※この作品はR-18です。

超絶肥満(クソデブ)ニートの俺、ダイエット途中に女魔王に召還されて生贄にされそうになったけど、パワー系ラリアットかまして魔王を性奴隷にしたので異世界の覇者を目指すことにした   作:無能薬野菜

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青年の前に数多現れる過去と真実。躊躇いの中、突き動かすは己自身。やり残しも悔いも無くすべく彼は堪能する。後悔を胸に秘めて。それこそ彼の、どこまでも底知れぬ力の全て。そう、だからこそ彼は異世界人なのだ!!!!!!




ノクターンでは追憶するぞ、歴史改変?それとも(竜人族の国版)中(改題)


EP37 躊躇いと過去の女!足掻きの中での再会

クリスティナを謎の子持ちパンピー家族(れんちゅう)に預け、俺も一先ずキャオの家に同居する形で王都に潜伏することになった。

 

目的はこの過去の世界からディアラ達がいる現代へ帰ること。

 

てか俺からすればどっちも異世界だが。

 

いやぁマジで何かの拍子で元の世界に帰るのだけは流石に嫌だぜ。

 

 

「あん、ユウシっ!今日も凄い太くなってるよぉ、あんっ、すごっ!!大きいのぉ…ああんっ!!!!!」

 

 

パンパンパンパンパンパンっ

 

 

ねだり甘えるキャオの背後に回り、側位で攻めまくる俺。

 

しがみつくような勢いで太ももを持ち上げ、もう片方の腕でその色白の美体を堪能するように抱えひたすら膣穴を突いた。

 

 

「ユウシ!!凄いぃ!!気持ちいいっ!!あんっ!!ずっとぉ!!こうしてたいのぉ!!!!」

 

「俺もだ!!キャオ!!」

 

 

 

こうしてずっといられるのも‥‥悪くないかもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、かれこれそんな感じに一週間経過していた。

 

 

「とはいえ……流石にまずいか」

 

 

別にキャオとの金無いからヤりまくりライフに嫌になった訳じゃ無い。

 

 

ボンッ

 

 

「あ、また爆発だぁ……」

 

「爆発音が多いが祭りでもやってるのか?」

 

「多分火属性とかの爆裂魔法だよ、王都は不満が多い人沢山いるし」

 

「なんだただのテロか…………」

 

 

割と王都ではテロが多い。その為、ジーエアロの連中も俺達にだけに時間を割けないらしく、潜伏生活には余裕があった。

 

 

「となると例のやり方を……試すべきかもな……」

 

 

例のやり方……それは敢えて捕まり投獄されると言う方法だ。

 

前にジアから王都の城地下には囚人を閉じ込める巨大監獄があると聞いていた。

 

敢えて投獄され、城内に潜り込んだ後強行手段で上流やインテリ連中を脅し情報を引き出すのだ。

 

建設的な事も考えたが俺はパワー系だ。

 

だからやり方も超力(パワー)でゴリ押す。

 

 

(多少昔でも監獄の場所は変わってない筈……)

 

「ユウシ、どうしたの?」

 

「そういや、お前なんで王都にいるんだっけ?」

 

「美味しい精気を沢山吸いたいからだよ」

 

「本当にそれだけか?」

 

「…………ママに頼まれたんだぁ。パパに会えないかって。都になら絶対いるそうなんだけど」

 

「父親か…………」

 

 

俺にはよく分からんな。顔も知らんし。

 

まぁサキュバスにも色々あるんだろう。

 

だが、今は……

 

 

「出かけてくる、てかオハゲ呼びしないんだな」

 

「だって今はユウシの名前知ってるもん、第一人の事オハゲなんて失礼だよぉ」

 

(自覚あったのかよ・・・・)

 

「でもユウシ、気を付けてね。ジーエアロの事もあるし」

 

「大丈夫だ、俺は強いからな」

 

 

アクシデントでもない限りまず負けないだろう。

 

 

「晩御飯までには帰って来てねぇ、今日は週末だし奮発してモウの胸肉使った達磨揚げだよー」

 

「おおマジか、楽しみだな」

 

 

意外にキャオは料理が上手い。一人暮らし長いからか?あ、いや一人暮らしでも下手な雄雌共が俺達のいた世界に溢れてることを考えたら・・・・多少は素質か?

 

しかしモウって王都じゃやたら高かった気がするが・・・・

 

 

「キャオ、金の方は大丈夫か?」

 

 

いざとなったらその辺から強奪してくるぞ。

 

 

「店長さんがおすそ分けしてくれたんだー」

 

「そういや肉屋でバイトしてたんだったなお前」

 

 

キャオはサキュバスであり、精気が主食だ。

 

しかしそれだけでもダメらしくある程度人間族などと同じように普通の飯も食わないといけないらしい。

 

俺と出会う前からキャオは自身の変身能力を使って肉屋でバイトをしていたそうだ。

 

近くに八百屋、鮮魚店や生糸店などもあり便利らしい。

 

てか王国の都だし不便だったら逆にヤバいよな。

 

まぁ未来の王都は本当に広いだけで何もなくなるがな。

 

 

「あ、そうだユウシ、これ着て来なよぉ」

 

「これは・・・・」

 

 

コートかコレ。

 

 

「夜は冷えるしぃ、あった方がいいよ」

 

「・・・・・すまないな、キャオ」

 

「ほへ?どうしたのいきなり?」

 

「いや、行ってくる」

 

「いってらしゃーい」

 

 

バタン

 

 

「悪いなキャオ、ここでお別れだ‥‥しかしこのコート、まさか手製か・・・・」

 

 

どこか懐かしい感じ、キャオからモノを貰ったのは初めてなんだが何故だ?

 

 

 

(一先ず考えるのは止めだ!!実行しねぇと!!)

 

 

その為の必勝法……それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランガランッ

 

 

「……………………アルよ」

 

(一見お断りのバー…………ここで一気に無銭飲食しまくって通報させる!!)

 

 

俺はカウンターに座る。

 

 

「水アルよ」

 

「おう…………早速だがオススメくれ」

 

「……………………」

 

 

じゃばじゃばじゃばっ

 

 

「おう…………蒸留酒!!」

 

「…………割るアルよ」

 

「ストレートでいい」

 

「………………キツいアルよ?」

 

「大丈夫だ」

 

「……………………」

 

 

ここでまずマスターの忠告を無視してイキる!

