ガチャンと音を立てて玄関のドアを閉める。上京して親元を離れ、数年。運良く決まった職場は今も変わらず。
程々に頑張り、それなりの給料を得て生活し、今は休暇を取って墓参りに。
暦を見れば早いものでもう8月半ばだ。こんなくそ暑い時に外に出る用事が出るのは気が滅入るが、仕方の無い事と割り切るしかない。
妹が死んだのもこの時期だった。放課後学校から帰る途中によそ見運転をしていた車に跳ねられた。歩きだから身を守る物なんて着けてる筈もなく、そのまま妹は即死と断定された。
朝一緒に登校して、帰った時にはもう居ない。余りにも突然過ぎて、何も考えられなかったのを今でも覚えている。
嘆いても怒っても妹は帰って来ない。幸いと言っていいのか、逃げた犯人は捕まったがそれで家族全員の気が晴れる訳でもなし。結局は時間が傷を誤魔化すまで、どんよりとした空気は家に残り続けた。
自分もあの出来事が無ければ、立ち直るのはもっと後だったかもしれない。
扉の施錠を済ませるとリビングの方へと歩き出す。わーわーと聞こえる誰かの話し声は、点けっぱなしにしていたテレビからの音。家には自分が居ないというのに、どうして消して行かなかったのかと言えば、
「──おっ!お兄ちゃんおかえり〜!」
死んだ妹が退屈にならないようにだ。
あの日着ていた学生服を身に纏い、何年も変わらない姿のまま現れ続ける。お盆が始まり、終わりが来るまでの短い時間。その間だけ妹は帰って来るのだ。
「テレビ飽きたから構ってよー」
買ってきた食材を冷蔵庫に入れる。妹は暇だ暇だと駄々を捏ねているが、それは無視する。
この妹と始めて会ったのは1回目のお盆からだった。まだ悲しみ冷めやらぬなか、重々とした雰囲気で墓参りは終わった。簡単な食事を終えて、それぞれが部屋に戻った後に当たり前の様に妹は現れたのだ。
「お母さんもお父さんも反応してくれなくてさ〜。お兄ちゃんだけだよ」
曰く墓に出掛ける前から居たが、両親共に無視するからと拗ねて引き籠もっていたらしい。どうせ気付かれないならと、自分の部屋で好き勝手してる所を発見した。
「うーん、やっぱり死んだか」
ベッドの上を占領されつつ話す。死んだ自覚は朧げだがあるらしい。とは言えこうして自分と話せるから、何処か夢なんじゃという感覚もあるとか。
実際自分も妹と話しているからか、徐々に実感が遠ざかって行く。
「お兄ちゃん、新刊買ってきてー」
「いや、だって、触れないし」
後で妹と揃って両親の前にも顔を出したが、妹の言う通り見えてはいない様子。これは相談したら頭が可怪しくなったと思われるな。そう思い妹の幽霊を見た事は話さなかった。
1日目が終わり、特にやる事も無いからとダラダラしていると妹から思い出した様に要望を伝えられる。
幽霊何だから立ち読みでもしてくれば良いじゃんとは言ったが、持とうとした本がスルリとすり抜けるのを見ると難しいと分かる。
「いってらー」
幽霊だから疲れはない。夜に騒がれては睡眠の邪魔になってしまう。仕方ないと財布を取り出し近くの書店へと足を伸ばした。空調が効いているから出るのは少し戸惑われたが、早く届けた方が良いとアイスを口にしながら歩く。
「捲って」
…まあそうなるよな。胡座をかいた上に座り、雑誌を読む妹。触れないって事は…と帰り途に思い付いた事がそのまま現実になった。
ページ捲りマシンと化した自分は、その後夕食に呼ばれるまでそれを繰り返したのだ。
「あ、消えそう」
