※この作品はR-18です。

超絶肥満(クソデブ)ニートの俺、ダイエット途中に女魔王に召還されて生贄にされそうになったけど、パワー系ラリアットかまして魔王を性奴隷にしたので異世界の覇者を目指すことにした   作:無能薬野菜

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国としての限界、力は奮っても国と言う立場は序列に忠実だ。長引く戦いは青年達に現実を見せ始める。酔いの宴で暴露された破壊者達の野望、その事実に青年は頭を悩ます。守りたい、愛国者達が口ずさみ陳腐化した言葉を口に出す事すら今の青年には気休めにならない…………。


EP33 揺れる魔王国!!交錯する策謀と戯れの蜜月

「カルナッグのハイパーラガーをくれ」

 

「一本1200ツブラだよ。帝国通貨なら30リアル、共和国通貨なら3ブリック」

 

「三本くれ、因みに魔王国通貨だと幾らだ?」

 

「あれ使ってる奴いるのかい?1145141968113810デビル-ンだけど」

 

「うーんゴミ通貨、素直にリアル使うぜ」

 

「はい、まいど」

 

 

じゃらんッ

 

 

店のババアに銭を渡し酒を買う。

 

 

「経済って奴は難しいもんだな、ホラよ二人共」

 

「勇志様のお酒を一緒に飲めるなんて感激ですぅ」

 

「瓶ごととは風情が無いのぅお主、せめてグラス位は寄越すのじゃ」

 

「これはこのまま直生がいいんだよ、お前達と同じで」

 

「ば、バカ者っ!!下品じゃ!!」

 

「いや~~んッ、勇志様~」

 

 

ゴクゴクッ

 

 

(しっかりキレは保ててるな)

 

 

二人と共に自社製品を飲みながら、俺は魔王国の現状を振りかえる。

 

 

「あちゃあ、ズギュウの串焼き売り切れかよ。次いつ」

 

「未定だよ」

 

「アードセンのマリネは?」

 

「分かんないってば」

 

 

ババアと客達のやり取り。今はまだ気さくだが…………

 

 

「少しずつ…………厳しくなってきましたね」

 

「まだ配給制にしなくて大丈夫か?」

 

「来週くらいまでは大丈夫じゃ、来週以降も明日の交渉が上手くいけばなんとかなるのじゃ」

 

「……………………………………」

 

 

没落国家の中に誕生した魔王国。

 

狭い国土に絞った人数という事や付近の大国である帝国の緩和政策もあってこれまで食料事情は割と融通が利いていた。

 

だが勢力の拡大や物流封鎖に王国との戦闘が激化するにつれて食料事情は深刻化しつつある。

 

まず王都攻略という一大戦闘があるため、俺達はその遠征のための備蓄を行っていた。

 

しかしそれと並行して少しずつ帝国の対応に陰りが見え始めた事や諸外国の食料の値段つり上げ、更には王国側が共和国とつるんで本格的に輸送妨害をし始め状況は悪化している。

 

追い討ちをかけるように自国領の不作も重なった。

 

 

「備蓄はどうだ?」

 

「色々見ているのじゃ……」

 

(芳しくないよな……)

 

 

どういう形であれ、王都を制圧し王国を打倒しない限り魔王国の存続は怪しいかもしれない空気は少しずつ出来ていた。

 

 

(だが打倒しただけで本当にどうにかなるのか?)

 

 

たまにそんな事もチラッと思い浮かぶが…………。

 

 

「どうなろうと何とかするのじゃ、それに同盟の件もあるのじゃし……ん、どうしたのじゃ勇志?」

 

「あ、悪い…………だがよツブラ高すぎないか?結構値段抑えて作った奴でも500ツブラは越える。通貨価値が違うにせよな」

 

 

俺は話題を変えた。

 

 

「あやつらの売国の結果じゃよ。王国の者共は国の通貨を大量に刷れば民衆は消費を増やし、自国通貨を安くすれば外国にモノを沢山買って貰えると考えたのじゃ。勿論全て王国通貨の価値を下げたい共和国の命令じゃ。ソアンどもはそれを忠実に実行したのじゃ」

 

「それは陰謀論過ぎます~魔王様、植民地である王国の通貨が急激に下がったらブリックの価値だって揺れちゃいますよ~。当時の宰相は私達の軍隊の無能参謀さんですし、色々私欲でやっちゃっただけですよぉ。それで今や誰にも見向きもされない通貨になっちゃってるだけですしぃ」

 

「ったくw、歴史も経済も知らんからちんぷんかんぷんだぜ…………」

 

 

そんな没落国家はさておき、急場建国された魔王国において急務だったのは経済の安定だ。

 

元々王国にある土地から独立した魔王国は建国に至るまで王国通貨を使用していたのだが、そもそも王国通貨は使えないわけではないが世界的にみて通貨価値が下がっており安かった。

 

これは王国が以前外国通貨に対し、自国通貨が高すぎたので自国のモノが外国に売れなくなることを危惧し、自国通貨を大量に刷って通貨を安くしようとした為らしい。

 

そうすることで自国のモノが沢山外国に売れると考えたらしい。

 

 

「じゃが当時の王国の連中に売るものなど無かったのじゃ。第一王国で作るモノの大半は外国から原料を仕入れているのじゃ」

 

「読み違えたって訳か?」

 

「外国の通貨や資産を沢山持つ一部の貴族や大商人にお金を合法的に配るための政策ですよ勇志様、王国の平民達は外貨を持つ事にかなりの制約がありますし、そもそも魔王国が出来るまで王国の一般民衆は自国通貨以外での取引なんて殆ど出来ませんでしたから」

 

「王国の通貨が安く儲けられたのは王国の周りで国々が戦争をしていた事や当時の商人や貴族たちがそもそも資産を外貨や資源で持っていたからに過ぎぬのじゃ。あやつらほど自国通貨を持たぬからのぅ。それも国王含め大半が自国の人間を外国に売って生き延びた子孫だから当然じゃよ」

 

「酷い話だぜ」

 

 

だが疑問も出てくる。

 

 

「でもそれなら尚更ツブラを安くした意味があるのか?私腹を肥やせてもそいつらだって日常で使うのはツブラだろ」

 

「安い肉より良い肉ですよ、勇志様~」

 

「あ?」

 

 

何故肉の話になるんだラーシェラ?

 

 

「良質な家畜を狩るためじゃ、マトモなツテの無い金持ちなど奴隷と変わらぬ。肥やしたら後は資産を差し押さえれば良いのじゃからな」

 

「それは流石に中世過ぎるぜ……んップッ」

 

 

狩る?家畜?それに良質?

