※この作品はR-18です。

オリジナルエロ放り投げ場   作:ニンカタ

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短編


タイムリープ◯◯

 

 人生後悔の一つや二つはあるだろう。あそこでああしていれば、あんな事をしなければ良かった等々。細かい内容の差異はあれども人間が抱える負の遺産。勿論の話ではあるが自分にもある。年の頃は中学生くらいだったか、当時の自分には仲の良い女友達が居たのだ。多感な時期である少年時代に、仲の良い異性が居たのは稀で会ったな、と成長した自分自身が昔の己を懐古する。後悔は至って単純。その女の子には想いを伝えられなかった事だ。細かくは覚えていないが、進む先が違う方向になった為、自然と会う回数も減るよね~みたいな事を話していた気がする。

 

 当時の自分は臆病であった。このまま良き友達として彼女の思い出の中に留まれば良いのではと、自分の思いにあれこれ理屈を付けて最後まで話す事はなかった。電車に乗り、他県へと行く彼女を見送る時ですらその想いを口に出す事はせずに。そうして続いた自分の人生は未練を残したまま進んで行った。懸念していた通り、彼女とのやり取りは最初の1年を超えた辺りからめっきりと減っていった。お互いに遠くの友達よりも目の前の知り合いを優先した結局だから仕方のない事ではあるのだが。やり取りを全く取らずに幾数年。社会人になった自分はそこそこの生活をしている。突出した結果は出せないが、偶に怒られるくらいの無難な結果は出せている。真ん中より少し上。そんな業績を上げながら毎日を過ごしている。彼女が居ないのは臆病な性格故か、未だに初恋を引きずっている女々しい男だからなのか。偶に思い出す彼女との日々。何だかんだ一番仲が良かったのも彼女だったのだろう。じゃなければ此処まで未練がましく思い出す事もない。

 

 おやすみと1人暮らしの自分に返す者等居ない部屋で呟く。人間の基本的なルーチンは1人になっても余り変わらないらしく、こうして思わず呟いてしまう。明日からまた始まる日常に少しの怠さを抱きながら、自分は意識を奥底へと沈めていった。

 

 

 

 おはようという言葉が覚醒前の自分に投げ掛けられた。先述した通りの生活風景にそんな返事を返す者は居ない。故に少し怪訝に思いながら眠気眼を擦る。公園のベンチ。その上で自分は寝ていたようだ。見慣れた自分の部屋ではない。そこにも驚いたが、それ以上の衝撃に口から上手く言葉が発せられなかった。懐かしい。記憶の中にだけ居たあの日の彼女。そんな彼女の膝の上に頭を乗せていたらしい。パクパクと口を開いて情けない顔を曝す自分に、彼女は笑いながら変な顔と指を差すのだった。

 

 

 前を歩く彼女の後ろ姿を見ながら、テクテクと懐かしい風景を歩く。潰れた店。これから出来るだろうデパート。未来とは違う景色が新鮮だった。ゆらゆらと揺れる彼女の黒い髪。纏めているのでポニーテールだったか。何でもない事を話す彼女の声に耳を傾けながら、ぼーっと彼女を見続ける。何か付いてるの?と不思議そうに此方を見られた時は、意識を覚醒させてから初めて彼女を正面から見た為に、ドキリと胸の奥が弾んだ気がした。

 

 家は少し新しい感じがした。両親も若い。当たり前かもしれないが。昔の自室へ入り込むと、これは夢なのかと1人考える。未練がましい自分が見ている都合の良い夢。そう思うくらいには今の現象は非現実的過ぎた。だがこれも考えようだ。夢でも、非現実な事でも、自分の後悔が少しでも紛れるのならば良いのではないか。この不思議な現象を数日繰り返した後に、自分はそう結論づけた。

 

 

 えーと…。と頬を掻きながら自分の手を見る彼女、心なしかその頬はほんのりと赤い。夢の中だから、非現実的な事だから、其れ等は自分のような臆病者に変な勇気を与えた。思い立ったが吉日と彼女べきアタックする。振られればその時はその時だと、自分らしくもない吹っ切れ具合だった。結果だけを言うならばOKであった。お互いまだ中学生なのにませているとは思うが、女性は男よりも精神成長が早いというし、自分の中身は大人だ。なので異性を意識した付き合いに変化してもおかしくはないだろう。

 

 手を繫ぐのは早かった。放課後に公園のベンチでのんびりしながら距離を縮めていると、自然と手を繋いでいた。肩に寄りかかる彼女の頭の重みが妙に心地よかった。

 キスには時間が掛かった。これはしょうがない。ガツガツ行って引かれても嫌なので。何回も行ったデートの後に彼女とは唇を合わせた。

 意外ではあるが、そういう関係になるのはキスを経験してから直ぐだった。空き教室での初体験はとても刺激的で、夢から覚めた後も忘れないだろうなと思うくらいだ。手を繋ぐのとは違い、キスは異性を強く意識する行為だったのだろう。息を荒げて自分を求める彼女に翻弄されつつ、まだ年齢的にやってはいけない行為を、やってはいけない場所でやってしまった。赤く垂れる液体が彼女の純血さを感じさせてくれて、とても興奮したものだ。

 

 

