(そういうシーンは)ないです
代わりに
・家族が増えるよ!やったね!
・大人化
・妄想垂れ流し100%
が含まれております
あの日からまた、更に数ヶ月後...
私とウイさんの間で、無事に小さな命が生まれた。
やっぱり私たちの体ってかなり頑丈みたいで...大した苦労が無かったのは...ちょっとびっくりした。
確かに痛かったけど、ウイさんの慌て方がもうそれどころじゃなくて...なんか...むしろ冷静になったんだよね。
まるでこの世の終わりみたいに大袈裟で...
「ふう...やっと寝着きました。」
「お疲れ様。あ、いや、その顔は疲れてる顔ではないかな。」
今ちょうど、子守りが一段落したウイさんがやってきた。
疲れてへとへと、みたいな口調で話してるけど...顔は少し、いやかなり楽しそう。
「だって...だって、もう本当にっ...可愛いです〜っ...!」
「...ウイさんが親バカにならないか心配になってきたなぁ。」
「じゃ、じゃああなたは、あの子を見ても何ともならないんですか!?」
「...そんなわけないじゃん!天使だと思うよ!?正直私から生まれたのが不思議なくらい!」
「タマヨちゃんが産んだからでしょう!!」
「...もう......♡」
なんでこんなに恥ずかしいことを予備動作もなしに飛ばしてくるかな。
本当に、私の心臓が持たないよ...
「...ところで、お姉さんは居ないんですか...?いつもだったら、このぐらいで『静かにしなさい』って怒られるてるはずですが...」
どうしてお姉ちゃんが話に出てくるかと言うと、ここが私の元の家だから。
どこかに引っ越す程のお金はちょっと苦しいし、ここの立地はかなり気に入ってるから。
だから今は、お姉ちゃんも一緒。
「今日は先生とデートだって。それで、夜に予約しておいたレストランで交際を申し出るらしいよ。」
「......そう言って、前も楽しく食事しただけで帰ってきませんでしたっけ。」
「...今更なんだけどさ、これ、私が背中を押してあげないとダメなやつかな?今度は私の番?」
「そうしてあげてください...」
...同じ方法でも使おうかな。でもたぶん先生からいくことは無いと思うし、もうお姉ちゃんが襲うのが手っ取り早いんじゃないのかな。
こうも毎回毎回、ピュアっピュアなデートの報告される身にもなって欲しいよ...でも、お姉ちゃん幸せそうだし...
「どうしましたか?なにか、考え事ですか?」
「...まあ、うん...ちょーっと.........はあ...寝かしつけてすぐでちょっと悪いんだけど、私も見に行っていい?癒されたい。」
「なんで私に拒否権があると思ってるんですか?でしたら私もまた見たいです。」
いそいそと私の後ろに続くウイさん。
それを先導するみたいに扉を開けて、静かに歩く。
「......あぁ可愛い〜...!」
そして、毛布を敷いたベビーベッドの中で眠るその子を覗き込んで、即破顔した。
短い手足で身を守るみたいに、ぎゅっと縮こまって眠る赤ちゃん。
まだわずかに毛が生えた程度の頭には、可愛らしい小さな耳が生えていた。
尻尾は見当たらなかったけど、ここは私に似たんだなって。
「よく寝ているでしょう?私たちの、もちもちほっぺの可愛い子は。この子がどんな子に育つか、今から楽しみです。」
「...うん、楽しみだね。」
「タマヨちゃん似の、優しい子でしょうか。」
「偏屈なところまで受け継がないといいけど...それか、ウイさん似の賢い子かだね。」
「陰湿な子にならないといいんですけどね。」
「暗いこと言わないで?こういう時ぐらいネガティブなの無くそうよ。」
「お互い様です。こんな話、
「なんで私が悪いふうに...あ、私が最初か。」
...フミコ。
ウイさんが考えた名前の中から選んだ名前。
目元がウイさんに似てて、何となくだけど、しっくり来た名前。
ちょっとびっくりするぐらい考えてくれてた名前の中で驚くぐらいに自然に収まった名前。
挙げてくれた名前全部、私の要素強すぎない?なんて文句を言ったのに、『私は古関だけで満足ですよ』なんて言われてあえなく撃沈しちゃった名前。
「...タマヨちゃん?」
「んっ、あ、なに?」
上から覗き込んで、可愛い寝顔を見ている時にウイさんから声をかけられた。
おどおど、不安そうな深い紫色の瞳と目が合う。
...合ったんだけど、いつもとはちょっと違う...少しだけ、熱の篭った...
