エピローグはエロシーン無しです。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「ねえ、あんた。あたしとセックスしようよ。安くしとくからさ」
僕を校舎裏に呼び出した彼女は、開口一番にそう言った。下着がギリギリ見えそうで見えない程度に短くしたスカートの裾から見える太い腿が、ムチムチっとした音を鳴らしたような気がした。
恥ずかしがる様子もなく、さも当然のように言われてしまったため、僕は動揺より先に「なんで?」という言葉が自然と出ていた。
授業が終わり、同学年や先輩達が下校に部活動にとガヤガヤ騒ぐ声が、校舎の向こう側から聞こえてくる。
運動部が早速と言わんばかりにグラウンドを周回する掛け声も、吹奏楽部の演奏も、体育館でキュッキュッと床を擦る靴音も、それに重なってひとつの騒音になっていた。
そんなのも気にしない素振りで、彼女は首元まで伸ばした横髪を指先で遊びながら口を開いた。
「なんでって、そりゃあ、あたしがあんたとやってみたいって思ったから」
「はあ、そう」
「……なんか、素っ気ないんだけど」
「いや。あの、大変失礼なんだけど……君、自分の言ってること、分かってる?」
「分かってるに決まってるでしょ。じゃないと、わざわざこうして呼び出して誘うわけないじゃん」
むしろなんで分からないの? と眉をひそめて小首を傾げる彼女。それはこっちのセリフで、過程も何もかも吹っ飛ばしてるのだから、僕に分かるわけがないと返してやりたいと思った。
勘違いしないで欲しいが、僕はこのB高校の普通科に通う一般学生で、運動も勉強もそこそこな平凡な男である。親が一流企業に勤めているとか、由緒正しい家系に生まれたとか、特殊な能力を有しているとか、催眠術が使えるとか、そういったことは特にない。部活も特にやっていないし、昼食後は図書室に篭って適当な本を読む学生である。
これまた勘違いしないで欲しいが、僕は陰キャではあるだろうけど、友達がいないわけではない。昼食は1人で食べてるが、それは他人を食べる姿を見るのも、自分の食べる姿を見られるのも、どちらも嫌だからである。図書室に篭もるのは、飯の匂いが篭った教室に残りたくないからだ。
そんな感じで、日頃から友達から面倒くさい奴と認定されている僕は今、同学年の他クラスの女子から性行為の誘いを受けている。帰ろうとしたところで突然声をかけて呼び出したかと思えば、初っ端からそんなことを言われた、金を取るカモにされるかもしれないという気持ち半分に、もしかして告白されるのでは? と考えた自分の頭を叩きたい。
「あー、そっか。話したこともないのにいきなり誘うのは混乱するか」
「はい、でしょうね」
ごめんごめん、と彼女は軽く笑いながら手を振る。
彼女は僕のいるB組の隣のA組に所属している女子生徒で、僕から見ても容姿はかなり良い。いつも濡羽色の髪が艶やかに潤っていると、一部の生徒の間では有名人だった。有名というのも、あまり褒められた様な内容ではない。駅前で知らないおじさんと歩いているのを見たとか、他校の男子と手を繋いで歩いていたとか、朝早くに1つ上の先輩宅から出てきたとか。
直球にいえば、お金を貰う代わりに複数の男と関係を持って、叡智なことをしているというものだった。所謂ヤリマンビッチということである。
けれど、他クラスで彼女のことをあまり知らない僕からすれば、そんなものは噂程度にしか知らないし、他人の恋愛観に興味なんてものはわかない。別に恋愛に興味がない訳ではなく、彼女とのイチャイチャを聞いてもないのに聴かせる友人に『f〇ck You』と中指を立てるくらいには嫉妬するし、女の子と恋愛してみたいとも思っている。
話を戻すが、そんな第三者であり、脇役であるはずの僕は今、イケナイ噂が囁かれている彼女に呼び出され、お前もその仲間に入れてやると言わんばかりな状況に晒されている。いきなり重要人物に格上げされたような気分だ。
「えーっと、噂で聞いたんだけど、あんたって結構でかいらしいじゃん」
「でかい?」
「恍けなくても分かるでしょ? 男でデカいって言ったら身長かブラブラしてるものくらいなんだから」
「……言いたいことは分かった」
確かに、僕のブラブラしているもの、俗に言う肉棒は自他ともに認める大きさを持っていた。
自慢ではないが、僕の肉棒は相当でかい。通常時でもパンツに収まるのがやっとな大きさで、小学生の頃に友達とチンチンの大きさを張り合っては勝ち誇り、悦に浸っていた。今でも水泳の時間はもっこりがデカいと言われ、女子の間でも噂になっている、らしい。
さらに勃起した場合、その身の大きさは一般人以上であり、長さ・太さ、共に通常時の倍に膨れ、自分の手でさえも扱いに困ってしまうほどだ。
ちなみにこの巨根は父譲りであり、父もそれで母を射止めたとかなんとか言っていたが、親の叡智な話ほど、実の子にとっては気持ち悪いものはない。
そう、僕は巨根なのだ。ついでに金玉も多分デカい。
しかし、だからといってそんなもので女性を落とせておたら、今ごろ僕は男子高校生のハーレム王としてその名を馳せていただろう。それが出来たら友人に嫉妬なんてしないし、恋愛だって苦労しない。たとえ一物が外国人並にデカかったとしても、人生において得することは今のところ特にない。ちんこのデカさだけで男の価値が決まるわけではないという現実に嘆き、1人寂しく息子を慰めるのが運命だ。
ああ、現実は非情なり。
「何ブツブツ言ってんの?」
「いや、気にしなくて良い」
気味悪そうに顔を引き攣らせる彼女は、続きを話す。
「で、それで1回味見してみたいなって思ったの。だって、同級生で外人並みのちんぽなんて早々いないでしょ? だからあんたに声をかけたの」
「なるほど、よく分かった」
つまり、僕のデカチンを食いたいというわけだ。僕自身には興味はないのだろう。
「ところで、ひとつ聞きたいんだけど、君についての噂って本当なの?」
「ん? ああ、男の子たちとセックスしてるって話でしょ。うん、本当だよ。おじさんともやったし、他校の人ともやったし、先輩ともやったよ。写真みる?」
「いらない」
恥ずかしがる様子もなく、彼女は淡々と話した。その潔い姿に、僕はむしろかっこよさを感じた。
「お金のため?」
「うん、お小遣い稼ぎのため。けど、みんなきちんと分かった上でやってるから、ウィン・ウィンの関係ってやつかな。好きでもない相手にタダでやらせてあげるなんてことはできないしね」
「……僕を誘ったのは小遣い稼ぎのためもあるの?」
僕が訊くと、彼女はこめかみ辺りを掻きながら、被りを振った。そして人差し指で僕の股間辺りをつんつんと啄くように指した。
「さっきも言ったでしょ。あんたのそれを味見したいだけ。これは単なる私の個人的な興味。だから、みんなより安くしてあげる。後払いでいいから」
さて、これはどうしたものか。本音を言うと、僕は彼女からの誘いに乗ってもいいと思っている。高校に入学来てからこの方、女子との匂わせもひとつなく、一物を持て余す日々を続けている。このまま言っても、我が分身を夜露に濡らすだけになるだろう。なら、いっその事やってしまった方が良いだろう。彼女は僕の中では好み寄りな方だもの。
しかし、同時に後から何か来るかもしれないことへの警戒心もあった。よく聞く話では、両者ともに合意の上でやっておきながら、実は新手の金取りで、あとから怖いお兄さんが現れて金を脅しとる、なんて事件も増えている。彼女もそうかもしれない。色んな男性と繋がりを持っているのだから、有り得ない話ではない。
「あ、今疑ってるでしょ。あたしがチンピラと組んで金取ろうとしてるって」
「うん、思ってる」
「正直に言うなぁ…………ま、安心しなよ。そんなのはないから。なんなら『YB』ってバーで働くYさんってお兄さんを訪ねてみなよ。私の元お客さんだから、その人に聞けばわかるよ」
まだ了承もしていないのに、どんどんやる方向で話が進んでいる気がする。しかし、ここで断るというのは、折角の童帝卒業のチャンス、さらには息子の初舞台を一生逃すことになるかもしれない。そう思うと、やってもいいかもと思えてしまう。だが、ここで卒業するのはそれはそれでどうなのか、とも思ってしまう。
僕を急かすように、彼女の視線が体に刺さる。
「……じゃあ、確かめてからってことで……いや、やっぱり怪しいからやめる」
「そんなすぐに決めなくていいから。ゆっくり考えていいよ」
そう言いながら、彼女は僕に近づいた。一体何をするつもりなのか、そう思った瞬間、彼女は僕の制服のポケットにスっと手を入れ、ガラパゴスケータイをひったくった。泥棒顔負けの手先の器用さである。
そして自身のブレザーのポケットからケータイを取り出した。
「あ、ちょっと」
取り返そうと僕が手を伸ばす前に、彼女はケータイに高速で文字を打ち始めた。右手に僕のを、左手に彼女のを、今後に確認しながら、親指を素早く動かしてボタンを押す。
「はい、おしまい」
ケータイを折りたたみ、手のひらを合わせる。タンっと機器同士が軽くぶつかる音が響いた。
「私の電話番号、登録しといたから。その気になったらいつでも呼んでね」
にぃっと目を細めて笑いながらケータイを押し付けると、彼女は「ばいばーい」と手を振りながら去っていった。びっちという割には、まだ無垢な年端の行かない少女にも見えた。
僕はケータイを開いて確認する。確かに連絡先の並びに、彼女の名前があった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
それから僕は数日間、彼女からの誘いを受けるか悩んでいた。世の叡智な男性諸君なら喜んで受けたかもしれないし、僕も正直な気持ちを吐けば、やってみたい。
だが、そう簡単に頷けるわけがなく、僕は自分の机に突っ伏しながら困った。目の前の宿題も相まって余計に悩んだ。
別に、彼女が処女でないからとか、感染症が怖いとか、そういう差別的な理由ではない。ただ、未知の体験というものはいつでも怖いものなのだ。しかも、それが恋人でもない相手との性行為というのだから、余計に慎重になるだろう。
そんな僕の気持ちも知らずに、彼女からは『待ってるよー』というメッセージが届く。Eメールアドレスを交換していたら、今ごろ未開封か精液のたっぷり詰まったコンドームの写真を添えていたかもしれない。
そして、そんな僕の現状を知らない人がまた1人。僕の父だ。酒に酔った勢いで昔のことを話し始めた。なんでも、むかし知り合ったマジタイプな女性が、付き合っていた男性から酷い暴力と一方的なセックスを受けていたらしい。
父は彼女を救うために、叡智なお店で働いていた彼女をデカチンで落とし、そのまま寝取ったらしい。その時のビデオを男に送って一悶着あったとかなかったとか。
そして、その寝取った女性が僕の母であり、その時のNTRセックスで僕を身篭った。その話を、父も母も懐かしそうに話してイチャイチャしていた。
僕は真顔で席を立ち、トイレで食べたものを全部吐いた。だって父親が寝取り野郎で、その時に生まれたのが僕って、エロ漫画の世界じゃないか。いや、純愛から寝取るよりは全然マシだけど。なんなら純愛からのNTRものは結構な頻度でお世話になってるけど……きっと、NTRで生まれた子ども達はこんな気持ちになるのかもしれない。架空とはいえ、彼らに同情したくなった。
それはさておき、悩むに悩んだ末、僕は彼女の言っていた『YB』というバーを訪れた。
最寄りの駅からまあまあ歩き、駅を出て3つ先の交差点を左に曲がり、そういう系統のお店が立ち並ぶ広い道を数十メートル進んだところの左手にある狭い道へと入る。その途中にある、あまり目立たない建物の地下一階部分にその店はあった。入口の上に『BAR YB』という看板が付けられていて、ネオンカラーな文字が光っていた。後に聞いて分かったが、YBというのは『ヤリマンビッチ』の略、ではなく、『ヤングボンバー』の略らしい。若者のたまり場という意味が込められているとかなんとか。
