パチパチと薪が爆ぜる音が聞こえる。
目的地である納骨堂の最深部、拡張工事の際に掘り当てたという古代の墓所の近くまでやってきた私達は今夜はここで野営を行う事を決めた。
そこまで複雑な場所では無いと聞いているが、納骨堂の死体が起き上がり、不死者が現れるようになった原因がそこにあると考えると何かが居ると考えるのが自然だ。
そんな訳で街で用意しておいた保存食を多めに食べて英気を養い、飲水代わりの水で割った薄い葡萄酒で喉を潤した私は怪物避けと警報装置を兼ねた魔法陣を地面に描いた後、仮眠を取ろう……とした所で何処かに行っていたアインがぬっと私の前に現れる。
影が掛かって表情が見えないのが少し不気味で一瞬どきりとしてしまった。
「……何処行ってたんですか?」
よっぽど怪訝な表情を浮かべていたのだろうか?その能天気そうな顔に珍しい戸惑いの表情を浮かべている彼は「いやちょっと野暮用だよ野暮用……」そう言ってどっかと私の隣に腰を下ろす。
こいつまた副葬品を漁りに行っていたんじゃないだろうな……?私がジトッとした視線をアインに投げかけていると、彼は唐突に私の腰に手を回してくる。
「は?」「うおい!そんな怖い目で睨むなって」
ナチュラルに尻に手を伸ばそうとしてきたので足で小突くと、面白いぐらいにリアクションを取ってアインは手を引っ込める。つくずく呆れたヤツだ。
「いきなり腰に抱きつかれて、尻を撫ぜられたら誰だってこんな目になりますって」するにしても雰囲気くらいは弁えて欲しい。
「まぁ……それもそうか、すまねぇ。」
割とあっさりそう謝るが、彼は私の腰を抱いたまま。ゆっくりと垂れたいつの間にかこちらの肩の上へ頭を預けられている。……離れようという気配はない。
地の底から気味の悪い冷たくどんよりした空気が流れて、焚き火にあたっていても底冷えする納骨堂の中で、心臓の音とともにじんわりと温かい感触が広がってこれは……。
「あのー、さっきからボディタッチ多くないですか? 」「いや、なんかこうすると落ち着くからよ……」
悪びれもないアインの言葉に私は呆れてため息を吐くが、彼は気にした様子もなくリラックスした様子で火の中で爆ぜる薪を見つめている。
しょうがない奴だなぁ。
しょうがないのでこちらも彼の体に体を預けて、パチパチ音を立てて燃える焚き火を見つめる事にする。
光も差さぬ、生きているものは私達意外存在していなさそうな本物の暗闇真っ暗闇
の中に、少し前まで見知らぬ他人だった男と二人きり。……不思議な感覚だ。
際どい命のやり取りと、荷物を背負っての移動のせいかいつもはうるさいアインも今は静か。……なんとも言い難い気だるい沈黙。
「なあ、この依頼が終わった後も組まないか?丁度新しい相方を探してた所なんでよ」
静寂を破るように不意に彼はそのような事を聞いてくる。
私は彼を横目で眺めつつ、こういう場合に予め考えていた答えを伝える。
「悪いですけど、お断りします」
……彼の誘いは悪い物ではない。だがなんだかんだ言って、個人的には悪くない人物であると言える気もするが……。だがこちらにも事情がある。
「えー!?何でだよぉ確かに組んだばっかだけど、道中結構いいコンビだったぜ俺達」案の定と言うべきか、不満そうにそういう彼を「はいはい、こっちにも事情があるんですよ事情が」と適当にあしらおうとすると
「……昨日のアレ、やっぱり気にしてんのか?」と心配そうに聞いてくる。
……なんでやっておいた方から気まずそうに蒸し返そうとするんだよ!済まなさそうな顔をしているアインの顔がなぜだか悲しげに見えたので、一応フォローしておこう。組めない理由も完全に自分本位な理由なのも確かなのだから。
「別に、気にしてないですよ。」「お断りしたのは完全にこっちの都合で……あっ」
アインの手がつぅと私の尻を撫で始めたので思わず声を上げて、背がぴくんと動いてしまう。気にしてないと言った途端に途端にこれだ。
「岸を変えるのか?遠慮すんなよ、別にこの辺に知り合いなんて居ねぇから何処にでもついてくぜ。」
