛液を垂らし始めた…
「んっ!♡ふっ♡お腹の中でっ♡暴れてっ♡声が、出ちゃいますっ♡はぁっ♡」
「濡れてきたな、強くしてやるからそのまま絶頂しろ」
「うぁっ!♡かみ、様っ♡♡ひんっ♡わたしっ!♡このままだとっ♡んぁっ!♡変になっちゃいますぅっ!!♡♡♡」
「あたま、おかしく、んっ♡なってっ!♡もうっ、ふぁっ!♡あぁっ♡♡ひああぁぁぁんっっ!!♡♡♡」
2つの液体によって大きな水音を立てながら滑らかに膣内を動く触手は、まだ幼い楸の身体にも強い快楽を与え続け
抑えきれない快感に楸は我慢できず初めての絶頂を経験した。
「んぁっ♡はぁー…♡んっ…♡かみしゃま…」
「準備は出来たようだな。挿れるぞ、楸」
絶頂の刺激に震えながらもきつく締め付けてくる膣内から触手を抜き取り、楸の身体に合わせて多少の調整を施した陰茎を挿入する
「んんぅぅっ!♡♡さっきよりもっ♡おっきいぃっっ!?♡♡」
「幼い身体だけあってキツイな…痛みはどうだ、楸」
「なんとかっ…大丈夫、ですっ…!♡」
幾ら準備をしていようと処女である事には変わらない。楸が破瓜の痛みに慣れるまで、そのまま手を握り合い頭を撫でてやる
こちらの手を強く握る小さな手を包み、荒い息を吐き続ける楸を抱き寄せて息が整うのを待ち続ける
「はぁ…ふぅ…神様、もう…大丈夫ですから。続きをしてください」
「分かった。辛かったら言うのだぞ」
「はいっ…んっ♡はっ♡あっんっ♡♡これっ、好きっ♡ずんずんってされるとっ♡♡何もっ、考えられなくなってっ♡♡」
収まりつつある破瓜の痛みよりも、強い快楽をもたらす陰茎の刺激に楸は夢中になって嬌声を上げていた
細い腰を掴み、愛液で濡れそぼった膣を深く突き上げると身体を大きく震わせ膣内を締め付けてくる
「んおぉぉっっ!♡♡♡しょこっ、らめれすぅっ!♡♡わたしっ、ばかになりゅぅぅっっ!!♡♡♡」
「ばかになってしまえ。そんな楸も可愛がってやろう」
「んあぁっ!♡♡かみしゃまっ!♡♡わたしっ!♡♡しんじゃいますうぅぅぅっ!!♡♡♡んあぁぁぁっっっ!!♡♡♡」
楸の絶頂に合わせて陰茎から精と穢れを注ぎ込む…陰茎から白濁を出す度に楸は身体をびくびくと艶かしく震わせ、そのまま気を失ってしまった
・・・・・・・・・・
清らかな山水で楸の身体を綺麗にし、ゆっくりと人から妖に混じりゆく姿を眺めながら眠り続ける楸の頭を撫でて目覚めるのを待つ
「…んっ…かみ、様…?」
「目が覚めたか。体の調子はどうだ?」
「少し、お腹は痛いですが、とても身体が軽いです…」
「俺の精と穢れを取り込んだ楸の身体には、妖の力が混じっている、その影響だろう」
「病に無縁の健康な肉体に作り変わるとでも思って構わない」
「神様…私は、村に帰れるんですか…?」
「帰りたいと願うならば帰してやるが…やめておけ。」
「それと…俺の事は神様ではなく、たたり様と呼べ」
「はい、たたり様…」
まるで誤魔化すように、寝転んでいる楸の目を覆う。
帰ったところで、村の者達は生贄として捧げた子を歓迎しないだろう…
◆
夜を迎えて、こっそりと神社を離れて山を降りた私は…村に帰って家の戸を叩いた。
「ねぇ、開けて…私、帰ってきたよ。」
『ひさぎ…か?』
「うん、楸!帰ってきたの、開けて…お兄ちゃん。」
『ひさぎ、許してくれ…』
『頼むから、ここには来ないでくれ…見逃してくれ…』
「ねぇ…開けてよ…お兄ちゃん…」
『俺達を許してくれ…』
何度も戸を叩いても、固く閉じられた戸は開かなかった。
神様に捧げられる前は可愛がってくれた人達の家を訪ねても、誰も私を迎えてはくれませんでした…
◆
「ここに居たのか、楸。」
「あっ…たたり様…」
夜更けに神社を出た楸は、閉じられた民家の門前で立ち尽くしていた
扉の先から漏れる声は恐怖に溢れており、必死に楸へ許しを請う声が響いている
「変なんです…私、帰って来たのに…誰も戸を開けてくれなくて、許してくれって、化け物は山に帰れって…みんなっ…!」
「この村に住む者たちは、楸が生贄にされた怨みを抱いて村へ復讐する為に帰ってきたと恐れているのだろう」
「そんなっ…私はただ、家族と一緒に居たいだけなのにっ…!」
「楸、お前はもう此方側の住人だ。俺の精と穢れを注がれた時に人間ではなくなったのだ」
「もはや人の領域にお前の居場所は無い…皆、お前を化け物と呼び迫害し、忌避するだろう」