 

なんか浮世離れしてるようなしてないような……

 

 

「お主からすれば異世界じゃからなぁ、ここわぁ」

 

「そうだったな、ギャハハ」

 

 

やべぇ、少しずつ酔いが回ってきたぜ。

 

一先ず深く考えるより自我保たねぇと。

 

 

たゆんたゆんっ

 

たゆんたゆんっ

 

(ヒヒッ、出発前の祝いにコイツら二人を豪華丼だ。ラーシェラ呼ぶのに態々転移石まで使ったんだからよぉ~~)

 

 

それくらい今日は無礼講だぜ。

 

 

「自国の通貨の価値が下がって飢え滅んだ国はあっても自国の通貨の価値が上がって滅んだ国は無いのじゃ。あやつらセンス無いんじゃよ~~、くふっ」

 

「っても魔王国の通貨もゴミだぜ、えーごほんっ、そのですねぇ、そうやって相手を誹謗中傷したって何も生まれませんよディアラ王」

 

「ムカつく言い方じゃなお主……」

 

「没落国家の上に出来た国ですからねぇ、暫くは外貨様々ですよぉ~~。ブリック貯金が捗りますぅ~」

 

「うッ、うるさいのじゃ!!もっとお主達もデビルーンを使うのじゃ!!」

 

「拒否するぅ!!異世界人ガードぅ!!」

 

「むっ、むかっ!!!!」

 

「うひひっ、二人とも喧嘩はダメダメですよぉ~~」

 

 

そんな事もあり、魔王国は価値のある紙幣流通に必死だ。

 

特に魔王国では外国からモノを買い付けることも多いので外貨獲得は急務となり、その結果初期から友好関係だった帝国通貨が出回るようになる。

 

一方で魔王国の標準的な経済政策は元王国人が大半なので王国通貨ツブラを基準とした経済政策となっていた。

 

しかし最近はもう一つの大国、共和国の通貨も出回るようになり市場は混乱しがちだ。

 

また自国通貨が無いのは経済政策の障害になると言うディアラの意向もあり、最近ようやく魔王国通貨も出たのだが殆ど機能してない。

 

そもそも魔王国内でしか使えないからたまに貰える商品券レベルになってた。

 

 

「いずれ王国をぶっ倒せばどうにかなるのじゃ~~。このまま戦争しか出来ない国にするわけにはいかないのじゃあ~~」

 

「なりませんよぉ~~私達借金まみれですぅ~~一食稼ぐのに身体売らないといけないくらいになっちゃいますよ~~」

 

「売らせるかよぉ、盗賊やってでもお前らのマンコは俺専用だぁ」

 

「あーん勇志様~~」

 

「げひんじゃあ勇志ぃ~」

 

(まぁコイツらの資産は外貨や資源ばっかだし気にならんだろうな……)

 

 

元王国民の大半は王国通貨ツブラ軸の生活だが、半魔として社会から阻害されていたディアラ達は外貨メインの生活となっていた。

 

俺は商売をやってる関係で否応なしにツブラも入ってくるのだが、出来るだけ資産を分散させる方針でジアに一任している。

 

で、今回渡された金が帝国通貨リアルだった。

 

 

「久々に我とラーシェラ二人揃ったというのに、お主が連れてきたのは大衆酒場とは酷く湿気とるのじゃ~~」

 

「いいじゃないですかぁ~、もうすぐ結婚式で色々大変なんですからぁ今の勇志様はぁ」

 

「小遣い制なんだよ……許せ」

 

 

ダッ

 

 

「勇志、どこ行くのじゃ~」

 

「カウンターで飲んでくる、お前らもたまには二人でしゃべりたいだろ」

 

「え~~~~魔王様とお話してもつまらないですぅ」

 

「二杯目好きな奴頼んでいいぜ」

 

「「は~~い!!」」

 

 

俺は一旦席を外した。

 

 

バタッ

 

 

「ビールばっかも飽きるな、ここはワインや例のウイスキーもどきを……」

 

「ツブラが四割、リアルが三割、ブリック二割、他諸々って所か…………」

 

「なんだおっさん?」

 

 

知らんおっさんに話かけられた。

 

 

「魔王国での通貨流通比率って奴だ。あ、それと俺は亡命者でね、王国からのな」

 

「亡命って言わねぇだろ、王国の場合はよ」

 

 

王国から流れてくる奴等に特に亡命云々の手続きなんかしてない。

 

一応貴族や一般の奴でも怪しい奴等はラーシェラ達がチェックしてるみたいだしな。

 

ただの湿気たおっさんみたいだし、まぁたまに付き合ってやってもいい。

 

この後のお楽しみの前座。

 

約二十四時間興奮勃起するチンコ休みって意味でもな。

 

 

「だが難儀だなこの国も。案の定ヤバイ奴等が寄生しまくってやがる」

 

「それは誰の事を言ってるんだ?」

 

 

ギロッ

 

 

「別にアンタらをどうとなんか思っちゃいねぇ、俺達元王国人からすれば遠い存在だからな」

 

「じゃあ誰だ?」

 

「………………ノーヴィス・シンと真理希求委員会だ」

 

「!?」

 

 

コイツ、ノーヴィス万歳(マンセー)ばかりの王国人にしては珍しいな。

 

 

「分かってるなおっさん、あのジジイはカスだし真理希求委員会もキモい連中だ。アイツらのせいで俺は女を殺されセフレを壊され出来の悪いクソガキを育てなきゃいけなくなったしよ」

 

「そいつは災難だったな、まぁそれだけならマシだぜアンタ」

 

「マシだと?」

 

 

一瞬クソ滅茶苦茶鼻についたが……

 

 

「…………アイツらはこの世界の奴ら全てを滅ぼそうとしてる」

 

「は?」

 

「うひっ…………くぶっ」

 

 

どうやら酔ってるみたいだな。

 

半信半疑に捉えるのが良さそうだぜ。

 

 

「それじゃまるで魔王とか悪の組織みたいなモンだぜ」

 

 

まぁ邪悪な連中だが、そこまでなのかという疑問はある。

 

 

「アンタは真理希求委員会がどういう組織か知ってるかい?」

 

「頭のおかしい連中だな、何信望してるのかも分からん」

 

 

今まで奴等が絡む出来事って大体そんな気がするぜ。

 

 

「それは洗脳された信者に限っての話だ、やつらがやってる宗教っていう事業のな」

 

「じゃあ何だよ?」

 

「元々は共和国が王国との戦争に勝った後で台頭した魔王とその勢力に対抗する為の組織として作った…………そう表向きにはなってやがる」

 

「魔王に対抗する…………組織だと?」

 

 

だがそれならディアラ達からすればすげぇ敵じゃねぇか?

