──ピピピッ…ピピピッ…
「ん……」
(もう朝かぁ…)
近くにある目覚まし時計に手を伸ばす。もう少し寝ていたいがバイト前には頭の起動を完全に終わらせておきたい。
だから億劫だが、身を起こそうと体に力を入れるが…
「んみゅ…」
「…ああ、そういや居たな昨日…」
「陽喜ー……ふふ…」
(ちょっと暑いな)
重さを感じてこれは何だと疑問に思うが。昨日の遣り取りを思い起こせばその疑問も解決する。昨夜はこの自称彼女が押し掛けてきた夜。夜になっても来なかったから今日は来ないのかなと安心していたら、滑り込みで来た。
「ごめんね!陽喜。バイトしてたら遅れちゃった」
「バイト?」
「うん。陽喜が居るんだし、前みたいな
「へー」
いつの間にかバイトを始めていたらしい。学校帰りに短時間で前ほどの稼ぎは勿論出せないが、運命の人を見付けた以上裏切る事は出来ないとスビアは気合いを入れている。
「もうスビアは陽喜専用だからね♡」
「…はいはい」
粗方の内容、何処でバイトしてるかとか何のバイトをしてるかを一方的に聞かされた後は腕を抱かれる。安心してとでも言いたいのか、少しドヤ顔で見つめて来るのが鬱陶しい。
しかし見た目は良いスビアが自分専用という響きは男として心地が良い。正直悪い気はしなかった。
「えー!先に寝ないでよ、私と一緒に寝よ!陽喜!」
「夜だから声は抑えめにしろって…!…じゃあさっさと風呂済ませてこい」
「うん分かった!絶対に先に寝ちゃ駄目だからね?」
(元気だなこいつ…)
大学生だから学業に勤しみ、その上今日はバイトもしてきた訳だ。なのに何時もと変わらないテンションには少し呆れる。こちとら朝から遅くまで仕事漬けだから構う気力はそんなに無い。ぶっちゃけ早く寝たいがそれはそれで後で五月蝿いしな…。
「明日は…こっちか」
スマホを見て時間を潰す。明日の確認としてスケジュール表を開くと、中には記載がそこそこ書かれている。
今日は単発のバイト。疲れはしたが実入りは良かった。明日からは馴染んだ飲食店のバイトだ。やる事自体は分かってるから今日程は疲れも溜まらないだろう。
「お待たせ、陽喜♪」
「ん…ああ出たのか…ふぁあ」
「待たせてごめんね。それじゃあ一緒に寝ようね」
流石に眠気がキツくなってきた辺りでスビアが風呂から帰ってくる。寝る前も何だかぺちゃくちゃ喋っていた気がするが、直ぐに目を閉じて意識を奥底へと沈めていく。疲れてるんだ。寝る。
「陽喜…」
「こいつ…!意外と力強いんだよな…!」
そんなこんなで朝を迎えると、スビアからの強烈なハグの中目覚める。頭をがっしりと腕で固定され、抜け出そうとしてもまるで起きてるかのように離さない。
(朝から疲れさせるなっての…!)
「スビア起きろ!朝だぞ!」
「んみゅ…陽喜…?」
起こしたら騒がしくなりそうだと暫く格闘していたが諦めた。これ以上は体力も時間も無駄。観念してスビアを呼び掛けて揺すり続ける。するとスビアからの拘束が緩んできた。
「陽喜ぃ…離れないでよぉ…」
「お前も大学だろ?さっさと起きとけ」
「んー…」
拘束が緩んだ瞬間にするりと抜け出す。スビアが抱っこされたい子供みたいに手を伸ばしてくるが無視。ダラダラしてたら普通に遅刻するんだよ。スビアの方は知らんけど、そっちも其処までダラダラしてらんないだろ。
「ちゅー…おはようのちゅーしてぇ…」
「嫌だよ。今時新婚でもしないぞ」
「へへ…新婚だなんて気が早いよぉ…陽喜…♡」
「都合の良いとこだけ聞くよな、お前」
これ以上付き合っていても埒が明かない。寝ぼけたスビアは放って、洗面所へと足を向ける。後ろから声が聞こえたが気にしない気にしない。
顔を洗って歯を磨く。それが終わった後は剃り残しチェック。接客業だから最低限身綺麗にはして置かなければいけない。夏場は生えるのが早いから面倒だけど。
「陽〜喜♪」
──ぎゅっ
「漸く起きたのか?」
「朝は苦手なの。でも陽喜と出来るだけ長く居たいから頑張って起きたよ。えらいでしょ?」