楸は今にも泣き出しそうな顔でこちらを見ていた
「私はっ…もう村のみんなと一緒に居られないんですか…?」
「それが、生贄として神に捧げられるという事だ」
「帰ろう、楸。今日からは俺ときつねがお前の傍に居る…俺達が決してお前を一人にはさせぬ」
「ぐすっ…うぅっ…たたり様…これから、よろしくお願いします…」
泣きじゃくる楸を抱え上げ、その頭を撫でて慰めながら、きつねが待つ神社に帰った
・・・・・・・・・・
「たたり様、お帰りなさい。…それと生贄」
「きつね、これからは生贄ではなく楸と呼んでやれ。俺たちと生活を共にするのだからな」
「きつね、ちゃん…よろしく、お願いします…」
「たたり様の命令なら仕方ないですね…」
こちらの袴を掴んで後ろに隠れて顔を覗かせる楸の頭を撫で、住処としている神社をきつねと共に案内する
「ここが寝床だ。普段寝る事が無い俺はあまり使わないが、寝具は一通りある」
「もう夜も更けた、今日はゆっくりと休め」
「はい…おやすみなさい、たたり様…」
落ち込んだまま布団を被った楸の背を、彼女が眠るまであやし続けた…
・・・・・・・・・・
「ねぇ、きつねちゃん」
「きつねちゃん?お狐様って呼びなさい」
「あっちの切り株でおはじきやろうよ」
「なんで、やだからね今はたたり様とお散歩中なんだから」
「きつねちゃん、またおはじきで負けるのが嫌なんでしょ」
「そんな訳ないじゃない!」
「ふふふ、きつねはまだ慣れておらぬからな」
あれから月日が経ち、最初はおどおどしていた楸もこの生活に慣れて、きつねと遊んでいる姿を眺めたり皆で山を散策したり、気が向けば2人を抱いたりと静かで充実した日々を過ごしていたが
ある日、楸ときつねに連れられて歩いていると…森の中に巫女装束を纏った女が背を向けて立っている姿を見つけた
森の中では目立つその格好を見ていると、こちらへ気付いたのか振り向いて近づいて来る
「お初にお目に掛かります、土地神様」
「…間に合わなかったようですね…生贄に選ばれた少女はもう…」
「この子はすでに俺の側へと魂が傾いている。もはや人の世では暮らせないだろう」
「そのようですね…」
きつねと楸はこちらの背に隠れ、目の前に居る女が放つ強い気配に恐怖している
女は、村人達から頼まれて俺を鎮めるためにこの地へ訪れた巫女だと正体を明かした。
「時代は変わり、村の者達は祟りを必要としなくなっています」
「どうかこの地で人を祟る事を忘れ、眠りについていただけないでしょうか」
「…願われて祟りを起こし、捧げられた生贄を迎え、この地の神として在り続けた…それが今、もはや不要だから眠っていろ。とはな……」
実に身勝手なものだが、それが人間と言うものだろう。
それでこの地の民が穏やかに暮らせるのなら異は無い
しかし、俺にはこの子達が居る。
「…一つ、頼みがある。巫女よ」
「なんでしょうか」
「俺に生贄として捧げられたこの子達の面倒を頼みたい。少し過激な一面はあるが…誰かが導ける内は善い存在として在り続ける事ができるはずだ。」
「たたり様…!?」「ダメです、たたり様!そうなればあなたは!」
「…しかと承りました。土地神様の代わりに、私がこの子達の面倒を見ます」
「うむ…きつね、楸、俺はこれから長い眠りにつくが…お前達には俺の代わりにこの土地に住まう人間達を守ってほしい。俺が起きていては村の民達が平和に暮らせぬようだからな」
「この地の人間達に代わり、今まで…ありがとうございました、土地神様」
巫女の手から札を数枚、身体へ丁寧に貼り付けられ…巫女が鈴の付いた宝剣を構えて準備は整った
「…鎮めの鈴音を持って申しあげる。祟り神よ、怒りを鎮め…お眠りを…」
札が穏やかな熱を帯び、身体から力は抜けて少しずつ視界も黒に染まってゆく中
今にもこちらへ駆け出そうとするきつねと楸のこれからの無事を祈り…長き眠りについた。
・・・・・・・・・
眠りについている間、世界が騒がしくなったり大きな争いが起きたりと地上に様々な変化はあったが
「お願い…します…あいつを…消して!…神隠しして!!」
何世代変わろうと人は神へ祟りを願うのか
(祟る必要が無くなり、眠る事を願われたと言うのに。まさか新たな祟りの願いで起こされるとはな)
目を覚ますと、周りが見慣れない景色に変わっている。
眠りに着く前から数百年は経ったのだと結論付けた
(きつねと楸は、村は無事なのだろうか…?)
