ジェットバトルにおいて欠かせないのが、華やかで熾烈なドルフィンたちの戦いを支える水上バイク、UMIマシンだ。
二人乗りで、マシンを操縦するライダーとその後ろに乗って武器による攻撃を担当するガンナーが一組となる。
当然のことながらその建造や整備に関しては各種メーカーが技術の粋を凝らしているわけだが、ジェットバトルのコーチたるもの、その構造、機能、現場での扱いについても熟知しておく必要がある。
幸いにして俺が所属するKIRISHIMAはUMIマシンの製造も手掛けているから、直接工場に出向いて開発に携わるお姉さま方にボディタッチなんかも駆使して教えを乞うととても熱心に説明してもらえて大変助かっている。
とはいえ、それだけでは足りない。
実際に手で触れて、中を見て、色々とセッティングを弄ってその結果どうなるのか、それを知っておかないと練習で、あるいは試合の場でドルフィンたちの操るUMIマシンに起きていることについてはわからないだろう。
「そうそう。そこのケーブルがダメになりやすいのよ。だからちゃんと保護するだけじゃなくて、いざというときはすぐ確認と交換ができるように這わせ方を考えないとあとで面倒なことになるわよ」
「なるほど……! ――さすがだね、かなちゃん。教えてくれてありがとう」
「ぉ゛っ♡!?」
「あぁ、お嬢……っ」
ということで、浦見製鉄所に来ております。
この町工場は主に精密部品を取り扱っていて、かつてはKIRISHIMAのマシンの部品も作ってくれていた。
のだが、なんやかんやあってKIRISHIMAのジェットバトルでの成績や経営が低迷。それに伴い色々あって、今はかつてほど強いつながりはない。
特に工場長の娘さんであるかなちゃんはKIRISHIMAに一泡吹かせようとヒマさえあればジェットバトルでのケンカを売りに来ている。
……つまり、格好の練習相手になってくれているということなのだが。
ジェットバトルの腕もなかなかだから練習にちょうどいいし、それにも増してメカニックとしての技量がずば抜けている。
なにせ、かなちゃんが相棒というか連れまわしている浦見製鉄所の事務員である山葉由芽さんと一緒に乗っている浦見製鉄所のUMIマシン、かなちゃんが自作したものらしいし。
工場の設備なんかは使ったのだろうけども、それにしたって驚異的なその技術とノウハウ、ぜひ教えを請いたい。
そんなわけで、KIRISHIMA所属である俺に対してもツンツンしていたかなちゃんに何度もお願いして色々教えてもらえることになった。
……色仕掛け? いやいやそんなまさか。かなちゃんの年を考えようよ。
手を握ったり、ちょっと近過ぎるかなという距離で熱弁をふるったりしたけどそれは俺のジェットバトルにかける思いの強さが出ちゃっただけだから。
ともあれ、今日も今日とて俺は由芽さんに見守られながらUMIマシンについてかなちゃんに教わっているわけだ。
「こ、このボルトはしっかり締めないとダメよ! やりすぎもよくないけど、締め足りないのはもっとよくないか、ら……~~!」
「手伝うよ、かなちゃん。このくらいの力でいいか、なっ」
「わひゃあっ!? きゅ、急に後ろからこないでよっ!? み、耳に息が……きゃふんっ♡」
◇◆◇
(ああっ、今日もまたお嬢が……お嬢の性癖がっ!)