スビアが抱き着いてくる。諸々の経験をする前ならばドギマギするシチュエーション。しかしスビアの事を知っていると面倒臭さの方がやや上回る。出会った時に感じたクールさは今、欠片も存在しない。
「…むぅ、頭撫でてよー」
「それより準備しろ」
冷たーいとぶーたれるスビア。彼女の抱擁を剥がすと洗面所からリビングへ。鍵は1つしか無いしスビアには早く家から退去して貰いたいのだ。まかり間違っても鍵を預けてはいけない。施錠を頼んだら合鍵を作ってきそうな危うさがスビアにはある。
「今日は早く帰ってくるから安心してね!陽喜」
「今夜もうちに泊まるの?」
「勿論!」
朝食は昨日の残りと簡単な物で済ませる。後からスビアが来たので彼女の分も出しておいた。基本的に家事は自分がやる。スビアも料理は出来なくないが、先程も言っていた通り朝が弱いのだ。だから任せるよりかは自分で作った方が安定する。
「今日は私が作ってあげるから。何食べたい?陽喜」
「…じゃあカレーで」
「ふふ、陽喜ってばカレー大好きだね♪期待して待ってててね!」
(カレーなら無難な出来にはなるからな)
余り料理をさせてないから何処まで作れるのかが分からない。前に見た手際から其処まで下手という訳ではないだろうが、安定択としてカレーを要望している。カレーならば市販のルーさえ買えば不味くはならない。冷蔵庫の中に残っていたルーを使う様に言ったからそれも大丈夫。
「行ってきまーす陽喜!」
「いってらっしゃーい…」
鞄を持って身嗜みを整えたスビアが玄関前に立つ。行ってらっしゃいのキスを額にして、お返しに頬にスビアの唇が触れた。これだけは欲しいと駄々を捏ねられ、渋々従う形で行った。
前に恥ずかしいからと断った時はガチ泣きし始めたから頷いておくのが吉。唯でさえ前のスビアとの遣り取りで近所の人からの好感度が下がったのに、これ以上下げる様な真似は出来ない。
「はぁ~…やっと自由時間だ…」
スビアを見送ったら横になる。出発までは後40分くらい時間がある。少しだがダラダラする事にした。
スビアが居ると常に構え構えとコミュニケーションを取ろうとして来る。断ると直ぐにネガティブモードになって精神が不安定になるし、構わないといけないのが面倒な所。自宅なのに、自由に過ごせる時間がどんどん減っていくのはどうかと思うわ。マジで。
『駅着いたよ(^^♪』
『陽喜はもう家出たの?出たとしたらバイト頑張ってね!』
『…ねえ、やっぱり陽喜がはたらいてる所見たいよ。行っちゃ駄目?』
「駄目…と」
当たり前の様に一分置きにはメッセージが来る。慣れたものでこれは返さなくても平気。これは返さないと面倒だというのが直感で分かるようになって来た。一々全部のメッセージに返信していたら切りが無い。最低限、それでいて端的にメッセージを返すコツを学んでしまった。
『うぅ…分かった。その代わり絶!対!に!浮気は駄目だからね!?』
「しない…と」
『それなら良し。陽喜は優しいから─』
恋は盲目。スビアから見たら貴方は誰からもモテそうな好青年にでも見えているらしい。自分が好きな人だからと過剰に周りの女に気を配るのは相も変わらず。職場に来たら絶対に面倒事になるのは目に見えている。だからもし職場に顔を出したら別れるからと脅しをかけてやると、スビアは慌ててその命令に頷いた。
「言う事を聞いてくれるスビアが俺は好きだよ」
「う、うん♡私、陽喜の命令ちゃんと聞くから…!」
飴と鞭。言う事を効かなさそうなら冷たくして。言う事を少しでも聞いたら褒める。渋々だが職場には顔を出さないと頷いたのならば、抱き寄せて貴方からキスをしてやる。すると驚くくらいに効果は出て、一瞬で蕩けた瞳でスビアは見つめて来るのだ。
「こっち来て、スビア」
「は、はい…♡」
(今の自分鏡で見たくねー…)
自分でも気持ち悪いなと思うくらいに気障な対応をする。
ネットで適当に調べたホストのテクニックを流用したが、ちょっと引くくらいに効果あるなこいつ。ホスト行ってたら身持ち崩してたんじゃないか?