 

 

ぐぴぐぴごくっ

 

 

(うめぇ!!アレ嘘だろ、こんな上手い酒がパンピーでも入れる王都の店で飲めるとか……)

 

 

現代王都の飲食品は大体不味いという印象だったが……

 

 

「ったく、お前道草してんのかよ」

 

「その声は…………」

 

 

クリスティナを匿ってる家の家長って奴か……名前は……

 

 

「こうしてる間にもアイツらガチでお前ら探してるぜ?あのレドネイが意識不明の重体らしいからな」

 

「レドネイ?あぁあのデブか……」

 

 

ただの挑発にしかならなかったようだな。

 

 

「でもお前達もバカだよな。通じない正義感かざしてバカやるくらいならアイツらの言う通り出てきゃ良いのによ」

 

「何の話だよ?」

 

「ディモクラテスの書だよ、アレ発禁モンだぜ?和を乱すからって……」

 

「全く分からんのだが……」

 

 

そういやクリスティナが言ってた奴か。

 

どんな内容なんだよ、エロ本とかか?

 

 

「で、何だよそのディモなんちゃらって……」

 

「あ、どうやら分かってねぇか。じゃあ女に浮かされたか。やっぱ美人にはオスは勝てねぇからな」

 

「分かったように話を進めるな!!」

 

 

ガシッ

 

 

「………………………………アルよ」

 

「まぁ……アレだよ。国に都合の悪い事書かれまくった本だ。14世は規制してる発禁本の一つ…国王ソアン13世の暴走から14世に代が移って少し世の中マシになったかと皆期待してたんだよ」

 

「よくならなかったと?」

 

「…………周り見てりゃ分かるだろ?異種族の迫害と酷使は日常茶飯事。今や人間族も教会の教えを盾に貧しい奴らは切り捨て、弱者救済を名目に教会使って王国はある程度余力のある人間族の家庭破壊に忙しいってモン」

 

「それがよくわからんねぇよ」

 

 

実際どういう事やってたんだよ?

 

 

「俺なぁ…………親父とお袋はそこそこ稼いでたんだぜ」

 

「で、お前は貧乏と?」

 

「うるせぇ、元はと言えば俺らが若い頃に魔王が暴れてよ。世界中で沢山死んだんよ。それのせいだや」

 

(魔王?)

 

「てかお前教わらなかったか?」

 

「悪い、高卒だ」

 

「高卒?なんか知らねぇがつまり学校行ってねぇみたいなモンか?それなら尚更国の功罪って奴感じるねぇオイ」

 

(なんかムカつくぞオイ)

 

 

当たり障りなく接してるつもりなんだろうがよ。

 

 

「で、魔王が出てどうなったんだよ?」

 

「魔王の目的は地上を魔族だけの国にする事。人間族含む地上に暮らす種族……地族は全て抹殺する事だった。マジでエグかったぜ」

 

「具体的には?」

 

「親の前で娘を犯し身体を八つ裂きにするのは序の口、者共を目や腕だけを切り落とし野ざらしにしながらなぶる、生きた人間を魔物に食わせるのは勿論、助からない深手を負わせて敢えて生かし続けるような真似をそこらじゅうでやりまくった……俺も見たし姉貴はそれで死んだからよ」

 

(うわぁ……)

 

 

そういや本物の魔王って奴を俺はよく知らない。

 

実娘があんな感じなせいか今一パッとしない印象だったが……確かにこれは……

 

 

「だが、それを現国王であるソアン14世を中心とした勇者と称される冒険者集団が間一髪で阻止したのさ」

 

「めでたしじゃねぇか?」

 

「それだけ…………ならな」

 

「?」

 

 

どういう事だ?

 

 

「魔王の徹底的な破壊行為の傷跡は世界各地に残り、各国は復興に追われた。そして俺達の国の復興を主導したのは勇者一行のリーダー格、今のソアン14世だ」

 

「マトモに復興しなかったって事か?」

 

「最初は良かったんだよ、画期的でよ。だが段々………それだけなら良かったがよ。だが奴は次々悪意を持つ連中に国に王国の土地や金、資材を売りまくる売国を躊躇わなくなった」

 

「………………………………」

 

 

やっぱり異世界だな。

 

 

「国庫の資産はガンガン減る。その割に復興は進まねぇ。それでいて仕事は異種族がとってゆく。そんな中俺達は仕事にありつけなかった」

 

「仕事を?いや王国は異種族を酷使してるんじゃねぇのか?」

 

「だからだろって!!ビタ一文出したくねぇ負いたくねぇ!!」

 

「ぐっ…………」

 

 

圧倒されちまう。何だこれは……

 

 

「それが全てや!!奴らが欲しいのはゼロから全て産み出せる消耗品よ!異種族なら幾らでもそれが出来る!だがそんなら手のかかる人間族もいらねぇんだ!!!それを国ぐるみでやってる!!」

 

「……………………」

 

「………………………………落ち着くアルよ」

 

「ッたれ……出禁は困るぜ」

 

「で、どうしたんだよ?」

 

「異種族のツテはソアンがかつて共に戦った仲間達から……だから俺達は集団でそいつらに嘆願や訴えを続けた。勿論ソアン達国のお上にもな」

 

「へぇ…………」

 

 

案外声出すもんなんだな。俺には馴染みが無いぜ。

 

 

「そしたら今度は奴ら俺達を危険な奴らだとして牢屋にぶちこんだり、ジーエアロなんてバカな組織作ってしばき始めやがった」

 

「……全部、ソアンって奴がやってるのか?」

 

「ソアン14世が王になってから法はどんどん国だけを守る為になっていきやがった。アレの頭の中には俺達はいねぇ!!駄々広い三階建ての一軒家に祖父母子沢山の使用人付き下級貴族の生活を普通だと思ってるんだよ。それ以外は全て敵だ!!!だから賢い奴等はどんどん外へ逃げてる」

 

「お前は?」

 

「どっちでもねぇから!糞ッ!」

 

「………………………………」

 

 

無慈悲なモンだな。

 

 