山葉由芽は、浦見製鉄所に勤める女性だった。
ただの事務員なのだが工場長の娘であるかなのお目付け役も任されており、その流れで主にKIRISHIMAなどのチームとジェットバトルで競うこともある。
その日々はそれなりに充実したものではあり、最近そこに変化が起きた。
なんと、KIRISHIMAがジェットバトルのコーチとして若い男性を連れてきたのだ。
正直、ときめく。
実家から結婚を急かされている鬱陶しさや、推しに似た雰囲気があること、そしてなにより女性に対する隔意が全くなさそうなその態度に、胸がキュンとしない女が居なかったら嘘だろうと思っている。
浦見製鉄所自体、もともとKIRISHIMAを主な顧客としてジェットバトルに関する部品製作を請け負っていただけに仕事関連では男日照りの傾向がある。
そんなところに降って湧いた、なにくれとなく声をかけてくれて、笑顔も見せてくれる男性。女の本能レベルで「欲しい」という感情が湧くのは仕方のないことだろう。
ジェットバトルの関係者、特に選手であるドルフィンにはどういう理屈か胸の大きな、すなわち男性から怖がられる特徴を持った女性が多い。
自身の96cmというバストサイズが目立たなくなるかと思いきや、ドルフィンたちと比べてすら大きな部類に入るという事実を突き付けられて消沈していたところに表れた、うっかり腕に胸が当たってしまっても笑って許してくれる男など刺さるなと言う方が無法だ。
すなわち、コーチは控えめに言って神。
お近づきになれたらうれしいし、そうでなくとも日々その姿を目にできればそれだけで仕事もかなのお目付け役も全て役得として受け入れられる。
そんな、素晴らしい男性だ。
そう思っていたし、それは決して間違いではないのだが。
「ああ、なるほど。ソフト面の設定がここで効いてくるんだ。――ハードだけじゃなくてソフトにも詳しいんだ。すごいよ、かなちゃん」
「んんんくぅっ♡ と、当然でしょ……♡」
まだ幼いと言っていいかなに対し、真摯に頼み込み、一人の人間として尊重し、敬意を払い、教えを乞う。
コーチがしていることはそれが全てなのだが、「大学出たてのお兄さん」が「肩や頬が触れるような距離」で「ことあるごとに認めて褒めてくれる」となると話は違う。
かなにとっての誇りである、UMIマシンに関するメカニック技術。
それを、イケてるお兄さんから全肯定される生ASMR。
いまだそのテのサイトでそういう作品を買うなどという発想すらない年頃のかなにとっては、劇薬以外の何物でもない。
コーチの姿は、浦見製鉄所で貸しているつなぎを着た状態。
色気もへったくれもない……かといえばさにあらず、時折袖から覗く筋肉の乗った腕であったり、ワダツミの暑さへの対処としてくつろげる胸元から見える肌色であったりと、フェチを刺激されるシチュエーションには事欠かない。
ちなみに、そんなコーチのつなぎを洗濯するのは由芽の役得……ではなく仕事であり、しっかりと、それはもうしっかりと「処理」をしているのだが余談である。
ともあれ、オタクとして色々な作品やらシチュエーションやらを嗜む由芽から見て、かなはもう手遅れだろう。
きっと、生涯おにロリの全肯定ドロドロ甘やかしシチュでしかイケなくなるくらい、性癖がベキボキにされている。
誰だってそーなる。由芽だってそーなる。
(お嬢……! 大人になった時のために、そういうジャンルの薄い本を確保しておきますからね……!)
かながそれを自覚した時に備えて、今のうちから準備をしておくこと。
それだけが、由芽にできることだった。
本当に、このコーチは恐ろしい男である。
◇◆◇
「それじゃ、かんぱーい」
「か、かん……ぱい……?」
ありのまま、今起こったことを話そう。
『由芽は、いつの間にか自宅でコーチとサシ宅飲みをすることになっていた』。
何を言っているのかわからないと思うが、由芽はもっとわからなかった。
ビッチとかガードが緩いとかチャチなものでは断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わっている。
思わず脳内でネタの詠唱をはじめてしまうほど、由芽は動揺していた。
見慣れた自宅、テーブルの向かいにはなぜかコーチ。
お互いの手には缶チューハイが開けられていて、コーチはさっそくぐびりといい飲みっぷりであおっている。
テーブル上に並んだつまみは部屋に帰ってくる間に買ってきた出来合いのものもあるが、場所を借りるお礼代わりにとコーチが手早く作ってくれたものも同じくらいある。
そう、男の手料理。
繰り返しになるが、コーチと、男と、サシでの宅飲み。
しかも手料理まで作ってもらってというシチュエーション。
今度書く薄い本のネームを切りながら息絶えて異世界転生してしまったのだろうかと、半ば本気で疑うような現象が由芽の身に起きていた。
今日もコーチが浦見鉄工所に勉強に来た。それはいい。
例によってかなの性癖が歪んでいく様を見守るしかない有様だったが、そこについてはもはや手遅れだから、ヨシ!
