ここワダツミにおいて、「ドルフィン」といえばジェットバトルの選手を意味することが多く、とくに人気の高いプロリーグの所属選手を指すのが常だ。
そしてあらゆる分野に言えることだが、プロであるからには求められる資質は多岐に渡る。
ジェットバトルの高い実力は言うまでもなく、それ以外にもプロとして、企業所属としての立ち居振る舞い、そして身も蓋もなく言ってしまえば「人気」が重要な資質となる。
プロスポーツなので、実力と成績に秀でることが一番手っ取り早く認められる要素だが、それ以外でも勝負のしようはある。
ぶっちゃけ、容姿がいいとか言動が面白いとか、なんなら成績は悪くても応援したくなる人柄だとか、そういった部分でも人気にさえなれば勝ちと言っていい。
だがいずれにせよ、ドルフィンとして人として正しく誠実にあることこそが全ての前提として求められることであり、不祥事の類を引き起こすなど持ってのほか、あってはならないことだ。
◇◆◇
「桐利、また炎上したね?」
「ハイ……」
こんなこと言っちゃうとなんだけど、桐利がKIRISHIMAの所属じゃなくてよかったな、とは割と頻繁に思うことだ。
日向重工所属のドルフィン、伊澄桐利。
入華たちと同じくワダツミ学園に通う学生にして、日向重工の広報も担うギャル。
明るく元気でいつも前向き。誰からも愛される資質を持った女の子。
それと同時にちょっとデリカシーがないというか素直すぎるというか、広報のために使っているブログが頻繁に炎上することで有名だ。
最近では桐利の芸風としてファンに受け入れられているフシがあるのであまり深刻なことにはならないのだが、それでも結構な頻度でやらかしているのは紛れもない事実。
とはいえ、それだけなら所属企業の違いもあるのであまり関わらないのが筋というもの。
困っていたら力になろうとは思うけど、それはそれとしてまずは日向重工の社内でなんとかするのが筋というもので、余計なお節介にならないように保つべき距離感というものはあるわけで。
「しかも、俺の写真を載せて。ブログには使わないって約束だったはずだけど」
「だ、だって……コーチちゃんの写真が見たいってコメントいっぱいあったし……」
「それで、ツーショット写真を使ったと。たしか、前も同じようなことして炎上してた気がするんだけど?」
「ごめんなさいっ!!」
それでもこうしてお説教しなければならないのは、桐利がよりによって俺とのツーショット写真をブログに乗せた結果炎上したからだ。
桐利は炎上しやすいから、なるべく俺の写真は持たせないようにしていた。
ついうっかり勢いでブログにのせて、そのせいで炎上するなんてことが頻繁に起こることが予想されたからだ。
それによって俺の方に飛び火する、というのも恐ろしい話だけど、なにせここは貞操逆転世界。で、下手人は桐利。
変な上から目線とセクハラ認定によって勢いよく燃え盛るようなことになったら日向重工どころかジェットバトル関係者全体にまで延焼しかねない。
そう思っていたのだけども、他の子たちが普通に写真撮ってるのを羨ましそうに寂しそうに見ている様子に根負けして、最近は時々写真を撮ってもらったりもするようになった。
ポーズを指定されたりツーショット自撮りだったり、思い切り喜んでくれるのを見て俺も嬉しかったわけなんだけど……やっぱりやらかしたよこの子。
そんなだから、乙姫さんからも「ちょっと言ってやってくれ」と頼まれてこういうことになったわけで。
「えーと、なになに。『KIRISHIMAのコーチとツーショとか許されざるよ』『せめて離れろ』『頬を寄せるな擦りつけるな処女臭さが移る』『百歩譲って写真は許せても肩に回した手から下心が染み出てんのよ』『ギルティ。訴えたら勝てるからな震えて待て』だって」
「ほぼ嫉妬じゃん!!」
「そうなること予想したうえでやったならアウトなんだよ」
ワダツミ学園の用務員室、椅子に腰かけた俺とその目の前で床に正座する桐利の図。
一応話し合うにあたって椅子を勧めたんだけど、お説教だと悟った桐利が固辞するのでこういう体制になった。