 

あいつらもその辺り隠してるから表に出せないとは言え。

 

 

「あのセックス教団がそんな事をな、にわかに信じがたいが…………」

 

「奴等の事業に冒険者ギルドが含まれるのはその名残だぜ」

 

「そいうやアイツらギルドハウス運営してたな、ちょっと頭が変なヘンテコリン施設の…………それ以外は普通だったがよ」

 

「王国の国庫から中抜きした金と法外献金に信者どもを末端労働させる事で極限まで維持費を安くしてるからな。ヒト族の女使って短期間に増殖できる魔物連中と同じだ」

 

「うっ…………」

 

「どうした?」

 

 

飲みすぎて何か腹痛くなってきたぜ。

 

 

「いえ、よい話ですから進めてください」

 

「そうかい、素直だねアンタ」

 

 

俺は敬語でおっさんに続きを促す。

 

 

「最も魔王を倒したのはギルドなんか入ってなかった今の王国国王ソアン14世だ。奴等は各国から集まる金と信者から搾取した献金で遊んでただけよ」

 

「やっぱり典型的なカルトじゃないか」

 

「まぁそうだぜ、既にお役御免の…………化石さ」

 

「……………………」

 

 

正に中世異世界だからあり得る集団だな。

 

だがさっきの話…………魔王を倒したのが王国の国王だと?

 

 

「しかし案外凄い奴だったんだな王国の国王は。それなら何で王国は没落したのか分からんが」

 

「そう上手くはいかねぇのさ。それにソアン14世を国王にしたのは共和国だぜ。今のソアンは婿入りだからよ。体よく封殺してやったのさ」

 

「共和国が国王をきめるだと?王国だろ、ここ?」

 

 

意味が分からなくなってくるぜ。

 

 

「俺も生まれてない様な大昔に王国は共和国と戦争して負けた。んで共和国の属国になった。かつては連合国や公国に比肩する第三国家を自称した王国だが、実態は共和国の一部として共和国の奴等や敵対勢力から金を恵まれて発展しただけの国に過ぎない」

 

「いわば正に植民地…………」

 

「そうだぜ」

 

 

まぁそれならこんな腐敗してるのは納得だがよ…………

 

 

「っても金を恵んだだけで国が発展するとは限らないぞ、貧しいまま更に金を寄越せって国もある気はするんだが……」

 

「あぁ確かに、当時の王国人には多少基盤はあっただろうよ。だが、考え方が古いまま後継の産業や人材も満足に育てなかった。一番は外圧、二番目に政局腐敗、三番目に気質って奴だろうな…………そんな王国の没落を俺は異国でしみじみ感じているよ」

 

「……………………」

 

 

悲壮感を強く感じるおっさんだな。

 

 

「そもそも共和国と戦争した事自体、割とノーヴィスというかシン家とダサカの軍閥連中のせいなんだがな」

 

「そうなのか……」

 

 

王国の歴史なんてロクに知らないならな。

 

グダグダ言われても分からないが、真理希求委員会の悪事を語る上でなんかあるんだろう。

 

流し聞きだけしとくか。

 

 

「真理希求委員会、そしてノーヴィスを軸にした王国貴族どもの悪事の元凶は共和国だ。奴等は悪魔(アフィカス)だ。戦争しか出来ない奴等は今や王国に勝った事くらいしか自慢出来る事がない。そしてその結果、今や共和国も分断の危機ってな、ざまぁみろだぜ……はぁ」

 

「………………………………」

 

 

色々鬱積の溜まってるおっさんだな。

 

だが聞きたいのはそんな胡散(カルト)臭い大国や王国の話じゃない。

 

 

「真理希求委員会が世界を滅ぼそうとしてるって話だが、随分面白そうだな。詳しく聞かせてくれないか?」

 

 

あのカルト集団にそこまで力があるのか?

 

流石にスケールがデカすぎる気がするんだが…………。

 

 

「はぁ…………滅ぼすと言ったが、滅ぶだろうっていう俺の憶測もある。何せアイツらの情報は王国や共和国が自分達の失政になるような部分を隠して断片的に入ってくるからな。そのせいで知る側も断片的な憶測でしか奴等を考察出来ない。そしてそれが真理の連中を増長させる原因にもなった」

 

「口振りから察するに、かなり国政に根深く絡んだ連中って事だが……」

 

「そうだ、設立の発端が魔王争乱っていう国の存続に関わる一大事な訳だからな。寧ろそれで政治と無関係と言うのは無理がある。実際奴等はその点も悪用してる」

 

 

ややこしそうな話だぜ。

 

時間かかりそうじゃないか?

 

てか、ディアラ達は…………

 

 

「んじゃあぁぁぁぷはぁぁぁぁ!!!!もういっぱいおっぱいじゃあぁ!!」

 

「おげひんですよぉ魔王様ぁ、勇志さまみたいですぅ~~」

 

「お主の食べ方よりマシじゃあぁ」

 

「あーん凄いムカつくぅ、後で勇志様と一緒にお仕置きですよぉ」

 

「ばーかそんなのごほうびじゃああぁ~~」

 

(酷い様だぜ、品性の欠片もない…………)

 

 

時折俺が殺気ビームを放って、群がりそうになるチンコどもを蹴散らさないといけないくらい酷いぜ。

 

 

「んーアンタ、もう話はいいのかい?」

 

「いえ、よい話ですから進めてください」

 

 

年長者に俺は敬語で促す。

 

 

「あ、そうか……なら話すぜ……」

 

 

もう少し話を聞いてから退席するとするか。

 

 

「真理の教祖……ペグチェド・クーエンはドワーフ族の国に生まれた混血ドワーフだ。ドワーフ族の国ってのは今でこそあんな辺鄙な場所にあるが、昔は今の竜人族の国がある島の中にあったわけよ。つまり竜人族の国には昔は三つの国があったのさ」

 

「三つ?ドワーフ族と竜人族だと二つじゃねぇか?」

 

 

言い間違えたのかおっさん?

 

 

「ドワーフ族の国が島にあった頃にはリザードマン族の国ってのも竜人族の国とは別にあったのさ。色々戦争して最終的にあの島は竜人族の国ってなっただけでよ。で、戦争に負けたドワーフ連中は島から逃げて今の場所に国を作ったのさ」

 

「リザードマンの国はどうなった?」

 

「滅んで消えた…………本当にそれで済むならマシだったかもな」

 

「あ?」

 

「言ってしまえば、リザードマンが今の王国を作った連中であり、そもそも王国を破壊した連中な訳よ」

 

「!?」

 

 

王国は人間族の国じゃ無かったのか!?

