女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
「1!2!───621!」
「オラオラオラオラァ!!!」
「ターゲット捕捉、破壊する」
IS第三アリーナ。そこでは休日にもかかわらず、上昇志向の強い生徒達がIS訓練に明け暮れている。
「くっ、はぁ……はぁ……」
その一角で息が上がっているのはセシリアだった。
何度もビット連動の高速ロール射撃を行っては、そのレーザーに曲がれと念じる。
しかし、ただの一度もBT
「…………」
再度、意識を集中し、BTライフル〘スターライトMarkⅣ〙をセシリアは構える。
水のイメージを連想し、バルーンの上方へと射撃を行った。
(───曲がれっ!!)
しかし、セシリアの思いもむなしく、レーザーは真っ直ぐに突き進み、遮蔽シールドに当たって霧散した。
「くっ……」
「セシリア」
「千春さん」
苦虫を潰しているセシリアに声をかけたのは黒咲だった。
「偏向射撃の練習、やっぱり難しい?」
「えぇ……」
ふぅ、とため息をついてライフルを仕舞うセシリア。右腕から砲身が光の粒子へと変わって消える。
その隣では黒咲がライフルを展開し、バルーンの上方へと射撃を行った。
ビームは真っ直ぐに突き進んだかと思えば、ゆっくりと弧を描きバルーンを破壊した。
「えっ!?」
「……くっ、た、確かにこれはキツいね」
自身が達成出来なかった偏向射撃を一発で成功させた黒咲、そんな彼女の姿を見てみると汗をダラダラとかきながら頭を手で押さえ体勢を低くしていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫……だけど私には絶対無理だね」
肩で息をしてゆっくりと立ちあがる黒咲、偏向射撃を成功するためには黒咲でさえもここまで集中しなければならないのだ。
(わたくしがこれを成功させるためにはもっと集中しなければ……っ!)
奥歯を強く噛みしめてもう一度偏光射撃の練習を始めようとするセシリア。
それを手で制止した黒咲の顔色は落ち着いており、呼吸も整っていた。
「過度な訓練は身を滅ぼすよ。だから今日はそこまでにしておこう」
「……わかりましたわ。黒咲さんはどうやって偏向射撃を成功させたのですか?」
「かなり意識を集中させたかな、呼吸も止めてビームが曲がるように必死にイメージをしたよ。こればかりは機体性能とか関係なく、搭乗者本人の実力が無いと無理だから……多分私は二度とやらないかな」
二度とやらない。黒咲がそんな言葉を言うほど偏向射撃は辛いのだろう。
しかしそれには個人差があるため黒咲にとっては辛いことであるが、セシリアはコツを掴むことが出来れば造作も無いのかも知れない。
「まぁそれは置いておいて。ついに出来たよ、ブルー・ティアーズの実弾パッケージ」
「も、もうですか!?相談してからまだ一週間しか経っていないのに!?」
「まあ、ノワールの開発したスタッフは優秀だからね」
そう言ってISを展開した黒咲が取り出したのは、大きなコンテナだった。
コンテナも量子変換出来るのは驚きだったが便利なので気にしていない。
地面に置かれたコンテナがゆっくりと開かれ、中身がゆっくりと太陽の光に照らされる。
「これがブルー・ティアーズの実弾兵装パッケージ〘C.L.A.P〙だよ」
そうして姿を見せたのはイギリスから渡された実弾装備の面影を残しつつも、新たなパッケージとして生まれ変わった物だった。
四枚の翼を備えたそのパッケージにレールガンやミサイルや実体刀が取り付けられている。
またシールドも立てかけられており、防御面でも問題なさそうだった。
「これが、実弾兵装パッケージ……」
「BT兵器を使いながら実弾装備も使用可能にするために、なんとか形にしたパッケージだから、もしかしたら不具合とかあるかも知れない。だからデータを取りながら調整する必要があるんだ」
「この盾はなんですか?」
「その盾には両手持ちのガトリング砲を切り詰めて搭載、あとは一応ビーム武装のブーメランも搭載してみた。その結果出来たのが、この多機能シールドだよ」
「重そうですわね……」
「……多分重いね」
苦笑いしながらもパッケージをブルー・ティアーズに登録を変更し量子変換を行う。
次にセットアップをして機体に馴染むように初期調整をするためにコントロール・キーボードを展開、これまでの戦闘データをサンプルとして調整を行う。
「パッケージの装備はいたってシンプルな構成だから、使いやすい方だとは思うよ。ただ慣れるにはやっぱり時間をかける必要があると思うけどね」
「それでもブレードとミサイルだけよりはマシですわ」
確かにそうかも知れない。特に織斑相手であれば実弾装備の方が圧倒的に有利だろう。