桐利にはちゃんと反省してもらわなければならないのだけど、この状態のまま居続けるというのは逆にこっちが居心地悪い。
それに、桐利も学習能力はだいぶアレだけど状況を理解できないわけではないからぼちぼち話も終わらせよう。
「ふう。まあ、過ぎたことは仕方ない。乙姫さんからも指導とかあるだろうから、そっちをちゃんと聞いておいてね」
「はい。コーチちゃん、ごめんなさい……」
ただし、最後に釘だけ刺して。
「うん、桐利のためにも気を付けて。――でも」
「へ?」
椅子から離れ、桐利の目の前でしゃがむ。
互いの目線は同じ高さで、ぽんと肩に置いた手の感触に顔を上げた桐利の目の前に、俺はもう片方の手を掲げ。
「次やったら『コレ』だからね」
開いた掌。中指と薬指を揃えて曲げる、キツネのハンドサインのような形。それを、突きつける。
「……え。こ、『コレ』……って?」
「『コレ』だよ」
中指と薬指を、さらに曲げて見せる。
指先で何かを擦るように上下させ、そのまま掌につくほどに強く曲げる。
掌と指の間にもし何かがあれば、 両側からコネ潰されるだろうその動きを、じっと見つめる桐利の目の前で。
「……!? ま、まさかそれって……!?」
「『コレ』をする。マジでする。かなり、たっぷり、するから。……覚悟しておいてね?」
「……ごくり」
それが意味することが伝わる程度には、桐利との関係もいろいろある。
指先の動きから見開いた目を離せなくなっている桐利の様子からして、しっかりと効いているだろう。
「心配しないで。何度も繰り返し炎上したりしないように、しばらく気を付けていれば大丈夫だから。少しがんばろう。ね?」
「う、うん……」
その日はそれで話を終えて、桐利とは別れた。
今回は俺も巻き込まれる形だったから少し話をさせてもらったわけだけども、本来他企業所属のドルフィンがしている広報活動に口出しをできる道理はあまりない。
芸風の域に片足突っ込んでいるとはいえ、炎上というのはあまり褒められたことではない。
周囲の働きかけや環境づくりという形で、桐利が炎上しないように助けて行けたら。
そう思いながら残りの仕事を片付け、KIRISHIMAのコーチ業をして、家に帰ってと平和な一日を過ごし。
翌日。
桐利、炎上。
もう総合で何度目になるかで、わずか一日ぶり。
原因は、二日続けて俺とのツーショット写真をブログに掲載したことだった。
◇◆◇
「桐利」
「はひぃっ!」
コーチが、激怒していた。
わずか一日の間をおいて再び味わう用務員室の床より硬く冷たいその声は、足を組み頬杖をついて椅子に腰かけるコーチから発せられている。
「……はぁ。コメント、またたくさんもらえたみたいだね」
「へ、へへへ……」
桐利がブログに載せた写真は、誰かとのツーショット写真。
「誰か」はわからない。そういう写真を選んだ。
満面の笑みを浮かべる桐利を中心に、もう一人はその後ろ。
桐利を膝の上に乗せ、腹に手を回して椅子代わりになって顔が隠れている。そういう写真だった。
『椅子になってくれてる人は秘密、じゃねーよ腹に回されたその手はどう見ても男だろ』
『こんなことしてくれる男がKIRISHIMAのコーチ以外にいるわけないだろいい加減にしろ!』
『顔さえ出さなければセーフだと思うなよ』
『これ絶対挿入ってるよね』
コーチが無表情にスマホを眺めながら読み上げるコメントの数々は、桐利をしてすら的確だと思えるものばかりで、そりゃー炎上の一つや二つするだろうと、誰もがうなずくに違いない。
実際、それらのコメントは全て合っている。
「これ絶対挿入ってるよね」を含めて。
顔は見えないが、推定男の膝に座る桐利の自撮り。
そう見えるこの写真はしかし、背面座位でセックス中のハメ撮りであることを、当事者たちは知っている。
本当に本当にお願いします、と桐利がしつっこくコーチに頼み込み、土下座の果てに「万が一流出しても特定されないように」という条件付きで許可をもらった桐利にとって珠玉の一枚だった。
それを使い、炎上した。昨日の今日で。
コーチのブチギレも当然の所業である。
だから、コーチはこうして桐利を呼び出した。