その後コーチが帰り、仕事が終わり、いつものように夕飯の買い出しをしに行った先で、偶然コーチと出くわした。
そこで他愛のない世間話を交わすというありがたさを噛みしめつつ、それを今夜の肴にするかと思っていたら、なんか話が盛り上がり、サシ宅飲みをすることになっていた。
(なんだろう……時間を3回くらい吹き飛ばされた気がする……!)
明らかに、由芽の中にある論理との整合性を欠く現状。しかしそれを正せるかといえばさにあらず。
こうして、自宅にコーチがきてくれたというだけでどうしようもない幸運。ぶっちゃけ、今がこれまでの人生最良の瞬間だと信じられる。
これから先の人生、今日の思い出だけで生きていけるレベルの至福の時間。
ならば、楽しもう。
コーチという最高の男性がくれた理想の時間。しっかりと味わうことが恩返しになるはずだ。
なんだかんだペース早めでくぴくぴ飲んでいたアルコールが回り始めた頭の下す結論は言わずと知れた欲望まみれのそれであり、しかしだからこそ抗えない魅力を持って、由芽を夢のような現実へといざなった。
「……由芽さん? 大丈夫ですか? 酔いが回ってきたならお水飲みますか?」
「いえ、大丈夫ですよコーチさん。それより、そっちのおつまみも食べたいです。――あーん♡」
「――ふふふ。いいですよ、あーん」
普段なら厚かましいと断じてしないだろう甘え方も、今なら許される。
そう信じて、どこまでも沈んでいこうと決意した。
◇◆◇
「はい、撮りますよー……うん、かわいい。それじゃあ次はポーズ変えてみましょうか。――両腕で、おっぱい寄せてみてくれますか?」
「こ、こうですかー……?」
「そう! すごくいいですよ由芽さん!」
気付けば、由芽は牛柄マイクロビキニを着てコーチに写真を撮られていた。
(?????????)
何が起きたのか、さっぱりわからず疑問符が由芽の脳を埋め尽くす。
きょとんとした顔もかわいいですねー、などというコーチの言葉が入る余地など少しもなかった。
いつの間にこの世の時間が消し飛び『結果』だけが残ったのか、と半ば真剣に考える程度には状況がわからない。
(れ、冷静に考えよう……! 私、どうしてこんなことになってるんだっけ!?)
コーチにめちゃくちゃに褒められながら写真を撮られ、笑顔を浮かべようとしているのか締まりなく緩む表情を何とか引き締めようとしているのかわからなくなりつつ、由芽は酔いが消し飛んだ頭で必死に記憶を辿った。
サシ飲みは、とても楽しい時間だった。
コーチと向かい合って食べる料理も飲む酒も、ありふれたものでありながらとんでもなく美味しく感じられ、話は弾む。最高に幸せな時間がいつまでも続けばいいと、そう思っていた。
その願いが儚く散る瞬間がくることは、しかし必然だったのだろう。
――ガサガサ……ズザザザザザザッ!!