 

 

「いや待てよ、それなら王国は異種族……いや本来なら亜人の国じゃないのか?」

 

「そこが胆なんだぜ兄ちゃん、リザードマン族ってのは顔が典型的な蜥蜴でそれこそ見た目は人間族から最も離れた奴等だ。だが奴等は人間族や他種族と交配すると舌以外全く自分達の見た目を残さない特性があったのさ。ノーヴィス……ノーヴィスの家系は全員リザードマンの血を引いている訳さ」

 

「!?」

 

 

ノーヴィスがリザードマン!?

 

俺はてっきり今まで奴が人間族だと………………。

 

 

「で、真理希求委員会と何の関係があるんだ?」

 

「それも後で話す。この断片的な情報が線で繋がる事を一言で言えば…………奴等の怨みだ」

 

「怨み?」

 

 

怨みたいのはこっちなんだが?

 

 

「国が滅んだ後、リザードマン連中は王国のあった土地にたどり着き亡命した。ソアン王朝が正常に機能していた頃かもな。だがソアン達は余所者に過ぎない奴等を物凄い特別扱いしなかったし、どちらかと言えば辺境で一般の連中と同じように扱った」

 

「それが怨みか?」

 

「さぁな。だが考えてみろよアンタ、逃げて来たって事はリザードマンでもそこそこいい身分の奴等だ。今王国は魔王国と戦争してる訳だが、その例えで言うと、王国で暴利を貪っていた貴族達が共和国や帝国に亡命するようなもんだぞ。その過程で沢山の末端リザードマンを殺してな」

 

「そう言われると…………アレだな」

 

 

ロクでもない奴等ばっか強かに逃げるってなると憎まれっ子世にはばかるとか言うのも強ち間違いないのかもな。

 

だがそうじゃない奴等だっているだろう。

 

…………そう考えると余所から余所に行くのも案外リスクかもな。

 

 

「言っちゃ悪いがそんな奴等だから子孫も節操がない訳だ。そいつらは純朴にソアン王朝に従う素振りを見せつつ、いつしか反旗を翻す時を待っていた。そしてソアン10世の時代に王国に共和国の使者連中が来訪して、リザードマンの末裔どもは裏で共和国や外国の金持ち達とつるんだ訳だ」

 

「別にそれは分かったが、話どんどん逸れてないか?」

 

「これから繋がるからちょっと待てよ兄ちゃん、で、その都落ちリザードマン一族の中でも歴史の動乱ゴタゴタで成り上がったのが魔王国軍参謀閣下ノーヴィスの糞野郎の血筋であるシン家だ」

 

「アイツの系譜図にそんなこと書いてなかった気もするが……」

 

「資料を共和国とドンパチしていた時にどさくさで消してるからな。後は都合良く消し変えだ。まぁ歴史なんてそんなモンよ」

 

「…………………………」

 

 

何気ない話だが、これからを考えると妙に心に響く一言だ。

 

 

「と言ってもかなり古い資料を漁るとノーヴィスの祖父、ナーヴィスの資料を漁るとその辺りの話が出てくるぜ」

 

「ふむ…………」

 

「シン家の安定は共和国やつるんだ外国人どもの後ろ楯あって成り立ってる。奴等は自家の安定と引き換えに王国を兎に角売ったのさ。世代交代しながらも奴らは時に戦争をして沢山王国の人間族を殺した。王国通貨を下げたのも、バカな先例を使って無能な貴族どもを言いくるめて果たした…………半ば意図的な行為だ。戦争して国を乗っ取るためのな。全て元は異国のリザードマンが成し遂げた訳だ、手遅れだと思っても糞だね」

 

「こりゃ凄い辛口だな…………」

 

 

実感は分からないが、ノーヴィスが家系から裏付けされた根っからの売国奴だと言う事は分かった。

 

 

「だがそんな奴が何で王国で人気なんだよ?」

 

「言論人どもや広報連中を買収した事による演出だ。何より貴族主義の強い王国では弱小貴族や平民が奴等の事を少しでも悪く言えば奴等金にモノを言わせて裁判だ。法司どもを買収し、奴等に罰金を支払わせる。靡かなかった法司が裁判を無効にしても多大な時間をかけさせ、訴えられた奴等の経済状況や社会的地位を奪う。当然靡かなかった法司は後で左遷か暗殺だ」

 

「法治国家かそれ?一応王国の法律を魔王国も多少流用してるが、そこまで極端な真似は……」

 

「公的参加に対する戦略的訴訟に対する罰則や規制は王国にねぇ。そもそも共和国が倒した王国を属国統治する上で反旗を翻されそうな部分を徹底的に排除したからな。その法がベースになっている。んで共和国がその辺りの外圧を弱めてそれらの部分を王国の貴族や王族共に与えた瞬間、今度は奴らがそれをそのまま変えなかった。奴等はひたすら自分達が有利になるようにだけ法を変えた」

 

「……………………難しくてさっぱりだが………」

 

「悪いな説明下手でよ、俺は低能なんだよ!!ハッ」

 

「………………………………」

 

 

コイツと論争(レスバ)したくねぇ・・・・・。

 

非常にしつこい感じだし、不快な奴ではある。

 

 

(だが今の俺には余裕がある。多少は我慢してやらないとか・・・・)

 

 

何より魔軍の長として色々部下も増えてきたからな。

 

器広くしといてやるぜ、感謝しろよクソジジイ。

 

 

「ノーヴィスがそこまでやったのはわかった、けど個人でそこまで出来んのか?奴は糞だが急場作りの魔王国でだってそこまで勢力を伸ばさない様に抑えられてるんだぜ」

 

「その為の真理希求委員会って訳さ。奴等は純粋な王国人の貴族や王族の系譜、更には平民連中まで政界から排除するための集団な訳さ」

 

「あのカルト宗教がか?」

 

「奴等は宗教的ルールで人員を動かしてるだけの集団だ。奴等の結束は共和国や王国の権力者達に自分達が守られているという事から生じている。言ってしまえばそいつらの後ろ楯で権力を持たない連中だけを強いたげリンチする連中であり宗教ですらない。そいつらを使い、ノーヴィスは自分に従わない文官や貴族達を失脚させたり謀殺した、法司もな」

 

「具体的には?」

 

「汚職や交遊関係での粗。ありもしない嘘や噂の流布。自分達の悪名を使って敢えて真理希求委員会の関係者だとしたりもする。潔白過ぎたら即暗殺だから質が悪い、ソアン王も糞だが事実上のお飾りだった訳よ」