「…さーて行くかぁ」
メッセージが小まめに届いていたから休んだ実感は無いな。とは言え時間は変わらずに時を刻む。出勤時刻だと重たい足取りで部屋を出た。
「お疲れ様でしたー」
薄暗くなり始めた辺りで開放される。仕事中はマナーモードにしていたが、開くとメッセージが大量だ。これから仕事だから目は通せないと断りは入れたのだが、分かったという返事の直ぐ後にはもうメッセージが追加されている。
『もしかしてバイト終わった?』
アプリを立ち上げて数分後にはこのメッセージが来た。前は恐怖を感じたが、慣れとは恐ろしいもので、
「終わった…真っ直ぐ帰るからっと」
『じゃあ家の前で待ってるから!(^^♪』
(…帰るかぁ)
返信を返してスマホの電源を切る。明日はバイトは無し。多分スビアも学校だから上手く行けば昼間時間が出来るかも。そんな淡い期待を抱きながら家に帰る。
「作るから待っててね♪」
「包丁気を付けろよー」
「大丈夫!」
家に帰ると当然だがスビアが居た。これでも早目に帰って来たのだが、バイト中は何処で待機してたのやら。
中に入ると洗面所の後キッチンへと向かうスビア。自前のエプロンを持って来た辺りやる気満々だな。調理は任せて手を洗った後リビングで寛いでいた。
「お待たせ。出来たよ!」
数十分時間を掛けてからカレーが出来上がる。腹が鳴っている状態ではカレーの匂いは劇薬。皿に盛られた食べ物をスプーンで食していった。
「陽喜の為に愛情込めて作ったんだ。どう?美味しい?」
「美味い」
「ふふふ!やったぁ♪」
食事中スビアの言葉には大体肯定の意味を込めた返事を返す。こうしておけば不満は噴出しない。でも食べてる時くらいはもう少し話を振るのを控えて欲しい。
「…ねえ、陽喜の職場って─んっ!?」
「スビア。ヤりたくなったから其処、四つん這い」
「も、もう…食べたばっかだよ?仕方ないなぁ…♡」
そして躱しても躱しても面倒な質問がされる時はこうする。職場の女子の話なんてどう語っても不機嫌にしかならない。答えても答えなくても同じならば別の事で上書きする。
肩を抱いて無理矢理キスしたら、一方的に要望を伝える。
幸い溜まっていたのは事実。少し勃ってきた一物を視線の先に置いてやれば、口ではどうこう言いつつもスビアはお尻を向けて四つん這いになる。
「直ぐ濡れるな」
「だ、だって最近してなかったし…♡」
「じゃあ入れるか」
「──ひぎっ!?♡♡」
スカートを捲り上げ、純白のショーツを下に降ろす。何回も使っているのに未だピンク色の女陰へと指を入れ、中を軽く解していく。少し解していればスビアの中はどんどん潤滑油を出していき、準備は整っていった。
尻を掴んで中へと挿入。少し間が空いたからキツく感じる腟が自分のモノを包んできた。
「締め付けてくるな……めっちゃ吸い付いてくるし…」
「んっ♡ああっ♡♡」
「今更だけど今日って大丈夫な日か?」
「だ…大丈夫っ♡んっ…!ひうっ…!♡♡」
トントンとリズム良く腰を打ち付ける。今更思い出したのは事実だ。ON/OFFが出来るからと頓着していなかった。けれど全く気にしないのも不自然かと一応安全日の確認はしておく。返ってきた返事からこのまま生で良いかと腰を振り続けた。
「ほらほら、もっと腰振れ」
「いうっ♡♡む、無理無理♡♡陽喜のオチンチン凄すぎ…♡♡だから…!!♡♡」
体勢を変えて下からスビアを突く。控えめな胸だが突き上げる度に少し揺れて目の保養になる。進化した肉棒の効果は今も健在であり、一突きするとスビアが歯を食いしばりながら嬌声を上げた。
「おら!一発目だ!」
「ひぐっ!!??♡♡♡♡♡」
「ふぅ…気持ち良いわー、やっぱ」
「い…いく…♡♡」
話題反らしからのセックスだったが、お互いに夢中になって腰を振った。ピタリと肌が付く程密着してから精液を放出。ブルブルブル…!と体を大きく震わせてからスビアは倒れて来た。それを受け止めながら、射精の余韻に浸る。
「まだまだ出来るよな、スビア」
「も、勿論でしゅ…♡♡」
「よっ」
「んおっ!??♡♡♡」
蕩けきった顔でスビアが見上げて来る。軽く抱いてから聞くと、スビアはコクコクと縦に頭を振って肯定の意思を示した。その言葉を聞き、直ぐにそのまま突き上げてやると、スビアの口からは乙女とは思えない悲鳴に似た声が聞こえる。
「しゅ、しゅぐにはムリっ♡♡♡」
「ん?よく聞こえなかった。もう1回言ってくれ」
──ズチュッ♡♡
「ム、ムリぃぃ…♡♡♡で…んひぃっ!?♡♡」
日頃溜まっている鬱憤をピストンと共にぶつける。腕の中で震え続けるスビアにゾクゾクとした。押し倒すとそのまま正常位で腰を振り続ける。
「ひぃ…♡ひぃ…♡♡」
「次はどの体位が良い?」
「ふぅ…♡ふぅ…♡♡」
2回目の種付けが終わり一旦肉棒を引き抜く。スビアは肩で息をし、焦点の合わない瞳で何処かを見ていた。
「んんっ♡♡♡」
──パンッ♡パンッ♡♡
夜が更けるにつれて明かりも消えて行く。口に詰め物をして声を上げられない様にして、後ろから突き続ける。誤魔化しから今までヤりっぱなしだが、まあ良いだろう。
(陽喜のオチンチン好き♡♡♡)
スビアも誤魔化された質問は等に忘れ、あたえられる快楽に頭を溶かされていた。
次のヒロイン出すとしたら何が良いか。