「うわっ、押入れがっ! あれ、なんだろう……服?」
「ッッッッッ!?!?!?!?!?」
突如、背後から何かが盛大に零れ落ちる音。
そちらを覗き込んだコーチの言葉。
そして、当然勝手知ったる自分の部屋で何が起きたのかを悟る、由芽。
振り向くことはできなかった。
そこには破滅のアギトが大きく口を開けていると、わかっていたから。
コーチを部屋に上げる際、当然のことながら部屋を片付ける必要があった。
女の一人暮らし、男性に見せることがすなわち死に直結するようなブツが部屋の中に転がっているのはままあることだが、かといってコーチを部屋の外で長く待たせるわけにもいかない。
その場しのぎの緊急避難としてとりあえず押入れの中に押し込んだその時から、この結末は決まっていたのかもしれない。
由芽は、自分の後ろの光景を見るまでもなくわかっていた。
押入れからあふれ出した、コスプレ衣装の数々。
それが、コーチの目に晒された。
「あの柄、牛ですか?」
「ミ゜ッッッ」
由芽、自害しろ。
そう言われたのかと一瞬錯覚するほどに、確殺。
どうやらよりによって一番目に付きやすいところに転がり出たのが、牛柄ビキニだったらしい。
女だけの界隈ならば、逆に冗談で済むほどのマイクロビキニ。実際、それを着た写真をネットに上げたときはそこそこ受けた。
由芽の暴力じみた巨乳と、ヤケクソな露出度は受けを狙うのならばそれなりに合理的な選択で、同時に男性の目からどれだけ穢れたものに見えるかは計り知れず、宅飲みしている女が隠し持っていたなれば殺人未遂で起訴されたとしても不思議はない。
少なくとも由芽はそう思っているし、もはや社会的に死ぬのと精神的に死ぬのとどちらが早いかの話でしかなく。
「うわー。――かわいい。由芽さんが着るんですよね? 見てみたいなあ」
「…………………………………………なんですって?」
そして、実際に着て見せることになり、コーチに写真を撮られることになった。
「ああ、すごくきれいです。頭の後ろで手を組んで、背筋を反らしてみて……そう! それが見たかったんです! すごくセクシーですよ!」
「へ、へへへ……♡」
状況はわかった。
ところどころ看過できないレベルで大きな論理的飛躍があるような気もしたが、なんかもうどうでもよくなってきた。
酒の趣味もオタク話の趣味も合うコーチから、コスプレ姿まで肯定されるという全能感はアルコール以上に酔いが回り、溢れる多幸感に浸っていると思考を巡らすことが惰弱に思える。
「……ふぅ、いい写真がたくさん撮れました。ありがとうございます、由芽さん」
「い、いえそんな! 私こそ、コーチさんに撮ってもらえてうれしかったですぅ……♡」
これなんかどうです、とコーチが身を寄せて、由芽の写真を撮ったスマホを見せてくる。
二の腕にビキニからはみ出た乳肉がむにゅりと触れても飛びすさることなくむしろぐいぐいと腕を押し付けられるような気すらして、由芽の心臓はさらに高鳴る。
スマホに映し出される自身の姿は、かつて撮ったどのコスプレ自撮りよりも艶やかで、この瞬間の至福がさらに度を増していく。
もはや由芽の心を縛るものは何もなく、どこまでも自由で。
「次は、由芽さんのリクエストに応えますよ。撮りたいポーズとか構図って、ありますか?」
「じゃあ、せっかくメス牛になってるんでおっぱい搾ってもらえますか?」
理性のフィルター一切通さず、100%の欲望原液が口から垂れた。
(……や、やっちまいましたーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?)
由芽、狂乱。
表情は引きつり、冷や汗が背中のあたりにぶわっと吹き出た。
いくら何でも、調子に乗りすぎている。
男に、自分のおっぱいを搾れなどと超えてはならない一線を越えるどころの話ではない。
浦見鉄工所で度々聞かされる、実例を交えた「油断してると死ぬぞ」という安全啓発の話。
機械に挟まれる巻き込まれる感電するといったたぐいの話、まさかそんなうっかりさんなんてというようなエピソードの数々。アレってマジだったんだなと魂で理解して。
「えーと」
コーチがそれまで由芽を撮影していたスマホをテーブルに置いたことは終わりの象徴にしか見えず、なんか角度を調整していることなど完全に意識の外にあり。
「……こんなもんかな。それじゃあ由芽さん、そこの壁に手をついてください。こう、上体を倒すように」
「は、い……」
その不可解な注文も、自身に対する罰の一種なのだろうと思った。
斬首を待つ罪人が首を垂れるようなものだろう、と。