 

「ワケわかんなくなるな……」

 

「実際一般の奴等は混乱したぜ。だがノーヴィス執政時はそうした影響が直ちに出なかった事、最初に言った言論人や広報連中の買収もあって本気で良くなると考える奴らも多かった。奴が政界を離れガンガン奴の執政のツケで周りが死に始めたから自覚し始めた。手遅れだったがな…………」

 

「つまり真理希求委員会が悪い奴等だって王国の奴等も認知していたのか?」

 

「勿論だ。しかし既にこの頃の真理の奴等は貴族や王族、更には大商人達の懐に根深く入り込んでいたから民意で止まる相手じゃなかった。共和国支配下にあったと言っても全盛期の王国なら多少ははね除けたが、没落した当時は政局の連中全員がすがってた」

 

「…………………………」

 

「そして真理の奴らは時間をかけて王国の法律を自分達に良いようにするために貴族達に働きかけ次々法律の改正を実現させ、民衆や反発する勢力を完全に無力化した。そして今、王国を破壊し共和国を分断して大量の難民を産み出そうとしている訳だぜ」

 

「破壊に分断?カルトがか?」

 

「悪い悪い、本当に俺酔ってるのもあるがよ!!色々失いすぎてよ!!はっ、はっ、はぁぁぁぁすっ!!!」

 

「…………………………………………」

 

 

くだくだ言われてこんがらがりがちだが、それを抜きにしても真理希求委員会っていう連中はロクでもない奴等みたいだ。

 

 

「だがそこまで悪事しか出来ない奴等とつるんで王国側に何の利益があるんだ?しかも自国破壊してるんだぞ」

 

「あるぞ!!!貴族連中の保身は盤石に、反抗的な平民を物理的に消してくれるんだからな。そもそも真理の上は共和国なんだから逆らえる訳がねぇ!それに奴らは奴らで共和国との戦争に負けたことを民衆に逆恨みしていた!!ってもこいつらは共和制で国を治める共和国でも大活躍だ!!寧ろ奴等の方が先に腐ったのかもしれねぇ!!」

 

「なぁお前、共和国って国が憎いのか?」

 

 

聞いてる限り、共和国が録でもない国だと言うのは伝わるが俺はそもそも共和国がどんな国なのか知らない。

 

そのせいでおっさんの私怨混じりの憎悪をいまいち全て理解出来なかった。

 

 

「奴等が!!奴等さえいなきゃ!!強姦で生まれた子孫の末裔どもが!!毛を剃り髪を染めなきゃ薄汚い混血の事実を隠せない忌み子どもがぁ!!環境変化(へんか)と世代交代(へんか)で失う特徴(たち)をカルトにすがって保つだけの脳足りんどもがぁ!!お前のせいで!!お前達のせいで!!!俺の妻はセックス教団のガキ穴にされて最後死んだんだ!くそったれがぁ!!」

 

「おっ、落ち着けよおっさん………………………………」

 

 

辺りがすげぇ静まり返る。

 

幸いオッサンがすすり泣きし始めたので場の空気は戻り始めたが…………

 

 

「いや忘れてくれ兄ちゃん、結果的に悪魔の契約だったとは言え、一時は恩恵があった訳だからな奴らは…………それが家畜を肥やす餌だったとしてもよ」

 

「冷静に戻った…………のか?」

 

 

つっても色々飛び飛びになってる話題ばかりな気もするが…………。

 

後で聞き直しすんのもアレだし、このまま相槌だけ打ってやるか。

 

 

「で、アンタ?まだ聞きたいのかい?」

 

「はい、よい話ですから進め下さい」

 

 

年長者の機嫌を取るのも兼ねて、俺は敬語で返事をする。

 

 

「………………共和国の政治家連中は真理の奴等から莫大な金を貰って選挙に役立てた。特に選挙活動の弱い赤獣院の連中とは波長が滅茶苦茶合った訳よ。そして真理希求委員会は共和国で強い影響力を持つ旧神教の会派であるスワーブ会にも莫大な金銭支援をする事で、自分達が邪悪な集団ではなく正当な宗教組織であるという後ろ楯を得たのさ。更に真理の奴等は共和国では買収や汚職をしても犯罪はしない。それが事態を悪化させてくれたのはざまぁなんだが……」

 

「カルトが宗教に金を送るだと?」

 

 

割とはじめて聞く事例なんだが。

 

 

「スワーブ会の大半は貧困人間族で、赤獣院に所属する議員連中の支持者だ。そいつらを大量支援することで奴等の顔色を安定させた。更にスワーブ会って言うのがそもそも曲者で、コイツらは真の救済の為なら幾らでも過ちを認め許す……つまり何したって良いって解釈が出来る連中な訳よ」

 

「それはつまりどういう事だ?」

 

「奴等は軍人や武器を扱う大商人が多い、だから歴史的に奴等は周りの国に火をばら蒔いて戦争を起こして金儲けしてきたわけだ。何より王国の周辺の海には莫大な………………うっぷ」

 

「莫大ななんだ?」

 

「明日話す」

 

「今日話せよ!!」

 

 

ダメだコイツ酔ってるから本当に話題が安定しねぇ。

 

こうなるとやっぱりコイツの話どこまで信用出来るかだが……

 

 

「ラーシェラ、ちょっといいか?」

 

「なんですかぁ勇しさまぁ、ゆうしさま酒(しる)たくさん飲んでる途中なのにぃ~~~」

 

「いや、少し身辺調査をだ…………」

 

 

ちょっと席を外して真後ろのディアラ達の元に行って直ぐだった。

 

 

「………………共和国そのもので見た武器産業の利益はカスだが、スワーブ基準で見た場合、武器の商売は命綱な訳よ……勿論、魔王国もお得意様だろ」

 

「っ!?」

 

 

俺達は旧神信仰を保護してきた。

 

勿論会派に拘った事はない。

 

だが、この話を聞く限り………………

 

 

「…………なぁ、真理希求委員会は何がしたいんだ?」

 

 

もうこれ以上、共和国の奴等の事を聞いても酔ったおっさんの口から満足な解答が得られるとは思えない。

 

俺も今、この状況で深入りしたくねぇ。

 

同盟の件だってある。

 

それより目先の雁首連中の真意をストレートに聞いておきたいぜ。

 

 

「まず王国を滅ぼす事だろうよ。それで文字通り自分達の国を作る。ある意味達成したな、頭だけミスっただけでよ」

 

「まさかお前…………魔王国の事言ってるのか?」

 

「そうさ、という訳でアンタらはかなり奴等からすればターゲットな訳だ」

 

「!?」

 

 

まさか意図せず、俺達が奴等の悲願を果たしていただと?