お盆も最後の日。時刻が12時の数字を指す直前に妹は言った。その後はフッと消えて、それから何度呼び掛けても戻る事はない。
自分も幻を見ていたのかと何ヶ月か経った後には思うようになった。それ程までにパタリと現れなくなったのだ。
「お久〜、また来たよ」
そして2回目のお盆の始まり。その時に妹はいつの間にか居たのだ。この1年は何処に行っていたのかと聞きはしたが、あんまり現世の人には言えないと珍しく口を噤んだ。
あの世には閻魔様や鬼が居るとは語られているが、そう言った人?達に口止めをされているのだろうか。
「え、嘘!?」
もしそうだとしたら無理に聞いても迷惑か。特にそれからは言及せず、のんびりと過ごしていたが。ふと思い出したので、妹が愛読していた雑誌が無くなった事を伝えておいた。
伝えると驚き様は凄まじく、寝転んでいた状態からガバッと上体を起こしていた。
「1年分読もうと思ったのに…!」
やめろ。置く所も金も負担が多すぎるわ。最終号は買っておいたからそれで我慢しろ。そう言うと渋々と言った態度で、読ませろと命令してきた。
またページ捲りマシンの時間が始まる…。
「どう?冷たい?」
ページ捲りマシンの業務が終わり、今は手の平を妹の手の平と合わせている。前から不思議には思っていたが、何故か触れるのだ。
幽霊とは透けていて物体を通り抜けた様に、人間では触れないモノだと思っていた。しかし胡座をかき、乗ってくる妹には重さを感じた。つい重い…と呟いたせいで頭突きはされたが、頭突きが効くのもおかしな話。
「こっちは…ほんのり温かい…気がする?」
という事で手を合わせてみたが、幽霊らしく冷たくは無かった。温かくもないし冷たくもない。なんて言えばいいのか、適温?だろうか。妹の方はそうでも無く、少し温かみを感じるとか。生の波動的なのでも出ているのかな。
「お、色々触れる!ふんふん…」
改めて自分の触れる事を確認した妹は、顔、腕、お腹と遠慮なしに触ってくる。生前でも此処まで積極的なのは無かったなとぼんやり思い出していると、
「…お兄ちゃん、セックスしない?」
飲んでいたドリンクを吹き出す衝撃が飛んできた。
掛かりはしなかったが、驚きから反射的に妹は距離を離した。
「危なっ!掛かったらばっちいじゃん!」
「いや、でもしたくなったから…」
お前がびっくりする様な事言ったからだと反論すると、やはり聞き間違えではなかったのか、なんて事ない風に妹は返答した。
曰く初体験はしておらず、彼氏も居なかった事が妹にとっては一番の後悔らしく。自分が触れるのならと先程の提案をしたようだ。
「もう死んでるし、気にしなくて良いかなーって」
俺兄。お前妹と極当たり前の価値観を提示すると、軽い返事が返ってくる。そりゃ確かに幽霊だから…子供とかは出来ないかもだが、所謂一般倫理的になぁ…。
「ほい」
突如妹がスカートを捲る。すると中からは薄いピンク色のパンツが目に入った。思わず目が釘付けになり、慌てて後から目を逸らした。
「…ふふふ、ねぇ良いでしょー、お兄ちゃん♪」
ニヤニヤと笑みを作りながら、妹は身を寄せてくる。今の対応は失敗した。あれでは目の前の妹を調子付かせる要素しかないのは明白だ。現に妹からはからかうような空気が感じられる。
「妹のパンツ見ないんだよ~♪普通のお兄ちゃんは…」
顔を合わせたくない。どうせしている表情なんて想像はつく。これ以上は喋らずに、この場を乗り切るしかない。
「…私、お兄ちゃんが良いな。初めて」
「昔から好きだったんだよ?お兄ちゃんの事」