「……だがよ、そうやって出てった奴らもバカなんだよ」

 

「あ?何だよそれ……」

 

「マトモなツテのねぇ金持ちやインテリ半端者なんて異国じゃ良い的だから」

 

「的?」

 

「魔王連中のやり方で被害被ったのは俺達だけじゃねぇ……そんな状況で被害者ズラしてくる異国人なんて……」

 

「よくて肉の盾か消耗品……もしくはコウモリか」

 

「なんだよそりゃあ?」

 

 

俺は思わず口をこぼしたモノに反応する男。

 

 

「俺のせ……いやババ…いや母親から聞いた寓話だ。鳥と動物の国があって争っててよ、コウモリは翼があるから鳥だと言って鳥の味方をしたり、動物と似た肌や姿をしてるから動物の味方をしたりを繰り返した結果、争いが終わったらどっちからも総スカンされたっていう……」

 

「それはちがくねぇか?争い始めたのはコウモリじゃねぇんだろ?」

 

「あ、あぁ…………まぁ…………」

 

 

じゃあ他にどう言えば良いんだよ?俺高卒だぞ?

 

 

「お前が言いたいことは分かったよ……まぁアレだ、俺は別にバタバタ逃げるのが悪いとか反王国がやりたい訳じゃねぇんだ」

 

「じゃあ何が……」

 

 

まぁ苦し紛れって奴だろうな。

 

顔も赤みを強めてるし。

 

 

「だから全て受け入れて国のため、世のためにお前ら死ねよ死んでいけよって言われてやられてよ…………素直に死ぬ奴いるか?」

 

「それは……………………………………」

 

 

難しい話だな。

 

愛国戦士なら出来るって即答する奴は多いだろう。

 

だが、余程強い麻酔か薬物漬けになってなきゃ無意識に皆抵抗するもんだ。

 

直接殺した奴等の骸はなんやかんやで皆……汚かったからな。

 

 

「ソアンの嫁は美人だが……正直ソアンは不細工や、アレが勇者と俺は思いたくねぇ」

 

「無理だな」

 

 

俺は即答してしまった。

 

 

「だがソアンはそういう兵隊を作るのに躍起だぜ。俺達の嘆願は無視して、ノーヴィスみてぇなタカ派の貴族達と共に、ガキどもにそういう教育をガンガン施してやがる。当然売国は止めねぇし、国庫の金が足らねぇから最近は他国に借金し始めてやがる」

 

「ノーヴィス・シン?人間族に人気の?」

 

「金持ちな…………パンピーは人じゃねぇからよ、この国じゃ」

 

「下には人気無いのかノーヴィス」

 

「アイツが国の要職についてから更に売国が酷くなってよ。経済協力という名の領土割譲、貧者救済という名の過剰な給付金のバラ撒き、異種族雇用の創出という名の悪徳商人どもとつるんだ違法労働、そして魔薬(リエイト)売人の元締めっていう噂・・・バカな正義感持った奴等は皆死んだ。大体自殺らしいぜ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「いい人間族は死んだ人間族ってのが王国にいる異種族共の思考回路よ、それならノーヴィスも死んだらいい奴じゃねぇか……ハハハッ」

 

 

我堂々と悪事をスって奴か。

 

しかし金が無くなったら借金とかそれもうよ……

 

 

(パチンカスだろ……)

 

 

だがよ……

 

 

「給付金なら良くないか?お前も貰えるだろ?」

 

「この国の貧しい奴等は皆教会に紐付けされてやがる、本来の収入じゃねぇ給付金は瞬く間に献金、ウチのバカ女みたいな奴はすぐそれをやる……主の教えすら逆手に取ったノーヴィスの策よ……」

 

「……………………………………」

 

 

確かにそれなら合法的なマネロンだな。

 

国王ソアンがカスなのは分かった。

 

今それが知りたいわけじゃねぇんだよな。

 

 

「で、お前は結局何で今の生活してるんだ?」

 

 

とはいえ別にコイツも元の世界への戻り方なんて知ってなさそうだし、多少は聞いてやるか。

 

 

「親父とお袋死んでから俺の稼ぎじゃ住処ずっといられなくてよ。俺もそのまま国の腐敗を必死に訴えてたからジーエアロに目ぇつけられて捕まった。普通なら処刑だがよ…………」

 

「よく生きてたな」

 

「売ったんや、仲間を」

 

「…………………………………………あ」

 

 

そういう事か。

 

 

「仲間の企て、考えてること、知ってること全部吐いたらお前の生活だけは守ってやる、独り身みたいだから女もくれてやるって……」

 

「………………………………」

 

「俺さ、マトモに親孝行してねぇんよ、もうくたばっちまって今更だけどよ……家族だってそりゃあ、だってそうだろ!違うのかよっ!!!!!!」

 

 

ババババンッ

 

 

「………………………………今やアル中アルよ」

 

 

弱い独り身のオスへの甘い誘い。

 

だが相手はそういう連中を虐めるのが楽しくて仕方ない奴らだぞ?

 

そんな奴らが簡単にお前へ……

 

 

「だがそんな甘い誘い……」

 

「半分は間違いだったよ……家は取り上げられ、よく分からん異種族の血が微妙に入った教会大好き大食いモンスターが俺の嫁になりやがった。それも結婚させられて二週間後に出産だ!」

 

「そ、それは………………」

 

 

大体言わなくても分かる。

 

 

ガチャッ

 

 

「あ、父ちゃんここにいたのかよ」

 

「女のガキ?だが昨日とは…………」

 

 

昨日とは微妙に違う。

 

姉妹だろうが顔もあんまりにてねぇな。

 

まさか一人っ子じゃねぇのか……プアなのに!?