時刻はすでに放課後。コーチのエロさ無防備さに充てられた生徒たちとはいえ用務員室にまで訪れる根性がある生徒などドルフィン以外にいるはずもなく、おそらく既にコーチが根回しをして誰も近づかないようになっているだろう。
生徒のにぎわう声は遠ざかる一方。部活に励む生徒たちの活動場所からも離れた校舎内の僻地は刻一刻と静寂が濃さを増していくばかり。
何が起きても、誰にも気付かれないだろう。
そもそも、今日に限らずいつでもそうなるように色々と手を回したのが、他ならない桐利だった。
用務員室を、コーチとのヤリ部屋とするために。シュネー経由で学園側にも働きかけ、それはもう都合のいい部屋となっていて。
昨日コーチに言われたことが桐利の脳裏を過る。
次やったらされる、「コレ」。
コーチが椅子から立ち上がる。
桐利はごくりと喉を鳴らす。
無言のまま桐利の目の前に立ち、見下ろす視線を頭頂部に感じ、数秒の間。
「ごめんね、桐利」
「……へ?」
しゃがみこみ、肩に手を置くコーチが発した言葉は、謝罪だった。
思わず顔を上げた桐利の目に入ったのは、申し訳なさそうに眉を寄せるコーチの表情。
それは間違っても、炎上に巻き込まれた被害者が犯人に向けるものではなく。
「昨日、あんなことを言ったのが原因だよね。ごめん。もうちょっと桐利の気持ちを考えるべきだった」
「え、あ、いや……コーチ、ちゃん?」
真摯な言葉はコーチが自身の行動をこそ悔いているようであり、桐利を責めるような気配は少しもない。
桐利の予想していたこととは全く違い、これはもしかして色々ナシになるのではと、安堵というには空しい感情が胸をよぎりだし。
「――だから、ね」
「うぇ……? きゃっ」
肩に置かれた手に籠る強烈な握力が、桐利の体を用務員室の仮眠用――という名目になっている――ベッドに放り投げるのに抵抗の余地などあるはずもなく。
天井とコーチだけが映る視界に、割と高級なベッドの柔らかさを背中に感じるという何度も経験した状態に自然と胸が期待で高鳴り。
コーチが何かを持っていた。
首元でカチリと、チョーカーか首輪のようなものがロックされる音。
「反省したんだ、俺は。――桐利があんなことをしたのは、『コレ』がなんだかわかっていなかったせいだよね」
コーチの目に宿るマジ中のマジの闇に、ぞくりと背筋が震えた。
「な、何を……?」
「はっきりしない言い方だった。何をするのか、わかってもらう努力が足りていなかった。反省してるよ。改める」
会話が成立している気がしない。
コーチは一方的に言葉を並べているだけで、桐利の様子を認識はしていても取り合う気があるようには見えなかった。
宣言通りの「お仕置き」を、しようというこの期に及んでなお。
「ね、ねえコーチちゃん!? 聞いて!? ていうか首のコレなに!?」
「アマデアさんが趣味で作ったセンサーだよ。首につけて、血圧とか脈拍とか、あと脳波とか。そういうのを読み取って――女の子がイった回数をカウントしてくれるんだって。とりあえず、3分で100回を目標にしてみようか」
「3……分? ……100!?」
コーチちゃんって時々バカみたいな数字使うよね、と心の片隅を過った言葉を、口にする余裕はなかった。
ジェットバトルのプロ選手とはいえ、桐利はいまだ女子学生。
KIRISHIMAでは入華たちのトレーニングを監督するどころか自身も混じって鍛えているコーチが相手では、体格体重筋力ありとあらゆる面でかなう道理がなく。
「はい、タイマー。適当に始めておくから、カウント開始は桐利の好きなタイミングでいいよ」
「ちょ、ちょっと待って心の準備させ……んひぃっ♡」
容赦なく膣内へと指をねじ込んだコーチの表情が一瞬驚き、すぐ呆れに変わる。
指先に感じる熱さ、柔らかさ、そして何もしていないにもかかわらずあっさりと指を迎え入れるじゅくじゅくと蜜を滴らせるその感触から、桐利の期待と本心を察したからだろう。
「すぐにクリアできるとは思ってないから、がんばろうね、桐利。何度でも付き合うよ。お助けアイテムも、たっぷり用意してあるから」