だから、素直に手を壁につけ、上体を倒す。
ほとんど何にも覆われていない白い背中を黒髪が零れ落ちる。
突き出された尻が巨きく丸い。
重力に引かれた乳は長く形を変え。
うきうき顔のコーチが横に屈みこんだことに疑問を持つ暇もなく、コーチの指が由芽の乳肉に食い込んだ。
「んぉひっ!? コ、ココココーチさん!?」
「あ、ちなみに写真じゃなくて動画で撮ってますけどいいですか? やっぱり、乳しぼりなら動きがあったほうがいいと思って。……こんな風にっ」
「ひぎぃっ!? 握力、すごっ……ほぉぉぉっ♡♡」
その時になって、ようやく由芽は自覚する。
この体勢は由芽への罰を与えるためのものではなく、願い通りに乳しぼりをするためのものだったのだと。
「な、なんでぇ……? コーチさん、どうしてこんな、んんっ♡ して、くれるんですかぁ……ッ♡」
「なんで、と言われても。由芽さんはきれいだし、コスプレはかわいいし……おっぱい大きいですし。シて上げたくなったんですよ」
「そ、そんなぁ……♡」
コーチの乳しぼりには、容赦というものがない。
由芽の胸の根本を親指と人差し指で、全体を残りの指で。余すところなく力いっぱい握りしめ、根本から先端へと中身をしごき出すようにいじめてくる。
それが乳しぼり本来の動きにどれだけ近いのかを由芽は知らないが、一つだけわかることがある。
「ぁおんっ♡ ほぉっ♡ しゅごい♡ コーチさんの乳しぼり効きましゅぅぅぅ♡♡♡」
最高に、気持ちいい。
由芽の胸は大きく、重い。これまで何度それが原因で疲れ、困ることになったかは数知れない。だが今だけは感謝したい。
この胸の大きさがあればこそ、コーチの大きな掌もごつごつした指もその力強さも、全てを余すところなく感じることができるから。
ぎゅうっ、ぎゅうっと音がしそうなほどの勢いで握りしめられる胸。
コーチの顔は真剣で、とんでもなく男らしくてカッコいい。
テーブルの上のスマホは無機質にカメラを向けてきて、そこに自分の痴態が余すところなく記録されている。
最高だった。
快感も、シチュエーションも、何もかもが極上。
もう難しいことや世間体など何一つ考えることなく、ただただこのまま獣になることが人生で最良の選択なのだと、由芽の頭は思考を放棄しだしていた。
「気持ちよさそうですね、由芽さん。……それじゃあ、牛らしく鳴いてみましょうか、モーって」
「んもおおおおおっ♡♡ もお、もおおおおおんっっ♡♡♡」
コーチに言われるがままに獣の鳴き声を上げることなど、もはや何の躊躇も必要ない。
あなただけのメス牛になれるなら、それが最高の幸せですという思いを込めて、由芽は高らかに吠えるメス牛となった。
「ぁ……♡ ぁひっ♡」
「…………」
しこたま搾られた。
もはや、由芽の上半身でコーチの手が触れていない部分は存在しない。
背中をマッサージのようにさすられ、肩から腕をなぞった手が指の先までを撫でてくれた。
胸をしこたま揉んでもらったのは言うまでもなく、乳首は固くとがり、コーチの親指の先ほどになっていることを見せられた時は羞恥で死にそうだった。
口の中に入ってきた指はぐちゅぐちゅと唾液をかき混ぜ、必死に舌を絡めると褒めるように頭をなでられた。幸せが過ぎる。
由芽は従順なメス牛なので今も壁に手をついたまま、荒く息を吐いて余韻に浸る。
望んで得たわけではない、男性から避けられる原因にもなっていた巨乳にも意味があったのだと思わせてくれたコーチに対する感謝に満たされながら呼吸を整えて。
――シュル
「よいしょ」
「……ふぇ!?」
コーチが、いつの間にか由芽の背後に回っていた。
下半身で、徹底的に乳しぼりをされる中で当然の帰結として濡れそぼっていたビキニのボトムが脱がされている。
そのこと自体に文句はない。多少の羞恥は覚えるが、今さらだ。コーチに自分の全てを見てもらえるのなら、本望というもの。
だが、さらに。
コーチが背後から覆いかぶさってきた。
肌に触れる感触は、服ではなく肌のもの。強く体を包み込む、男性の匂い。
みぞおちで交差するように、胸を持ち上げながら回された腕のたくましいことといったらなく。
「ひっ♡ コ、コーチさん……♡ お、おおお、おちんちんが……っ♡」
「――由芽さんのせいでこんなになったんですよ? ほら、触ってください」
「ぁあっ♡ 熱い、おっきぃ……♡」
由芽の手を取り、股の間から突き出たコーチの肉棒を触らせてくる。
それは想像よりもはるかに近く、由芽のへそまで届くかとすら思うほど。
固く、反りが強く、もしそれが挿入ってきたならば、女の腹など一度で専用の形に作り替えられてしまうに違いない。