 

 

「上の子だぜ。どうだ俺に似てるだろ?なぁ」

 

「それは…………うーん…………」

 

「最初は狂ったよ、最近も狂ったよ……まだ時折狂ってるよ、俺はぁ……」

 

「…………………………アル中アルからな」

 

「父ちゃん、母ちゃん教会の手伝い忙しいからミーア迎えに行けって」

 

「あ、何で俺がよ!!」

 

「…………あの女タダで泊めてやってるんだから、やれって」

 

「あ、あぁそうだな……しかたねぇな……まぁ迎え行ってから梯子すりゃいいか……うっぷ」

 

(酒が回ってきたな……)

 

 

そう言ってミーアとそのガキの父親は去る。

 

 

「…………………………」

 

「じゃあな、てめぇも金無さそうだからこれ俺のツケで良いぜ!」

 

「オイ!!息をするように無銭かよお前!!」

 

「……………………分かったアルよ」

 

「お前もそれで良いのかよ!!」

 

 

バタンッ

 

 

だが、あっという間に男は娘の迎えに行っちまった。

 

 

「………………なんか疲れたぜ、出るわ」

 

「…………………………閉店前にまた来いアルよ」

 

「いや多分もう俺……てか閉店って?」

 

「来週店仕舞いアルよ。稼げんアル」

 

「こんな無銭させまくってるからだろ?」

 

「捨てる前の奴だから問題無いアル」

 

「……………………………………」

 

 

割と畜生かよコイツも。

 

 

「捨てるにも金かかるアル。どうせ誰も飲まない食わないから腐るアルよ」

 

「そうか…………ありがとよ。ごちそうさん」

 

 

バタンッ

 

 

何とも言えず俺はその店を去った。

 

 

(なんか上手く行かなかったぜ……だが、またバーに行くのは……)

 

 

割と色々飲み食いできたので食欲出ねぇ。

 

 

 

「あれ見ろよ、又女がヤリ捨てられてるぜ」

 

「顔ボコボコやばいねぇ・・・・使えるかな?」

 

「虫集ってるから止めとけ、多分かなり硬い」

 

(ヤリ捨て?・・・・てか死んでる)

 

 

きっちりトドメさしてやがる。

 

見た感じ貧しい女みたいだ。膨らみだけでしか判別つかんが。

 

他にも痩せこけて変に腹の出っ張った半裸のガキども、何か吸ってる奴ら、死んでんのかよく分からない寝方してる連中などが路地裏には沢山いた。

 

そりゃ中世の腐敗国家ならそんなの珍しくないだろう。

 

じゃあなぜそんな場所に来たかって話だが‥‥

 

 

「金ねぇからキャオと寝まくって眠気もねぇ……そうなるともう……」

 

 

そう、残る選択肢の為だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい、良い子いるよ~」

 

「厳しくやってそうだが娼館は健在…………か」

 

 

俺は路地裏の風俗街にやってきた。

 

実は以前ジアに王都を案内されている。

 

ある程度建物に変化はあるが、道に迷うことは割と無かった。

 

この一週間キャオともそこそこ出歩いたからな。

 

 

(案外アイツ変身上手いんだな、以前変身下手とか言ってた癖に……)

 

 

そういや最後に会った時も最初は‥‥

 

 

「あの~お客さん」

 

「一番高くて人気ある子、予約埋まってるなら誰でもいい」

 

「あーそれは……」

 

(良し!!娼館なら先払いだし無理言えば絶対コイツらはジーエアロを呼ぶはず!!)

 

 

別に本当に商売女抱きに来たわけではない。

 

こういう店なら確実にそういう連中呼びそうな気がしたからだ。

 

 

「どうしたん、アンタ?」

 

「ナ、ナンシィ……良かった、君次出来る?」

 

「メ、メイア!?」

 

「ちょっ、なんでこの客アタシの名前知ってるんだい!?」

 

「あ、それは…………そのアレだ……」

 

 

 

幾ら過去だからって知ってる奴にこう何回も会うモンなのか?

 

まぁ仕方ねぇ、こうなったら…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ

 

 

「あぁ!!あぁぁぁぁッ!!!あっ、あぁぁん!!!!!」

 

(嘘だろ!?ヤレちまったぞ????)

 

 

嬢に渡せって事なんだろうが、それすらスッポ抜かして今ハメられてしまっている。

 

そんなに身バレが利いたのかナンシィ・・・いやメイア。

 

 

「結構吸い付くなメイ……じゃねナンシィっ!お前っ玄人か?」

 

「うっ、うるさっ!!あぁッ、あぁん!!そ、そこはぁ!なんでそこ突いてッ!!!あぁぁ!!!!」

 

 

弱い所は現代のアイツと変わってないようだ。

 

それでいて締まりや感度が過去補正で良くなっている。

 

ついさっき別のオスのチンポで押し広げられた穴とは思えん!よほど短小だったのかコイツのマン力が良いのか?

 

 

(どっちにせよ擦りしごく!!)

 

「あっ、あぁぁん!や、やぁッ!あぁぁん!!」

 

 

パンパンパンパンパンパンパンパンッ

 

グニュグチュグニュッ

 

 

犬伏せ姿勢で俺のチンポ刺激を受けまくるメイア。

 

全くオス汁を感じないのは相当マンコ水洗いでもしたのか?

 

 

ズビュウゥゥゥゥゥルルルッ

 

 

「あっ、あぁ…………い、いくのぉ……こ、こんな……ざ、ざつに……んッ、んんッ!!」

 

(あまりコイツも回数やってないみたいだな)

 

 

まだ店入って間もない感じかもなコレ。

 

捌き方がいまいちこなれて無い。

 

 

「あ、あぁ……あ、あんた……出した……」

 

「あ?出すもんだろ?」

 

「さ、さっきの…………出さなかったから……つい……」

 

「まさか筆下ろしか?運悪いなソイツ」

 

「え?」

 

「お前クラスで下ろしたらその辺の抱けなくなる」

 

「………………ムカつくね、あんた」

 

 

どうやらいつもの調子に戻ったみたいだな。

 

 

「で、魔族って王都じゃキツくないか?」

 

「ジーエアロにお目こぼし貰ってるよ、日陰なら目立たないからね」

 

「王都出ようとは思わないのか?」

 

「出たいけどキツいんだよ、アタシみたいな女一人じゃ。地下生活じゃ餓えるし、かといって地方は迫害酷いし仕事も無いし金もかかる」

 

「土着した農奴人以外には住みづらいもんな、田舎は……」

 

 

人間族すらマトモに生活出来ない王国で、弾圧対象の魔族なら尚更マトモには暮らせないだろう。

 

背景を考えずキャオのような特性で紙一重やったり、日陰でこういう事するしかないと考えると人間族より同情出来る部分はある。

 

