女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
第16話「2人の転校生」
6月。今月末には学年別トーナメントが開催される。
この学年別トーナメント従来とは違い、2人1組での参加となっている。
この背景には前回のクラス対抗戦でのアクシデントを考慮されている。
それに伴い誰かパートナーを決めないといけないのだが……まだ申請書が配られていないので、ゆっくり考えることにしよう。
それにこのトーナメントには変な噂が出回っている。
このトーナメントで優勝した者は「織斑一夏と交際できる」という噂で、クラスメイトの内で溢れかえっている状態だ。
何をどうしたらそんな噂が出てくるのかと、頭を抱えてしまう。
篠ノ之の様子が普段よりぎこちないのに気づき、その噂について話をしてみることにした。
その結果から出されたのは、篠ノ之が織斑に「トーナメントで優勝したら付き合って欲しい」と言ったのが、巡り巡ってこんな噂になったという事だった。
まさかここまで話が曲解されているとは思わなかったな。
「織斑くんはその言葉の意味理解してるのかな……」
「何故そんなことを聞く?」
「いや……多分なんだけどね?織斑くんは付き合う=買い物とかに付き合うだと思ってる気がするんだ。ほら凰さんの約束のこともあるし……ね?」
正直織斑が篠ノ之の気持ちに気づいている様子などはなく、基本的に誰とでも分け隔てなく接している。
そんな織斑がしっかり気持ちを理解しているかと言われたら、正直怪しいのだ。
「う、うぅ……」
「だから織斑くんに気持ちを伝えるのであれば、真っ直ぐに伝えないとダメだと思うよ?」
「だ、だがそれは……」
「じゃないとずっと《幼馴染み》から抜け出せないよ?」
これは事実だろう。幼馴染みという関係を崩すには、気持ちを直接伝える他ないだろう。
「応援するから、素直に気持ち伝えよう?」
アドバイスをしてみたものの、やはり気持ちを直接伝えるのは恥ずかしいらしい。だがいつかは伝えないといけない時が来るだろう。俺もいつかは伝えないとな……その時皆は俺を受け入れてくれるのだろうか?
受け入れられるためにも変な行動はしないようにしておかないとダメだな……
それにしても朝から噂の話で持ちきりなのは、思春期真っ只中の彼女達ならではだろう。朝から元気だ。
その他にはISスーツのカタログを手に持ち、賑わっているグループもある。
ISスーツは各社によって性能やデザインが異なっているため、かなりの企業が独自のスーツを発表している。
人気な企業はどれか分からないが、俺と織斑のISスーツは特注品であることは間違いないだろう。俺は篠ノ之束によって作られたISスーツ、織斑は……何処だろうか?
それでもかなり良い品質のスーツであることは間違いないだろう。
再びその集団に視線を移してみると、いつの間にか山田先生がISスーツについて詳しく解説していた。
専用機持ち以外は今日がISスーツの申込日らしい、学園指定のISスーツでも良いのだが、どうせなら独自の色を出したいという思いが強いのだろう。
(女の子も結構大変だな……)
静かに教室に向かう途中、職員室が何やら騒がしかった。
またなにか面倒事が起きる予感がしたので、直ぐにその場を去り、教室へと足を運ぶ。
教室内でも噂の話で賑わっており、トーナメントのパートナー探しをしているのもチラホラ見かけた。
「おはよう黒咲!」
「おはよう織斑くん、今日も元気だね?」
「まぁな!それより黒咲、クラスのみんながチラチラ俺を見てくる理由わからないか?」
どうやら織斑だけはあの噂を知らないらしい、女子の情報網の恐ろしさを知ったな。
「ん、ちょっと分からないかな?でもトーナメントのパートナーとして誘おうとしてるんじゃない?」
「トーナメントか、あれって強制参加なのか?」
「もちろん、パートナーが決まらなかった人は最終的にくじ引きで決まるらしいよ」
この情報は織斑先生から昨晩聞いたことだ。
今の所候補にあげているのは織斑、篠ノ之、セシリア、凰この4名、全員専用機持ちであり実力はかなり上位の存在だ。
少なくともこの4人のうち誰かと組めば負けることは無いだろう。
「しっかりパートナーは考えるんだよ?」
「分かってるって」
ちょうどいいタイミングで呼び鈴が鳴る。そのタイミングと同時に山田先生が教室に入ってきた。
「皆さんホームルームを始めます……とその前に!転校生を紹介します!」
凰の時も思ったが、この時期に転校生は間違いなく織斑狙いだろう。国から命令されてIS学園に送られてきたスパイ……いやまだ確定ではない、まずは様子見からだ。