…それは薄っすらとだが感じてはいた。だからこそ、一度すれば互いに遊びにならないから、こうして拒否しているのだ。
「ねぇ、しようよ…お兄ちゃん」
その後も、妹からは誘惑が続いた。もう居ない存在だからノーカン。一度すれば良いから。未来の彼女の前に練習したいでしょと様々な誘い文句が囁かれる。
「…妹と生でし放題だよ?お兄ちゃん…♡」
「はー…♡…気持ち良かったねぇお兄ちゃん」
幽霊とは言え、妹としてしまった。横には裸体の妹が寝そべっている。服は脱がせると消える。何とも不思議なシステムだ。
「んぅ…♡お兄ちゃん…♡」
親が居ないから、止まる事はなく何度も妹の中で果てては、その幼い腟内に性を吐き捨てた。生で感じる妹の蜜園は、忘れ得ない快感を貴方に与える。
「また、来年には来るから…んっ」
お盆最後の日に、誘惑に負けて手を出した兄。そんな兄を受け入れて、妹は微笑みと共に消えて行く。
少し寂しそうな目を向けた姿が、貴方の心の中に残った。
「其処!」
今年も来た妹の相手をする。家を変えたのに当たり前みたいに出現するから少し驚いた。物に触れないのは変わらず、故に代わりに駒を動かして、擬似的に勝負を進めていく。
「むぅ…負けた」
顔を出す時以外は何をしているのかは知らない。けれど鍛えてないのならば勝つのは自分だ。暇潰しに練習をしても1年分のアドバンテージは大きい。今では勝ち越す事が多い。
「ならばこっちで勝負!」
そう言うと妹はズボンのチャックに手を伸ばす。そして素早く中の物を取り出すと、指で輪っかを作り扱き始めた。
「直ぐに勃たせてあげるからね〜♡」
妹の誘いに乗り、体を重ねてからは兄妹の日常の中にコレが入り込んだ。何方からともなくしたくなると求め、不思議な事に拒む事が無い。
今も急にだなと呆れはするが、ヤる事自体は否定しない。
「ちゅ…ちゅう…んっ…」
妹の小さな手で一物を起こされつつ、顔を寄せて舌から絡め合いキスを開始する。両親が急に来るかもしれない実家ではなく、自分の家だからか妹の誘いの頻度は高い。
此処に居る時間が短いからそうさせるのかと思うと、断る事なんて出来なかった。
「んんっ♡おっぱい吸ってる…♡♡」
自分にもスイッチが入り、妹を抱き上げる。制服を上にずらすと、変わらない薄いピンク色のブラが現れる。その中から現れる突起も変わらないピンク色だ。成長はしないから、大きさも変わらない。揉むには足りない控え目の胸を吸いながら、妹の手淫を受け続ける。
「んっ…♡んんっ…!」
勃ってきた一物は、これから迎え入れてくれる幼い腟内に期待を寄せている。今や入るには少々キツイが、そのキツさが心地良い。それは妹も同じで、大きく中を拡げてくれるモノを、上からズブリと飲み込んでいった。
「んっ♡んっ♡大きい…っ♡お兄ちゃんの…っ♡妹、妹殺し…♡♡」
上に乗り、たんたんと慣れた腰使いで動く。ギュウギュウと締め付け来る中は、気を抜けば直ぐに果てそうなくらいに気持ちが良い。
「んあっ♡いくっ♡お兄ちゃんの来てる♡♡」
体制を変えて、今では一回り以上も妹より大きくなった体躯で襲い掛かる。バックから覆い被さり、妹の背中と自身の胸板を着けた状態で腰を振る。
あんっ♡あんっ♡と可愛い声で鳴く妹の喘ぎが、更に肉棒への興奮を煽った。
「あああっ…!!♡♡♡」
頭を床に押さえ付けてグッと奥まで肉棒を捩じ込む。腰がピタリと着くくらいに密着し、ビュルビュルと射精する。
全身をガクガクと震わせて、身震いをする妹の腟内には、兄である貴方のザーメンが満タンに注がれていた。