 

奴等が不自然に俺達に擦りよったのは・・・・・・。

 

 

「国以外にはなにが目的だ?」

 

「真理希求委員会の教えを国教にする事……これは今の王国という国体で果たされた訳だな」

 

「待てよ、王国の奴等は新神信仰の筈だろ?」

 

「アンタも知ってるだろ、王国の新神信仰は連合国の総本山から独立分派したものだってのは。王国の法律は奴等が殆ど貴族達使って作り替えた訳さ。肝心の真理希求教徒が外貨稼ぎのために魔王国で兵隊やってるから今はもぬけの殻ってだけでさ」

 

「なんだと!?」

 

 

バカな…………じゃあこれはつまり…………

 

 

「奴等唯一の想定外は魔軍の存在さ、対魔組織の癖に弾圧殺害してきたのが魔族でなく人間族ばかりの奴等だから当然だがよ。更に王国の奴等が想像以上にこの騒乱で魔王国側に動いた事だ。そして奴ら自身も牛耳り居座りすぎて内部で分裂して……ゴホッゴホッ」

 

「おっ、おい大丈夫か?」

 

 

何か口に入れた訳でも無いのにすごい咳き込んだが…………

 

 

「…………今最もこの大地で利を得ているのが真理希求委員会だ、そういう意味では魔王国は利用されてる。このまま魔王国が王国を倒しても…………だから兄ちゃん、いやアモン・ユーシ将軍よ」

 

「俺は…………」

 

 

ばばばばばんっ

 

 

「ゆーしぃ、早くするのじゃあ!!」

 

「勇志様ぁ、えっちしないんですかぁ~」

 

「アイツら…………」

 

「羨ましいねぇ、あんな美人二人に囲まれお盛んとは。若さを羨むしか俺にはできねぇな」

 

「おっさん……そういやさっき妻が……」

 

「忘れてくれや、未婚も辛いが元既婚も辛いんだ」

 

「元既婚?」

 

「昔いたんだけどよ、そいつが真理希求委員会にハマっちまってね。姉妹揃ってさ!!姉の娘を引き取った矢先によ!成り上がりとは言えこう見えても元貴族でよ、やっと貴族になったって時によぉ、世襲の奴に妬まれてよ……ふぎゃあぁぁぁあ!!!!」

 

「おっさん………………」

 

 

コイツがノーヴィスや真理希求委員会を憎むのは最もみたいだな。

 

 

(ん?殺気??)

 

 

強い殺意を感じる。

 

 

(てか酔ってたせいで忘れていたが・・・・)

 

 

そもそもここは大衆酒場だ。

 

コイツの話を真に受けるなら、魔王国にも既に相当数の真理の奴等が幅を聞かせているだろう。

 

 

「おっさん…………べらべら喋ってたがアンタ……」

 

「はぁ知るかぁ、無事だった義娘(むすめ)にも三行半されて捨てられたんだは!!!もう全部ぅ……知るかぁ!!」

 

(もう少しマトモに話を聞ける機会が欲しいぜ…………)

 

 

俺はディアラ達を先に邸宅へと向かわせ、部下を複数呼んでこの男を保護する事にした。

 

 

「なッ!?おじさっ…………将軍…………この男は?」

 

「知り合いか?」

 

「…………赤の他人です。一先ず彼を送れば良いのですね将軍」

 

「そうだ、それと暫く保護しといてくれ。ラーシェラに身分を調べさせたが、王国の元文官だったらしいからな、例のセックスレイプ教団の事を詳しく聞けるかも知れん」

 

「この男がですか?確かに知ってるでしょうが彼の言う事は言う事で真理の奴らを誇大に見せすぎて、私には……」

 

「お前の知り合いみたいだしな」

 

「ななっ!?だから違います!!」

 

 

そんなヤケに否定すると尚更そう思っちゃうじゃんか。

 

まぁそれはそれとしてだ…………

 

 

「俺が外遊で留守の間、護衛連中はお前が好きに使え。コイツにも必ずつけろよ」

 

「正気ですか………………ただの酔いつぶれですよ?」

 

「そう思ったが、露骨な殺意がコイツに複数来てる。暫く俺も都を離れるしお前達を守れない。何よりお前が死んだら、ディアラを守れないしな」

 

「……………………承知しました、ありがとうございます将軍」

 

 

俺は護衛をつけて二人を見送った。

 

 

(色々戦力を補充してきて良かったかも知れないぜ……)

 

 

味方を増やす事は重要だとしみじみ思うぜ。

 

超力(パワー)があってもどうにもならないことが多いからな。

 

 

(まぁ本当ならさっさと捕縛して拷問してやるべきだろうが……)

 

 

本当なら殺意の元をそのまま辿ってしまうのもアリかと思ったが、捕らえて口を割るか疑問だった。

 

以前俺の部下を狙った魔薬(リエイト)漬けの奴等は頭のおかしい事ほざいて死んだからな。

 

それにどういう形であれ、奴らは魔王国の人間として扱われている。

 

下手な真似をしても、それこそノーヴィス達をつけあがらせる。

 

真理の末端の奴らはそいつらや貴族どもの捨て駒でしかないからだ……………………。

 

 

 

 

 

 

バタンッ

 

 

「ゆうしぃ、待ってたのじゃあ~~」

 

「勇志さまぁ、前戯はちゃんとしましたよぉ」

 

 

ディアラとラーシェラは既に全て脱いでベッド上で俺を待っていた。

 

 

「俺が前戯みてないからな……そうだ、二人で俺の前でオナニーしろ」

 

「わ、私達がですか……」

 

「勇志っ、我達が仲良く無いの知っとるじゃろ!」

 

「そうだな、だからだ……イクのが遅かった方から俺がチンコぶちこんでやる。ほら二人とも立てよ」

 

「我慢比べですねぇ、分かりました勇志様ぁ」

 

「ふんっ、ならば我が勝つのじゃ。ラーシェラは体力がなッ、んぶっ!!」

 

「まけまひぇんっ!んッ、んんっ!!!!」

 

 

ジュブジュルルルルルッ

 

 

華奢な全裸の女二人が相撲の右四つのような体勢でお互いの親指でクリトリスをこねくり回しながら。マンコに人差し指と中指で中の膣肉を浮かせるように突っ込んでいる。

 

 

「勇志様のっ、はやく欲しいのっ!!!だから魔王様っ、早くっ!!!あっ!!あああ!!!」

 