「おう、ビッちゃんね。やってたよ」
そう答えたのは、この店の店員であり、元顧客のYさんだった。Yさんは腕にタトゥーを入れていて、髪型もスキンヘッド、傍から見ると超怖いお兄さんにだった。けど話してみると意外にも気さくで、声色もイメージよりは優しかった。事情を話すと、店の奥に続く廊下に案内され、そこで話をした。
Yさんは右手でライターの火をつけ、口に咥えた煙草の先に移した。ちりりと音を立てて先が赤く色つき、すぐに灰になって煙が沸いた。ふうっと口から煙を吐き出すと、Yさんは口を開いた。
「確かもう1年くらい前かな。仕事も休みでふらーっと街を歩いていた時に。人通りの少ない道の端っこにさ、ビッちゃん、こんな感じでしゃがんでたんだよ。胸とか足とか見せた格好でさ。で、流石に時間も時間だし、あんな場所で1人なんて危ねぇなから声掛けたんだよ」
「そしたら?」
「『おにいさん、今から遊ばない?』って子どもみたいに言ってきてさ。俺も初めは断ったんだけどな、後ろから猫みたいに着いてくるんだよ。それで振り返って追い払おうとしても聞かなくて、しゃあなしに家で飯食わせたんだ」
腹減ってたみたいよ? と付け加えるように言った。ちなみに、ビッちゃんと言うのは彼女のことで『ビッチちゃん』という意味らしい。
「で、食ったんならさっさと家に帰れって言ったんだよ。そしたら、今度は気持ちいいことしてあげるから泊まらせてくれって言ってきてさ。流石に困ったよ」
「で、帰らせたんですか」
僕の質問に、Yさんは目を逸らし、カウンター席で項垂れる客を見ながらふうっと煙を吐いた。まあ、ここで帰らせたのなら彼女の顧客になっているはずがないか。
「あの時は酔いも回ってたし、警察に連れてったら俺が豚箱に放り込まれることになるし、ビッちゃんはゴムフリフリしながら身体を押し付けて股間を触るしで…………まあ、そういうことだな」
僕はYさんへの評価を撤回した。未成年に手を出した上に確信犯となると、言い逃れはできない。
「でもよ、次の日にはちゃんと返したんだよ」
「それで、そのまま彼女と関係を持ったと」
僕が薄目で見ている中、Yさんは苦笑しつつ、言い訳するように、どこか優しい口調で答えた。
「ビッちゃん、親から小遣いなんて貰ってないらしくてさ。昔からこれしか小遣いの稼ぎ方、知らないらしいんだ。それ聞いたら、少しは助けになれたらなぁって思ったんだよ。うちでバイトしてもらおうにも、未成年は無理でな」
それに、と言葉を続けた。
「ビッちゃん、ああ見えてちゃんと相手のことを気持ちよくさせようって、やってる時はマジな感じでやるんだよ。腰とか手とか、敏感な箇所とかちゃんと聞いてさ。それで俺も結構、な」
「彼女と関係を絶った理由は?」
Yさんは照れくさそうに、カウンター席で項垂れる客、そのさらに奥の端っこの席に座る女性を指さした。桃色の長髪が艶やかで色っぽい彼女は、目の前に置かれたグラスを遠い目で見つめている。こちらに気づいていないようだった。
「メイたんって名前、俺の彼女。店で働いてる時に話が合ってさ。告白したんだよ。そしたらOK貰って、今日も店が終わったら遊びに出かけるんだ」
「それで、彼女と関係を絶ったんですね」
「体の関係はな。でもたまに話はするんだよ。元セフレってことでな」
Yさんは煙草を携帯灰皿にしまい、僕を見た。
「お前、ビッちゃんに誘われたんだってな。この前ビッちゃんから『〇〇くんって子が話聞きに行くかもしれないからよろしくー』ってメッセージがきてたよ」
どうやら来ることは見通していたようだ。しかしデカチンの件は話していないらしい。
「まあ、未成年に手を出した俺が言う資格なんてねえけどさ。ビッちゃん、マジでいい子だから。チャラそうに見えて、相手のこととか考えるからさ……もしもの時はあの子のこと、よろしく頼むな。傷つけるようなことはすんなよ」
僕は「わかりました」なんて言葉を言えず、黙って「はぁ……」と言って誤魔化した。Yさんはそのまま業務に戻り、メイたんの対応をしていた。
Yさんの話では、ここは夜になると若い人が集まってクラブのように騒がしくなる。その前に、僕は店を後にした。入口を出て、地上に続く階段を1段ずつ踏み、家までの道を歩いた。
その最中、僕はケータイを取りだして、とある人にメッセージを打った。数十分後、相手先から返信が届いた。文章には『金曜日の6時に〇〇で待ち合わせね。お金、忘れずにー』と書いてあった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
金曜日の7時、学友達が、明日が土曜日であることに歓喜しながら、ゲームやらテレビやらを楽しんでいるであろうこの日に、僕は3階建ての小さなホテルの一室に転がり込んでいた。町外れにあるこの場所は、あのBARと同じように狭く目立たない場所に建てられている。一目見ただけではホテルかどうか分からないだろう。
室内は20平米程の広さにダブルベッドがポツンと置いてあるだけ、あとはタオルの入っているタンスが置かれている程度、ホテルというには簡素な雰囲気だった。
目立たない、まさに隠れてヤるには持ってこいの場所だ。
現に、この場所はそういう疚しいことをするために使われることが多いらしい。そのせいか、少しの緊張はあるものの、至って冷静でいられた。歴代の使用者のいやらしい空気が僕を既に呑み込んでいるからかもしれない。
「ここ、見た目は地味だけど意外と防音とかちゃんとしてるから、いくら喘いでも外には聞こえないよ」
スクールバッグの中身をガサゴソと探りながら彼女は言う。チャック部分に可愛らしいストラップを付けたその鞄は、高校生らしいと言えば高校生らしかった。
僕は制服姿、ではなく、上半身裸で下半身にタオルを巻いた風呂上がりスタイルでダブルベッドの端に座っていた。その状態で、彼女の背中を見ている。
部屋の中は暖色の光でぼんやりと照らされており、薄暗い。だが、風呂上がり特有の湿った艶やかさを持った彼女の烏に加えて、バスタオルに巻かれていない肩甲骨の八の字も、ショートカットに整えられた後ろ髪も、白い肌の細い項も、ぼんやりだがハッキリと見えていた。
「パパとママにはなんて言って誤魔化してきたの?」
「友達の家に泊まるって。彼女か?やるのか?ってからかわれたけど。いつも下の方に繋げたがる人なんだ」
「まあ、間違ってはないよね」
実際、僕は今から女性とそういうことをする。ただ、相手が恋人ではなく、同級生だ。
「ねえ、もしかして緊張してる?」
「いや、あんまり」
「あんまりってことは、少しはしてるんだ。童貞っぽい」
「こういう所は来たことがないから」
「Yさんに伝えとく」
僕の方を振り向きながらくすっと笑い、彼女は細長いものを開封した。
この部屋は、Yさんが自分名義で予約をしてくれたらしい。僕が行為に同意したすぐ後に彼女が連絡を入れて、場所の確保をお願いし、了承した。なんて手際の良いのだろう。
「今日までおちんちんビンビンにして待ってたでしょ」
「いや、特には」
「お股のもっこり、凄いことになってるよ」
僕の股間をつんつんと指差す。視線を下げると、確かに僕の股間部はもっこりと、山のように膨らんでいた。本番のお楽しみとして、タオルの下にはボクサーパンツを履いている。これがなければ、今ごろ僕の巨塔はタオルを穿いて彼女に挨拶をしているだろう。
「で、今日まで何してたの? イメージトレーニング? あたしとのセックスが待ちきれなくてシコシコしてた? まあ、どっちでもいいけど」
「…………君のことについて、少し調べてた」
そう言った瞬間、一瞬だけ彼女の手がピタリと止まり、すぐに動かした。
「調べてたってどんな感じに?」
「Yさん以外で君とイケないことをしてる人。流石に全員はダメだったけど、高校の先輩とか、他校の人はなんとか。君、有名人みたいだね。お客さんじゃないのに君のことを知ってる人、悪い意味で結構いたよ」
「うぇ、マジ? 嫌だなぁ……で、どうだった?」
ピリリと四角い袋を点線に沿って切り取る彼女を見ながら答える。
「みんな、君のことを凄くいい子だって言ってたよ。相手のことを考えてくれてる、気持ちよくさせようとしてくれる。だから、お金に困ってる君のことを少しでも助けてあげたいって。Yさんと同じことを言ってたよ」
「……ふーん、そっか……あ、これにしよ……なんでわざわざそんな面倒なことしたの」
「君が本当にいい子なのか、Yさんの言う通りなのか気になったから。相手によって話とか変えてるかもしれないし」
「疑り深いね、あんた。それで、もしあたしがそういう……八方美人だっけ? もしそれだったら、今日のこと、断るつもりだった?」
両手に道具を抱えた彼女が、こちらに歩きながら訊いてくる。彼女が隣に座るのを確認すると、僕は首を縦にも横にも振らずに答えた
「怪しかったらそうするつもりだった。けど、少なくともあの人達の言葉に嘘は感じられなかった」
「口裏を合わせたとかだったら?」
「逆に聞くけど、僕とやるためにそこまでやるの?」
首を横に振り、「流石に面倒くさすぎ」と彼女が笑いながら答える。
「君だって、Yさんに話を聞くように時点で、こうなることを少しは予想してたのでは?」
「うーん、あたしは単に裏の人達との繋がりはないってことを信じてもらうためにあの人の名前を出したんだけど……そこまで深く考えてなかったなぁ。あたし、あんま頭良くないから」
自虐気味に微笑み、僕の質問に答える。長めの横髪が、ほんの少しだけ微動した。
「それで、OKした理由は?」
「……どーせ、高校を卒業するまで彼女なんて出来ないだろうし、折角誘われたんだから、やれるならやりたいって思った」
「だろうね」
その言葉が、やれるならやりたいと思ったという理由に対してなのか、僕に彼女が出来ないということに対してなのか、当時は分からなかった。
「じゃあ、始めてもいい?」
「……お願いします」
僕の言葉を受け取ると、彼女は持っていた道具をベッドに放り投げ、僕の肩に手を置き、そのまま後ろへ倒すように押した。
僕は彼女の力に流されるがまま、膝から下をベッドの端から出した状態で、上半身を柔らかいマッドレスに沈めた。
彼女は身動ぎ、脚を跨がせて僕に覆いかぶさる。重力に負けて垂れ下がる2つの豊乳がバスタオルの中から顔を覗かせており、少しの振動でふるりと揺れている。
「……教えてあげる」
見下ろす形で、彼女は桃色の瞳で僕を見つめながら言った。
「みんなに言ったこと、全部本当だよ。あたしがお小遣いを貰えてないのも、昔からこれしかお金の稼ぎ方を知らないのも、気持ちよくなってもらえるようにしてるのも……だって、一方的にやられるより、どうせなら一緒に気持ちよくなりたいじゃん。その方が、お互いにハッピーだし」
そう言うと、彼女は体を下ろし、僕の体の上にのしかかった。2つの乳袋が僕の胸板でむにゅりと潰れて広がり、バスタオル越しにピンと勃った乳首が押し付けられる。僕のもっこりに彼女の下半身が当てられていた。
「…………んっ」
彼女は黙ったまま、僕の唇に自分の唇を押し付けた。女の子とのファーストキスはレモンの味と聞いていたが、彼女からのキスはほんのりとしたミントの味だった。風呂上がりに歯磨きをしたのだろう。
「んっ、んちゅ♥れろっ……ちゅっ♥」
彼女は僕を貪るように唇を動かす。僕の口角に合わせ唇を押し付け、交差させるようにキスをし、隙間を埋めて空気の逃げ場を無くす。
その状態で僕の口を吸い込むように頬を窄める。
チロチロと彼女の口内で留まる舌が、偶に僕の中に入ろうと当たっている。それを僕は無意識に歯を閉じて防いだ。
「あっ、んんっ♥…………」
1度離すと、今度は反対に唇を重ねる。右にあった上唇を今度は左に、左にあった下唇を右に、そうしてまた口を窄めて僕を喰らう。