「…遠慮なくなったよね、お兄ちゃん」
射精を終えて、余韻に浸っていると復活した妹からそう言われた。確かに始めの頃は中に出すのを躊躇っていた。
幾ら出来ないだろうとは言え、考えなしに楽しめる程楽観的ではなかった。
「……まあそうだけどさ…♡」
しかし何度も何度も、妹の中に出すのを覚えてからはもうこうしないと満足出来なくなったのだ。外出しよりも、中に突き入れて吐精する。この快楽を覚えたらそれ以外はしたくなる。そう言うと妹もそれには同意なのか、頬を赤らめながらニヤリと笑った。
「──お兄ちゃんっ♡来て♡来て…っ♡」
2回目は直ぐに始まった。妹の中に突き入れ、今度は正面から覆い被さる。ピストンは一度射精したからか長く続き、再び太く張り詰めるまでは時間が掛かった。
「ひぃっ♡んひぃっ!?♡♡お兄ちゃん♡♡早くっ…!♡♡」
流石にこれだけノンストップで突かれていると、快感が限界に達するのだろう。女の子がしていい表情ではない顔を見せながら、2度目のザーメンを受け止める。
「フゥフゥ♡♡…そろそろごはん…♡食べないと…♡」
時刻を見れば夕食には早い時間。だがこの後の事を考えれば食うべき時刻。
ズルッと妹の腟内から一物を引き抜く。それだけでも素っ頓狂な声を妹は上げた。飯の前に風呂だなと、浴室に向かう前に一物を妹の前に差し出した。
「んちゅ♡じゅるる…♡」
何も言わずとも、妹は掃除を始める。暫しお掃除フェラを堪能してから、風呂場で汗と汚れを流した。
「物に触れれば料理とか作れるのになー」
自分以外に干渉出来ない妹は、何かを手伝う事は出来ない。昔は気にしてなかったが、今は一人暮らしの生活を見ているから、思う所はあるようだ。
「美味しい?それ」
他愛ない会話を交わし、皿に乗せた料理を平らげていった。片付けと洗いものをすれば今日やる事はもう無くなる。
「じゅるるっ!じゅぞぞぞ…じゅる、れろ…」
「ちゅぽ…♡いっぱい抜いてあげるねー♡」
ソファに座り、その前にしゃがむ妹から奉仕を受ける。
1年に数日間だけ会える。トータルで見れば経験値はそこそこになる。だが、妹の口の中は気持ちが良い。比較対象を知らないと云うのもあるが、それを抜きにしてもだ。
「んじゅるる♡ひもひいー?」
肉棒を勃たせる為に最初は激しく。それが済むとそこそこの快感を与えて、フェラという行為を長引かせてくれる。
妹に奉仕される時間は好きだ。跪く妹を見ると快感とは別の愉しみを覚える。
「──んああっ…!!♡♡」
だからそのお返しとして、今日は妹の好きな対面座位で貫く。快感の変化球として少し体勢を帰る以外は抱き締めながら、下から突き上げる。胸と胸板を合わせると、まるで溶け合ったかのような錯覚に溺れる。
「ふぅ…♡今日はこれくらいにしとこっか。明日もあるしね」
深夜に最後の射精を終えると倒れ込む。ソファの上だから少々狭いが、自分の上に感じる重みは悪くない。移動するのも億劫だ。今日は此処で寝てしまおう。
「じゃあおやすみ、お兄ちゃん♡」
妹は幽霊だから眠る必要は無い。徹夜をすればもっと妹とは触れ合えるが、無理は禁物。短い時間を少しでも満足して過ごせるように、今はゆっくりと瞼を閉じた。
妹ちゃん
中学生辺りに亡くなった子。小柄。
思い付いたネタで書きました。しんみりし過ぎない出来栄えで良かった。姉とも迷いましたが、妹の方がしっくり来たんで妹バージョンに。書いてからですが、幽霊なんで喋れない方向性にするのもアリだったかも。思い付いたのが後だからしゃーないね。