※この作品はR-18です。

女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活   作:灰崎 快人

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第2話「入学式」

四月某日。

本日はIS学園の入学式がある日程である。

桜の花びらが舞い落ちる日本ならではの景色に、懐かしさを思い出しながらゆっくりとIS学園の正門をくぐる……とは行かずに俺は裏口に向かっていた。

何故正門から入らないのか疑問に思う方も居るだろう。普通に考えて欲しい。

20代の知らない男性がスーツを身に纏い正門をくぐり抜ける。どう考えても普通ではない。

そもそもIS学園に正式に入学することになっているのは「織斑一夏(おりむらいちか)」ただ一人であり、俺(二人目)という存在は論外なのだ。

普通なら正門から入るところだったが、そうも行かなかった理由がある。

一件の差出人不明のメール。そこには「入学式の間に裏口にて待機」と記載されていた。

俺がIS学園に入学することを知っている人物からの連絡だとすれば差出人は絞られる。

もし束の方から彼女の方へ連絡があったのであれば恐らくこのメールは彼女からだろう。

そもそも俺のメールアドレスは伝えていないのでどうやってこのメッセージが送られてきたのか甚だ疑問である。

(裏口入学か、少しだけ懐かしいな)

昔の嫌な記憶を思い返しながらも、裏口が開かれるまで大人しく待機することにした。

校舎の中からは入学式の案内などが微かに聞こえてくる。学生時代もこんな雰囲気であったなと懐かしく感じてしまう、歳を取ってしまうとこうなってしまうのか……

良くあの天災と一緒に振り回されたものだ。たまにからかうと鉄拳が飛んできていたな。

「タバコは……って辞めたんだったな」

しばらく時間が経った後、裏口がゆっくりと開かれる。重たい扉がギギッと音を立てながらゆっくりとこちらに向かって開かれている。

時間を潰す手が無かったため、体感時間はかなり長かった。

扉の方を見るとよく知る人物が黒いスーツを着てこちらを睨んでいた。

「久しぶりだな?黒薔千春(くろばらちはる)」

「……あぁ久しぶりだな。織斑千冬(おりむらちふゆ)」

織斑千冬(おりむらちふゆ)。今回の異例の実の姉であり、称号「ブリュンヒルデ(世界最強)」を持つISの実力者である。

そんな千冬と俺の関係は学生時代からの幼馴染みといった感じである。これは篠ノ之束(しのののたばね)も当てはまっている。

幼馴染み。それ以上の関係は全くない。それ以上の関係なんてない。無いはずなんだっ!。

「髪に花びらがついてるぞ」

「んっ、まあ桜舞ってるからな。仕方ないだろ」

「色々言いたいこと聞きたいことはある、だが先に色々済ませておきたいことがあるのでな」

「身分証とかか?」

「それもあるが、まずは性別偽造からだな」

「あぁ──は?」

すんなりと受け入れたがまずは性別偽造から始まってしまうらしい。男子としてではなく女子として。

てっきり男子として入学するとばかり思っていたが、どうやらそうではなかったようだ。

いやなんとなく裏口に来た時点である程度察してはいた。

女に姿を偽装するのには慣れているので問題は無い、しかしそれが周囲にバレないように最新の注意をしなければならなくなってしまう。それが実に面倒で正直やる気にならない。

「お前は入学式中に体調を崩してしまった生徒として、今から私の教室に連れて行く。それまでの間に女装して口調などを考えておけ」

そう言われ俺は渡された女物の制服を手に、更衣室に急いで駆け込む。

サイズに全く問題が無いのがとても気になるが、そんなことを考えている暇はないだろう。

なるべく肌が露出しないようにタイツなどで隠すスタイルなのも気にしないことにしよう。

髪を伸ばしていたり、顔が女性っぽいのがこういったときには役立つのでありがたいことこの上なかった。

「なぁ千冬?下着も女物だったし、俺この下着見たことあるんだけど?」

「気のせいだろう」

「いやでも……なんで制服とかから千冬の匂いがするんだ?」

「気のせいだろう。そろそろ付くぞ、空席が一つ残っている。そこに座って授業を受けろ」

こちらも意見などは聞いてくれないらしい。天災(束)に似てしまったらもう取り返しが付かなくなってしまうので勘弁して欲しい。

「千冬……」

「今日からお前の名は「黒咲千春(くろさきちはる)」だ、しっかり憶えておけ。そして私のことは織斑先生。学園内ではそう呼べ」

「──織斑先生」

睨まれてそう言われてしまえばこちらに抵抗する余地は無いだろう。

偽名として言ってくれたと思うが変わったの苗字だけであった。

 