……激しく、ゆっくり、動きにメリハリをつけて尻を揉みしだかれるが……今日の所は逃げないでやるか。なにはともあれ、この依頼が終わったら終わる関係だ。
「ん……推薦状を貰ったので、冒険者やめて北の魔術大学へ行くんですよ。以降は学者に専念してそちらに骨を埋める予定です。」
最近はこっちが本業のような状態だったとは言え、冒険者稼業は大学費用を稼ぐ副業の一つに過ぎない。
今回の報酬が入れば旅費と大学での諸経費が賄える見込みがついていたので、もともとこれが最後の仕事のつもりだったのだ。
「でもよぅ……北に旅をするならそれこそ一緒にやらねぇか?旅先だって急な出費がいるかも知れねぇし、このご時世一人旅はあぶねぇだろ?」
あ、そこ触るんだ。お尻を触っていた手が腿から足の付け根へ伸びる感触に私は少し身をよじる。
「だからダメだって言ってるでしょう?」そう答えると彼はしぶしぶといった感じで手を離した。
「どうしても俺と一緒はイヤなのか?」残念そうなため息と共にそう言って肩にしな垂れかかってくるアインを諭すように言葉を重ねる。
「北の方は、戦が続いているこの辺と違ってろ落ち着いてますからね」
「冒険者も傭兵も、流れものは肩身が狭いですし仕事もありませんよ」
冒険者仲間の話を聞いてみても、東部に流れたり、傭兵に鞍替えする話はよく聞くが、北へ行こうとする者の話はあまり聞かない。この稼業で稼ぐならこの街に居座って居たほうが彼のためだと思うのだが……。
「どうしても俺と一緒はイヤなのか?」残念そうなため息と共に彼はは言って肩にしな垂れかかってくる。まったく聞き分けの悪い……。
だがそんな彼から伝わって来る体温は戦闘の熱とは違うあたたかさを私に感じていると、周囲の寒さも手伝って拒む気力を失う。
なんだかんだで話しているうちに彼のペースに完全に巻き込まれてしまっているな。
「……私を信じて魔術を、学問を学ぶ機会くれた人たちのためにも、私は北の学府へ行きます。」
なんとなく癪だったので腰に回された手はそのままにしておいてぶっきらぼうに返事をしてみれば
「そう……か」彼らしくもなく残念離れようとする。
戦っている時よりもなんだか縮んで見えるその姿が何故だかとても彼らしくなくて
……。
「アイン」私はそんな彼の手を掴んで体をずらすと、彼の方に体を密着させる。
「……一緒には行けませんけど、思い出作りくらいはさせてあげますよ。」そう言って私がローブの前を開き、衣服を緩めて胸元を少しだけ見せると、彼も覚悟を決めたのかガバリと覆いかぶさってくる。
……結局こうなってしまうのか。でもまぁ、北に行けば後は研究室に引きこもって老人になるまで書き物机にしがみつく生活が始まるのだ。
せめてモラトリアムが終わる前の若々しくてみずみずしい女のうちに、思い出の一つぐらいは作っておこう。そう思いながら私は目を閉じると彼の体を抱き返した。
■■■
パチパチと火にくべられた薪が爆ぜる。
外套を敷いただけの石畳に座り込んだ私達の影が焚き火の炎に照らされて、永遠の眠りにつく死者たちが納められている、重苦しい石の壁に不気味な影法師を映し出す。
「んんっ……」
既に興奮で固くなっている生々しい生の匂いを漂わせる熱い肉棒を舌先でチロチロと鈴口を舐めてから咥え込み、じゅぼじゅぼと音を立てソレを扱く。
「うぉお!あ、あぁ!」
やがて口の中にじゅわりと苦い味が広がると同時に、アインがくぐもった声を上げて背中を仰け反らせたので私の頭を強く抱き込んでがくがくと体を震わせる彼に向かって私は更に深くまで呑み込み……そして強く吸い上げるとどぷどぷと吐き出された熱い液体が肉棒の先から吹き出た熱い白濁液を喉の奥で受け止め、肉棒が引き抜かれて、白濁液が溢れる口内を見せてあげる。
「わりぃな、俺ばかり良い思いをして」「……元はと言えばそっちから始めたくせに今になって何ちょっとシュンとしてるんだ」
この期に及んで急にすまなさそうな顔をし始めたアインを上目遣いで睨みつけながら、私は口の端に垂れた液体を手で拭ってローブの裾を持ち上げて、口淫の間指でいじっていたせいでもはや履いている意味のなくなった下着を脱ぎ捨て、やぼたい服をまくりあげてやると、彼の目線が私の股の間に集中する。