俺が魔王から被害を全く受けてないからってのもあるが。

 

 

「だがガキ出来たらしんどいぞ?」

 

「いるわけ無いだろアンタ、第一魔族だからそう簡単に孕む訳無いからね。人間族相手なら尚更ね。だからここで生やってんだよ」

 

「だよな、じゃあ追加やらせてくれ」

 

「あ、何っ!!んぶっ、んッ!!」

 

 

ズチュズチュズブッ

 

 

折角だし通報されるまであと何回か出しとくか。

 

未来への警告もしとけるしな。

 

 

「あっ、あんッ!!!いッ、いったばっかで!!あぁん!!!」

 

「いいか!セックスならマゾりまくれ!」

 

「あっ、それはッ!?」

 

「実生活でマゾ強要する男だけは避けろ!」

 

「あ、そんなのッ!当たり前!!あぁぁぁん!!!!!」

 

 

その当たり前が出来なかったんだぞお前よぉ!!!!!!

 

 

ズブジュビュウウウウウウるルルルルルっ

 

 

「ああああああっ!!!あああうっ!!!あっつ、熱いっ、ああぁ‥‥」

 

 

擦る度に既に出された精液が膣肉にへばりつく様な粘着音を立てている中の射精。

 

渇き様の隙すら与えない様な、雄汁増し増しの前にメイアも思わず、脳裏に伝わる率直な感触を口に出したようだ。

 

だがそれでいて、メイアの惚けた表情は中々悪くない。

 

 

「あ、あの‥‥アンタお金…」

 

「無いぞ」

 

「あ、あぁ??」

 

「だから最初に確認しろよ、てか中世の癖に変にバカな方式取ってんだな」

 

「・・・・・・・・」

 

 

よし、さっさとジーエアロを呼べ。

 

 

「じゃあ、さっさと行ってくれよ」

 

「・・・・あ?」

 

 

どういうことだ。

 

 

「頼むよ、アタシみたいのがこんなトコで働いてるのがバレたら‥‥」

 

「待てよ、ジーエアロにお目こぼし貰ってるって…」

 

「そうだけど、それはジーエアロだけで‥‥」

 

 

 

カランカランッ

 

 

「こっ、これは神父様っ!!なぜこんな所に!!」

 

「こっ、こここっ、ここにっ!!!愛無きふどうとっ、不道徳なっ!!!ばっ!!!」

 

(滑舌悪っ)

 

 

滑舌悪いメガネかけたブツブツ肌のヤバい新神信仰の教会の神父が入ってきた。

 

さっきの奴らからはよく聞かなかったが、こいつら新神教会の連中も王国の腐敗に一役買っているゴミクズ共だ。

 

こんな店にくるのは別に珍しくはない。

 

 

「あの神父…ラナデアを壊した奴だ」

 

「ラダネア?」

 

「あたしと同じように働いてた魔族だよ、それでアイツに当たって神罰とか言われてしばらくしたらアイツみたいな肌になって‥‥」

 

「それってよ‥‥」

 

「あぁやって病気うつす嫌がらせしてんのさ、店が魔族のあたしらを雇ってくれるのもそのためで……」

 

(おぞまし過ぎる……)

 

「…………アタシの番、みたいだね」

 

「………………………………」

 

「はっ、はやややっ!!わ、わたわたわたっ、しぃにぃ!!!罪な女をしめしめしめっ、ふぅぅ・・・・」

 

 

どうやらこの性病神父、病気の症状がかなり回っているようだな。

 

歪んだ禁欲と腐敗した教会の構造が、こんなキチガイモンスターを産み出した事は想像に難くない。

 

最早コイツらは聖職者というよりマフィアやギャングといった反社会的集団に等しい。

 

だがそういやこの異世界、そういう連中をあまり見かけないな……

 

 

「なぁ出禁にしないのか?」

 

「したらあたし達が教会に連れてかれる」

 

(そういう事か・・・・)

 

 

王国と癒着した教会の聖職者は一種の特権持ちだ。

 

お目こぼしで生きているこういう店や魔族なんてものは恰好の餌食なのだろう。

 

 

「・・・・・まぁ丁度いいか」

 

「アンタ?」

 

「銭代わりだ」

 

 

 

てくてくてくてくっ

 

 

「あっ、あううっ!!!きみぃ!!!なんだその頭ぁ!!罪をぉ!!罪がぁ!!!深いぞぉ!!!」

 

「・・・・・そうだな」

 

「お、お客さん達!!!!!ちょっと待ってくださいよ、ケンカは‥‥」

 

 

ケンカじゃねぇぞ?

 

 

「なぁシープ、主に会いたくないか?」

 

「あ、ああっ???主ぅ??き、きみぃ何さっ!!」

 

「肉(マトン)!!!!!!」

 

 

 

ズブッ

 

 

「げぼえっ!!!」

 

 

菌持ちは殺処分だ。

 

 

「うっ、うわぁぁっ!!!ハゲが刺したぁぁ!!!!!」

 

 

なんだてめぇクソボーイ!?

 

 

 

 

べちょっ、べちょっ

 

 

「ごぼっ・・・・ぐっ」

 

(ヤバいな・・・・床が汚れる)

 

 

ここで感染(エアロゾル)リスクを下げる!!

 

 

どおおおおおおおんっ!!!!

 

 

べちょっ

 

 

(かえって飛沫飛び散ったかもしれねぇ……)

 

 

クソ種の残骸を手前の住居の壁に擦り付けだが複雑な気持ちになった。

 

 

「「「「「きゃあああああ!!!!!!!!!」」」」」

 

 

商売女達の悲鳴が響き渡った。

 

 

(まぁこれくらい慣れてるだろお前ら!!!!!)

 

 

ばばっ!!

 

 

俺は駆け出す。

 

まるで気分は逃走中。

 

視界の右上に☆マークがピコピコ点滅してそうな気分だぜ。

 

 

 

「見つけたぞ!!!!例のハゲだ!!!!」

 

(よし、気付いたな!!!!)

 

「捉え次第殺せ!!!!!」

 

(ヤバい!!!ヤリすぎた!!!!)

 

 

ヤリすぎて捕まえて貰うレベルを超えちまったようだ。

 

これじゃ牢屋行くどころじゃねぇ!!!

