※この作品はR-18です。

紫煙燻る黒狐 Another   作:とろねぎ

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再会する:上

 

 

 

湿り気味の大人版生えタマウイ上編─スケベを抜いて─

なんだこの夢小説

 

他の組み合わせのも書きたいなとは思うんです

 

タマちゃん20と考えたら、ウイは26ぐらいでしょうか

 

やっべ興奮してき

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

先生へ。

 

「......ウイさん?」

 

詳細は省きますが、一つだけ質問させてください。

 

「...やっぱり、そうだ。ね、覚えてる?この黒い耳と、ふわふわ尻尾!そういうウイさんは、仕事帰り?」

 

年の離れた数年来の友達と、道端でばったり会ってしまった時の対処法はなんですか?

 

ただそんな、咥えていた煙管を人差し指と中指で挟むように取った数年来の友達に対して、「...どちらさま...でしょうか...」と。

 

私がとぼけてみせると、彼女はフグのようにわざとらしく頬袋に空気を入れ顔をふくらませて見せた。

 

「...まあでも、確かに私も成長したしパッと見じゃ分からないよね。」と一人で納得した彼女は、顔の片側を覆う狐面を外し、眩しそうに目を開けた。

 

「うわっまぶしっ...!」

 

夕方の景色も彼女にとっては太陽を直視したようなものだったのでしょうか。

 

贔屓目抜きにしても端正な顔立ちが突然、くちゃっとしわしわに変貌したのについ笑いがこぼれてしまい、それを目ざとく彼女は見つめてきました。

 

「...ふふっ、変わってない。良かったらこれからご飯行かない?もちろん私の奢りだよ!」

 

大人びた顔立ちでふんすと自慢げに息を吐く姿に、昔の面影が重なり、気の緩んだ私のお腹は、ぐうと低い唸り声を漏らしました。

 

「くすくす...決まりだね。積もる話もたくさんあるだろうし、ゆっくりできるところ行こっか。」

 

大きくなった手で私の手を引いて毛艶の良い大きな尻尾を揺らしたタマヨちゃんにされるがまま、連れていかれることになりました。

 

「...ん、こことかどうかな。ウイさん好きそう!」

 

彼女に連れてこられたのは、私のような日陰者一人じゃ入ろうとは思わないような飲食店。

 

だからと言って、過度に騒がしいものが好きな人達が行くような場所ではなく、本当に落ち着いた場所で...

 

とんでもない所に連れてこられたんじゃないかと一瞬様々な不安に駆られましたが、値段はどこにでもある飲食店そのものだったので...本当に、ただそういう雰囲気の店ってだけなんでしょうね。

 

...というのを、向かいでメニューを私にも見えるように広げながら上機嫌にゆらゆら揺れるタマヨちゃんを見て思いました。

 

「ね、何にする?これとか良さそ...あっこれもいいね。うぅん悩む...あっ、お酒って飲むの?実は私まだ試してないんだ。せっかくだし付き合ってくれない?」

 

こんなに喋る子でしたっけ...?

それとも少し興奮しているだけ...?

 

「ぇ、あっ...う...は、はい...?」

 

「やった!初アルコール!」

 

間抜けな返事を真に受けた彼女はそれはもう嬉しそうに、ちぎれんばかりに尻尾を揺らしてにこにこ。

 

油切れのロボットみたいにぎこちない動きを続ける私からあれやこれやと察して、私ほとんど話してないのに注文まで終えて...

 

「ふう...やっと一息つけるね。」

 

「...あ...あなたが、一方的に捲し立ててただけでは...?」

 

「そ、そう?久しぶりだから、ちょっとテンション上がっちゃった。えへへ...ウイさん忙しくなって、連絡を取り会う機会も減って、自然と疎遠になっちゃったんだもん。お姉ちゃんと一緒に色々見に行ってたせいで、余計に。でもたまには、見知った場所を適当に歩いてみるもんだね。」

 

「は...はい...?」

 

やっぱり捲し立てる彼女は一通り自分の話したいことを終えたあと、『今度はウイさんの番だよ』とでも言うように首を傾げて見つめてきた。

 

「...私は、別に...学生の頃と似たようなことをしてるだけですよ...」

 

「そうなんだ。好きなことで仕事するっていいね!まあ、私も昔と大差ないことしてるけど...ならいっそ、また昔みたいに仲良くしよ?」

 

「...あの...私たち、別に喧嘩別れしたとかじゃないでしたよね...?それなら、そんな提案も許可もいらないんじゃ...」

 