廃神社へ続く山道で見かけた珍しい格好をした少女達を見る限り、この地から人が居なくなった訳では無さそうだ
山の麓に降りてみると見知らぬ神社があった。この村は別の神を信仰し、新しい神社を建てたのだろうか?
この神社から新たな巫女が修行に旅立つらしい。迎えの巫女には、あの時俺を鎮め眠らせた巫女の姿があった
(人の寿命では数百年も生きられぬ…しかし、こうも瓜二つとはな…)
不思議なこともあるものだと考えていると、身体に視線が突き刺さる。
明らかにこちらを捉えており、人の視線ではない…疑問に思いながら辺りを見回すとその視線と気配は消え去った
疑問はあるが、ここに残っていても仕方ない。このまま散策を続けよう
・・・・・・・・・・
あれから、民宿・廃屋・川にバス停…見慣れない物ばかりの村を彷徨っていたが
楸ときつねの手がかりは得られなかった。そのまま夜を迎えた村の中をうろうろしていたら、山から瘴気の気配を感じて様子見に向かうと
瘴気の正体は彷徨う魂だった。この山で事故死した者だろうか…ひとまず祓えないか試そうと近づくと、澄んだ声が響いた
「その魂は、そっとしておいてもらえないだろうか?」
そこに居たのは、神社で一瞬気配を感じた相手。
「お前をなんと呼べばいいのかな?祟り神でいいのかな土地神」
「祟り神で構わない。お前は?」
巫女装束を着せた小さな人形のような見た目だが、その纏う気配はこちらと同じ。
人が『神』と呼ぶ類の者だろう。
「私はそうだな…
「お前がこの地で巫女に鎮められ眠った後に土地神が消えたこの村は少々荒れ…それを収める為に私が呼ばれたのだよ、お前を封じた巫女にね。実に迷惑な話だ」
「そうか…麓にある神社は藍を祀っていたのだな」
新しい神社を建て、何を祀っているのかと思ったが事情を察した。
そうして藍と話している内に、彷徨う魂は何かを探すような動きをしながら去って行った…
藍は人の子にあの魂はそっとしておいてほしいと願われ、手を出そうとした俺の姿を見て一応止めたのだと言った。
「こちら側の者と話す機会は久々だ」
「せっかくだ、あちらで奉納された酒を一緒にいただかないかい?」
「ふむ…良いだろう」
少し歩き、見晴らしの良い場所に移った後に、藍から杯を受け取って奉納されたのであろう地酒を飲み干す。
生贄を捧げるようになる前は、このような物を捧げられていたのだったな…
「どうだい久々に口にするこの地の物は。土地神のお前には染みるだろ?」
「それとも、人を喰らう祟り神には物足りないかな?」
「…懐かしい味だ。昔を思い出させてくれる」
それから藍に神なのに人と関わる理由を問われたり、お互い人を捧げられても困るなどと話をして
こちらがずっと聞きたかったきつねと楸の事を尋ねた
「あぁ、狐と少女の混ざり物に、生贄の娘か…知ってはいるよ」
「ただし…結末だけ伝えてもあまり意味は無いかもな」
あの子達の記憶は夢のように今この地に残っている事、そして夢見の力がある俺になら見る事も出来るはずだと伝えられ
まずは神社跡の辺りを探すように勧められ、また会って一緒に飲む約束をした後に藍と別れた
そして…神社跡に訪れた俺は、2人の夢に手を伸ばした
・・・・・・・・・・
俺が封じられた後にも…巫女と楸、きつねは仲良く過ごせていたようだ。
あの2人が無事であったこと、そして巫女が頼みを聞いてくれたことが何より嬉しかった。
2人はあれから山に迷い込んだ村人達を助けたり、村人達から祠を贈られて祀られたり、善い行いを続けていたが
いつしか人々の記憶から薄れて…言い伝えとなっていき、俺が封印された場所で2人は眠りについたようだ