ビームやレーザーをかき消す装備相手に、それだけで太刀打ち出来るのはごく少数だろう。
ブルー・ティアーズに搭載されているインターセプターにミサイル二門、それでもなんとか対応は出来るだろうが、最近の織斑は接近戦の腕を磨いており、ミサイルを切り落とすこともできる様になっている。
そんなやつにたったそれだけの装備で挑むのは無謀というものだ。
「……よし、とりあえずセットアップは出来たよ。あとは扱いならが上手く調整していこう」
「わかりましたわ」
〘C.L.A.P〙を纏ったブルー・ティアーズは本機色の青とパッケージの灰色が混ざった色へと変化した。
「それじゃあ、始めようか」
そうしてセシリアの実弾兵装パッケージの調整実験が始まったのだった。
「あれ?千春じゃん」
意外な人物がこちらに気づいてやってきた。
「ん?鈴か」
「何、特訓?」
「まあ、そんなところかな」
上空でダミーを破壊していくセシリアを見ながら答える。
扱い慣れない装備を必死に使いこなそうとしている彼女の姿は、まさしくエリートだった。
努力で家を守りその上で代表候補生にもなっている、これをエリートと言わずに何というのだろうか。
「鈴はどうしたの?」
「あたしはいまから新型装備の展開練習。本当なら第六アリーナを使いたかったんだけどね。あいにく、満員だったわ」
「新型装備というと、やっぱり高機動パッケージ?」
「そうよ。見てなさい、千春。あんたなんかけちょんけちょんにしてやるんだから!」
「それは楽しみだね。だけどそれはセシリアに言ってあげてね」
そう言って上空を指さす。その先にはダミーを全て破壊したセシリアの姿があった。
「あれは……」
「ブルー・ティアーズの実弾兵装パッケージ、今日が初乗りだから調整をね……」
こちらに気がついたセシリアはゆっくりと降りてくる。
額には僅かに汗を滲ませており、どれだけ不慣れな装備を使いこなそうとしているのかが覗える。
「良いパッケージね。BT兵器も使えるように工夫されてる辺り、イギリスはかなり考えたのね」
「いえ、これは千春さんが再設計したものですわ。ノワールを開発したスタッフにその設計図を渡して送って貰ったんです」
「えっ!?これ千春が設計したの?ちゃんと考えられてるパッケージじゃない」
「良いでしょ?ブルー・ティアーズに不足していた実弾装備を搭載し、BT兵器の展開に邪魔にならないようにしたんだ。イギリスから渡されたパッケージは酷かったから……」
「……ちなみにどんなパッケージだったのか聞いて良い?」
「BT兵器を外してウェポンラックを装備、そこに実弾装備を搭載していく形だったんだよ。BT兵器のデータをサンプリングするための機体なのに、それを外して運用するなんてどうかしてると思ったからね」
実際にセシリアから相談されて実物を見たときには、ため息が漏れてしまうほど呆れた出来だった。
パッケージに搭載した装備以外にもバズーカ・ランチャーや肩部ミサイルなど色々あったのだが、正直使い物にならないので溶かして〘C.L.A.P〙の材料にして貰った。
個人的に気になった装備もある。ニードルガンにパイルバンカー、この二つの性能は正直気になったので一度テストをしてみた。
まずニードルガン、連射性能が高くISの装甲を一撃で破壊することが出来る優れもの。
しかし再装填するのにクセがあり、頑張って5秒もかかってしまった。そして射程距離が恐ろしいほど短く、ハンドガンの1.5倍しかなかった為溶かした。
次にパイルバンカー、ラファール・リヴァイヴカスタムⅡにも搭載されているがそれよりも大型化されており、連続で12回杭を打ち込むことができる様になっている。
そもそも取り回しがクソ悪く、リヴァイヴカスタムⅡのと威力を比べた結果変わらなかった。
攻撃回数は上回っているが、威力変わらない。それでいて取り回しが悪いのはむしろマイナスなので溶かした。
「色々大変だったのね……」
「設計図は3日で完成して、残りの3日で開発してもらったからね。本当に急造品だよ」
「い、一週間で!?千春、あんた凄いのね!」
「凄いのは開発スタッフの方、あんな設計図見せられないよ……」
本当に見せられない設計図になっているから誰にも見せられない。マジで幼稚園児の絵レベルで汚い。
「それよりどう?使い心地は」
「盾が、重いですわ……」
「……どうする?やっぱり使わないことにする?」
「いえ、折角造ってもらったのですから使いこなして見せますわ!」
そう言って上空にガトリング砲の弾をばらまく、ISを展開していない生徒に当たったら危ないので急いでやめさせた。
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」