「ひっ♡ ひいいぃぃん♡♡」
ベッド近くの引き出しから、コーチが無造作に掴みだしたものがいくつかシーツの上に転がる。
バイブ、ローター、手錠、アナルプラグ。この部屋でコーチとのプレイに使ってもらうようにとドルフィンたちが持ち寄り、実際何度か使われたこともある道具たち。
それも使って、徹底的にヤる。
コーチがそこまでやるという覚悟を持っていたことを桐利はこれまで想像が至らず。
そこまでされたら自分がどうなってしまうかという想像は、するまでもなく明らかだった。
◇◆◇
「おおぉぉーーーーーっ♡♡ おほっ♡ んぐうぅ~~~♡♡ んぎっ♡」
「お、カウントいい感じ。もうちょっとだよ、桐利」
ぴこん、ぴこん、ぴこん。
呆れるほどに安っぽい電子音。途切れることなく数を重ねていくそれが、しかし今の桐利にとっての生命線だった。
桐利が、桐利の体がコーチの決めた条件を達成するか、その前に「終わる」か。
かなり真剣に、それが運命の分かれ道になる。
自分の首につけられた首輪など、当然見ることはできない。
デジタル表示で回数が示されているとコーチは言うが、実際に今の数字がどうなっているのか、桐利に知る術はない。
だから、今の桐利がこの地獄から解放されるためにはとにかく徹底的にイキ狂い、3分間で100回というノルマを達成するしかなかった。
「ひぐぅっ♡ イグっ♡ イギますっ♡」
「イキ報告できてえらいね、桐利。でも残念。100回には届かなかったみたい。……じゃあ、次はコレつけてみよっか」
「ひっ♡」
最初の3分では、当然100回イきつづけるなどということはできなかった。
コーチの容赦ない責めで気絶しかけるほどになっていたのだが、未達成は未達成。
そう言って取り出したのは、ローターとテープ。
何をされるのか恐れおののきつつも、抵抗する気力も体力もすでにないぐでんぐでんの桐利は為されるがまま。
ローターで乳首を挟まれ、そのままノンストップの強い振動に胸を刺激され続けている。
「取ってえ”え”ぇ”ぇ”♡ コーチぢゃん♡ ちくびっ、きづいぃぃ♡♡」
「はーい、時間終了。また失敗か。……じゃあ、次はこれいってみようか。――お尻に」
「…………あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ♡♡♡♡♡」
コーチが持ち出すあらゆる性玩具が、桐利を犯した。
乳首のローター、アナルのバイブ。手には革製の手枷がつけられまともに動かせず、胸に張りつけられたパッドからは弱い電流刺激が与えられ、部屋の中にはコーチがヴィーナからもらったとかいうどう考えても激ヤバな淫香が炊かれ、頭にもやがかかるよう。
今の桐利が身に着けているのは淫具のみ。布切れ一枚すらまとっていない。
その状態でベッドに座るコーチの足の上に腰を乗せられ、最初からずっと続く手と指を駆使した膣とクリトリスへの刺激は止むことない。
いつ追加されたのだったか、電動マッサージ機の重量を伴う振動は下腹部にめり込むほどに押し当てられ、逃げ場のない子宮を直接揺らす。
少しでも刺激を逃がそうという体の動きは全て悟られ、より一層の責めを伴って元の位置へと引き戻された。
コーチの指は最初から変わらず、桐利の膣襞深くをかき分けえぐり、何度となく絶頂の極みを味わわせる。
意識が途切れたことも一度や二度ではなく、それと同じ数だけ絶頂によって叩き起こされた。
絶対に、最後まで、やめない。
その意思があまりにも強くコーチを動かしていることだけは明らかで、二度と戻ってこられないのではないかという快楽の果てで桐利はイキ狂う。
――ピピピピッ、ピピピピッ
「……ん? おお、おめでとう桐利! ノルマ達成だよ! がんばったね!」
「お……っ♡ へひっ♡」
だから、どれだけ時間がたったのか、自分の体が何をされているのかも理解できない状態に陥った桐利は、コーチの言葉も正しく理解できたわけではない。
ただ、コーチが優しい言葉とともに頭をなでてくれているという状況に素直に甘え、少しでも正気が残っていれば絶対に男に見せることはないだろう弛緩しきった表情を晒す。