舌が先ほどよりも暴れていて、僕の歯を執拗に舐め上げる。
奥歯から前歯に沿うように舐め、歯茎にも舌先を走らせる。閉ざされた歯をこじ開けようと、前歯をつんつんと啄く。
また、同時に彼女は身体もモジモジと動かした。勃起した乳首が僕の胸板で暴れて、潰れた乳の脂肪が胸板でムニュムニュと擬音を立てる。
…………にゅるっ♡
擽ったさに負けて歯をほんの少しだけ緩めると、彼女は待っていたかのように細いものを中に捩じ込み、強引に僕の舌肉に絡めてきた。
1度捕まったものは逃げることができず、僕は彼女にされるがままに口内を犯された。彼女のものが舌表面に触れると、スーッとした刺激が僕に伝わった。
ずんっ
「んんんっ♥……れろっ、ちゅっ♥」
僕も負けじと、彼女の頬を両手で挟むように持ち、自分に密着させる。突然のことに彼女は少しだけ呻き声を上げるが、すぐに適応して僕の奥深くを啄く。
僕も彼女に舌を入れて、唾液でたっぷり潤った口肉を味わった。やはり歯磨きをしたのだろう、歯の所々に歯磨き粉らしきものの残滓が付着しており、すぅすぅとした苦い味がした。
れろっ♥ちゅるっ♥じゅるっ♥
やがて僕達のキスは激しさを増し、お互いの唾液が溶け合うように混ざり合う。溢れたものは留まることを知らず、僕らの隙間から逃げるように漏れ始めた。
「えっ♥あー♥」
彼女の頭を少し浮かせて、舌肉だけを絡ませる。開くと同時に大量の唾液が僕達の口の間で糸を引く。
しかし、そんなことはお構い無しに僕達は舌を動かす。唇の触れないなか、顔と顔の間で舌肉だけが肉蛇のように絡まる。僕達にしか聞こえない水音が耳に届く。
そして、彼女の身体の疼きもどんどん過激になっていく。豊乳はスライムのように暴れ、股間に彼女のものがグリグリと押し付けられ、僕の一物を蹂躙する。
彼女が体を起こし、僕の手から逃れる。肉蛇が離れ、お互いの先で糸を繋げた。
「……どう? ファーストキスの味」
「……歯磨き粉だった」
「だろうね。さっき磨いたんだもん。でも、人によっては臭いままの方が良いっていう人もいるよ。あんたは?」
「ちょっと無理」
「でしょ? だからやっておいた」
ふっ、と首を少し傾げながら微笑む。傾げた揺れで濡羽色の髪が揺れる。数日前に誘ってきた彼女とは思えない静かな妖淫さがあった。
「……あそこ、もうそろそろ限界?」
「……」
「扱いて欲しい?」
「…………」
「……もう、言わなきゃなんも出来ないじゃん」
「……やりたいって言ったのは君だから、君に任せる」
「優柔不断……うん、いいよ」
彼女は体を起こし、巻いていたバスタオルをはらりと脱ぎ捨てた。
傷が目立ってしまうかもしれないほどに白い肌、女子高生にしては明らかに秀でた2つの巨乳、その先についた薄い乳輪と大きな乳首、程よい肉の着いた腹部と毛が整えられた濡羽色の陰毛…………彼女の裸体の全てが僕の目の前に映し出された。
「…………綺麗だ」
「よく言われる。あたし、体だけは良いから」
自虐気味に呟くと、彼女は僕の横に移動する。
そして僕の腰あたりに手を伸ばすと、はらりとタオルを解いた。解くのに合わせて、僕の股間部がどんっと言う音を立てて膨れ上がった。ボクサーパンツの局部が異常なまでに盛り上がり、今にも中のものが飛び出そうな山ができていた。
「うわ、ギチギチじゃん。なにこれ、さっきよりもっこりしてるし。まさか、キスでここまでなったの?」
「多分」
「ふーん、ものは良くても、本人はチェリーかぁ」
悪戯に笑いながら、彼女は布の表面から一物の頭を撫でた。五本の指がヘッドマッサージの器具のように僕の亀頭を刺激する。直接ではなく布越しにやっているせいか、指はするりと愛撫して、僕にゾクゾクとしたものを走らせる。
「あはは、これでビクビクするんだ。ほんとに童貞君だね。弱すぎ」
彼女の罵倒にイラつくことはなかった。罵倒しつつも、指先は絶頂しない程度に加減されている。今にも吐き出してしまいそうだ。
「さて、もうそろそろシコシコしよっか、ほら、脱がせてあげるから」
「いや、自分で脱ぐよ」
と言おうとしたが彼女は聞かず、半ば無理やり僕をベッドに寝かせた。そして股下に潜り込むと、少し手こずりながらボクサーパンツを引き剥がすように脱がせた。
「さて、どんな……………………ぁ」
脱がされた瞬間、中に収まっていた大きなものがぶるんと音を立てて飛び出した。
太くて歪なまでに禍々しい姿、想像していた以上に太い竿が起き上がるように空を切り、彼女に微風をぶつける。まだ射精もしていないのに、巨大な肉棒は脈を打ってビクビクと震えていた。
「うっわ、ちょっとこれ待って……巨根通り越して凶器じゃん。つーか金玉もでっか」
「なにか問題でも?」
「問題ありすぎ。ちょっとタンマ、1回立って、ほら」
僕は体を起こし、手を引かれるようにベッドから立ち上がる。
「そのまま、ちょっと立ってて」
彼女はガサゴソとカバンを弄る。しばらくしてケータイを取り出すと、彼女は何故か僕の肉棒で目の辺りを隠しながら写真を撮った。今なら古いと言われるかもしれない音だ。
「これ」
写真を確認すると、彼女は僕にも画面を見せてきた。
そこには、僕の肉棒によって目元と眉、鼻が隠れた彼女の顔が写っていた。おまけに口まで開けて舌を出しており、完全に『デカチンに屈服した雌犬』のような光景になっていた。
「僕のってそんなに大きい?」
「大きいなんてもんじゃない。なんなら長さと硬さもどっちもあるから、外国人以上だよ。ここまで当たるし、獣よ獣」
彼女は立って僕の肉棒を自分の腹部に当てる。
亀頭が彼女の程よく着いた腹肉を啄き、臍の穴を超えて溝落辺りをピトッと触る。彼女の白い肌とは対照的に、肉棒は黒く穢れていた。自分でも大きいとは思っていたが、まさか彼女でさえも獣と呼んでしまうほどとは思わなかった。
「こんなの入ったら余裕で子宮に届くよ。てか普通にデカすぎるから寧ろ痛いかも。うわー、定規持ってこれば良かった。こんなの棒じゃなくて柱だよ」
「……辞めるの?」
僕がそう言うと、彼女は肉柱を挟む形で僕に抱きつき、豊乳を押し付けた。
「……んなわけないじゃん。こんな大物、滅多に出会えないんだから。それにあたし、中途半端なの、嫌いだから」
彼女に押される形で、僕達はベッドに寝転んだ。マットレスが僕達の体を受け止めた。
仰向けになる僕の股下の間に彼女は体を潜らせ、再び肉柱と対峙した。
「くっさ……嗅いだだけでこっちが狂いそう♥」
すんすんと頬を火照らせながら肉柱を嗅ぐ。そしてベッドに放り投げていた細長い筒を持つと、蓋を開けて、亀頭の上から容器を垂らした。
ひんやりとした冷たいぬめぬめの液体が細い口部分から垂れて、亀頭の先から竿の根元にかけてゆっくりと流れる。それがローションであることは、初体験の僕でもすぐに分かった。
「つける前に塗っちゃうのって、本当はダメなんだけど……こんなにデカいんだから、塗らなきゃハメらんないよね」
少量をかけると、彼女は両手で肉柱を優しく掴み、上下に扱き始めた。乾いていた黒皮の表面にローションが染み込み、潤っていくのが肉越しに伝わる。
しゅこっ♡しゅこっ♡しゅっ♡しゅっ♡
「はい、じっとしててー」
甘やかす声色で彼女は竿を扱く。
細い指がぬるり表面を滑り、海綿体を潰すように上下に動く。特に上半身を握る指は上に行くと、輪っかを作って亀頭の雁首をずるりと擦り上げ、下半身を握る指は裏の尿道をいたぶるように圧迫する。
「おっきいおちんちんですねぇ、あたしの体にピュッピュしたくて仕方ないのかなぁ?」
子どもに話しかけているのか、小馬鹿にして煽っているのか、どちらともつかない言葉で話しかける。
「可哀想に。折角のデカちんも本人がこんなんじゃ宝の持ち腐れだねー♥」
「……さっきから僕への暴言酷くない?」
「でも、その方が興奮するでしょ」
ひょこっと竿の横から顔を出した彼女が微笑する。
その間も彼女の手が止まることはなく、やられるがままに肉柱は奉仕にその身を充血させた。
しゅっ♡しゅっ♡しゅっ♡
ローションが十分に浸透したようで、肉柱は潤い、暖色に白いテカリを跳ね返した。
「さて、もうそろそろだけど……どうする? お胸でして欲しい? 口がいい? それとも」
「……本番がいい」
そう答えると、彼女は脇においていた小さな袋を手に取って口に咥え、僕に向かって見せた。
小さな袋を破き、中身を取り出す。いかにもゴム臭い匂いが漂い、僕の鼻にも苦い臭いを届けた。
コンドームの先端を指先で摘んだ彼女は、それを亀頭の頂きに当てた。そしてそのまま下へ降ろし、肉柱に被せていく。キツキツで締め付けるようなコンドームは僕の一物を潰そうとしている。
「これ、一応デカチン用のを買ったんだけど……ギリかな」
実際に彼女の言ったことは正しく、装着されたコンドームは僕の根元までギリギリ届いた。一般男性のものと比べると、これは相当な長さらしい。
「じゃあ、やろっか」
彼女は膝立ちで体を浮かせ、僕の体に跨り、ちょうど股下に肉柱が来るように調整する。彼女の陰唇は既に濡れそぼっており、愛液が内太腿を伝っていた。指で肉柱を掴み、自身の花弁にあてがう。
「いただきます」
縦口に亀頭をキスさせると、彼女はゆっくりと腰を降ろす。2つに割れた小丘が亀頭を咥えるように包んでいく。獲物を捕らえた肉食獣のように、陰唇は亀頭を中へと導いていく。
「んっ、ぁ♥はぁっ♥(やば、太すぎ……ギチギチじゃん)」
彼女は嬌声を漏らしながら胸の中で悲鳴をあげる。そんなことは露知らず、流石は経験者と、僕は感心していた。
ずぷぷぷぷぷぷっ……♡
「(ダメ、これ♥ゆっくり入れないと……♥こっちが死ぬ♥)」
肉竿はゆっくりと彼女の中へと飲み込まれていく。ゴム越しに中の肉の熱が伝わる。溶けるようで溶けない、灼熱とまではいかない熱さが肉柱を包む。
「はっ、あぁ♥はぁっ♥たく、デカすぎるっつうの♥」
中間まで来たところで、彼女は口を開いた。苦しさに快楽を混ぜた表情で僕を見下ろす。細くした目から桃色の瞳が僕を捉える。
「まだ残ってんの♥ほんとに獣よ、あんた♥」
肉柱は尚も彼女の中へと挿入されていく。
外から見れないため分からないが、彼女の中はかなり変わった形をしている。膣といえば、真っ直ぐになっていて、その中で肉襞とかが歪に並んでいるイメージだった。
だが、彼女の中はかなり畝っている。通るものを絶対に逃さないという意思表示を示しているかのように。
僕は表情を苦くして耐えた。まだ挿入中だと言うのに、気を抜けば絶頂してしまう締め付けだ。
………………こつんっ♡
「んひぃっ!? …………♥」
根元近くまで来たところで、彼女はすんっと腰を降ろす。すると、亀頭の先が奥にある何かに当たった。
「大丈夫?」
僕が声をかけるが、彼女は震えるだけで答えない。それどころか、上を向いて肩を揺らしている。
「…………た」
「は?」
「……奥、届いてる。あたしの奥、思いっきりズンって突いてる……子宮、貫きそう♥」
ようやく顔を下ろしたかと思うと、彼女は蕩けた笑顔で口端から涎を垂らしていた。淫猥な雰囲気で、僕の胸板に手を添える。
「初めて……ここまで太くて、きちんと奥まで届いたの……あんたが初めて♥凄くキュンキュンする……♥」
抑えきれないものを弾けさせたいと言いたい様子で、彼女は言葉を並べた。熱の篭った吐息を僕に吹きかける。
「…………あっ」
ゆっくり、長い肉柱全体を擦るために、彼女は高めに腰を上げた。肉筒の中はその構造故か、抜けようとする僕の肉柱をずるりと擦り上げた。
ばちゅっ♡
「んぎぃっ!? ♥」
そして勢いよく振り下ろす。肉壺は僕のものをあっという間に飲み込んで、奥の子宮口まで誘導、突き上げさせた。
ぷしゅっと音を立てて、彼女の秘口から何かが噴射された。だが、彼女は止まることはなく、連続して腰振りを続けた。
ばちゅっばちゅっばちゅっばちゅっ!