「じゃあ入ってきてください〜」
再び教室の扉が開かれ、織斑先生と転校生が2名入ってきた。
「失礼します」
「……………」
転校生2名を見た途端、教室内のざわめきが消えた。
それもそのはず、片方は男子の制服を身につけていたのだ。つまり彼は世界で2人目の男性操縦者という事になる。
嫌な予感がしはじめた俺は、瞬時に耳栓を装着し備えることにした。
「自己紹介は簡潔に頼む」
はい。と答えたあと、金髪の彼が1歩前に出る。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことな多いと思いますが、皆さんよろしくお願いします」
転校生の1人はデュノアと名乗った。
デュノア……どこか見たような名前だ、何かの依頼に「デュノア」という名前が書いてあった気がした。
後で過去の依頼を掘り返してみるとしよう。
「男……?」
織斑がそう言葉を零した。
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方が居ると聞いたので、本国より転入を───────」
「「「きゃぁーーーーー!!!」」」
「いっ!?」
「男子!2人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「守ってあげたくなる系の美形!」
あまりの元気さにデュノアも戸惑っている。だか本当に男なのか?という疑問が俺の中で芽生えていた。
男にも声の高い人はいるが、デュノアはそれ当てはまるとは思えない。女性よりの声だ。
喉元を隠しているのは喉仏を見せないようにするためではないかと思っている。実際は不明だ。
「騒ぐな、静かにしろ」
迷惑そうに織斑先生がボヤく、面倒だから早く何とかしたいのだろう。
「皆さん静かに、まだ自己紹介が終わってませんからね」
もう1人の転校生に注目が集まる。銀髪に眼帯、おそらく何処かの軍出身なのだろう。制服もそれなりに改造されている。
そしていつまで経っても自己紹介する気配がない。
どうするんだ?と織斑先生に視線を送る、彼女は面倒くさそうに「ラウラ、挨拶しろ」と言った。
「はい、教官」
織斑先生に対して「教官」と答えた、どうやら知り合いらしい。
確か……ドイツに1年行っていたと聞いたな、そこの出ということか。
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官では無い、ここではお前も一般生徒だ。私の事は織斑先生と呼べ」
「分かりました」
そうしてデュノアと同じように1歩前に出る。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
クラスメイトの沈黙。まだ言葉が続くと思って待っているのだが、それ以上話すことはなく織斑の席に近づいて行った。
(なんのつもりだ?)
「貴様が織斑一夏か?」
「そ、そうだけど……」
その言葉を聞いた瞬間ボーデヴイッヒの表情は恐ろしいものに変わり、気がつけば織斑に平手打ちをかましていた。
「え?」
何がどうなっているのか理解出来ていない織斑、初対面の女子に平手打ちを喰らえば誰だってそうなるだろう。
「貴様さえ居なければ……」
ボーデヴイッヒの方は何か彼に恨みがあるようだった。
貴様さえ居なければ、その言葉は何を意味しているのだろうか?
「はぁ……今日は2組と合同でISの模擬戦闘を行う。場所は第2グラウンドだ。以上解散!」
手を叩いて移動を促す。すぐにグラウンドへ移動するクラスメイト達、デュノアはあわあわしてるが大丈夫か?
「織斑、デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろ?黒咲はラウラの面倒を見てくれ、何かと迷惑かけるかもしれないからな」
「わ、分かりました」
正直言ってボーデヴイッヒの雰囲気は苦手だ、織斑先生以外に興味を示さない、織斑先生以外は全員自分より劣っているという考えを持っているような気がしてならない。
デュノアの方は織斑に任せて問題ないだろう。
「ボーデヴイッヒさん、ISスーツは持ってる?」
「既に中に着込んでいる」
「なら問題ないね、それじゃあ案内するね」
「あぁ、よろしく頼む」
…………スパイ向きの性格じゃないな、こいつは選択肢から除外するとして、デュノアの方はどうしたものかな?
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」