それが、もはや全裸となった由芽に突き付けられている。
コーチもまた、服をすべて脱いで。
その意味するところは、一つ。
「由芽さんのメス牛姿、すっごくかわいかったです。最高。――だから、もっとメス牛らしく。このおっぱいから、ミルクを出せるようになりたくありませんか?」
「そ、それってぇ……♡」
コーチが囁くたび、唇が耳たぶに触れる距離。
汗ばむ背中がコーチの胸板に擦れ、胸に負けず劣らず肉の乗った尻が腰でぐにぐにと押しつぶされる。
由芽は思う。今日は、なんて素晴らしい日だろうか、と。
答えなど、最初から決まっていた。
「し、シてくださいっ♡ コーチさんの、このたくましいおちんぽでっ♡ 抱いて♡ ハメて♡ 膣内射精して♡ 孕ませてぇ♡♡♡」
「じゃあ、遠慮な……くっ」
ずっぷうううううううううううう!!!
「んおっほおおおおおおおお♡♡♡」
コーチの腰が引かれ、下腹に熱い先走りを塗りつけながらカリにクリトリスを弾かれ、力が抜けたメス穴に情け容赦のない一突きがねじ込まれた。
ばちゅんっ、とあまりにも大きく濡れた肉を叩く音。
しかし由芽自身はそれ以上に大きな音を、自分の体内から聞いた。
コーチの長チンポは一瞬で由芽の膣内を征服し、子宮口が上げる歓喜の悲鳴が響く。
――負けろ♡ 逃がすな♡ 絶対この男の子供を孕め♡
(当たり前ですっ♡ 最高♡ 外出しなんてさせないっ♡♡)
本能の叫ぶ声に逆らう気など微塵も起きない。
全てに満たされたこの瞬間を最高に味わうために、膣内が蠕動する。
全力でしがみつき、どうぞ奥へと誘ってもてなす。
溢れる愛液を塗り付けるように。媚びて服従するように。
「しゅきっ♡ コーチさんっ♡ すきっ♡ おっ♡ おごっ♡ んもほおっ♡」
「由芽さん、すごいっ! 体はどこもかしこもやわらかいのに、なんで膣内だけこんなに締め付けるんですか!?」
「コーチさんのがっ、私の気持ちいいところばっかりいじめるからでしゅううう♡♡♡」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぐりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ。
尻肉が波打つほどに腰をたたきつけられたと思えば、最奥で子宮口を揉みほぐすような腰の捻りを繰り出される。
由芽は意識するまでもなく腰を押し出してより強く快感を受け止めることしか考えられない。
コーチが一突きするたび巨乳がぶるんぶるんと大きく暴れ、それを目にしてますます興奮したコーチのセックスが強くなる。
「んっ! むぢゅるるるるるっ!」
「んんーーーー♡ んむりゅ、れりゅれりゅ、ふぅぅぅぅん♡♡」
顎を強引につかまれ、顔を向けさせられた先にはコーチの唇が待っていた。
口元全てをむさぼるようなキスをされ、上も下もコーチで満たされる。
この世全ての幸福を味わったと思っていたが、まだその先があるとは。
由芽がキスから逃げないとわかると、コーチの手は顔を離れて胸へと向かう。
両手でがっしりと掴まれればそれだけで芯から震え、柔肌が吸いつき媚びる。
セックス中でなければ痛みを感じていたかもしれないほどに握りしめられつつも、指先が乳首を捉えてカリカリと弾くたびに頭の中で火花が飛ぶ。
少しも離れていたくないというコーチの心が伝わってくる。
それは由芽の思うことと少しも違わず、通い合った気持ちがより一層嬉しくなって。
小刻みになった腰の動きは的確に由芽の子宮口をとらえ、抵抗の意思などかなぐり捨てた子宮はコーチの子種を求めるバキュームと化し、ハート型に歪んでその時を待つ。
(あっ、くる♡ コーチさんに膣内射精、してもらえる……♡)
たとえそれが幸福であろうとも、並外れていれば人の心と体は受け止められるものではない。
由芽という器に注ぎ込まれたコーチの愛情と性欲が溢れるときが来た。
そしてそれはコーチにとっても同じだということが、由芽にはわかる。
膣襞と子宮口で感じるコーチの震えが、胸を握りつぶす勢いの指に込められた力が、全てが由芽を征服するために動いているのだという何より雄弁な証明であり、男から求められて生射精されるという事実に脳がバチバチと音を立ててダメになっていく。
「んんんんんぅっ♡ イく♡ イきます♡ コーチさんと一緒にイきますっ♡ 射精して♡♡ いっぱいっ、たくさんっ、射精してええええええ♡♡♡♡♡」
「由芽さんっ! ……ぅぅぅうぅううう!!」
っびゅううううううう!! びゅぶるるるるる!!