「......そっか!それもそうだね。良かったぁ...私ね、最初、本当に私のこと忘れちゃってたんだと思ってたんだ。覚えててくれても、良い印象は無いと思ってた。あ、もしかして無理して付き合ってくれてるだけ...だったりしないよね...?」

 

「...それも...もし嫌だったら、ちゃんと言ってますよ。第一、苦手な相手は、あそこに入れませんし...」

 

「そっか...良かった。」

 

私の返答に満足が言ったらしく、少し強ばっていた体から力が抜けて柔らかくなりました。

 

「ん...そろそろ頼んだやつ来るかも。匂いがこっちに来てる。」

 

「お待たせいたしました〜。ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか?」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

え?誰?

 

「食べよっか。足りなかったらまた追加すればいいし、ね?」

 

「...本当に、変わりましたね...」

 

「どこ見てそう思ったのかな?」

 

意味のわからないと言った顔で耳をへにゃりと倒して、冷静に突っ込まれてしまいました。

 

「...ふと思ったんですけど、今、身長どれぐらいですか?」

 

「ふふん、聞いて驚くといいよ。だいたい165...」

 

「あ、耳は抜きで。」

 

「...から10cm引いたぐらいですぅ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

精神的にも満たされた食事を終えたあと、食事中ずっと水だけ飲んで手をつけようとしていなかったタマヨちゃんが、運ばれてきたアルコール臭のするグラスを手に取っていました。

 

「...すんすん...うわぉ...」

 

慣れないアルコール臭に一瞬眉間に皺を寄せて、犬猫のように舌を伸ばそうとして、正気に戻ったかのように引っ込めた。

 

行儀が悪くてはしたなく見えるからでしょうか。

それからすぐ、苦い薬を飲む子供のように少しずつ、ちびちびと飲み、次第にグラスの傾け具合を急にさせ初めました。

 

私も同じように、残っている分を口に運んだ時、ふと思ったんです。

 

『これ、初めての人が飲むには少し強いんじゃ...』って。

 

「タマヨちゃガタンッ!あぁ...」

 

どうして注文する時に気付けなかったのでしょうか。

今気付いたとしても、時すでに遅し。

 

「......んぇ?あ...なんか...あたま、おも...?」

 

「だ、大丈夫、ですか...?」

 

「...ん?んぁ、あぁう...らいようぶ、らよぉ...ちょっろ...んふい〜...びっくり、しただけ...」

 

「いやいや顔真っ赤なんですが。え?いやあの...じゃあこれ、何本に見えます...?」

 

試しに指を三本、立てて見せる。

 

「ふふぅ...それぐらいわかるよ。六本だねぇ!」

 

いつから私の手には知らない指が一本生えたんでしょうか。

 

「じょうだん...冗談だってばぁ...もうやだなぁ...大丈夫、だよ。本当に。ちょっとほわほわするけど大丈夫っ。」

 

「ならいいんですけど...色々危ないですから、せめて少しずつにしてくださいね?あと無理だと思ったらもったいないとか思わず残すこと。」

 

「は〜い...くすっ。くすくす...ウイさん、お姉ちゃんみたい...本当は、もっとたくさんお話して、たくさん遊びたかったのに...忙しいところ邪魔したらいけないって、ずっと思ってて...でも、私の夢、今叶ったよ...」

 

私にここまで懐いていた子を数年放置していたことへ罪悪感が湧き、それと同時にどうして私へここまで執着するのかという疑問も一緒に湧いた。

 

「ふふっ、大人って、いいねぇ...自分で全部やれて、誰にも縛られないで.........ねえウイさん。」

 

「はい?」

 

色々耽るように話していたタマヨちゃんは、突然ぴたりと止まり、私を呼んだ。

 

応じて次の言葉を待つ私に、彼女は...

 

「番(つがい)になってよ。私の。」

 

...そんな言葉を、幸せそうな微笑みのまま放ったんです。

 

「......はい?」

 

「.........」

 

しばらくの沈黙の後、自分が何を言ったのか理解が遅れてやってきたかのように顔がさらに赤くなりました。

 

「...あれ...?あ、待って...私、今なんて...あ、あはは、ごめんちょっと、アルコールで脳みそやられちゃってたかも...なんて。」

 

彼女のように獣の特徴を持っている人達からすればプロポーズ同然の言葉を、彼女でもふと口をついて出てしまったようです。

 

「ぁ...そ、そう...なんですね...」

 

