女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
「ここがあの女の……じゃなかったここがIS学園ね」
夜の8時頃。IS学園の正面ゲート前に小柄な少女が立っていた。手には不釣合いなボストンバックを手にどこからやってきたのだろう。
「受付が本校舎一階総合事務受付……ってどこよ!」
手に持っていた紙切れを上着のポケットに強く押し込む。ポケットの中で紙切れは原型をとどめずゴミのようになっているだろう。
「探せばいいんでしょ!探せば!」
ぶつくさと言いながらもしっかりと行動に移せるのは良いだろう。
彼女がどこから来たのか未だに分からないが、この時期に来るのであればおそらく転校生だろう。
いやこの時期に転校生が来るものなのだろうか?
「一旦織斑に報告だな」
相手に気づかれないようにその場を後にした。
「これで手続きは終わりです。IS学園へようこそ、
愛想の良い事務員の言葉を聞き、本当にIS学園にやってきたことを実感する。
私の目的はただ1つ織斑一夏に接触すること。
そうと決まれば早速、彼の教室を知らなければならない。
「織斑一夏って何組ですか?」
「噂の子は1組ですよ、凰さんは2組なので隣の教室ですね」
同じ教室で授業を受けることは出来なかったが、それでも彼のいる教室を知れたのは大きい。
「2組のクラス代表って決まってるんですか?」
「それは分からないけど……聞いてどうするの?」
事務員が変な子を見るような視線だった、それに対して私はにこやかにこう返した。
「ちょっとお願いしようかなって、代表を私に譲ってって────」
私の笑顔を見た事務員は、少し引いていた。
「千冬、正門に小さい子供がいたんだが」
「この時間にか?珍しいものだ」
「受付がどうとか言っていた、転校生の可能性もあるがどこかの国のスパイかもしれない」
「この時期からスパイを出すなんて、暇な国もいるものだな」
確かにそうかもしれない。まだ学園生活が始まって3週間目に入ったばかりだ、織斑のISのデータを盗みに来たのであれば、まだ盗めるほどのデータの備蓄はないだろう。
もしくは織斑との戦闘を何度も行い、データを稼がせる予定なのかもしれない。
「どちらにせよ、スパイだと確定した時点で俺の行動は決まっている」
「……消すのか?」
「容赦はしない、俺の任務は織斑と篠ノ之の安全を守ることだ。それに変わりは無い」
「その行動で本当に守れるのか、よく考えるんだな」
……俺の考えに千冬は否定的らしい。否定するからにはそれなりの理由があるのだろう。
転校生の観察を良くしておいた方が良さそうだ。
「ところでお前は行かないのか?一夏の就任パーティー」
「……?まだ始まっていないだろ?パーティーは9時からのはずだ」
「8時からだぞ」
時計を確認する。現在の時刻は8時30分。もし8時からだとしたらかなり遅刻している。
「織斑もISから解放されて楽しむ時間も必要だろ、たまにはいいんじゃないか?」
そう思いベッドに倒れ込む。
パーティー会場は過去に何度も行ったことがあるが、ほとんど料理などに手をつけたことは無い。毒など盛られてしまっては仕事に影響が出る。
「俺自身パーティーが楽しいものだと、あまり思えなくてな……」
「なら今日は大人しく寝ることだ、疲労が溜まっているのは分かっている」
確かに疲労は溜まっている、だがISの操作になれるためには限界まで追い込まなくては意味が無い。
「技術は身体に覚えさせるのが1番効果的だ、妥協は無い」
「そうだな、確かに身体に覚えさせるのは大事かもしれないな?」
そう言いながら千冬がベッドに上がってくる、嫌な予感がして俺はベッドから飛び降りる。
何をしてくるか分からないが、第六感が危険信号を発していた。
「どうした?」
「何をしようとした?」
「一緒に寝ようとしただけだ」
「嘘だな、俺は忘れてないぞあの日の夜の事」
「あの日の夜?……あぁ、顔を赤らめながら吐息を漏らしていたお前は可愛かったぞ?本物の女の子のように蕩けきっていたお前の表情が脳内から消えないほどな」
獲物を見るような視線でこちら見る、あの夜から千冬との関係は再び戻ってしまった。
表では教師と生徒ではあるが、裏では男女の関係になってしまった。しかもその関係は歪みきっている。
千冬は俺に女物の下着を着せ、恥ずかしがっているのを見て興奮するらしい。はっきり言って変態だ。