「はぁぁぁぁぁぁぁあああんっ♡♡♡♡♡」
女として求めるものと、社会に求められるあり方。
その狭間で得られたものと世知辛く失ってきたものがある。
しかし、今。
体の奥底からそれら全てが満たされていくのを、由芽は確かに感じていた。
◇◆◇
「……さすがにこの写真を待ち受けにするのはヤバいよな。というか、スマホに入れておくことすらヤバい。別のところに移すか」
女性の、というか由芽さんの部屋の中。
疲労困憊ですうすうと寝息を立てている由芽さんを傍らに、今日だけで何枚撮ったか知れないスマホの中の写真フォルダを眺めている。
……由芽さん、マジで抱き甲斐のある体をし過ぎだ。どこもかしこも、どれだけ強く揉んでも沈むし跳ね返そうとしてくるし、永遠に触っていられるタイプの肉体を持っている。
貞操逆転世界だとこんな体をしていても怖がられたり逆にギャグ扱いされるとか、もったいないにもほどがある。
由芽さんとのセックスは当然一度で終わるわけがなかった。
というか、あのクソデカおっぱいによるパイズリをしてもらわずに済ませられるわけがない。
なのでお願いしてみたら、食い気味にOKされました。
「んじゅるるるるるっ♡ んぶっ♡ んもっ♡ むふぅぅぅぅぅんっ♡♡」
「ぉあ……ッ! フェラもパイズリも、勢いすご……っ!」
自分の乳首を舐められる巨乳は、パイズリの圧も強いしそのままフェラをすることも余裕だった。
竿をぎゅうぎゅうと乳肉でこね回され、亀頭はしつこいほどの舌による愛撫で責められる。
縦パイズリも当たり前のような顔でこなすバストは柔らかさも張りも絶妙で、こっちの腰が引けるほど。
既にセックスもがっつり済ませて余裕が出てきたのか、由芽さんは逃げ腰になる俺の尻をがっしりと掴んで引き寄せて、深い谷間で激しい射精の全てを受け止めてくれた。
由芽さんは体を「使われる」のが好きらしい。
パイズリはもちろん、尻やら脇やらを使われるとそれだけでも反応する傾向があった。
ならばその内なる願いにこたえてあげるのが貞操逆転世界の男の務め。
膣内射精もきっちりしたけども、それと同じくらいぶっかけもして、それだけでイく由芽さんの肌に俺の精液を刷り込むように揉みほぐして。
最終的に、全身ザーメンまみれのままピースして俺と並んでの自撮りをするに至るあたり、色々と抱え込んだものがあるんじゃないかなと思う。
この世界は、俺が元々生きていた世界と色々違う。
それをいいとも悪いとも言う気はないが、少なくとも俺が俺として望むがままに生きることで幸せにしてあげられる人がいるのなら、それをためらう必要はないと思う。
「……また、衣装を用意しておいてくださいね。一度しか使えないくらい、ぐちゃぐちゃになっちゃうかもしれませんけど」
「んんっ♡」
まどろむ由芽さんの耳元で囁いて、俺もその日は眠りについた。
◇◆◇
「……あっ! KIRISHIMAのコーチ!」
「かなちゃん。偶然だね、いま帰りかい?」
後日、浦見鉄工所へ向かう道すがら、かなちゃんと出会った。
俺もワダツミの学園で事務員仕事を片付けたあとという時間帯だし、かなちゃんも帰宅の途中なのだろう。ちょうどいいから一緒に浦見鉄工所へ向かって、そのままUMIマシンについて教えてもらえれば。
そう思いながら声をかけ。