「んはっ♥いく゛っ♥なに、んほっ♥デカすぎ♥あんっ♥奥まで、んっ♥余裕とか、あぁ♥」
胸板に置いた手を支えにしつつ、彼女は騎乗位の状態で上下運動をする。腰が大きく上げられ、深くまで振り下ろす。その度に畝る肉道が僕の肉柱を擦りあげる。
「はぁ、はぁ♥んぁっ♥はぁん♥」
動画で見るよりも生々しい肉声が響く。今回が初めてだが、今吐いている彼女の喘ぎは演技ではないことは分かった。
「どぉ♥気持ちいい? んぁんっ♥」
「け、結構……うっ」
オナホなんてものを買えるはずもない僕は、いつも右手で肉柱を寂しく弄っている。しかし長すぎるが故に、大部分を持て余してしまっていた。
だから、肉柱全体が包まれるという感覚が、こんなにも快なことだとは思わなかった。裏筋だけでなく、側面も雁首も雁裏も、全部が一度に刺激されている。
ずちゅっ♡ずちゅっ♡ずちゅっ♡
「あぁん♥下手したらぁ♥こんなの入らなかったかもぉ♥」
「うっ、あぁ……!」
淫乱に笑いながら彼女は喘ぐ。性に取り憑かれた獣のように腰を振り続ける。激しい摩擦で愛液が泡立って蜜穴から漏れている。彼女の体重が体にのしかかる度にギシギシとベッドが軋む。
ぷるんっ♡ぷるんっ♡
そして、詰め物でない彼女の本物の豊乳もまた、薄色の乳首を四方八方に乱れさせながら、生きた物のように揺れている。
ぶちゅっ♡ぶちゅっ♡ぶちゅっ♡
「あっ、やば♥あんたの、子宮にキスしてる♥ぶちゅって押し付けて♥」
「そ、そんなにやばいこと?」
「あん♥当たり前でしょ、フツーは、ぁ♥こんなに届かないって。あたしのぉ゛♥結構深いんだからあんっ♥」
彼女は濡烏を揺らしながら喘ぐ。さっきまで罵っていたのが嘘かのように、彼女は雌の顔を晒している。
ぐりんっ♡
「うぁ、!」
「んぁんっ♥どぉ? ぐりんってされるの♥んあぁ♥」
腰を振りながら、彼女は円を描くように腰を動かす。中に含んだ肉柱が彼女の動きに合わせて強引に曲がり、蜜壺のヒダヒダとした肉疣に翻弄される。
刹那、僕の背面にゾクゾクとしたものが走った。ゾクゾクは背中を通ると尻の間を抜けて、そのまま玉袋と肉柱にまで走った。
「ん゛いっ♥もうイきそうなんだ♥分かる♥あんたの、太くなったもん♥」
舌を出しながら笑う彼女は、上下運動の速度をあげる。肉柱と肉壁が擦れる水音も勢いを増し、大量に白い泡が沸く。
「ほら、びゅーびゅー♥ゴムあるからたくさん出していいよ♥」
頭が白くなり始めた。見えるのは彼女の淫猥な顔だけだ。
…………びゅぶぶるるるるるるぅぅっ♡
「き、たぁぁぁぁぁぁっ♥」
むっちりとした尻肉が股間部に打ち付けられた瞬間、僕は絶頂に達した。
睾丸の中で溜まっていた精液が尿道まで一気に駆け上がり、亀頭の先から吐き出された。白濁液は1度の脈動でかなりの量が吐き出される。いつも彼の相手をしている僕だから、1回でティッシュ数十枚は使わないと拭き取りきれないことはわかっている。
びゅるるるぅぅ〜♥
だが、今回は予想以上だった。彼女の肉壺が肉柱を包んでくれているおかげで、射精が止む気配がない。いつもの倍の量がゴムへと吐き出されていく。
「はぁ、はぁ……凄い量、中でゴムがパンパンに膨れてるの……わかる♥」
射精と同時に絶頂した彼女は背中を反らしながら、腹部に手を当てる。彼女には、自分の中でコンドームが膨れているのが分かるようだ。
「熱い、こんなに熱々って分かるの、あんたが初めてかも♥」
彼女の中にある色々なものが僕に塗り替えられていく。それを、彼女は満足そうに笑っていた。
「んっ……いい゛……♥」
脈動が終わったところで、彼女は腰を上げて肉柱を引き抜こうとする。だが、あまりの量に途中途中で塊がつっかえてしまっていた。彼女の膣の構造が災いして、余計に抜けにくくなっている。
…………ぬ…………ぷんっ♡
「あぅ…………♥」
そして、メリメリという音を立てながら、ようやく肉壺から肉柱が引き抜かれた。
出したばかりなのに萎えていない肉柱の先には、精液によってパンパンに膨れたゴムが垂れ下がっていた。ずっしりと重く、まるで水風船のようだ。
「うわ、すっごい、馬並みじゃん。こんなのがあたしの中に出されてたんだ」
「普段は半分くらいなんだけど」
「……あんた、これの半分って結構な量だよ」
「そう?」
「まあ……Yさんのザーメン5発分くらい……かな」
Yさんがどれだけ出すのかは分からないけど、とりあえず一般人よりは多いということは分かった。自分でも多いとは思っていたが、そこまで驚かれるほどとは考えていなかった。
「彼女になる人、エッチで相当苦労するよ。できないだろうけど」
「一言余計だ」
「はいはい。まあ、とりあえず」
彼女は肉柱を持ち、精液が溢れないようにゆっくりとコンドームを外していた。指先で摘まれたゴムを見て、彼女はうっとりとした。
「ふふっ、すっごい量。こんなの中に出されてたら1発で孕んじゃうかも♥」
彼女はタオルで軽く手を拭くと、傍らに投げていたガラケーを掴み、何やら写真を撮り始めた。
「記念撮影?」
「まーね、こんなパンパンになるなんて早々ないし。タイトルを付けるなら……『童貞デカチンポ君の初コンドーム中出し記念』なんてどうかな」
「……ネーミングセンス、無さすぎ」
「うっさい」
彼女はまたもやケータイの画面を見せつけてきた。今度は、水風船のように膨らんだコンドームを咥えながら、カメラに向かってピースサインをする彼女が写し出されていた。分かった?と細目で訴え、ケータイを放る。
「…………んぁー♥」
彼女は唇を大きく開くと、右手で白塊の底を支えながら、中の精液を口の中へ流し込んだ。粘着質な精液はどポッという擬音を立てながらコンドームから垂れ落ち、塊となって彼女の口に収まる。
「んくっ…………んくっ…………」
1回、2回と分けて喉を鳴らして嚥下する。それを終えると、甘味を口にした時の様な蕩けた表情を浮かべた。
「で、どう? 満足した? ……て、そんなわけないか」
彼女は視線を下ろして呆れに近い笑みをこぼす。射精をして数分、僕の肉柱は萎びることもなく未だに硬さを保っていた。
彼女は脇に避けていた未開封のゴムを掴み、再び開封して中身を取り出した。2度目だが、僕の鼻は既に慣れていた。
「はい、じっとしてー」
先程と同じように、先端を摘んで亀頭に乗せて、輪っかを下ろして肉柱に装着させる。
「今度はどんな感じにやりたい?」
小首を傾げる彼女に、僕はボソッと呟くように言った。
「……立ちバック」
「……そっちが攻めないといけないけど、いい? 1人でできる?」
僕はこくりと頷く。
彼女は立ち上がり、近くの壁に手を着いて臀を突き出す姿勢をした。
「ほら、今度はあんたが動く番」
空いていた手を尻に伸ばし、閉じた花弁を開かせ、こちらを誘う。僕はベッドから立ち上がり、肉柱を揺らしながら彼女の蠱惑的な姿に引き寄せられる。
「……お尻の穴と間違えないでよ」
彼女の注意を聞き流し、僕は両手で腰部分を掴む。
そして花弁に亀頭をあてがい、中へと挿入していく。さっきみたいにゆっくりはやらず、肉柱の突き進む流れに任せて腰を打ち付けた。
「ん…………んぁぁっ♥」
ずりゅりと肉々しい音を立てて肉柱が彼女の奥を突き上げる。肉柱は畝る膣内を真っ直ぐに貫き、彼女に嬌声を上げさせた。
ぱんっ、ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
「んはぁっ♥あ、はぁっ♥……んんぁ♥」
僕は立ちバックなんてものはやったことがない。けど、脳が無意識に命令を出しているかのように、自然と体が前後に動いてしまう。それが彼女の望む通りの猛攻な気がした。現に、彼女も僕の打ち付けに体を仰け反らせて、快に喘いでいる。苦しむような声なのに、首を捻って見せている横顔はほろりと蕩けていた。
ずりゅりゅりゅっ!
「んい゛ぃぃぃぃ♥」
一度、腰を引いてギリギリまで肉柱を下げる。膨れる亀頭に付いた深い雁首が肉壺内の肉襞を纏めてひっかけ、ずりゅりと刈り取るように擦りあげる。
ずりゅんっ!
「んお゛ぉぉぉぉ♥」
そして引き抜くギリギリで再び腰をぶつけ、膣内を穿つ。子宮口近くにある腹部側のGスポットを突き上げたようで、彼女は腹を反らして体を痙攣させる。
ぱんっ! ぱちゅんっ! ぱちゅんっ! ぱちゅんっ!
「んぎっ♥あんっ♥おぉ゛ぉ♥ん゛ほぉ」
「ぅぁ……これは…………!」
一定のリズムで腰と腰が衝突し合い、尻肉の表面が波を打つ。既に彼女の蜜壺は僕の肉柱の長さと太さを覚えたようで、白濁液を絞ろうと形に反ってぎゅるりと締め付けるら、
「んぃ♥おちんぽ、奥、ついてる♥デカチン、長すぎ♥」
ぱちゅんっ! ぱちゅんっ! ぱちゅんっ!
「あぐ、ああ♥奥、あ゛っ♥ま、待って♥んい゛ぃぁ♥」
亀頭が彼女の腹部を中心に壁を突き上げ、ごりっという音を立てて擦りあげる。彼女は待てと訴えるが、だが僕は止まらない。止めることが出来ない。
僕は本能で腰を前後に動かしている。血管の浮き出た巨根で彼女の膣肉を解して抉り抜いている。誰から教えてもらったわけでもなく、彼女を喘がせ、足を震わせることに集中していた。
ぱちんっ!