ともあれ、桐利はなんとか自我を保ったままコーチの「コレ」を生き延びた。
炎上を繰り返さないようにする反省と改善は必要だが、なんとか再び人間に戻ることができるようになり。
「――ところで、桐利?」
「へ……? ひゃんっ♡ こ、コーチちゃんの……でっか♡」
正確にはわからないが、時間はそれなりに経っていただろう。
その間ずっと自分の手で、指で、さんざんにイキ続ける全裸の女。
普通の男ならぞっとするようなそれも、このコーチはそれに好意を、興奮を抱く。
それはもう、女なら誰でも見惚れるに違いないガチ勃起ちんぽとして。
お手伝いアイテム、とコーチが称したイキ狂い補佐グッズの数々を一つも外さないまま、桐利が数えきれないほどイき散らかした間も一度として射精することなく焦らされ続けたに等しいコーチの我慢のほどが、桐利の膣口に突き付けられていた。
「桐利のすっごいエロい声を聞かされて姿を見せられて、さすがに俺も限界なんだ」
「わっ、私のせいじゃないっ♡ 全部コーチちゃんがしたことだよね!?♡」
「うん、桐利の言う通り。だから、これは俺からのお願い。――桐利のこと、犯していいかな?」
「――っ♡♡♡」
それは、もはや死刑宣告に近い。
ただでさえ全身くまなく愛撫され、イき続けたこの体。その中で唯一直接は責められずにいた膣奥、子宮。そこまでいよいよ征服されて、正気でいられるとは全く思えない。
何とか生き残ったと安堵したところにトドメを刺す。そう言われているのだ。
断らなければ。止めなければ。
そうでなければ、比喩ではなく桐利は桐利でいられなくなる。
そうなると、わかっているのに。
「……♡♡♡」
「ありがとう、桐利」
媚びた笑顔。はしたなく広げた足。膣口は両手で広げ、奥からとめどなく溢れてくる愛液がコーチを待っています♡ と告げるレイプ歓迎の構えを、桐利は取った。
コーチの優しい感謝の声と、態度で示すキス。
それとは裏腹に桐利の中をこれまでの何よりも強く、太く蹂躙してくる熱い肉棒に、桐利はコーチの「コレ」をされているときよりも深く、多く、強く、イき散らかして、愛された。
◇◆◇
「見てコーチちゃん! 最近ブログが炎上しなくなったの!」
「うん、いつも見させてもらってるよ。えらいね、桐利」
「えへへ~♡」
後日。
あの桐利をしてすら、さすがに効くおしおきは存在した。
さんざん天国と地獄を見せられ、その後はコーチ自身の望みで子宮もアナルも使われて、最後は半ば放心状態になったところを馬乗りパイズリで顔中精液まみれにされた。らしい。
桐利には記憶がない。コーチが撮っていた事後ハメ撮り写真でそれを知った。
ともあれ乙姫が驚愕するほどに桐利の更新するブログの文面はおとなしくなり、コメントにすら感想と困惑が混じるほどにしっかりと企業広報としての務めを果たしている。
そのことを報告しに来た桐利を、コーチは優しく頭をなでて出迎えた。
これまで、桐利の持つ学習能力のアレさに割と深刻な危機感を覚えていたのが杞憂と知れたことによる安堵が多分に含まれているのだが、桐利はそんなことなど知るよしもなくコーチの甘やかしに耽溺する。
「こう見えて、がんばったんだよ。――だから、ね? コーチちゃん。もし次のブログも炎上しなかったら、ご褒美もらえる?」
「……いいよ。俺のできることなら、だけど。どんなご褒美が欲しいのかな?」
コーチの許可が出た。そのことににへらと緩む口元はどんなに力を入れても引き締まることはなく、世の男たちが見れば反射的に「キモっ」くらいは言うだろう下心に満ち満ちた表情。
しかしそれも、コーチなら受け入れてくれると信じればこそ。
いまも穏やかに微笑んで桐利の頬を撫でながら問うコーチの言葉に、桐利は頬を赤く染めながら、言う。
「次炎上しなかったら――『コレ』してもらえる?」
「……ふふっ」
コーチは何も言わず、桐利の額に優しいキスを落として答えとした。
◇◆◇
翌日。
桐利。ブログ、見事炎上。
「なんでーーーーーーーーー!?!?!?!?!?」
コーチに曰く、「最後の最後で気が緩んだね」とのことであった。