「ふ、ふんっ! そうよ! 今日もビシバシ教えてあげるから覚悟しなさい! へっぽこのKIRISHIMAなんて、このかな様がいなかったらダメダメなんだから!」
「――かなちゃん?」
返ってきた答えに、俺は由芽さんの言葉を思い出す。
『お嬢も、ああ見えてコーチさんのことが大好きです。……あの年でコーチさんみたいな人に出会ったら、性癖なんてもう取り返しのつかないことになります。――責任、取ってくれますよね?』
正直、ちょっと自覚はあった。
UMIマシンについて学ぶためと、報酬代わりのサービス心と、多感な時期の貞操逆転世界女の子へのちょっとしたいたずら心。
それがあったことを全否定することはさすがにできない。
「な、なによ! 間違ったことなんて言ってないんだからねっ!」
「そうだね。でも、言い方ってものがあるから。……今日はお礼代わりに、そのあたりのことを『わからせ』てあげよう」
「……っ♡」
元々そういう傾向はあったけども、虫の居所でも悪いのか特にツンツンしているかなちゃんの横に立ち、肩を抱くと、びくりと震える。
でも、俺の手を払いのけようとはしない。
「今日は、かなちゃんの部屋に行こうか。――いいね?」
「ひゃ、ひゃい……♡♡」
もらった分のお返しは必要だ。
KIRISHIMAにとって値千金のUMIマシンに関するノウハウを教わったのだから、俺もそれに値するもので返すべきだろう。
かなちゃんが、貞操逆転世界の女の子が最も望んでいるだろうモノで。
「あ、お嬢。……今日は、おうちの方でコーチさんとお勉強するんですね? ――じゃあ、ごゆっくり♡」
「ゆ、由芽ぇ……♡」
浦見鉄工所へ帰り、由芽さんに見送られ、俺とかなちゃんは住居部分にあるかなちゃんの部屋へ、ゆっくりと向かって行った。
「覚悟してくださいね、お嬢。……きっと、二度と抜け出せませんから♡」
◇◆◇
ドルフィン紹介!!!
浦見かな
メスガキわからせドスケベ。気の強さがツンデレとメスガキの中間地点として発露するタイプの子。
コーチのことは気になるが、素直に甘えることはプライドが許さない。そんなとき、都合よくUMIマシンについて教わりにきたので色々伝授するという体で上から目線を発揮して悦に入っている。
たまに調子に乗りすぎてコーチから窘められて半泣きになるが、それも不思議と心地いいらしい。
そういうことを繰り返した結果、ほどよく煽るとわからせてもらえると察し、嬉々としてメスガキムーブをしてはわからせられている。
好きなプレイは種付けプレス。身動き取れないくらい体重かけられるのが好きらしい。
山葉由芽
コスプレドスケベ。オタクでコスプレイヤーで婚期を急かされる崖っぷち女。
コーチはオタク話もできるし界隈ではネタとして消費されるドスケベコスプレもかわいいと言ってくれるしで、懐くを通り越して依存しかけている。
牛ビキニ、サキュバス、悪の戦闘員(ほぼヒモ)など、他のドルフィンと比較しても特に正気を疑う露出度のコスプレが多い。
同棲感の出る宅飲みからのダラダラセックスが好き。その際、うっすらコンプレックスのあった巨乳がコーチのお気に入りになったことでまるごと自己肯定感の塊に裏返った。
コーチに毎度乳絞りなどなどの開発をされたことで、妊娠してないのに母乳が出る体質になるまであと少し。