「んぃ゛!? こ、いたい……ひんっ!? ♥」
波打つ尻肉を手のひらで叩くと、パチンという聞き心地の良い音が響く。
彼女が悲鳴を上げるのも無視して、僕は続け様に数回叩いた。白くすべすべとした表面が徐々に林檎色に染まっていく。その間も、彼女は身を攀じらせて巨乳を揺らしていた。
「あ゛っ、あ゛っ♥んん♥あっ゛♥」
彼女は言葉を話さなくなった。ただ倒れそうな体を壁に手をついて必死に支えようとしている。頭が項垂れているため、どんな表情かは分からないが、きっとアクメ顔を晒しているに違いない。
「う゛ぁ♥あっ…………いぃぃぃぃ!? ♥」
僕は壁についた手を掴み、更に深くまで突き刺すために自分の体に引き寄せた。彼女の背中は思いっきり仰け反り、口を噛むような声を上げる。
ぶちゅっ、ぶちゅっ、ぶちゅっ♡
僕は何度も亀頭を奥深くの子宮口に押し付けた。腰を打ち付ける度に、彼女の豊乳を揺らしながら、亀頭は淫口を穿つ。
けれど、彼らが本当の意味でキスをしているわけではない。そう思うと、虚しい思いになる。それをかき消すように、僕は腰振りを早めた。
「んぁっ♥あっ♥んおぉ゛ぉ♥」
速まる猛攻に合わせて、彼女の嗚咽も揺れが生まれる。
快感に力が抜けてその場に倒れようとしても、僕が腕を引っ張れば体を起こせざるを得なくなり、逃げ場のない状況に喘ぐしかない。
「はぁ、はぁ…………あぁっ!」
僕は咆哮を上げて、2、3発ほど勢いよく腰を打ち付けた。
ぱんぱんぐちゅんっ! ぶびゅるうぅぅぅぅぅっ♡
「ん゛あぁぁぁぁぁぁ〜〜〜っ♥」
3発目は亀頭が子宮口を貫いた状態で絶頂した。瞬間、彼女は体を反らし、豊乳をぶるんと大きく揺らした。
びゅぶるるるるるっ♡
変わらず金玉から這い上がった大量の白濁液が吐き出され、先端へと溜まっていく。
ぷしゅっ♡ぷしゅっ♡ぷしゅっ♡
肉柱が脈を打つと、彼女の体も痙攣してビクリと跳ねる。そして、脈動に合わせて尿口から潮を吹いていた。
びゅぐっ♡びゅるっ♡びゅるる♡…………
「ふぅ〜、ふぅ〜、ぅぅ♥」
子鹿のように脚をガクガクと震わせながら、彼女は必死に精液の熱を受け止めていた。ゴムの先端に溜まっていく精液は、今にも破裂して子宮の中へ直接流れ出しそうな程に止まらない。
「んん、むり…………ぅ♥」
僕に突き刺されたまま、彼女は上半身を項垂れた。両手を掴まれているせいで、倒れようにも倒れる事ができない。
しばらくして射精の勢いがなくなり、僕は彼女を貫いたままベッドに移動した。力が抜けて重くなった彼女の体を支えながら、僕が下になるようにベッドにゆっくり倒れた。2人分の重さでベッドがスプリングした。少し重たいけど、退かすほどではなかった。
「……どうだった?」
息切れを起こした彼女は、数回の呼吸をして息を整えた。
「…………初めてにしては、合格。ただ、もう少しあたしのこと、考えて欲しかったかな」
「結構、気持ちよさそうにしてた気がするけど」
「……お尻叩かれるの、嫌いなんだけど」
「あ、ごめん」
「いいよ。次、気をつけてくれればいいから」
彼女は手を伸ばし、僕の頬に触れた。僕はその手に自分の手を重ねた。
「…………んぅ♥」
彼女が下半身を浮かせると、にゅるり、という音を立てて、肉壺に収まっていた肉柱がゆっくりと抜けていく。2度目も大量だったようで、白濁の塊はまたもやつっかえていた。
「…………ぁぅ♥」
ぬぷんと栓の抜ける音が響くと同時に、肉柱が彼女の体から抜け出し、ブルンとその身を振るわせた。ゴムの先端は精液でパンパンになっていた。
「2発目なのに全然量変わってない……おまけにまだバキバキだし。巨根な上に絶倫とか……あんたみたいな男、初めて。一体何食べたらこうなるわけ?」
「多分、父さんの遺伝だと思う」
どういうこと、と聞く彼女に、僕は自然と父のNTR伝説の話をした。彼女は吹き出して笑った。彼女が笑う度に、体に微かな振動が伝わる。
「ちょ、待って。ありえない。お腹……いたい……ふふっ」
「そりゃあ、まあ、可笑しいだろうね。実の子からしたらこれほど気持ち悪いことはないんだけど」
「ふふ、ドンマイ」
絶頂続きなせいか、彼女の声には疲れが混じっていた。
「でもさ、いいパパじゃん。過程はどうあれ、ママにとっては地獄から救ってくれたヒーローだし。それにちゃんとママ一筋だし、あんたのことも愛してくれてるじゃん」
「…………」
「……愛してくれてる人がいるって、幸せなもんだよ」
しんみりと彼女は言った。
暫しの沈黙の後、彼女は太腿の間から飛び出した肉柱の先端にぶら下がる白濁風船を器用に取り外した。今度は記念用にと口の部分をキュッと結び、ベッドに落とす。
「ねえ、ローション取って。そこにあるから」
僕は少し離れた場所に放られた細い筒に手を伸ばし、指先で軽く引き寄せてから、掴んで彼女に渡した。
彼女は蓋を開けると、そのまま肉柱と下半身に向かってとろとろなローションを垂らした。亀頭の先に透明な粘液がかかり、ややひんやりとした感触が走る。初めに垂らした時よりも量は多く、彼女の下腹部にも滴っていた。
ローションはそのまま臍と腹部に線を引き、今度は自身の豊乳にも垂らし始めた。
「ねえ、おっぱい。触りたい?」
「…………」
「もし特別サービスで、あたしがいいって言ったら?」
「触りたい」
「ん、素直でよろしい」
ほら、早くと、僕の手を握って胸へと促した。
僕は誘われるがままに、彼女を背後から抱きしめる形で豊乳を掴んだ。
「んっ♥」
丸みを帯びた横乳が、僕の手に掴まれてふにゅりと形を変える。良く乳はマシュマロのような分からかさと言われているが、マシュマロよりは少し弾力が指に跳ね返った。
「はぁ、あっ♥」
そのまま数回ほど横乳を解したあと、下乳を持ち上げるように掴み、そのまま揉みしだいていく。ローションのおかげもあって、根元から乳頭先までの手の動きはとても滑らかで、ぬるりとスムーズだった。
母乳を搾り出すように揉みしだき、たまに胸全体に指を沈ませて、手の中から溢れるほどに大きな豊乳を堪能する。
「ふぁ、ぁっ♥…………んんっ♥」
ある程度揉んだところで、今度は彼女のピンと立った薄色の充血した乳頭を親指と中指で摘む。コリコリと指で遊ばせ、時に潰して、人差し指の爪で引っ掻き、彼女に悲鳴を上げさせた。
ぴんっ!
「んぃぃっ♥」
トドメに僕は人差し指で乳頭をピンと弾く。彼女はビクンと体を浮かせ、すぐに落とした。
「あっ………………みんなね、あたしの胸を揉む度にマシュマロみたいで柔らかいって言うんだよ。時々、噛み付く人もいるくらい」
「そう」
「…………マシュマロだった?」
「いや、なんか違う。けど、嫌いじゃない」
「そっ…………どうする? まだやりたい?」
豊乳を揉みつつ、僕は「うん」と答えた。
その後、僕達は時間の許す限りお互いの体を貪った。
彼女が攻めれば次は僕が、僕が攻めれば次は彼女が、攻めと受けを交代しながら体を交じらわせる。
体位も、対面座位、背面座位、側位、後背位、駅弁ファック、正常位、ロールスロイス…………試せるものは全て試した。時にムチムチな太ももに挟んでもらい、精を放つことも。胸に埋められながら、吐き出すことも。
その度に彼女は喘ぎ声を漏らし、身をよがらせた。僕も1回、2回、3回と、ゴムに向かって肉柱から精を放ち続けた。
────数時間後
「はぁー、はぁー…………あんた、絶倫にも程があるって……♥」
放心したように仰向けでベッドに倒れながら、彼女は荒い息を立てている。周りには精液でパンパンになった使用済みのコンドームが幾つも散らばっている。集めて紐に括りつければ、一種のアクセサリーになるかもしれない。
「いっ、まだ…………?」
彼女は疲れ切っている様子だが、僕のものは未だに勃起を続けている。もう何発も出しているというのに、一向に枯れる様子はなく、尚も彼女の体を求めて上下に震えていた。艶々とした白い肌と秘穴から蕩け落ちる愛蜜が余計に獣並の性欲を駆り立てた。
「ここまでやったのに萎えないって……まだ足りないの?」
「……まだいける」
「うわぁ、マジかぁ…………あたし、まあまあ限界なんだけど」
彼女は驚くわけでも呆れるわけでもなく、ただ苦笑した。しかし、その苦笑には明らかに恐怖も孕んでいた。まあまあと言ってはいるが、体に力が入らない様子を見る限り、恐らく既に限界に近いのかもしれない。
「ゴム、もうないんだよね。結構な量持ってきてたんだけど全部使っちゃった」
「そう、全部か。でも僕はまだまだ足りないんだ」
「……あんたみたいなの、ザーメンタンクって言うんだろうね」
僕はまだまだやり足りない、まさかここまで自分が性欲お化けだったとは思いもよらなかった。
しかし無いものは無い、コンドームが切れてしまったのなら、あとは彼女の膣以外で抜くしかないだろう。けれど、どうせなら────。
「…………あのさ」
彼女が僕に声をかけた。
「……生、やってみたい?」
そして、心の中を覗いたように僕に訊ねた。
「…………いいよ、あんたなら」
「……いいの?」
「……やりたいんでしょ?」
黙って頷き、肯定する。
「…………一応、危険日じゃないから、五分五分ってところだけど……もし出来たら、責任、取ってくれる?」
「…………それは」
高校生の僕に責任を取れるほどの覚悟なんてない、本来ならそう言って断らなければならなかった。けど、魅惑的な淫裸を目の前にしている僕は、己の肉欲を抑えることが出来なかった。
もし、そうなったら、父は僕のことを罵倒するだろうか。母は愚かな息子の所業に泣き崩れるだろうか。彼女の親は僕を責めるだろうか。
何より、恋愛感情がない彼女に対して、僕はどう接すれば良いのか。
「…………やりたい」
僕は、その先で待つ最悪の結末よりも、今ある欲求を満たすことを選んだ。
彼女が震える手で僕を手招きする。それに誘われるように僕は彼女に近づき、正常位の体位で両足を持ち、開脚させた。濡烏の陰毛が、愛液に濡れていた。
左手の親指と人差し指で、芝生に包まれた恥丘をクパァっと開くと、留まっていた蜜がとろりと溢れ出した。
彼女は顔を逸らし、頬を紅くして恥ずかしそうにしている。さっきまで快楽に喘いでいた姿とは対照的だ。
「……あたしさ。生でやるの、あんたで『2人目』なんだよね。お客さんには、頼まれても絶対にやらないって決めてたんだ」
「……1人目は誰なの?」
「…………お義父さん、私の初めての相手」
「……ごめん」
「…………謝んなくていいよ」
「緊張、してる?」
「……結構。あんたのデカチンをモロに食らうってのもあるけど…………ゴムなしに誰かのものを受け止めるの、久々だから」
「上書き、していい?」
「……して」
彼女に答えるように、僕は亀頭を蜜穴にあてがい、接吻させる。彼女が涙で潤んだ桃色の瞳を向けながら両手を伸ばし、僕は招かれるように彼女に覆い被さる。
ずぷっ…………♡
「んん♥」
腰を下ろし、亀頭を恥丘の谷間へと沈めていく。
じゅぷぷぷっ…………♡
「んっ、あっ♥…………あぁっ♥」
剛直した僕のものが、水を弾くような音を鳴らしながら彼女の柔らかい肉筒へと侵入していく。何度も抉り突いたはずなのに、肉柱の黒い皮に伝わる膣肉は、初めて味わうかのような柔らかさを持っていた。
「ん゛っ♥……あんたのちんぽ、熱々……」
「僕も……さっきまでこんな感触はなかった……あ」
「あぁん♥」
肉柱が進む度に、僕達の身体に小さな快楽が細かく刻まれる。僕は腰を震わせながら雄叫びを、彼女は僕の背中に腕を回しながら嬌声を上げる。
しばらくして、亀頭が肉壺の畝る膣道へと差し掛かる。僕はつっかえることも恐れずに侵入を進めた。
「あぁ、んぁっ♥あ゛あん♥」
矯正をさせるように、肉柱は緩やかな曲がりを描く肉道を突き進む。壁に張り付いた無数の肉襞が招き入れるように竿部分に密着し、
「あっ、く、来る……♥あたしのお口に……♥」
………………こつんっ♡
「んあぁっ♥」
そして肉柱は根元まで突き刺さり、ついに子宮口と接吻を交わした。ゴムのない、薄い壁のない初めてのキスに、両者は互いの唇を離そうとしない。
「こ、これが……」
「うん、あたしのおまんこのお口だよ……」
「……柔らかい…………」
「……ここまで生で入れたのは、あんたが初めて……だから、ここのファーストキスはあんただよ」
初めて味わう快感とその恐怖に、彼女は身体を震わせなが艶やかに微笑む。
ずぶぶぶっ…………
「はっ、あぁ♥あっ…………♥」
僕は腰を引き、亀頭と子宮口を離れさせて一定の場所まで引き抜く。
────ずんっ!