(俺は願われた事で目覚める事ができた。きつねと楸も祈願してくれる人の子が居なければ目覚めないか…)
あまり気は乗らないが…せっかくだ。
祟り神らしく、神隠しでも行うとしよう
・・・・・・・・・
この身の穢れはもう尽き掛けている。虫取りをしていた少女は境界に在る妖も人も存在せぬ村へと隠して連れ去り
「んんーっ!?」
ついでに退屈そうに辺りをうろついていた藍も隠しておく。
藍には地酒の礼として生成してみた酒をご馳走するとしよう
目論見通りに、人の子達は守り神として言い伝えられているきつねと楸の祠へ、隠された少女が帰ってくるように祈っている
祈る人の子達を眺めながら、目的は叶ったので隠していた少女を無事に現世へと帰した。
そして夜を迎え、2人は人の子の祈りに応えて目覚めた
「僕達を忘れてない人もいたんだね…」
「ここの景色、こんなに変わっちゃったんだ…」
「久しいな…きつね、楸。」
「「たたり様!!」」
勢いよく抱きついて来た2人を抱き返し、これまでの苦労を労う
「お前たちの記憶を少しばかり見させてもらったぞ。俺が居ない間、苦労をかけたな」
「この土地の人間たちを守ってほしいって願われましたから…」「かなり嫌そうだったけどね」「楸うるさい」
腕の中で笑い合っていた彼女達は、しばらくしてこちらへ尋ねてきた
「たたり様、これからもたたり様は人の子を祟っていくんですよね?」
「…もはや祟り神として祀られてはいないが、人の子が祟りを願う限り祟るつもりだ」
「そうなんですね…」
身体から離れたきつねと楸はこちらを真っ直ぐ見て口を開いた
「たたり様…あの、僕達と勝負してくれませんか!!」
「もし、私達が勝ったら二つお願いを聞いてください」
「ほう…?」
「たたり様が眠ってから、二人で頑張った僕達へのご褒美をください」
「お前たちは何を願うのだ?」
「「それは勝負の後に言います!」」
これまで、2人の遊びに付き合うような事はあったが
勝負を持ちかけられたのは初めてだな…面白い
「勝負の方法は?」
「は、はい!おはじき!…は…たたり様はやらないですよね…んー」
「きつねちゃん、鬼ごっこにしようよ。」
「そうだね。たたり様…いつも神隠ししてる時みたいに、たたり様は僕達を追いかける」
「私達が今夜逃げ切れたら私達の勝ち、捕まったらたたり様の勝ちでどうですか?」
「いいだろう、捕まえてやろうじゃないか」
「負けませんからっ」
・・・・・・・・・・
二人は連携して俺の手から逃げ続けていたが、夜更けを過ぎて明るくなり始めた時
ようやくこの手が二人を捕らえた
「こんぅー!!」「んんぅー!!」
「俺の勝ちだな。もう少しで負けるところであった」
2人を抱きしめていた腕を放し、そのまま頭を撫でてやる
「負けました…たたり様、僕と楸を隠してください」
「うぅ…負けちゃった、あと少しだったのに…」
「これは余興だろう。せっかく再会したというのに、お前達を隠すなどしたくもないわ」
「でも、それじゃあ僕達はお願いをする為だけにたたり様に挑戦した事に…」
「かまわぬ、それに勝負の相手も気が乗ればまたしてやる。もし勝てたのならお前達の願いもその時に聞いてやろう」
2人は嬉しそうにしているが、少し考えた後に続きを要求してきた。たしかに神隠しをしてる時は捕まえた人の子に穢れを精として注ぐ事はあったが
贄では無い2人が俺の穢れを受けても意味は無い。そう伝えても彼女達は引いてはくれない
「たたり様は…もうボクに精を注ぎたくないんですか!」
「前はあんなにぎゅっとしてたくさん入れてくれたのに、してくれないのですか!」
「わ、私も…また、たたり様の精が欲しいです…!」
「い、一旦落ち着け、2人とも。もう夜が明けてしまう…今日はここまでとする!」