 覚えたての猿。そんな言葉が似合うくらいにはあれから彼女とは求め合っている。学校のトイレの中で、彼女の口に抜いてもらう。初めての経験な筈なのに、妙に上手かったのは天性の才能か。放課後は何時もの公園でやっていた。丁度誰も来ない場所でのセックスは背徳的であった。彼女もその背徳感にゾクゾクとしたのか、締め付ける強さが何時もとは違った。体調を偽って、保健室で彼女のおっぱい奉仕を受けた時はおかしくなるかと思った。まだ授業中なのに。保健室の先生は何時帰ってくるか分からないのに。ただただ気もちよくなりたいが為だけに彼女とふしだらな行為に耽った。幸いバレる事はなかったが、これは危ないから、やらないようにしようと約束した。少し彼女は不満そうだったけど、リスクを考えると割に合わないと納得してくれた。

 

 

 彼女との色めいた夢は自分の中の負の遺産を癒やしてくれていった。彼女と言葉を交わす度に、彼女と共に過ごす度に、そして彼女と体を重ねる度に。徐々に徐々にぽかんと開いた穴が彼女で埋め尽くされていくのを感じた。夢ならば覚めないで欲しいなと彼女と会う度に思った。しかし夢は何れ覚めるから夢なのだ。ある日何の前触れもなく目を覚ます。脈絡なく、意味もなく。それが夢。

 

 

 高校生活。一人暮らしと両親には偽っているが、頻繁に彼女とは会っていた。それもその筈。住んでいるアパートが同じなのだから当たり前だ。人目を気にせずやれるお互いの部屋は、未だ覚えたての猿のような自分達には格好の場所だった。大体何時も何方かの部屋で目が覚める。一糸まとわぬ姿は昨日寝る前に何をしていたのかが丸分かりだった。今日も学校から帰ると、部屋の中で待っていた彼女と行為に移る。溜め込んだお互いの性欲を発散させてからは、勉強をしたり、夕飯を作ったり、掃除をしたりとまるで同棲生活のように過ごしていた。そうして今日も寝る前に彼女と気の済むまで体を通わせた後、幸せな気持ちを抱きながら眠りについた。横に感じる温かな感触を確かに感じて…

 

 

 

 

 

 

 目が覚める。起きた自分の横には彼女は居なかった。住んでいる場所もあのアパートではない。後悔を抱いたままに生きてきた自分が住んでいた、あの家だ。長い。長い。夢が覚めてしまったのだ。もしかしたらこの世界は夢なのかと何度も何度も思ってはいたが、本当にそれを突きつけられると、絶望しか残らない。なまじ幸せな時間を堪能した分、それが無いことへの負の感情が募る。あの温かみも微笑みも、自分は再び見る事も感じる事も出来ないのだ。都合の良い夢ならば最後まで覚めないで欲しかった。

 

 

 悲嘆に暮れていても時間が過ぎるだけだった。平等に、区別なく、時は進んでいった。これからどうするか。久しぶりに理性的な考えが頭を過る。何もする気が起きない。もうこのままいっそ果ててしまおうか。幸せな時間が終わった後の反動はそれほどまでに大きかった。スマホの通知音が部屋に鳴り響く。

 

 何度も聞いた音だが、今は出る気がしない。出ても話せる気力が無いから。だけど何でか、この通知には出る気になった。重たい体を動かして、スマホの通話アイコンをタップ。番号で知らない相手だったが、どうでも良かった。

 

 

 声が聞こえる。成長して少し変わったがけれども、聞き間違える筈もない声が。その声は探るような声色でこう聞いた。

 

 付き合ってたよね…?私達

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理屈はどうでもいい。彼女と再び顔を合わせると、お互いに激しく求め合った。離れた時間は体感であれば少しだが、気持ちを考えればそれ以上だった。久しぶりの彼女の中を自分のモノで蹂躙する。会話を交わしたのは何回も彼女の中に出した後だった。お互い抱き締め合いながら、何が起こったのかを確認していく。そこで分かったのは、あの夢のような現象を体験したのは自分だけではないという事だった。彼女も自分の事を何処か引きずっていたらしく、もう一度会えたらと思っていたようだ。何時も通り眠りにつくと、昔の自室で目を覚ましたとの事。自分よりも少し早めにあの現象に飲み込まれたとの事。

 

 何故言ってくれなかったのかと質問したが。都合の良い夢だと思っていたと返されると、自分もそう思ってはいたので何も返せなかった。少し変な沈黙が2人の間に流れる。改めてだが、此処は自分で勇気を出す番だ。もう一度、彼女へと付き合って欲しいと手を伸ばす。散々求めあったのに今更とも思うが、言っておきたかったから。彼女はその手を見ると、少し笑った後に、強くその手を握り返してくれた。

 

 

 不思議な経験だった。けれど、あの現象のお陰で彼女が自分の隣に居るのならば、アレが何であろうとも、気にする事はないだろう。大きくなった彼女のお腹を撫でながら、指輪が着いた手を重ねた。あの日から空いた後悔の穴は、もう無かった。




相手も実はタイムリープっぽい事をしてたら面白いかな~と書いたやつ。書いてる内にタイムリープよりも夢っぽくなったけど。ついでに地の文だけで書いたやつ。台詞無しも偶には良いかなと。◯◯の中は夫婦。ではでは〜
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