あの日は酷く、身体が汗でベタベタになってしまうほどだった。汗以外もあるだろう、二人の唾液が混ざったりもした。あの時の千冬は間違いなく正気ではなかっただろう。
「もう二度とあんな体験はゴメンだ、俺は今からパーティーに行ってくる」
「そうか、楽しんでこい。後で沢山愛してやる」
最後の一言は余計だ、今日は部屋に戻らず何処かで寝てしまおう。
パーティー会場に来てみると、織斑を中心にかなり盛り上がっていた。中には1組以外の生徒もちらほらと見られた、全員の目的は間違いなく主役の織斑だろう。
「これでクラス対抗も盛り上がるね!」
「同じクラスになれてラッキーだったよね!」
男性操縦者と同じクラスになれただけでも、彼女たちにとっては幸運らしい。
女子生徒に囲まれる織斑は正しく客寄せパンダだ。
「黒咲さん、いらっしゃったのですね」
「少し時間を勘違いちゃった、遅れてごめんね」
少し疲れているオルコット、間違いなく質問攻めにあった直後なのだろう。織斑も少し疲れ切っているのは目に見えている。その隣では篠ノ之が少し不機嫌のようだった。
「はいはーい、新聞部です。話題の新入生、織斑一夏君に特別インタビューしに来ました〜」
女子生徒たちは盛り上がっているが、俺はなぜそんなことで盛り上がるのか分からない。
少しの料理を手にテーブルへ移動する、オルコットもあの空間にいるのが疲れたのかついてきていた。
「さすがにちょっと疲れましたわ……」
「ごめんね、早く気づいてればオルコットさんの負担も減らせたのに」
「構いませんわ、人によって事情など沢山ありますし」
織斑がインタビューを受けている間、ゆったりと食事を楽しみながらこれからのことを考えていた。
来月にはクラス対抗戦がある、それまでに織斑の技術を平均まで底上げしなくてはならない。当人にはその気持ちがあるのか分からないが、このまま行けば間違いなく腫れ物扱いだ。
姉と比べて弟は話にならない、そんなこと言われてしまえば間違いなく織斑のメンタルは壊れてしまうだろう。下手したらオルコット以上に脆いかもしれない。
オルコットはあの試合の後凄く砕けた接し方をしてくれるようになった、出会った当初は何処か上からであり自身が強者である、という雰囲気を醸し出していた。
現在のオルコットはプライド第1と言った感じではなく、クラスメイトと分け隔てなく会話出来ている。
プライドを捨て去って1歩踏み出したとは言えないが、間違いなく彼女の成長には大きな1歩であったことは確かだろう。
「オルコットさんは表情が少し柔らかくなったね」
「そうでしょうか?黒咲さんは……なにか変わりましたか?」
「少なくともあの試合を通じて注目されるようになったね。私は何処か変わったのかな?」
変わったところなど沢山ある、名前も年齢も性別も口調まで変わった。
IS学園に入学してから色々変わったものだ。
「私は今の黒咲さんが1番好きですよ」
「ありがとう、オルコットさん」
「セシリアでよろしいですよ?」
「じゃあセシリア、これからもよろしくね」
「勿論です、千春さん」
パーティーそっちのけで2人での会話を楽しんでいた。
気がつけばあっという間にお開きになっており、最後に記念撮影をすることになった。
「それじゃあ撮るよ〜1+1は?」
「「「「2ー!」」」」
記念撮影など何年ぶりだろうか?
ともかく今回のことはいい体験になっただろう。セシリアとの親睦は十分に深まった、これで織斑の強化が捗ることだろう。
「随分楽しんだようだな」
あとは夜を越すだけだ……
「私も少し楽しませてもらおう」
疲れがどっと押し寄せてきたのか幻覚が見える、手に透けている下着を持ってこちらに近づいてくる千冬の姿が見えるなんて、本当に疲れているみたいだ……
「俺は先にシャワーだよ」
「そうか、なら私もだな」
「入ってくんな馬鹿、変態、ブラコン」
「いつから私がブラコンだと錯覚していた?」
なん……だと……?いやそれは嘘だ。
織斑千冬が愛しているのは実の弟、織斑一夏以外ありえないはず。一体どうなっているんだ。
「ほらさっさと済ませるぞ」
「お、おい!なんでお前まで!?」
「気にするな、ちっちゃい事は気にするなと昔から言われているだろ?」
グイグイシャワー室へと押されていく身体、既に逃げ場は無かった。部屋に戻ってきたこと自体間違いだったのかもな……
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」