「お主こそ先にイクのじゃ!!あああっ、ああん!!!」

 

 

お互い先に相手をイかせようと必死だ。

 

 

「んんんッ!!!んああ!!!はうううう!!!んああ!!あああんっ!」

 

「だ、ダメじゃっ!んっ、んぐうううううう!!!!」

 

「ほらほら、俺のチンコが恋しいか?」

 

 

俺はそう言って二人の間に来るように迫り、抱え合った二人の顔の前に勃起した逸物を見せつける。

 

 

「ああ勇志様の目の前にぃ、んちゅっ、んああんっ!!んぶっ!!!」

 

「こ、このっ、そこ揉みながら近づけるのっ、卑怯じゃ、んぶっ、んあんっ!!」

 

 

仲介するようにそれぞれの乳房を手でつまみ揉みながら、側面を二人に愛撫させる。

 

こう揉むと僅差だが差が出てくる。

 

雌牛の肉の様に柔らかく指が埋もれる様な豊満なディアラの白い乳房。

 

雌豚の肉を彷彿させるハリと弾力に長けたラーシェラの麦色の乳房。

 

既に何度も感じ堪能し、身体にしみついた二人の女の感触だが、改めて二人並べて触れ比べることで俺は初心に帰るような気持ちになっていた。

 

 

(あっ、マズい!!)

 

 

ズビュルルルルルっ

 

 

「あぁんっ、精液っ、まだイッてないのに、じゅるるっ、んぶじゅっ…………」

 

「んじゅぶぶっ、んぶっ……はぁ、我達より先にお主がイッたのじゃっ」

 

「やばっ‥‥」

 

 

二人がイク前に俺が射精し、二人の顔や髪に精液を降り注げてしまった。

 

 

「こ、この香りをかぎながらラーシェラの指でイクのはキツいのじゃ…」

 

「この場合、どうすればいいでしょうかねぇ、勇志様ぁ」

 

 

二人は舌を卑猥になめずり口元の精液を絡め取りながら、妖艶な表情でやや不機嫌そうに俺に迫る。

 

飛び散った精液が乳房の谷隙間に入り込み、片胸を揉んでいた俺の指肌に当たる。

 

その滑りと生温かさは今のこの場の空気の様だ。

 

 

「仕方ないぜ、ならんで四つん這いになってくれないか?」

 

 

そう言って俺は二人をベットの上で並べて四つん這いにさせる。

 

 

「こうですね、勇志様・・・」

 

「な、なんか変な気になるのじゃ・・・」

 

 

二人の秘部はイキ切ってないとは言え、嫌らしく膣蜜を垂れ引かせ膣口の躍動で時折糸を引かせている。

 

事前に酒を入れて開放的になってることもあってか、この上ない濡れっぷりだ。

 

 

(この姿勢、そういや・・・・)

 

 

かつて淫魔姉妹を並べてこんなことをヤッた事を思い出す。

 

だが片方はもういない。

 

 

(何か意図があるんだろうが、あの時ディアラに制止されず即座に奴を始末しておけば・・・・・)

 

 

そして今日、思わぬ形で不快な話を聞かされその事を妙に思い出してしまう。

 

 

「勇志、どっちにするのじゃ?我か?それともラーシェラかの?」

 

「そうだな・・・この場合は勿論・・・」

 

 

ずぶぶぶっ

 

 

「あああんっ、勇志様ぁ!!きてるっ、きてますぅ!!」

 

「お、お主っ、もっと悩んだらどうじゃ!!」

 

「知るか」

 

 

俺はラーシェラの膣穴に勢いよく根元まで埋める様に逸物をぶち込む。

 

 

「な、なんじゃお主っ、そのそっけないのっ、バカっ!!!」

 

 

一番最初に挿入されたことを喜び膣を締めるラーシェラと、不機嫌に素でキレるディアラ。

 

普段なら俺もバカにして流すが、イマイチ今日は堪えられなかった。

 

 

「そんなに腹立つならチンコよりデカいのぶち込んでやる」

 

「なっ、なんじゃと、そんなものっ!!はうんっ、ああんっ!!!」

 

「凄いのっ、奥の突き方!!戦ってる様な勇志様のがぁ!!ああああんっ!!!!」

 

 

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンっ

 

グニュグリュグヌッ

 

 

俺は尻に叩きつけるようにラーシェラの膣を突きながら、ディアラの膣穴に指をぶち込む。

 

最初は二本、だが勿論・・・・。

 

 

「ゆっ、勇志っ!!な、なんかいつもとっ、はあうっ、んんっ!!!」

 

 

俺の指使いにディアラも何かを察し始めている。

 

手の平側から少しずつ膣内部に入り込もうとする指の数が増えそうになる擦り出しや二指で穴を広げようとする動き。

 

アナルに指を入れ尻穴の肉を指で押して膣口手前の襞をサックの様に押し上げたりといった明らかに愛撫以外の動きを増やしていく。

 

 

ぐちゅぶりっ

 

 

「ゆ、勇志っ!!!まさかおぬっ、んああっ!!んんんっ!!!」

 

「指三本はいったな」

 

「すごいっ、まおうさまおまんこしんじゃますっ!!!!まおうさっ!!!あああああっ!!ああああんっ!!!!」

 

 

俺は親指以外の指をディアラの膣穴にぶち込んだ。

 

性器として独立した逸物と違って、確かにあると言う唯一無二の穴。

 

似たような感触のモノは数多にあるとほざく奴もいるが割と女毎に感触が違うし個性がある。

 

 

「ああああっ、ゆ、勇志だ、ダメじゃあっ!!!そ、そんな入れたら我のっ、我のっ!!」

 

「今更なんだ!!このまま俺の手を包み込め!!」

 

 

グチュブリブニュッ

 

 

グリグリと手を萎縮させるようにしながら、ネジ込みを強める。

 

これよりデカイ頭をぶち出せるんだから、ヤれ!