 

 

 

「…………止まりなよ凶悪犯」

 

「あっ、ジーエアロか???だが妙にイケメンの・・・」

 

 

前に会ったレドネイが酷かったせいかかなりギャップがあるな。

 

立ち塞がったのは女受け良さそうな長身の褐色美男子。

 

 

 

「・・・・コーガ様、奴は殺せと命令が」

 

「それはあくまで命令。そうだろ、ラーシェラ?」

 

「なっ!!???」

 

 

 

ささっ

 

 

その姿を見て驚愕せざる得なかった。

 

俺の目の前に現れた幼い少女、それは間違いなく俺にとって馴染み深い女と瓜二つの面影。

 

 

「すべてはコーガ様の為に・・・・」

 

「ラーシェラッ!!」

 

「…………他人に馴れ馴れしく呼ばれるのは不快です」

 

「なっ!?」

 

 

バババババッ

 

 

躊躇い無く攻撃してきやがった!!

 

 

「…………と、とんでもねぇだろ……こんな話ッ!!」

 

「…………嘘!!全部効いてない!?」

 

「ジーエアロの赤等級(エスピー)を容易くヤれるだけあるね。これは中々厄介だ」

 

 

ラーシェラは躊躇い無く俺の急所に刃物を突き立ててきやがった。

 

まぁ超力あるから攻撃は全く効かないんだが…………

 

 

「なぁ君、やっぱり投降しないか?」

 

 

シュシュシュシュシュッ

 

 

「か、囲まれているだとッ!?」

 

 

気付けば囲まれていた俺。

 

しかも囲んだのはラーシェラと大差無い位のガキ共。

 

 

「悪いようにはしないから……君だって後味悪いのは嫌だろ?」

 

「くっ…………」

 

 

はじめからコイツらを捨て駒にするつもりだったのか!?

 

 

「コーガ様、例え神風になっても私達に悔いはありません。ご命令を……」

 

(ラーシェラ…………)

 

 

これはマジで分が悪すぎる。

 

 

「分かったよ投降だ!!投降!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして当初の算段通り、俺は王都の城地下にある監獄に投獄される事になった。

 

色々煮え切らない部分はあるが、仕方ないな。

 

 

(ったく、色々注射されたり薬飲まされて手足拘束された挙げ句目隠しされた上に口まで封じられて全裸で担架に仰向けに緊縛されてるが俺は元気だぜ!!!)

 

 

デデドンッ

 

 

「ふぅー!!ふぅー!!」

 

「嘘だろコイツ、こんだけしてんのに何でピンピンしてんの……」

 

「せめて服着せてやらない?見てるこっちもキツいんだがさぁ……」

 

「でもレドネイは虐待しまくれって……」

 

「アイツ肩書きだけだろ?捕まえてきたコーガ様の言う通りにしとこうぜ、てかコイツ重すぎだろ」

 

(なんかやり取りしてやがる)

 

 

どうやら部屋に運ばれてるらしい。

 

真っ暗だから分からんが。

 

一応凶悪犯である俺をタダにするつもりも無かったらしい王国の連中はあの手この手で俺の命を輝かせようとしていたらしい。

 

しかし超力(パワー)補正で全て利かなかった様だ。

 

 

じゃらじゃらじゃらじゃらっ

 

 

(あっ、多分牢内か?)

 

 

畳の上に直置きされたような感触が背中に来る。

 

 

「…………面白い奴が向かいに来たようじゃな」

 

(あ?)

 

 

なんか言いたいが口塞がれてるから声出せん。

 

だがこの声……男??

 

 

「誰だって顔してる気がするのぅ‥‥勘じゃが」

 

(ヤバ、勝手に話進めるタイプか…………関わっちゃいけない奴だ)

 

「我はよぉ…………魔王じゃ」

 

「………………………………………………………………」

 

 

なんか向かいに収監されてるだろう奴が勝手に自己紹介を始めやがった……。

 

 

 

そして夜になった。

 

 

(そういやキャオがそろそろバイトから帰ってくる頃か‥‥なんか怠くなってきたからこのまま帰るかなぁ‥‥)

 

 

冗談だが。

 

 

「食事を…持ってきました」

 

(ん?どこかで聞いた覚えのある声質の‥‥)

 

 

だが、その相手はここに居ないはず。

 

多分気のせいか?

 

 

(丁度いい、拘束具破壊するか)

 

 

ビリりっ

 

 

 

「うっ、うわあっ!!!??」

 

「あ?・・・・このガキは・・・・・」

 

 

流れるような赤いウェーブ髪、こんな中世環境でシミ一つない綺麗な白い肌、そして歳相応にオドオドしてはいるが見覚えある澄んだ黄色い瞳に育ち切っていない小さい二本角のこの少女は間違いなく‥‥

 

 

「いっ、一体何があったのだ悪魔奴隷!!」

 

「なっ、拘束していた囚人が!!バカな!!」

 

「ちっ、バカな奴らだ」

 

 

バババシュッ!!!!!!

 

 

「きゃああっ、んんんぶっ!!!!」

 

(別人な気もしたが・・・・)

 

 

そいうや王都出身らしいしなアイツ。

 

俺は風圧拳で看守たちの頭部をもぎ飛ばして即死させ、広がる骸を見て悲鳴を上げる赤毛の少女の口を封じる。

 

 

「あ、おえっ、うぶっ!!!!」

 

 

げっ、吐きやがったぞこのメスガキ。

 

 

「お、お母さま‥‥わ、私・・・・ううっ」

 

 

ばさっ

 

 

(気絶しやがった・・・・)

 

 

まぁ刺激が強いのは確かだろうが・・・・

 

 

ばこんっ

 

 

ともあれ華麗に鉄牢の扉を破壊し、城内潜入完了だ。

 

 

「おお、流石じゃなお主」

 

「あ、お前こんな顔してたのか‥‥」

 

「お主も目隠ししていたようじゃからな」

 

 

向かいに閉じ込められていた自称魔王は予想外に人間族でいう色男容姿に長身で、俺同様に口以外を緊縛されていた。

 

目隠しもされてるし、コイツもしかして気配と足音だけで俺を察したのか?