「ひゃっ...!」
腰を抱かれて、引き寄せられる。
「...一人っ子じゃ、きっと寂しい、ですよね。それこそ、妹なんかが居た方が...♡」
「......シたいだけじゃない?」
「半分はそうですね。」
「半分はって...」
「...だめ、でしょうか?」
「......もう、そうやって甘えるのずるいよ...♡」
ぐりぐり押し当てられる、熱くてがちがちな棒状のモノの感触...
「起きちゃうといけませんし、これからは静かに、優しい種付け交尾、しましょうね...♡ふふっ♡」
そうやって妖しく笑うウイさんのせいで...
きゅう...♡
しばらく眠っていた、私のメスの部分が...強く反応しちゃった...♡
トリニティ自治区のどこかの住宅街。
他の自治区と比べても清潔な印象を与える家々の中で、一際綺麗な家があった。
出来て数年程度しか経っていないであろう、わずかなシミも見当たらない。
そんな家の中は、
「フミねえフミねえー!めっちゃいい天気!今日はお外行こ!!」
「ぇ...や、やだ...暑そうだし、今日は、お家にいよ...?」
「えぇー!!?やだやだやだたやだやーだぁああぁぁぁ!!!!外行くー!!」
今日も今日とて、戦場の様相だった。
本を抱えて拒否するフミコと、フミコの腕をぐいぐい引っ張っては紺色の尻尾が揺れる。
「こーら、ソウコ?あんまりお姉ちゃんを困らせちゃいけませんよ。」
「え、あ...あぅ、ひぐっ...ぱ、パパまで私の敵なんだぁぁぁぁ!!」
「えっ!?」
「...ふふん、パパは、私の味方。」
「びゃあぁぁあええぇぇん!!!!」
...見かねたウイさんが仲裁に入ったけど、余計に悪化しちゃった。
私は今、朝ごはんとして簡単なパンケーキ作ってるから手が離せないし...
「おかあさん、おかあさん。」
この声は...
「トウコ?どうし...何そのケガ!?膝が血だらけだよ!?」
「転んだらめっちゃ出てきた。なんかおもしろい。」
面白いじゃないよなんでこんなに冷静なの?
自慢でもしに来たかのように膝の大量出血を見せつけては私の反応を待ちわびるように白い尻尾を揺らしている。
ソウコとは双子だけど、片割れとは反対に常に落ち着いている印象。
「...絆創膏貼る?」
「...!うん...!」
今すぐやった方が...でも今手を離したら...いやいいや!生焼けなのは私のにすれば解決だよね!?
火を止めて、急いで引き出しの中から小さな子供用の絆創膏を取り出して、半分、接着性のあるカバーを剥がしている間にも、トウコはわくわくとした顔付きで膝を差し出してくる。
どうしてちっちゃい子って絆創膏が好きなんだろう、なんて思いながら手際よく貼り付けて、軽く上から撫でることでしっかりくっ付けておく。
「はい、痒くなっても剥がしちゃダメだよ?」
「ん、ありがとう...!」
あんまり表情が動いてないけど、ぱあっと明らかに満足したようで、ぽてぽて歩いて、たった今現在修羅場となっているリビングへ向かっていった。
しかも器用に、頭に一枚、それぞれの手に一枚ずつパンケーキの乗った皿を持って。
配膳用のトレイちゃんと準備してあるのに...とは思ったけど、素直に、自分の娘ながらすごいなって思った。
私はちゃんと準備したものを使って運ぶけど。
「い゙づも゙!!い゙っづも゙ぞゔ!!!!!パパはいつもフミを庇ゔっ!!なん「あほソウコうるさい」ふむぐもごごご...」
後ろから口を塞がれたソウコが睨みつけるんだけど、全く意に介さず「お姉ちゃんならお姉ちゃんらしく、ハルを起こしに行こ。」なんて。
「...ずびっ。ゔん゙っ...お゙ね゙え゙ぢゃん゙だも゙ん゙っ...!」
上手いこと言いくるめられて、姉妹の寝室に震えながら歩くトウコと、またもや無表情で私にサムズアップしてからそれを追いかけるソウコ。
「...ソウコって、人生二週目とかですかね?」
「あんまり強く否定できない...というかそれが一番しっくり来るんだよね...」
「...あ、転生モノ...ってこと...?」
「......フミって、そういうのも読むんですね...」
「...?」
ぴこぴこ耳を動かしていたけど、すぐへにゃと倒れさせるフミコだった。
「パパ!ママ!」