 

 

「んんぐううううっ!!!ああああああっ、あぐっ!!!ごっ、あああっ!!!!!!」

 

(魔術つかったか‥‥)

 

 

流石にこれ以上素で入れられるのはキツイと思ったのか、ディアラは魔術を使って俺の指を膣の奥の方へと促すように膣を緩ませていく。

 

そして手首が全てディアラのマンコに入りきると魔術が解け、手首はまるでサイズ違いのゴム手袋をはめたかのようなキツさと膣襞肉の感触を同時に感じる事が出来た。

 

フィストファック。

 

人体で最も激務な手という部位を以て、生命のはじまりの穴を堪能出来る支配感と危険性が同居する欲望行為の一つだ。

 

 

「あああああっ、んぐっ!!んぐぐっ、ひふっ、ううううっ、んんんんううう!!!」

 

 

激しく悶えるディアラ。

 

 

(拒まないんだな)

 

 

拒絶して尻から逃げるかと思ったが、ディアラはもがきながらも俺の突っ込む手に押し込むように尻を動かし、苦しみながらもフィストを受け入れた。

 

 

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンっ

 

 

「んあああああああああ、勇志様激し過ぎてっ!!!強引なのっ!!お尻から伝わってっ!!私先にイっちゃう、いっちゃう、あんあ、あんあ、あんあ、あんあ、ああああああ、イクきますうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

 

ズビュルルルルルルゥゥゥゥゥッ

 

 

「ふあっ、ああああぁぁぁああああぁぁぁぁっ!!!きたあぁぁぁぁっ!!!!!」

 

「んぐううっ、あううぅっ、ゆ、勇志っ、て、手ぇ‥‥んんぐっ!!!!」

 

 

左手首に強いディアラの膣内感触を感じると同時にラーシェラの膣内に勢いよく精液を注ぎ込んだ。

 

 

ずぼっ

 

 

「んぎっ、ぐっ、勇志ぃ、ああっ・・・・んんっ!!」

 

 

ずぶっ

 

 

俺が左手を引き抜くと、ディアラの膣蜜が水飴の様に糸を引く。

 

力崩れ仰向けになるディアラの口に俺は強引に唇を重ねる。

 

そして流れでラーシェラの膣穴から逸物を引き抜いてすぐさまディアラの膣穴に挿入する。

 

 

「私が先に中出しされたのにぃ、ズルいですよぉ魔王様ぁ…」

 

「わ、我が望んでた訳ではっ、んぶっ、んぐうっ!!!!」

 

 

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンっ

 

 

チンコより太い腕で拡張挿入されたに関わらず、ディアラの膣内は続けざまに挿入した俺の逸物を直ぐに締め付けてくる。

 

逸物に絡んだ俺の精液やラーシェラの膣蜜を搾り取る様な締りだ。

 

寸前に俺の手首を受け入れていたという事実が、俺を更に高ぶらせた。

 

 

「ふっ、太いの入れられたばかりで!!!下の感覚っ、まだ駄目なのにっ!!んぐっ!!!あうううう!!!!!」

 

 

出たての子牛の様に濡れた左手でディアラを貪る様に突く。

 

 

「勇志様っ、わ、私にもっ!!」

 

 

妬いたラーシェラが同じようにねだってきた。

 

 

ずぶぐにゅっ

 

 

「んんんんんんんんっ!!あああああああああ!!!!!!!!」

 

「こ、好んでするような事じゃなっ、あああんっ!!!ああああああっ!!!!」

 

 

ディアラと同じ要領で俺の手空きの手首がラーシェラの膣内へと入り込む。

 

此方もキツキツで、乱暴に腕を動かすと本当に千切れそうなミシリミシリとした音を立てていた。

 

 

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンっ

 

 

「勇志っ!!!勇志ぃ!!!ああっ、いいっ!!!やっぱちんちんじゃ!!!我の一番ちんちんなのじゃっ!!!ああああああん!!!!!!」

 

「壊れるのぉ!!!!妬けてぇ!!!私のっ!!!勇志様に壊されちゃう!!!んんっ、んぐっ!!!んんんんんんん!!!!!!!」

 

 

のしかかるような勢いでディアラの膣とのつながりを逸物で強く感じながら、着々と生気を帯び強めるラーシェラの膣感触を利き手首で感じる。

 

そして‥‥

 

 

ズビュルルルルルゥゥゥゥゥッ

 

 

「んおおおおおおおおおおおおおおお゛お゛ぉぉぉぉぉぉっ!!!イぐうううううううっ!イグうううううううっ!!!!!!!!!」

 

「んうううううっ……あっ!!!!!!!あう゛う゛っ!!!」

 

 

ディアラの膣内(なか)へ射精と同時に無意識に俺はラーシェラの膣内(なか)で利き手を握り込む。

 

 

 

「ゆ、勇志っ・・・・」

 

「ああっ、あっ、あああ・・・・」

 

(このまま交互に壊れるまで犯してやる)

 

 

酔いと眠気が強くなる中、その晩の腕と逸物に来る女達の感触は忘れられないモノになった‥‥‥…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐにゅっ

 

 

「ん…朝か、それにこの柔らか感触は…」

 

「お、起きたのじゃな…相変らずじゃ…」

 

 

目覚めるとディアラだけが目の前にいた。

 

懐に抱き着く様な形で寝ていたらしい。

 

 

「ラーシェラは?」

 

「帰ったじゃろ‥‥それでまたお主がヤケになって我を…」

 

「悪い、あんま覚えてないぜ…」

 

 

直前までヤッたのは覚えているが、交互にフィストと挿入した後の事を忘れていた。

 

それに心なしかオッサンから聞いた話も幾つかうる覚えになっている。

 

特に例の真理希求委員会の教祖の名前とか‥‥てかなんかアソコがこうきゅっと締まって…‥。

 

 

「チンコが立ってるだけじゃない?」

 

「寝て萎んで抜けたと思ったのに、お主は起きた瞬間にまた‥‥っんう」

 

 

無意識に起きてすぐディアラの膣内に挿入していたらしい。

 

とは言え激しく動いているわけでも無いし、慣れ親しんだ俺のチンコをディアラも特に拒まなかったようだ。

 

 

「あんっ、あっ、それより勇志っ、朗報じゃ、先ほど外務の者の使い魔が来てっ、共和国の方から食料の融通がっ、んんっ!!」

 

(共和国からだと?)

 

「奴らは敵だろ?」

 

「じょ、条件付きじゃっ、民事利用に限りっ、ああんっ」

 

(…………)

 

 

素直な支援という訳では無いのだろう。

 

 

(飢えたら戦えなくなる‥…そういう事か?)

 

 

どういう形であれ思惑のあるモノであるには違いない。

 

だが拒む理由も無いし出来ないのが実情だ。

 

 

(国の思惑って奴か‥…)

 

 

善悪という考えだけで国は動かせない。

 

しかしただそれに流されるだけでも国は腐敗していく。

 

 

「ああんっ、勇志勇志っ!!これなら我っ、一日相手じゃからっ、あああんっ!!!」

 

 

ある意味これはそうした駆け引きの一つなのだと、朝立ちした逸物で発情し始めるディアラの膣を突き始めながら俺は感じるのだった………。

 

 

(続く)

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