教室

 

教室内に入ると一斉にこちらに視線が集まる。勿論、俺にではなく織斑先生に。

その中でも一際目立つ男子、彼が織斑一夏(おりむらいちか)だろう。

それにしても背か伸びたな、170㎝はありそうだ。それに比べて俺は……

ま、まぁ身長が小さい方が便利なこともあるので、そこまで羨ましくなんかないのだが?

「遅れてすまない山田君、体調が問題なさそうだったので連れてきた」

「えっと……はい、黒咲さんですね!体調は大丈夫ですか?」

山田先生と呼ばれる女性が名簿を見て名前を確認する。しっかりと確認する辺りマメな教員なのだなと感じてしまう。別に織斑先生がガサツな教員と言うわけではないが……

とりあえず今は年頃の女の子っぽい返し方、さてどうしたものだろうと頭の中で思考を巡らせる。

「大丈夫です。心配かけてすみません」

こんな感じだろう。違ったか?

「良かったです。黒咲さんの席は一番後ろになります」

「わかりました。ありがとうございます」

こちらに来る前に織斑先生から一通りの教材などは渡されている。

それにISに付いての知識には問題は無いだろう。

もし仮に問題などが起きたとしても山田先生に教えて貰いながら自分で調べてみるほうが手っ取り早い。

「さてと。諸君私がこのクラスの担任を務める織斑千冬だ。お前達小娘をこの一年で使い物になるようにするのが私の仕事だ」

「「「「「キャアアアァァァァァ!!!!!」」」」」

突然の黄色い歓声。大絶叫を体験したことは何度かあるがここまで凄まじい物は始めてだった。あまりの歓声に頬が引きつってしまった。

織斑先生の人気は相当の物であるのが覗える。次回から耳栓などを所持しておいた方が良さそうだ。

その場を鎮めた後、自己紹介の時間となりそこで織斑がだだ滑りしたがさしたる問題ではないだろう。それからはスムーズにホームルームが進行し早速授業が始まった。


授業は比較的わかりやすく、ISについての簡単な説明などから始まった。

基礎中の基礎ではあるが途中から本格的な内容に入っていく、これは参考書をしっかり読んでいなければ全く分からないだろう。

正直、事前知識でも知らなかった情報があり参考書はその名の通り参考になる代物だった。

ただこの情報を聞いてしまうと兵器として扱われても致し方ないと思ってしまう。

従来の兵器である戦車や戦闘機などを超える性能、これは世界中がどんな手を使っても欲しくなっただろう。

そんな中、篠ノ之から専用機が貰えると思うと正直興奮してくる。だが扱い方を間違えれば世界の敵か……

(本当にとんでもない物を開発したな)

それにしても───────

「えっ?えぇ???」

冷静になる事が出来なのかアイツは!?そもそもかなりの猶予はあったはずだ。なのにも関わらず全く理解出来ていないように見える。

何か問題でもあったのか?それとも単純に馬鹿なのか?

どちらにしろこれについて来られなければ非常に不味い状態だが……どうする?

「織斑くん。ここまで分からない事はありますか?」

「あの……先生」

「はい、なんでしょう?」

「ほとんど分かりません!」

やっぱり理解出来ていなかったか。一体どうなっている?本当に不安なんだが……

そんな視線を織斑先生に向けみると本人も実の弟に呆れかえっていた。

「ほ、本当に?」

「はい……」

「織斑、入学前に渡した参考書に目は通したか?」

「えっと、電話帳と間違えて捨てました」

電話帳と間違えて捨てただと?今の時代そんなことありえるのか?