 

だが全然似てないなアイツに。

 

 

「これも何かの縁じゃ、我の事も解放してくれんかの?」

 

「断る、目的があってきたんだからな。第一自力で出来るだろ?」

 

「出来んから頼んでいるのじゃ異世界人」

 

「なっ??」

 

 

コイツ、俺が異世界人なのを知ってて‥‥

 

 

「それもどうやら何かの利器で今の世に来たようじゃな」

 

「そこまで分かるだと??お前・・・・」

 

「我は魔王‥‥あらゆる感覚に長けし魔族・・・いやこの世の覇者たる者じゃ。お主も困っている様ならば我に力を貸すのは悪い話じゃないじゃろう?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

仮に魔王ならディアラの父親になる可能性もある男だ。

 

そう考えたら、確かに助けた方が良いのかもしれない。

 

しかし何故だ?俺の五感がコイツから底知れないモノを感じさせている・・・・。

 

 

 

バリンっ

 

ばさっ

 

ばさっ

 

 

「解放してやったぞ」

 

「おぉ助かったのじゃ、これで我も自由の身じゃ」

 

「これでいいか?じゃあ俺は行くぞ」

 

「待つのじゃ異世界人、折角こうして我を助けたのじゃ。組まぬか?」

 

「は?」

 

「この醜態も元はお主の様なカードを引けなかった我の不手際。それにお主もこの時代にいつまでも居たい訳ではないじゃろ?」

 

「それはそうだが・・・・」

 

「我には実はもう一人、助け出したい者がおるのじゃ」

 

「誰だよ?まさか娘か?」

 

「違うのじゃ・・・・・・・我の女じゃ」

 

「女・・・・・・」

 

 

それが一体誰の事を指すのか、俺には全く見当がつかなかった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして俺は魔王を自称する男と共に王都の城地下にある監獄を脱獄し、時に隠密、時にパワー系なやり方で城の中を探索していた。

 

 

「王都の城ってこんなだったか?・・・もう少し木造でカルトじみた感じだった気もするが」

 

「過去と未来で変わる事は多いからのう、元々この城は王国軍の司令拠点にして外交施設としての機能を備えた純粋な軍事施設じゃ」

 

「城の癖に王様住んでねぇのかよ」

 

「あ奴等はルサンチルマン邸という豪邸で暮らしとる。罪人共と同居は我でも御免だからのぅ」

 

「確かに」

 

 

でも言うほどお前言える立場か?

 

まぁ俺も作った城で全然生活してねぇが…………

 

あんまり家って複雑に作り過ぎると逆に不便だからな。

 

庶民気質抜けない半グレの成り上がり連中がこぞってたいして広くないタワマン買ってた事を見てきたから尚更分かる。

 

 

「………………それよりお主、何故それを連れてきた?」

 

「あ?何故って・・・・・」

 

 

実は先ほどの一件で気絶してしまった赤毛の少女を俺は抱えていた。

 

 

「いやそのアレだ・・・・未来の性奴隷に面影がよ・・・・」

 

「ほう・・・・ん、何か来たようじゃな」

 

 

 

だだだっ

 

 

「なっなんだ、お前ら全裸でっ!!って奴はっ!!」

 

「うっ、嘘だろ魔王が……急いでコーガ様にっ・・・」

 

「困った奴等じゃな・・・・」

 

 

 

ビビビビビビブッ

 

 

ぐちゃぐちゃぼろぼろぼろっ

 

 

(有無も言わせず連中の身体を溶解させやがった・・・・)

 

 

血の一つ床に溢さず、液汁の様になった骸達が魔王の魔術で窓の方へ浮遊させられてそのまま外の下水道へと捨てられてゆく。

 

やっている事はエグイがそれを全く感じさせないスマートさ。

 

だがそれでいてなんか静かな狂気(シュール)さを感じさせる。

 

この人外攻撃は魔術なんだろうか?

 

だが魔族連中が持ってる闇属性の力にしては色々かけ離れてる。

 

寧ろ俺が使ってる超力(パワー)のような感じだ。

 

 

「だが連中静かだな。囚人二人逃げてるんだが……」

 

「伝えられねばいつも通りじゃ、お主達の世界にあるような便利な利器も無いのじゃからな」

 

(コイツ…………)

 

 

追手たちも俺達が脱走者であることを把握できても、実態を全く把握できていないようだった。

 

情報伝達させる隙を与えない位の静音で殺処分するため素早いのだ。

 

多分エリエルみたいな天使じゃなきゃコイツは止められない。

 

いや、エリエルでコイツが止められるのか?

 

だが一応コイツは聞いた通りなら・・・・天使に殺された筈だし。

 

 

ビィィィィィィィィんっ

 

カーン!!!カーン!!!カーン!!!

 

 

「なんだ?鐘の音とサイレンだと?」

 

「流石に地下から脱獄したのはバレたようじゃな、ならばもう路線変更で良いじゃろう」

 

 

一体どういう・・・・

 

 

 

「いっ、いたぞ奴等がっ、が・・・っ!!」

 

「国王陛下も外遊中でいないのに・・・こんな奴相手にどうやって・・・」

 

「おっ、おい!!お前が先に行けよ!!」

 

(俺と違って魔王相手には連中も滞ってるようだな)

 

 

知名度の差か、魔王相手となると相対する兵士や魔術師たちの動きがかなり及び腰になっていた。

 

 

「全くお主たち・・・躊躇うくらいなら初めから我の前に立ちはだかるでない!!!!!!」

 

 

ババババババババババババババババババババババババッ

 

 

「「「「「ぎゃあああああ!!!!!!!!」」」」」

 

 

魔王が放った黒紫の閃光が次々相対した連中の五体を引き裂くように貫いてゆく。

 

悲鳴と共に鮮血が風の様に舞っていきやがる。

 

 

「ガハハハハハっ、最高じゃ!!!やはり文明を持つ生き物共を殺すのは格別じゃな!!!反応が鮮やかじゃ!!!」

 

(ヤバいな・・・・)

 

 

すげぇ中二病だ。笑えないタイプの。

 

 

「ほうら死ねゴミ!!!しねぃ!!!しねぇい!!!」

 

 

ババババババババババババババッ

 

 

「……………………………………………………」

 

 

だが何故か俺の心までズキッと痒痛くなるんだが……

 

 

「見つけましたコーガ様!!魔王は例のハゲ男と一緒です!!」

 

「どうやらそのようだな」

 

「あれは例のガキ共とイケメン……それに……」

 

「……………………………………」

 

 

ラーシェラもいやがる。

 

だが何であんなに悲しそうな顔で無言なんだ?