「ん゛んんんんっ♥」
そして打ち付けるように腰を沈め、再び彼らに口付けを交わさせた。彼女は口を閉じたまま堪えた喘ぎを上げ、僕の背中に回した手の指に力を込め、皮膚に爪を刺す。
ずぶっ、バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡
その状態のまま、僕は一定のリズムで腰振りを始めた。彼女が感じやすい速度と擦り方は、コンドーム越しに既に学習していた。
「あっ、やら♥熱っ♥生のおちんぽ、あたしのなか、暴れてる♥」
僕の腰振りに合わせて、彼女の体も揺れる。胸板と体の間で潰れる豊乳の先で立つ乳首が、僕の小さなものと擦り合う。
「すごい、あんっ♥生のおちんぽ、気持ちよすぎぃ♥ふぁんっ♥」
彼女は快楽に浸るようにアクメ顔を晒す。薄い膜のない生の肉の熱と硬さが彼女に快感を与え、脳内を白く弾けさせる。
バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡
膣肉を満たす愛液が、僕達が時間をかけて作った愛の蜜が、
「んぁぁっ♥はぁぅ、んう♥ねえ、いま、我慢汁、出てると思う?」
「うん、多分、いや、絶対……ぅ!」
彼女の言うとおり、亀頭の先から溢れる我慢汁が遠慮なく中へ飛び出し、愛蜜と溶け合い、1つとなって膣内に広がり、肉柱を包んでいた。目で見てなくとも、僕には分かる。こうして彼女と体を重ねているのだから。
「はぁっ♥はぁっ♥あたしの、上書きされる……はぁんっ♥」
肉柱の肉穴の結合部から、愛蜜が白い泡を立てながら外へと漏れる。彼女の大きな尻肉で出来た尻谷を伝って、ベッドシーツに染み込んでく、そんな気がした。
「あっ、あっ、あっ♥ふぁっ♥ひゃんっ♥あっ、にゃんっ♥」
猫の撫でるような甲高い声が耳に聞こえた。同時に、僕は腰をより深く突いた。
バチュッ♡バチュッ♡……ぐぐぐっ♡
「い゛っ♥や、そんな、押し込まな……」
先端を子宮口へと押し込み、メリメリと音を立てて拡張させる。
────ブチュンッ♡♡♡
「い……あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♥」
そして遂に、亀頭が子宮口を貫き、その頭部と首を中へと捩じ込んだ。
「あ゛っ♥なに、これっ♥こんなの、こんなの知らないぃ♥」
彼女は目を見開いて狂ったように喘いだ。
肉柱をもぎ取るかのように締め付ける感覚、これを僕は初めて味わう。おそらく彼女も同じような未知の感覚に襲われているだろう。
ブチュンッ♡ブチュンッ♡ブチュンッ♡ブチュンッ♡ブチュンッ♡ブチュンッ♡
「いき゛っ♥あ゛っ♥お゛っ♥お゛ぅ♥おほ゛ぉ♥おうっ♥おおんっ♥あぁ゛んっ♥」
僕は容赦なく肉柱を動かし、膣と子宮口を抉るように擦る。彼女も、より過激で、より穢れた喘ぎ声をあげ、快感から来る喜びに浸った。
「あっ♥おっ♥んっ♥…………んっ♥」
途中、潤んだ彼女の瞳が僕を見つめる。その合図を受け取り、僕は頭を下げて彼女に唇を重ねた。
「んぅ♥んっ♥はむっ♥れろっ♥んちゅっ♥ん♥……ん゛っ♥ん゛ん゛っ♥」
身体が肉欲を満たすために激動するなか、僕達は深い深い口付けを交わす。唾液がたれ落ちようが、顔に降りかかろうが、構うことなく貪り合う。
気がつけば、彼女の脚が僕の背中に絡まりがっしりと捕まえていた。逃さないように、腕もギチッとホールドをしている。僕も応えるように、彼女の体に抱きついた。
────ぶるっ
僕の背中に微弱な震えが走る。それが何を意味するのか、僕は分かっているし、肉柱も理解したかのように硬さと太さを増した。
「んっ……なか、いい?」
僕が訊くと、彼女は火照った顔のまま見つめた。そして緩めた口のみを動かして「いいよ♥」と声のない言葉を返した。
「あっ、でる……でるっ!」
「あ゛っ♥ああっ゛♥ああんっ♥おぉ゛♥」
僕は咆哮を上げて腰振りを速める。それに合わせて彼女の体の揺れと嬌声が激しくなる。悲鳴に近い声とは裏腹に、手足は僕を締め付けていた。
ブチュンッ♡ブチュンッ♡ブチュンッ♡ブチュンッ♡────────ブチュッ♡♡♡
────ドビュルルルルルルルルルルルル〜♡♡♡ブビュルルルルルルル〜♡♡♡
「ん゛ん゛ん゛んんんんんんんんんっ♥」
そして、深くまで沈んだ瞬間、亀頭の先から何発目になるか分からない白濁色の精液が放たれた。しかもかなりの量で、今まで出したのとは比にならないほどに、脈動1つで大量の精液が子宮内に直接なだれこんでいく。まるで今まで吐いて捨ててきた分を注ぎ込むように。
彼女は目をぎゅっと瞑り、僕の肩に歯を立てて噛みつきながら、くぐもった絶頂声を響かせた。両脚はキツく締まり、絡んだ両手の爪が肌に食い込む。僕には、その痛みすらも射精を促す快感になっていた。
びゅぐるるるるるるっ♡
尚も射精は止まらない。きつく締まる蜜壷が激しく畝り、無数の肉襞が肉柱の全身に吸い付きながら、先端をクネクネとさせ、更なる精液の放出を促す。僕は腰を震わせながら、連続的に襲い来る快感に脳内を白く焼き切った。
「んんんっ…………♥」
気がつけば、彼女の子宮は僕の精液で白濁に満たされていた。その証拠に、貫いた亀頭が精液に沈み、生暖かさに包まれている。
まるで、僕の身体が彼女と溶け合い、混ざりあったような感覚だ。
「………………ぁ……」
数分後、彼女は口を離し、消えそうな声を漏らした。
「…………凄く、熱い……あたしの中、真っ白になってる…………赤ちゃんの種、いっぱい泳いでる」
「…………うん」
「…………あんたに、上書きされちゃった…………」
疲れたように、彼女はぽおっと染めた表情のまま、天井を見つめた。
そのまましばらく、僕達は絶頂後の余韻に浸った。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「あたしのお父さん、3歳の頃に事故で死んじゃってさ。顔とか覚えてないんだよね」
休憩を挟んだ後、僕は彼女からパイズリをしてもらっていた。今は、仰向けで寝転ぶ僕の足の間に彼女が入り込み、巨塔な肉柱を豊乳で挟んでいる。
彼女がドン引きするのも納得で、僕の肉柱は彼女の巨乳に挟まれても尚、黒い体を余裕で突き出していた。
「けど、あたしの名前を呼んでくれたことは覚えててね、今でも優しい声が耳に残ってる」
彼女は下乳を持ち上げ、谷間に埋めた肉柱を擦る。彼女の愛蜜で十分に潤った表面は、乳房の柔らかな感触を余裕で滑らせる。
「パパがいなくなってからかな、ママがおかしくなっちゃったのは。あたしのことを強く叱ったり、髪の毛を引っ張ったり。いつもイライラしてて、痛いよって言っても止めてくれなかった。けど、しばらくしたらごめんねって、謝ってくれたよ」
手のひらでぷるぷると乳肉を揺らし、硬直する僕のものを屠る。愛蜜によってぴちゃぴちゃと乳の脂肪が波を打つ音が形を持つ。
「……助けを呼ぶことは、しなかったの?」
「……うん」
両手で乳肉をぐにゅりと潰し、海綿体を圧縮する。絞り出されるように、亀頭の先から我慢汁が溢れた。
「どれだけ酷いことをされても、ママのことは嫌いになれなかった。痛いのはいやだけど、ママと離れるのはもっと嫌だったから、周りには言わなかったんだ。でも、痛いものは痛いから…………そんな時にさ、来たんだよ」
「…………お義父さん?」
「……家に帰って、知らない男の人がいるなーって思ってたら、ママが『今日からあたらしくパパになる人よ』って言ってさ。あの時のママ、凄く嬉しそうだった。あたしに見せたことがない笑顔で、ニコォッて」
彼女は舌を伸ばして、はみ出した肉柱と亀頭を舐める。愛蜜を唾液でぬるりと滑らせながら、雁首の溝に沿って走せる。
チロチロと畝る舌先は軈て亀頭の先を突っついて、我慢汁を掬った。
「れろっ♥…………それで、2人で住んでた団地を出て、お義父さんの家に引越したんだ。綺麗な家で、団地の部屋なんかと比べたら、全然住み心地が良かった。ママも前の優しいママに戻って、あたしのことを叩かなくなったんだ」
「でも、お義父さんは」
「…………あいつ、ママの前だけでは、あたしにいいお義父さんを演じてたから。ママのことは本当に愛してたと思う」
豊乳をぐにゅぐにゅと潰し、肉柱を湾曲させる。時折、薄桃の乳頭が擦れ合い、彼女の喉から甘い小声が漏れる。
「んっ♥…………初めて触られたのは、小5の時。早めに初潮が来て、ちょうど胸とかお尻とか、体つきが女の子に成長し始めた頃だった。周りのみんなよりもそっちの育ちが良かったから、良く男子達からそういう目で見られてたんだ。
当然、そんなんだから、お義父さんもあたしのことをそういう目で見てきて、ママが出かけて2人きりの時に、いきなり隣に座って、肩を組んで、お尻を触ってきた。で、あたしが何も言わないのをいいことにどんどん激しくなって、Tシャツとズボンの中に手を入れてきたよ。あー、気持ち悪かったなー、あの時の感触。まだ覚えてる」
「……お母さんには、言えなかったんだね」
「……また、あの頃に戻るのは嫌だったし、ママの笑顔が無くなるのはもっと嫌だったから」
「そっか…………」
「…………で、それから2人きりの時は体に触るようになって、酷い時は耳とか首とか舐めて来て……一線を越えたのは、小6の時で中学に上がる前。とうとう耐えられなくなったあいつがあたしを押し倒してきてさ、強引に服を脱がせて、体を舐め回してきた。乳首とかおまんことか、まだ男の子にも見せたことがない場所を攻めてきたんだ。
…………気持ち悪かった、すっごく気持ち悪かった。
けど、凄く気持ち良かった。1年間も弄られたんだから、お義父さんに開発されちゃってたわけ。
それで喘いじゃって、余計にお義父さんを興奮させちゃって…………そのままずぶっ、とね」
肉柱を潰したまま、彼女の手が止まる。
「初めてって凄く痛いって聞いたけど、あたしはそうじゃなかった。おちんちんの熱さとか、中を突かれる気持ちよさとか、そっちが勝っちゃって、思いっきり喘いじゃった。あいつもあたしの名前を呼びながら野太い声で好きだ、好きだ、愛してる、なんて、どーせ思ってもないくせに叫んで。ぶちゅってキスもしてきて。
…………でも、あの時は、確かにあいつから愛されてるって感じたよ。あたしも気持ち良くて、敏感なところを突かれる度にキュンキュンって体が疼いちゃった。中に出された時なんて、脳みそがパチパチって弾けちゃった」
「……お義父さんからの誘いは、それからも?」
「いくらなんでも生はまずいからゴム付きでね。生の時よりは物足りなかったけど、十分に気持ち良かったよ。たまにあたしが動いてあげると、気持ち良さそうにしてたし、頭とか撫でて褒めてた。まあ、そもそもあたしに拒否権はなかったから、仕方なくやってたんだけど。