電話帳なんて今の時代滅多に見かけることないんだが。インターネットの発展で電話帳など存在しない。いや少し残ってる場所はあるか?公衆電話もあるからな……

「今から再発行してやる。一週間以内にしっかり憶えろ、いいな?」

「あの厚みを一週間は無──」

「いいな?」

「──はい」

出た。織斑先生の睨み付ける。相手の反論を容赦なくかき消す技で命中率100%を誇る基礎中の基礎技である。

そんなトラブルがあったが授業は無事再開した。織斑は結局理解することが出来ないまま授業は一旦終わってしまった。この先が心配でならない。


「ダメだ、参考書読んでもほとんど分からない」

本当にダメそうだ……参考書は目を通して暗記済みだから簡単に教えることは出来そうだが。どうだろうか?

今回の目的は織斑一夏を守る。守ると言っても範囲は言われていないので最低限守らせてもらうとしよう。

その為にはまず接点を作るところから始まるわけだが……

「「「ヒソヒソ」」」

普通の女子であればこの状態で近づけるかと言われたら無理と答えるだろう。

だが男である俺は違う。俺は20代なのに性別偽造し女装してIS学園に入学した男……

この説明だと変態だな。

ともあれ、接点を持つのであればこのタイミングしか無いだろう!

「織斑一夏くんで、いいかな?」

「えっと……確か」

「黒咲千春(くろさきちはる)。好きに呼んでくれて構わないよ」

「じゃあ黒咲さんだな!よろしく頼む」

「こちらこそよろしくね」

よし、とりあえずこれで顔合わせは出来たな、ここから最低限度の発展を起こして行ければいいのだが……

「織斑くんは全く授業について行けてなかったみたいだけど、何処まで分からないか教えてもらえる?」

「えっとこの〘ハイパーセンサー〙とか」

「これはISに搭載されている高性能センサーだね。操縦者へのサポートを促し、視覚外からの攻撃などを感知してくれる。ゲームで説明するのであれば攻撃が来るよって事前に伝えてくれるシステムだよ」

本格的に説明すると今の織斑では頭が爆発する可能性がある。

〘ハイパーセンサー〙は操縦者に知覚補佐を促す高性能センサー。本来は宇宙空間での使用を想定されている物である為、基本的にはリミッターがかけられている。

しかし、専用機が来た後リミッターを外そうと考えている。まあシステムを弄れるようにリクエストしたので当たり前なのだが。

「じゃあこの〘PIC〙は」

「〘パッシブ・イナーシャル・キャンセラー〙、ISの基本システム。このシステムによってISは浮遊、加減速を行う事が出来る。ISを操縦する上でこれを扱いきれるかどうかで左右される可能性があるね」

ちなみにこれの発展形に〘第三世代兵器AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)〙が存在するらしいが、基本的には同じである。

その他にも分からない事を教えていたら周囲の視線が色々と変わり始めていた。自分たちも話しかけたいのだろう。

しかしタイミングを完全に見失ってしまって見守るしか無いと言ったところだろう。

女性としては関係的に優位には立てたらしい。女性からしたら羨ましいのだろうが、俺の場合はあくまで目的遂行の為であってそう言った気は一切無いのだ。

「本当に前知識無しだったんだね……」

「お恥ずかしながら」

「一週間でちゃんと憶えないと皆に置いて行かれるよ?」

「が、頑張ります……」

しっかり危機感を憶えさせた上で最低限度の知識は付けて貰う。こうでもしなければ本当にハブられる可能性があるぞ?

下手にそう言った扱いになってしまえば最悪研究所行きになってしまう。それだけ避けておけば、潰さないと行けない要因が一つ減るだけだ。

あとはISの技術、最低限の護身術を身につけさせておけば一旦大丈夫だろうが……護身術に関しては正直なところどうやって話をしたものだろう?

色々考えないといけないことは多そうだ。




「そういえば織斑君はどうしてIS学園に入学したの?」
「入学試験場で迷って、ISが格納されていた部屋に間違えて入ったんだよ。それで綺麗だなって思って触れたら……こんなことに」
「あ、うん……大変だったんだね」
そもそも入学試験会場で迷うことなどあるのか?と困惑しながらも、織斑がIS学園に入学する事になってしまったのは同情してしまった。

次の番外編

  • おねショタ(無効票)
  • 1シャル&ラウラと千春(受け)
  • 2シャル&ラウラと千春(攻め)
  • メス堕ち(無効票)(千春総受け)
  • 束と千春
  • 千冬と千春
  • シャル&ラウラと千春
  • 一夏と千春
  • オマケ(無効票)
  • 千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
  • 千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」
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