「おとうさん、おかあさん。」
「「ハル連れてきたよ(!)」」
双子特有のぴったりと合った自慢げな声。
「まだ寝たいよぉおねえちゃあん...」
双子の手に繋がれて、若干浮き上がりながらも大欠伸をする末っ子...ハルコも来て、ようやく全員揃った。
縁あって私たちのところに来てくれた、四人の子供たち。
長女のフミコ、双子で次女のトウコとソウコ、そして末のハルコ。
「...フミ?もうご飯ですよ。」
「あ、あと...あと2行...だけ...!」
フミコは大人しい...というか、ウイさんによく似ている。黒髪と私の耳が無かったら見分けがつかないぐらい。
大人しいとしても、歳相応な姿も見える。
今だって、目を輝かせながらパンケーキを頬張ってるところを見ると、母性がくすぐられる。
誰の影響を受けるでもなく、決められていたように本の虫になって、酷い時なんて食事の時も本に目を落として読んでたし、さすがにお風呂に持ち込もうとした時は止めた。
主にウイさんが全力で止めてた。
活発な妹(特に双子)にしょっちゅう絡まれて、さっきこそ突っぱねてたけどあんなのは稀で、基本は本よりも家族を優先する優しい子になった。
「パパ〜!私ちゃんと出来たよ!褒めて褒めて!」
「おかあさん、ん。」
それぞれ違う方に頭を差し出す双子。
ウイさんは紺色の頭を、私は白色の頭を撫でて褒める。
...と、ちぎれんばかりに尻尾が回転する。
「...私もママにも褒めて欲しい!」
「私だっておとうさんにも褒めて欲しい。」
褒める人をとりかえっこした二人。
今度は紺色の頭を撫でていると、また尻尾が有り得ないほどに回転する。
紺色の髪で活発だけどウイさん寄りなソウコと、白色の髪で大人びているトウコ。
最初は二人して白髪に驚いたけど、隔世遺伝?とかって話があったから今は全然、受け入れてる。
疑われもしなかったよ。微塵もね。
だって、『私はウイさんを愛してます♡』って、もう十分教えてあげたはずだし、それと同じぐらい愛されてるって...教えて貰ってるから...♡
「...?ママなにか嬉しいことあった?」
「...そうだね、嬉しいことを思い出してた...かな。」
「ふーん?...ママってすっごく分かりやすいね!」
トウコにだけは言われたくないかな。
一通り撫でられて満足したみたいで、二人とも同じタイミングで全く同じ座り方で席に着いてから、食べ始めた。
二人とも、耳は無いけど椅子の後ろで振り回されている尻尾と黄色い月みたいな目が私の遺伝子を主張している。
後は...
「あー」
当たり前のように私の上に座って、口を開けている甘えん坊さん。
...の、真っ黒な頭を見下ろす。
なんの悪気もないんだろうね。楽しそうにぴょこぴょこ動く耳と、ぷるぷる小刻みに揺れる尻尾が私の体に当たってる。
周りのお姉ちゃんたちが視線を向ける中でも、ハルコはどこ吹く風で、目の前のまん丸で甘い朝ごはんが、勝手に切り分けられて口に入ってくるのを待っている。
「ハル...そろそろ自分で食べれるようになったらどう?」
「おかあさんがいーい!だって大好きなおかあさんにあーんってしてもらうと、とっても美味しいんだもん!」
目がウイさんにそっくりなこと以外、昔の私と瓜二つのハルコ。
末っ子らしい(?)天真爛漫さには家族みんな手を焼いて、可愛がっている。
「...仕方ないなぁもう...」
本当にこの子は、甘え上手というかなんというか...
「あんまり甘やかすのも良くないですよ...?」
「美味しい?」
「おいしー!!」
「え、ごめん。ウイさんなんか言った?」
「聞いてくださいよ...」
「こうなったらもうダメだよ...」
「ママってちょっと引く程ハルに甘いよね〜!」
「だいぶ親バカ。」
「娘から散々じゃないですか...」
「「「本当に羨ましい」」」
「あ、そっち...」
今日も今日とて、古関家は賑やかでしたとさ。
あとがき
フミコ(文狐)
トウコ(灯狐) ソウコ(蒼狐)
ハルコ(陽狐)
以上がそれぞれの漢字です。
どこら辺かにある、タマちゃんが『私の要素強すぎない?』って苦言を呈した名前ですね。
...次は『タマちゃん総受け 古関家24時』かな
全員当たり前のように生やしておけば万事解決やろ