…………お義父さんが死んだのは、中二の時だったかな。これまた事故でいきなりぽっくり、呆気なかったよ。
ママったら、あいつの亡骸の前でうぉんうぉん泣いてさ、あたしを見るなり『この疫病神!』って八つ当たりしてきた。まあ、パパのことがあるからある意味そうかもって思った。
一応、生命保険に入ってたから、生活には困らなかったよ。けど、お義父さんが死んでからは、ママは前みたいになっちゃって、叩いたりとかは無くなったけど、あたしのことを厄介者扱いするようになったよ。お小遣いもくれないし、高校までは面倒見るけど卒業したら出てけって言うし……ごめんねすら、言ってくれなくなった」
彼女は再び手を動かし、豊乳を揺らし始めた。
今度は激しく、左右の乳を互い違いにさせるように上下させる。愛蜜がより大きな水音を立てて、伝い落ちる我慢汁と混ざり合う。
「はぁ♥……はぁ♥…………それで、お金は自分で稼ぐしかなかった。でも、中学でバイトなんてできるはずもないから」
「ぅっ! ……セックスで?」
「あっ♥……初めてのお客さんは、童貞を拗らせた中三の先輩。1万円で、あんっ♥やってあげた。折角だから一緒に気持ちよくなろうって思って、色々とサービスしてあげたよ。そしたら、凄く良かったから、おまけしてあげるって、もう2万円くれたんだ」
彼女の手つきが速さを増し、僕は腰を震わせながら肉柱に血液を流した。
肉柱はより熱く、太くなり、尿道に鋭い感覚を走らせた。
「あっ、でるっ…………!」
ぎゅううぅぅぅぅ♡
彼女は豊乳を挟み、肉柱を潰す。
────びゅぐるるるるるるっ♡♡♡
「あっ…………♡」
刹那、亀頭の口から熱いものが迸った。薄膜のないため、精液は彼女目掛けて飛び出した。
びゅるっ♡べちゃっ♡びちゃっ♡
「んっ♥…………」
白い肌に、目を閉じた顔に、濡烏に、伸びた横髪に、豊乳に、彼女の全てに僕のものが降りかかり、白濁色に染めていく。
「あーっ♥」
さらに彼女を大きく口を開き、飛びつく精液の一部を口の中へと収めていった。
射精はしばらく続き、萎えそうになれば、彼女が胸を締め付けて無理やり搾り出した。
「…………んくっ♥」
無事に終えると、彼女は口に入った分を嚥下した。
全身が精液でベトベトに包まれ、顎から滴った分が糸を引いて谷間へ流れ落ちた。
「…………それから、あたしはこうしてお小遣いを稼ぐようになった。これならあたしでも出来るからさ。それに、抱かれてる間は、心の中が温まって満たされるから」
彼女は亀頭に残った精液をぺろりと舐めとる。
「んっ♥……学校の先輩は結構な人数で、同級生も頼まれたら筆下ろしってことで3万円でやらせてあげた。みんな馬鹿みたいに張り切ってさ、中には1年頑張って貯めてやる子もいたよ。そんなことするくらいなら、恋人を作った方が早いのに」
「それは言えてる」
「でしょ?」
指先で顔に付いた精液を取りながら笑う。
「中3の時に、初めて恋人を作ったんだ。セックスだけじゃなくて、実際に恋愛とかしたら変われるかなって…………でも、ダメだった。なんにも感じれなくて、セックスしてる時しか愛されてるって思えなかった。そんなんだから、彼氏の方から振られちゃった」
薄い笑みを貼り付けながら、指先に集めた精液をしゃぶる。
「んちゅっ……大人を相手にするようになったのは、高校に上がってから。中学は荒れてたから、高校に上がったら変われるかなって。まあ、結果はご覧の通り。なんにも変われなかった。相変わらずお小遣いは貰えないから、今まで通りに稼いだよ。でも、大人の方がお金とか優しさとか余裕とか持ってるから、中学の頃よりもお金も愛も沢山貰えた。偶にやばいこと要求してくる外れもいるけどね」
ぬるり、と音を立てて豊乳から肉柱が引き抜かれる。乳と肉獣の間で白濁の糸が引いた。
乳圧から解放された僕のものは、濡れそぼる黒い体を暖色の光に染めながらだらんと垂れた。
「ようやく収まった……最後まで精子たっぷりだったね。結局何回出したの?」
「いや、僕にも分からない」
素直に答えると、彼女は呆れた顔で口角を上げた。
四つん這いで移動すると、彼女は僕の横に寝転がり、寄り添うように精液でべとついた体を密着させた。
「あーあ、こんなに話すつもりはなかったんだけどなぁ。なんであんたに話しちゃったんだろ」
「でも、少しは楽になった?」
彼女は目を細くしながら頷く。
「昔のことまで話したのはあんたが初めてだよ。可哀想とか、そういうことも言わずに黙って聴いてくれたのも」
白い腕を伸ばし、細い指先で僕の顎に触れる。
「……ありがとう。あたしの中、上書きしてくれて。こんな出会い方しなかったら、多分惚れてたと思う」
「こんな出会い方でしか出会えなかった気もするけど」
「ふふっ、それはそうか」
「僕の方こそ、凄く気持ち良かったよ。お礼を言わせて欲しい。お金の方もちゃんと払うよ」
「あたしから誘ったんだから安くするって」
「そういうわけにはいかないよ。ここまでやってもらったんだ」
最高の奉仕をして貰った上に、彼女の過去まで聞いてしまったのだから、こればっかりは譲れない。
彼女は困った様子で口を尖らせる。そして少ししてから、じゃあ、と口を開く。
「頭、撫でてよ。それであたしは十分だから」
僕は彼女の頭の下に腕を伸ばし、腕枕を作る。
そして彼女の望む通りに、彼女の頭に手を置き、精液で汚れた濡烏を優しく撫でた。手が汚れようが、お構い無しに。
彼女は猫のように目を細め、気持ち良さそうに表情を緩めた。ゴロゴロと喉を鳴らしている気がした。
しばらくの間、僕達はセックス後の余韻に浸り、静かに眠りについた。
次の日、窓から差し込む朝日を浴びて目を覚ました。
隣で寝ていたはずの彼女の姿は何処にもなく、使用済みのコンドームも、使い切ったローションの容器も、全てがなかったかのように片付けられていた。
時間を確認しようと、ベッド脇に置いていた鞄の中からケータイを取りだし、メッセージが複数届いていることに気がついた。
『昨日はありがとう。あたしも凄く気持ち良かった』
『あんたみたいなデカチン、早々出会えないから貴重な体験だったよ』
『彼女になる人はきついかもしれないけど、もし出会えたら大切にしてね』
『あとお金は要らないよ。今回はあたしの奢りってことで』
『奢りって言い方は変かな? まあいいか』
『ありがとう。そして、さよなら』
また逢おうね、とは書かれていなかったことに少しの寂しさを感じながら、僕は部屋を後にした。
途中にある24時間営業のコンビニでおにぎりとパンを適当に購入し、駅のホーム内にある椅子で朝食を済ませた。
帰りの電車の中、僕は昨夜の彼女との行為を振り返りながら、彼女から送られたメッセージをしばらく眺めた。
それから、僕は彼女とそれっきりだった。
というのも、彼女が高校を中退してしまったからだった。
彼女が援交をしていたことがバレたとか、妊娠して男とくっ付いたとか、様々な噂が飛び交っていたが、結局、真相は分からないまま、時は過ぎていった。
後日、Yさんに彼女のことを聞きに言ったが、あの人も知らないと答えた。僕が落ち込んでいると勘違いしたようで、励ましながらオレンジジュースを奢ってくれた。オレンジの酸っぱさが喉に染みた。
1ヶ月、1年と時間は流れ、みんなの記憶から彼女はいなくなった。
けれど、僕の頭には、彼女との短いながらも濃い記憶が、何時までも残っていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇エピローグ◇◇◇◇◇◇◇◇
あれから数年が経った。
初っ端から大学受験に失敗した僕は、高校を卒業後、一浪を経て東京の大学に進学した。渾身の別れかのように涙を流す両親に呆れながら、僕は都心から少し離れたアパートに引っ越し、一人暮らしを始めた。
初めは知らないことだらけで躓くことも多く、単位を取り逃さないように勉強とバイト漬けの日々を送った。
とはいうものの、遊ぶ時はきっちり遊び、サークルに加入して仲間たちと一緒に迷惑をかけない程度にバカ騒ぎをしていた。他人に迷惑をかけてまでバカ騒ぎするほど、僕のいたサークルの人達は非常識ではなかった。
卒業論文を書き終え、卒業記念の旅行を満喫した僕は、晴れた気持ちで大学を卒業し、地元に就職した。本当は東京に就職することも考えていたのだが、大学4年間での生活を振り返ると、都会の波に押し潰される毎日を送るよりは、地元に戻った方が良いと思ったからだ。
それに、ほんのわずかだが、彼女に再会するかもしれない、という気持ちもあった。記憶に残っている彼女にもしも会えたら、なんてことを考えていた。
そんな思惑も、4月からの激闘の毎日の中で薄れていった。魑魅魍魎という言葉が当てはまる現場の中で、僕は全身から汗を流し、白シャツに大量の汗を染み込ませながら働いている。僕よりも仕事が出来る人が多いという小さな劣等感も抱えながら、なんとか足掻いていた。
──9月上旬
暑い夏休みが終わりを見せ始め、長期休暇を満喫していた学生達がゾロゾロと登校を始め、電車内が混み合う時期のことだった。
特に趣味と言えるものがない僕は、休日に暇を持て余していた。仕事の疲れもあって、何か運動をしようという気も起きず、かといって、家に籠るのもそれはそれで億劫だと思った。学生の頃なら自転車でちょっと遠くまでひとっ走りなんてことができたが、この歳になると、その気力すら湧かなくなる。三徹が余裕だったのも、今では一徹すら難しい。
僕は鉛のように重い体を起こして、気晴らしに散歩でもしようと都心へと足を運んだ。休日ということもあって、電車内に出勤ラッシュの波はなかったが、代わりに休日を満喫する人達の群がりに押しつぶされそうになった。
それを何とか乗り越えた僕は、駅から降りて、宛もなくフラフラと歩いていた。途中で美味しいものを見つけたら買っていこう、たしかこの先にファストフードがあるから、お昼ご飯はそこにしよう、なんてことを考えながら、人通りの多い幅広な歩道を進んだ。
しかし、美味しいものなんて漠然とした言葉にしてしまったから、結局、僕はただ歩くだけで何も買わなかった。散歩なのだから、それでも別に良かった
そして、歩道の脇にスペースを広くとって設置されていたベンチを見つけ、僕は腰をかけた。2つ並べられており、片方には濡羽色の髪の女性が座っていた。
スマートフォンで時間を確認し、10分ほど休憩をしようと考えたところで、ふと僕は、あの頃のことを思い出した。
──確か、彼女から校舎裏に呼び出されて、そこで突然性行為を迫られたんだっけ。それで僕は迷って、彼女が勝手に電話番号を交換して──