「んなこと言ったってやっぱりヤりたいんでしょ? ほら、遠慮せずにさっさと入れてください」
そう言って切りそろえた灰色の陰毛を手でなでた後に指を陰部に移動させて陰唇を開くと綺麗なピンクの……とは言い難い私の女性器を彼の目前に晒せば先程までの遠慮がちな態度は何処へやら、先ほど出したばかりだと言うのにもう固くなっている肉棒を、私の女性器へ擦り付け始める。
スケベめ。
「始める前にキスでもしてみます?」
私の問いにアインは少しためらった後にこくりと頷くと、私をここまで導いてくれたあの、太くたくましい戦士の腕が体が少し痛くなるほど強く抱きしめて、唇を重ねようとしてきたので受け入れる。
熱い舌が口の中で別の生き物ように絡んで気持ちがいい。
そうやって抱き合ったまま、艶かしく動く舌を、ヘビの交尾のように絡ませていると段々と、下腹部が熱く痺れ始める。
ひとしきり彼を受け入れる準備を済ませた私は服は来たままアインに抱きつき腰を浮かしたまま対面座位の格好を取ると熱くたぎらせたアインの肉棒にゆっくりと腰を落として、彼のものを自分の中に招き入れた。
「っく、はぁ……」
少し息が苦しいが彼のモノが私の肉壺へ収まるのを見計らってゆっくりと腰を上げてまた下ろすピストン運動を始める。
後ろから疲れるときよりもより深くまで突き刺さった肉棒に膣壁を強く刺激され、自然と喘いでしまう。
「なんかすっげぇ積極的だな、めちゃくちゃエロいけど」
自分から股を開いて激しく腰を上下させる私をアインは意外そうに見つめていたが、やがて昨日のようにリズムよく腰を動かし始める。
「っぁ、あ!んふぅ……」体を抱きしめながら突き上げられるたびに我慢しきれない嬌声が私の口から漏れてしまう。体の奥からこみ上げるような快感に自然呼吸が早く、粗くなる。
「気持ちいいですか……?」そう尋ねるとアインは「すげぇ気持ちい」と言って、首筋に軽い甘噛をしながら、激しく腰を突き上げその硬い肉棒で、私の濡れて泡立つナカをかき混ぜる。
「あっ!はぁっ……いいっ!」
。昨日よりも勢いがあるように感じるストロークに自分から体をゆすってより強く深く快楽を貪っていると、休みなく与えられる刺激に耐えきれず背をのけぞらせてしまい、アインも私の体で感じてくれているのだろうか?彼もそうであれば嬉しいなという妙な考えが、多幸感とともに頭へ押し寄せる。
少し前に出会ったばかりの赤の他人同然の男にそんな感情を抱くだなんて、我ながらどうかしているが、もうそんな事は理性はどうでもいいと言わんばかりに気持ちい!限界を迎えた女性器が種を求めてひくひくと痙攣を始める。
そして彼はもう限界なのだろう。がむしゃらに私を抱きしめて更に力強く何度も何度も突き上げてくるのに合わせ刺激に頭が真っ白になって、体の制御が効かなくなり始めた私も子種を求めて膣がキュッと締まるのを感じながらアインの名前を何度も連呼し尻を打ち付けるように乱暴に腰を振る。
「シェルフェ、出すぞ!」
充血して固く締まった膣が昨日以上に大きく膨らんだ彼の肉棒の形にほぐされて強く膣が締まったかと思うと、次の瞬間に彼の肉棒から大量の精液が勢いよく吐き出される。
「うぁあぁ……!」
どぷどぷと叩きつけられる熱い液体の感覚に私は口を開けて苦悶とも愉悦ともつかぬ喘ぎ声を出てしまった。
アインの腕は私の腰を痛いほど抱き寄せて決して離そうとしない……そのまま数秒間の間お互い硬直していたかと思ったらぐったりと脱力してしまったので私も今の体勢を維持する事も出来ず、汚れた外套の上にへたり込む。
「すっごい……よかった……♡」
息も絶え絶えにそう呟くのがやっとな私を尻目に、体へ力を込めて上体を起こしたアインは私の胸に顔をうずめてボソッと呟く。
「せっかく仲良くなったのに、この依頼が終わったら行っちまうんだな」
クソ、出会ったばかりの癖に。しゃしゃり出てきて余計な事を言うなよ。
決心が揺らぐじゃないか。