「あっ、逃げないでください!たたり様!」
「追いかけようきつねちゃんっ!」
今までは人の子を追う側として在った俺が、背を向けて逃走するという慣れない事をしたせいで
2人が冷静になる時間を稼ぐ前に捕まってしまった
そのまま神社の跡地で、2人と数百年もの離れていた時間を取り戻すような濃い時間を過ごす事となった…
それからと言う物、夜を迎える度に2人から勝負を挑まれる事に。
「たたり様、今日こそ負けません!」
「今度こそ私達が勝ちますから!」
「良いぞ、何度でも捕まえてやる」
特にやる事もないので2人に付き合ってやっている。
今はなんとか勝ち続けてはいるが…負ける日はそう遠くないだろうな
2人が逃げ始めてから十数えていると、藍が現れた
「こんばんわ、いい夜だな祟り神」
「もう狭間から抜け出したのか」
「出るのにはそれなりに苦労したがね」
元気そうな様子の藍から杯を渡され、中を満たしていた酒を飲み干す。今日は藍に付き合う事になりそうだ
「お前からご馳走になったあの酒も、ゲテではあったが悪くはなかったよ」
「またいつかご馳走してやろうか?」
「それもいいな、考えてはおこう」
藍はもう一つ杯を取り出して、自身も酒を少しずつ飲み始めた
「そう言えば、最近はあの2人と遊んでばかりだな…たまには私も相手をしてやるから、あまり放っておかないでくれよ」
「次があれば藍の身体に合わせ、幼子の姿にでもなってみるか」
「本当に私を孕ませたいのか?お前との子は、べつに嫌ではないが…」
藍の身体に手を伸ばしてその頬を撫でてやると、抵抗せずにこちらに体を委ねている。
彼女は思ったよりもこちらに気を許してくれているようだ
「もう、たたり様…いつまで数えているんですか」
「早くしないと夜が明けちゃいますよ、たたり様」
「おや、いつもの遊びをしている最中だったのか」
「巫女の呼び出した神様…!!」
「お久しぶりです、神様」
2人と藍が話をしているのを眺めながら、酒で満たされた杯を傾ける
今この地で信仰される神と良い関係を築けておれば、このまま平和に暮らせそうだな
「…とにかく、たたり様と僕たちの邪魔をしないでください!神様でも容赦しませんよ!」
「そうですよ、たたり様はこれから私達と遊ぶんですからっ」
「やれやれ…こんな見た目でもそれなりな神なのだが。稲荷と混じり子如きに邪険にされるのは悲しいな」
「邪魔はしないよ。けどな、気が向いたら晩酌の友になってくれ」
「……」
「……」
2人は藍が差し出した二つの杯に満たされている酒を興味津々に眺めている
「きつね、楸、やめておけ…お前達に酒はまだ早い。」
「たたり様まで僕達の事ばかにして…大丈夫ですよこれぐらい、んっ…」
「私達もあれから長い間過ごしてきたんだもん、もう子供じゃないんですから。んっ…」
きつねと楸は酒を勢いよく飲み干してしまった…
「こぉ〜ん、たたりゃさま〜♡」
「目がぁ、まわりますぅ…♡」
「やはりこうなったか…あまり2人を揶揄ってくれるな、藍。」
「祟り神、結局その子等はお前のなんなのだ」
「人の子達の言葉で表すなら、大切な家族さ。」
「そうか…羨ましいな。いつか私も村人達から忘れられた時は、その輪に迎えてくれ」
「藍がその気であれば歓迎しよう」
「約束だぞ、祟り神」
微笑む藍と杯を交わして酒を飲み合った
「たたりゃさま〜♡大好きれす〜♡」
「ずっと、ずーとぉ…一緒れすからぁ♡」
可愛らしい寝言を言いながら、身体に抱きついて眠る2人の少女を撫でる…
人に忘れ去られたまま、この地で尽きない時を過ごすとしても
きつね、楸、そして藍が傍に居るのならば、それも悪くないな。
ホラータグは死んだままじゃな。