あれから数年が経ち、僕の黒いガラパゴスケータイは寿命を迎え、今は赤色のスマートフォンが生活を支えている。けれど、電話番号やその他の点では、引き継いだものはいくつかあった。
僕は普段から確認していない連絡先を確認し、上司や同僚、友達、家族の名前を流し読みして、彼女の名前と電話番号を発見する。
どうせもう使っていないだろうから、そんな軽い気持ちで、僕は画面をタップして、試しに電話をかけてみた。
それと同時に、隣のベンチに座っていた女性のスマートフォンから着信が響いた。僕は咄嗟に彼女に顔を向けた。
濡羽色の髪はもちろん、長い横髪に桃色の瞳、露出したムチムチな太腿と胸の谷間に、僕は見覚えがあった。変わったとすれば、容姿がより大人になったことと、短くしていた後ろ髪が長く伸ばされてあることぐらいだろう。
僕は目を見開き、彼女もまた目を見開いた。
「あっ」
僕と彼女の声が重なる。
人の騒がしさと足音、信号機の音、自動車のエンジン音、広告の爆音、騒音の群れの中で、僕達はお互いの声を捉えていた。
「…………とまあ、そんな感じで学校を中退になったわけ」
そんなこんなで数年ぶりに再会した僕らは、生き別れた恋人でもないので抱き合うことはなく、とりあえずということで、近くのファストフード店に入って昼食をとっていた。
外で歩く人が見える窓側のカウンター席、その端っこで並ぶように座っている。僕はハンバーガーとポテトのセットを頼み、彼女は魚のバーガーとナゲットのセットを注文した。
そして今は、彼女が高校を中退して姿を消した理由について真相を語っていた。
彼女が高校を中退した理由は、援交をしていたことがバレたからでも、妊娠したわけでもない。単に成績が悪すぎた上に出席日数が足りなさ過ぎて、留年か中退が確定していた。それで、当然のことながら母親からは激怒され、もう一年分の学費を払う余裕はないとして、中退を選ばざるを得なかったから、だと言う。
「なんというか……こればっかりは勉強をサボった君のせいだね」
「あー、うん。ママが怒るのも仕方ないのは、自覚してる」
「僕としては、てっきり深刻なことでも起きたのかと思ってたけど…………かっこ悪い」
「うっさい」
彼女は軽く肩を小突いた。少し意地悪に言ったけど、本音としては一大事が起きてなくて良かったと思っている。
「……で、あんたはどうなの? 彼女とか出来たの?」
ナゲットを摘みながら、仕返しのように意地悪そうに訊ねてきたので、僕は答えた。
彼女と一夜を共にしたあとのことを。
高校三年生で進路が決まらず、大学受験に失敗し、1年浪人したこと。
大学に進学したあとは、勉学とバイトとサークル活動の毎日を送っていたこと。辛くも楽しく、充実した日々を送れていたこと。
そこで1つ先輩の女性と出会い、僕から告白してお付き合いをしたこと。彼女と思い出を重ね、キスや手繋ぎを沢山したこと。
…………その女性との初めての夜で、僕の一物の大きさに彼女が悲鳴をあげてしまったこと。
…………それ以降、彼女が僕を避けるようになってしまったこと。
…………いつの間にか彼女に新しい男が出来ていたこと、しかもその男が同じサークルの陽キャだったこと。
…………彼女から別れ話を切り出された際に、『あなたのことは嫌いじゃないけど……あれが大きすぎてちょっと』とやんわり棘をぶっ刺されたこと。
…………それ以降、僕は女性との恋愛が出来なくなったこと。
…………さらには、悲しい気持ちを癒そうと、そっち系のお店に一度行った際に『お客さんのサイズは、流石に……』と断られてしまったこと。
お昼時ということもあって、僕達の会話は周りの客の騒がしさに掻き消されているので、恐らく僕の話した内容は他人に聞かれてはいないだろう。だから、余計に溜めていたものを吐いてしまう。
「………………」
「まあ、うん、あんたのデカチンじゃあ、ねえ、早々相手にできる女の子は…………ドンマイ」
就職と同時に、心の奥底に鎖でぐるぐる巻きにして沈めていたはずの悲しい思い出が、次から次へと浮上してきた。雨が降っていないのに、自分の周りに湿気が篭っているような気さえする。
僕は巨根である。
しかし、これは行き過ぎた巨根であり、一般女性とまともなセックスが出来ないほどに不便なのだ。誇らしいものも、行き過ぎたら単なる邪魔なものでしかない。初めて好きになった人にすら拒絶される。僕は巨根である己を恨み、自分の運命を呪った。
彼女は落ち込む僕を見て笑うことはせず、同情するようにナゲットを差し出してきた。僕は黙って受け取り、1口齧った。
「でもまあ、仕方ないって。あんたのそれを見たら普通は怖気付いちゃうもんだよ。あたしだって初めて見た時は怖かったもん」
「…………短小にする手術ってやってないかな」
「そこまで考えなくてもいいでしょ。ほら、ナゲットあげるから」
「……ポテト、あげるよ」
彼女と交換するように、僕はポテトを容器で差し出した。彼女は数本摘むと、口の中へサクサクと齧った。
「でもいいなぁ、大学のサークルとか超楽しそうじゃん。あたしもお金があったら入りたい」
「……君はどうだったの? 中退した後もあれは続けた?」
僕が訊くと、彼女は薄い笑みを浮かべた。
「一応、ね、初めの数年は。ママから家を追い出されてからはずっと1人だったから、お小遣いを稼ぐって意味で」
「寝泊まりはどうしてたの?」
「部屋の借り方とかもわかんなかったから、おじさんとかの家に数日泊まらせてもらったり、ネカフェで1日過ごしたり、お金が無い時は暖かい場所でなんとか乗り切ったりしてたよ」
「Yさんのところには?」
「いけないって。彼女さんがいるんだから、あたしが行ったら修羅場だよ」
彼女はハンバーガーの袋を開ける。
「それから、お客さんの伝でソープのお店を紹介されて、そこでしばらく働いてた。初めての仕事だったから、結構緊張したなー。でも、結構面白かったし、先輩とかも優しくしてくれたから、まあまあ稼げたよ……でも」
彼女はハンバーガーを1口齧り、「全然気持ちよくなかった」と呟いた。
「前は相手を気持ちよくしようって思ってやってて、あたしも一緒にってできたのに…………どれも、奥の方に届かなくて、全然キュンって来なかった。愛なんてもっと感じられなかった」
「愛、か」
僕もハンバーガーの袋を開けて1口齧る。ケチャップがバンズとパティの狭間から溢れそうになるのを止めていると、彼女がジト目でこちらを見ていた。
「……もしかして、僕のせい?」
「……まあ、あんたの一物がデカすぎて、あたしのここと体があんたのデカチン専用になったってことだから、そういうことになるのかも」
つまり、僕の一物でなければ感じられなくなったということだ。
「で、まあキュンって来なかった結果、そこも辞めた。それで、今は先輩の伝で紹介してもらった店でバイトしてる。もちろん、そっち系のお店じゃないよ。そういうの、もうやってないし」
「君が」
「驚いちゃうよね。散々パコパコしてお小遣い稼ぎをやってたあたしが、無関係な場所でバイトなんて。
……でも、楽しいんだ。体を沢山動かして、汗水垂らして、必死で働くの。どれも知らないことばっかで、失敗だって沢山してるのに。それが新鮮でさ、セックス以外で誰かから『ありがとう』なんて言われたの、人生で初めてだった。後輩の子も出来て、あたしに頼ってくれたりしてさ。頼られるのも、今までなかったから。
あと、その店の店主さんがいい人でね。アパートの部屋を貸してくれてるんだ。だから、今は一人暮らし。うん、超楽しい」
彼女は笑みを零しながら、楽しいという言葉を繰り返した。溢れるものが抑えきれないといった感じに、彼女は今の生活について嬉しそうに話す。
数年前の彼女は、性行為で体を重ね合うことで愛の温もりを感じ、自分を満たしていた。しかし、今はそういったことをやめて、素敵な人達と出会い、こうして自分から嬉しい、楽しいと話せている。
「変わったね。良い意味で」
「あたし、変われた?」
「うん」
僕はストローに口をつけ、コップに入ったコーラを吸う。照れくさそうにする彼女も、ホットコーヒーを一啜りした。
「……今のあたしなら、そういうことしなくても、愛とか感じられるのかな」
ふいに、彼女は囁くように言った。遠い目で歩道を歩く人達に目を向けているが、桃色の瞳は彼らを捉えてはいない。そして自分の発言がおかしかったのか、すぐに眉を緩めて、ふっと吹き出すように笑った。
「じゃあ」
僕は返すように口を開いた。
「その愛ってやつを、僕と探してみるのはどうかな?」
彼女に視線を向けた。彼女は目を点にして僕を見ていた。
「えーっと、新手の口説き?」
「みたいなもの、かな」
「……やりたいの? また」
「それは……少しだけある」
「正直に答えるかな、普通」
「けど、そういう意味じゃないんだ。君がセックス以外で愛を感じられるように、僕と一緒に探してくださいって言いたかったんだ」
「ふーん、そう」
「……つまり、僕と」
その台詞を言う前に、彼女は手のひらを僕に向けて言葉を静止させた。
その状態のまま、彼女はしばらく黙っていた。顔は窓の外に向けていて、こちらを見てくれない。けれど、濡羽色の髪からこちらを覗く白い耳は真っ赤に染まっていた。外を歩く人たちも、彼女を見ながらニヤニヤとしている。
1分ほど経って、彼女はようやく唇を解いた。
「あたし、結構重いよ。1度掴んだら早々離さないよ。他の女とイチャイチャしてたら、猫みたいに引っ掻くかもよ。あと、あんたのパパとママが怒るかもしれないよ。それでもいい?」
突き放して逃げるように訊ねてくる彼女の手を、僕は頷きを返すことで掴んだ。
両親に関しては、そもそも2人があんなんだから、彼女のことは歓迎してくれるだろう。
彼女は両手で顔を多い、深い息を吐いた。
「……デザート、奢ってよ」
「え?」
「初回手数料。奢ってくれたら、年会費とかいらないから。そういうのはいらないから」
「それは、つまり……」
「……どうせあたしの体、あんたのじゃないと感じられないし、あんたもあたしぐらいしか体の相性がいい女、いないでしょ…………まあ、噛み合った歯車っていうか、運命共同体っていうか…………そういうことだから」
彼女は言葉を濁す。けれど、彼女が言いたいことは、僕にはすぐに分かった。
僕は微笑んで返事をする。彼女はこちらを向き、顔を赤くしたまま、恥ずかしそうに笑った。
僕達の間に言葉はない。だが、お互いの気持ちは無事に伝わったようだ。
「ねえパパ、何見てるの?」
「んー? いや、若いなーって思ってよ」
「どういういみー?」
「お前も高校生くらいになったら分かるさ」
「パパ、手拭き持ってる?」
「おう。はい、メイたん」
「もう、外でその呼び方はやめて」
そんな僕達の背中を、とある人が暖かい目で見守っていたのだが、僕も彼女も、それに気づくことはなかった。