 

さっき会った時とは打って変わって……

 

 

「さぁラーシェラ、君の忠誠を試す時だ。例の男に君の父上……両方を倒すんだ」

 

「……分かりました……コーガ様」

 

「なっ、まさかラーシェラが!?」

 

 

いやラーシェラも肌以外は全く魔王に似てないぞ!?

 

どういう……

 

 

「なんだ?我は認知しとらんぞ?こんなガキ」

 

 

ババババババババババババッ

 

 

「!?」

 

 

バリンッ

 

 

「…………どういうつもりじゃ異世界人?」

 

「正気か魔王!!!今お前ラーシェラごと!」

 

 

捲き込むつもりで撃ったぞお前!!

 

 

「なっ、何で私を庇うんですか!!」

 

「ラ、ラーシェラ、お前までなんで…………」

 

 

魔王はラーシェラを含めた辺りの連中全てを抹殺しようと攻撃をしてきやがった。

 

気絶したバカガキを庇いつつラーシェラも庇った正義マンなのに、ラーシェラの俺への反応は最悪だ。

 

過去だからって酷くないかオイ!!

 

 

「くっ……くっ……目論見……はず…………」

 

 

ボロボロボロボロッ

 

 

無差別すぎる魔王の攻撃はラーシェラだけを狙ったわけでは無い。

 

いわばラーシェラ含めて周りの連中全て無差別に攻撃したのだ。

 

んでその攻撃を受けたコーガとか言うイケメン男がまるで石像の様に崩れ始めていた。

 

なんか人間っぽくないコレは…………

 

 

「使い魔じゃな、奴ははじめからこの場にはおらん」

 

「んだと!?………………………………」

 

 

魔王の攻撃を受けこの場に散乱し骸となったガキ達ははじめから囮だったのだ。

 

 

「偽装していたようじゃがこれは血統断絶(チギユイール)の首輪…………奴め、我をこれで巻き添えにするつもりだったようじゃな」

 

「なんだよその首輪?」

 

「その者が死んだとき近くにいる血の深い者を道ずれに出来る代物じゃ。子ならば実の父母を道連れに出来る……逆も然り。不道徳な娘を戒める家父の楔じゃよ。我も首輪をつけておるからのぅ」

 

「そういやお前……」

 

 

その首輪ファッションじゃ無かったのか……

 

 

「…………異世界人、それの首輪を外すのじゃ。異世界人の力ならば外せる筈じゃろう」

 

「わ、分かった……」

 

「あ、あの……あまり貴方に触れられるの……嫌です」

 

「………………親父の命令だぞ?」

 

「な、馴れ馴れしい言い方しないでください……」

 

 

ガチャバリッ

 

 

「あ、外れた」

 

 

軽く手で念じるように触ったらラーシェラについていた首輪が外れた。

 

 

「なんでもありだな超力(パワー)……」

 

「魔力の陰性が反発するのじゃな、お主の力に対して」

 

「それが分からん」

 

「神じゃよ、お主に力を与えた神は我達の魔力の源と異なるからの」

 

「お前のも取ってやるか?」

 

「不要じゃ」

 

「なんでだよ?」

 

「我にこれをつけた者はおそらくお主と同じ異世界人、となると性質が同じで我の首が取れかねん……」

 

「お前の奴は俺の力でも取れないって事か……」

 

 

そういや俺、ちゃんとした能力持ち異世界人と会った事がねぇな。

 

 

「ま、まお…………お父様、やっと私……お父様に……」

 

「しかしこんなコブにも首輪をつけたという事はあの女にも首輪がついてるかも知れぬ……」

 

「お、おい魔王、ラーシェラがお前に何か言おうと……」

 

「そうじゃ異世界人、頼みがあるのじゃ」

 

(聞けよオイ!)

 

 

過去の世界の奴等はどいつもこいつもガンガン話を進めやがる。

 

 

「それに案内して貰ってコーガを始末してきて欲しいのじゃ、おそらくあやつの居場所に我の女もいるじゃろうからな」

 

「あ、お前が勝手にやれば良いだろ?」

 

「元の時代に戻りたいじゃろ?そのやり方…………教えてやっても構わぬぞ?」

 

「それは……そうだが……」

 

 

つまり戻り方を教えてくれると?

 

 

「その間我は暴れて周りを陽動してやるのじゃ。それに女に近付き過ぎると首輪の仕組みを使われかねぬ」

 

「夫婦っても他人だろ?効力あんのか?」

 

「我につけられた首輪は血統断絶(チギユイール)の効果に留まらぬのじゃ、あらゆる危機がある以上、お主を頼らざる得ないのじゃよ。なぁ…………佐藤勇志よ」

 

(魔王に頼み事されるのは複雑な気持ちだが…)

 

 

世の中を守る良い魔王って感じもしねぇしなんだかなぁ‥‥

 

だがそんな殺戮野郎を黙らせる女、一体どんな奴なんだ?

 

 

 

「だが待てよ魔王」

 

「なんじゃ異世界人?」

 

「暴れるのは構わないが……多少はルールをだな……」

 

「……………………ほう、そういう事じゃな」

 

 

シュインッ

 

 

なっ、今なんか吸われたような……

 

 

「お、おい今何しやがった!」

 

「お主が狙って欲しくないブツ共は把握しておいたのじゃ。それだけは我も守ってやろう」

 

「………………………………」

 

「しかし中々面白い男じゃな佐藤勇志よ、帰るつもりが無いのならば配下にしてやって良いかもしれぬな」

 

(俺の名前を‥‥)

 

 

煮え切らない部分は沢山ある。

 

だが、そんな心情の不明瞭な部分を一字一句暴露するだけの余裕が今の俺にある訳じゃない。

 

未来に繋がる筈の奴等もこの時代じゃ俺の介護無しでは脆すぎる。

 

一先ずは従ってみるのが得策かもな………………。

 

(続く)

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