「うんそうそう!ごめんね?びっくりしたよね?いきなりこんな...き、気持ち悪かったよね...?」

 

「い、いやそこまでじゃないですよ...ただ、驚いただけで...」

 

「っ...〜ッ...♡」

 

傷付けないように否定すると、どうしてか顔を伏せてしまいました。

 

心做しか尻尾が揺れて、耳までぱたぱたと羽ばたいていました。

 

「...結構、酔ってます?」

 

「う、うんっ...そうかもっ...これ以上変なこと言ったらいけないし、きょ、今日はもう、お開きにしよっか。」

 

「あ...そ、そうですね。また何かあったら、連絡してください。あなただったら...出来る限り、予定は開けますから。」

 

「っ...お、お会計してくる!」

 

真っ赤な顔で、他の席や店の壁に突っ込むんじゃないかと思うぐらいに不安定な体を引き摺って、逃げるように会計したらしい彼女は、そのまま外を出て、もうどこかへ行ってしまいました。

 

そうして忘れるのも少し難しいようなむず痒さととんでもなく大きな爆弾を抱え、帰ってきた。

 

それからすぐ、アルコールによってもたらされた睡魔に負け、私は泥のように眠った。

 

朝起きた時、あれは夢だったんじゃないかという考えを砕くように、スマホには彼女から、昨日の醜態を詫びる文と社交辞令じみた次への期待が同時に来ていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「──ということがあって...あの、あなたにこんなこと相談してもどうにもならないのは分かってはいるのですが...」

 

『.........』

 

「...あの?聞いてます?もしもし?もしもーし。」

 

『え?あ、うんうん。もう今からでも呼び出してお願いしますって返事したら?』

 

「わ...私は真面目に相談しているんですよ...!?せめて、話ぐらいは聞いてくださいよ...先生。」

 

その日、私は先生に連絡を取っていました。

 

『私が聞いても聞かなくても、ウイの言った通りどうにもならないからね。こういうのは変に深く考えなくていいんだよ。自分がどう思っているかだけ考えれば...あっ!?』

 

「うへひぇあっ!?な、なんですか...!?」

 

『待って!浮気とかじゃないから!ただ相談を受けてただけだからその物騒なもの下ろそう?分かった、誤解させた私が悪かったから許してくれワカ

 

「......切れた。そういえばあの人、つい数年ばかり前に身を固めてましたね...相手が誰だか、未だに分かってませんけど。私が、どう思っているか...ですか...」

 

そりゃ...実際は、満更でも無かったですよ。

 

昔は、仲のいい妹のようで、性の対象としては微塵も考えていなかったあの子が、落ち着いた大人の色香を纏っているなんて。

 

私とは明らかに住む世界が違うであろう見た目の人にあんなことを言われて、どうも思わない人間がいたらぜひ見てみたいものです。

 

ですが...本来、あれを言われるのは私以外なんでしょうね。

それが分かっているからこそ、たった一度の失言に付け入ろうと思えないんです。

 

冷静で、極めて客観的な自己分析をしていると、携帯から通知音が...

 

反射的に体を跳ねさせて液晶画面を覗き込むと、件の人物からの連絡でした。

 

『来週空いてる?ウイさんが好きそうなカフェ見つけたから一緒に行こ!』

 

「...私の気持ちも知らないくせに...どうしてこうも、情緒をかき混ぜるような事ばかりするのでしょうか。」

 

『いいですよ』と、簡素な返答をして、細かい日程と時間を質問してからメールを閉じる。

 

「......はあ...」

 

まさか、こんな風に自覚させられるとは思いませんでした。

 

昔はそれこそ、歳の差を理由にその対象としては考えていませんでしたが、お互いに成人した今となってはその言い訳もできない。

 

また通知音を発したスマホには、特段文句の無い日時が提案されていて、ですが、すぐに返事も、既読もつけませんでした。

 

どうしてかは分かりませんが、おそらくは駆け引きのつもりだったんでしょうね。

 

微塵も意識されていない相手に、無駄なアプローチをするのって、なんて虚しいんでしょうか。

 

極力人との接触を避けていた昔の私に、『いずれタマヨちゃんに情緒を狂わされますよ』と教えても、頭のおかしいやつを見た目でドン引きすることでしょう。

 

...今度あった時、改めて聞いてみましょうか。

 

誤解だと分かれば、諦めも着くでしょうし。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

あとがき

 

はよ抱かれろ

 

今回はお前の番だぞはよ抱け

聞いてんのかタマ公

 

 

 

 

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