女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
「それでは2人とも、改めてよろしくお願いね」
「よろしくね」
「ああ」
放課後に部屋の鍵を受け取り現在時刻は夜。夕食を終えた俺たち三人は部屋に戻ってきた。
食堂では相変わらず2人目の男性操縦者ということで、相変わらずの女子の包囲網&質問攻めに遭ってしまい、淡々と続きそうなそれを頃合いを付けさせ切り上げてきた。
途中からボーデヴィッヒが食べずらそうにイライラしていますといった雰囲気を出してしまっていたので、このままでは不味いと思って切り上げたのはやはり正解だったかもしれない。
3人部屋という異例の事態の中であったとしても、多少落ち着けるので移動した。
食後の休憩を兼ねて、湯飲みに日本茶を入れイスに腰を下ろす。
それを見たデュノアとボーデヴィッヒは日本茶に興味があったようで、自分たちも飲んでみたいと言ってきた。
3人分の湯飲みがあるか心配だったが、丁度同じ数が置かれていて助かった。
「紅茶とは随分と違うんだね。おいしいよ」
「不思議な感じだ。少し苦みが強いが……旨いな」
「2人とも気に入ってくれたようでなにより。今度機会があれば日本の食に触れるのもいいかもね?」
2人が気に入ってくれた日本茶だが、セシリアはこれが苦手だったらしくほとんど飲まない。色味が引っかかっているのかも知れない。緑色の飲み物など他に沢山あるだろうに。
「日本食か……それなら私は寿司を食べてみたいな、日本の寿司は美味しいと教官から聞いている」
「僕はすき焼きかな……あれって日本の文化って知ってびっくりしたけどね」
2人とも地味にお財布の中を破壊してくる選択をしてくる。どうせなら良いところに連れて行ってあげたいところだ……寿司は回転寿司でも良いのかも知れないが、本格的に日本食に触れるのであれば目の前で握って貰った方が深く知れるだろう。
すき焼きに関しても家で出来るもだが、お店の方が良いだろうか?それもと実際にすき焼きを作るところを見せて食べて貰った方が良いのかも知れないな……
「2人とも楽しみなのがそれぞれ違うのは良いね。それなら今週末の日曜日にでも出かけてみる?」
「本当?嬉しいなありがとう。黒咲さん」
柔らかい笑みを浮かべるデュノア。本当に男なのか疑いたくなくらい全体的に感じる中性的な印象、こうも素直な笑顔を向けられてしまうと疑うなと言われても疑ってしまう。
「私も久しぶりに外出するし楽しみだね──ボーデヴィッヒさんはさっきから黙ってるけどどうかしたの?」
「私はこの服以外持っていない」
「じゃあ服も買いに行こうか、流石にIS学園の制服で出かけると悪目立ちしちゃうからね」
「いや流石にめんど──」
「めんどくさい、はナシで」
IS学園の制服はいやでも目立つ。今の社会を扱える女性が一番権力を持っていると言っても過言では無いのだ。そんな状態で制服を着ていようものなら男性からの殺意や嫌がらせなどを受けてしまう可能性がある。
同じ生徒としてそう言ったリスクはなるべく避けて日本の文化に触れて貰いたい。
「それじゃあ色々とこの部屋での生活を決めないとね、ベッドの事とかシャワーの事とかね」
この部屋は確かに3人部屋として作られたが、即席の部屋である為ベッドの数は2つと基本的な部屋と変わっていない。変わった点などは人数分のコップなどが設置されていること、大きなソファーが置かれていることの2点だけだろう。
「シャワーの順番どうしよう?その日その日で決めてもね……」
「あ、僕が最後で良いよ。2人が先に使って」
「私はいつでも良い」
そうなると俺、ボーデヴィッヒ、デュノア。この順番で使用する事になる。さて、男である事がバレないようにするには、替えの着替えをしっかりとかごの中にいれておくこと、着替えているところを見られないように気をつける必要があるな。
「ちなみに女子は大浴場が使えるから、シャワーを使いたい日はデュノアさんに言ってね?」
「わかった。黒咲は大浴場を使うことはあるのか?」
「私は基本的にシャワーで済ませちゃうから、大浴場を使ったことは無いかな。でもたまに織斑先生も使ってるみたいだから、もしかしたら会えるかも知れないね?」
織斑先生に会えるかも知れないといった瞬間、彼女の表情が楽しみを抑えきれない子供のような表情になっていた。やっぱり子供じゃないか。
本当に織斑先生の事が好きなんだなと感じる。
「それじゃあベッドはどうしよう?2人とも慣れていない日本での生活だから2人にベッドは使って貰いたいけど……」
「ありがたい話ではあるが黒咲は何処で寝るんだ?」
「そこのソファーで最初は寝ようかな、この生活に慣れてきたらボーデヴィッヒさんのベッドにお邪魔させて貰うかもね」
「わ、私のか!?デュノアで良いだろう!」
「冗談だよ。どっちのにも入らないから」
そもそも3人部屋の時点で問題なのに、そこで男女ともに寝ているなんてことがあれば織斑先生に何言われるか分からない。そして命の保証も無い。
そもそも2人のベッドに忍び込む余裕など、俺に全くなかった。
「そういえば黒咲さんはいつも放課後にISの特訓をしてるって聞いたけど、そうなの?」
「そうだよ。1組は専用機持ちが多いんだけどクラス長が織斑くんで、最初はISの操縦もままならなかったしね。それで全体的に遅れているのを補うために、専用機持ちで集まって織斑くんのレベルアップをしてるんだ」
「専用機持ち全員でか。随分とお世話してるんだな」
「こうでもしないと、本当に織斑くんは成長しないからね」
今日はデュノア達の部屋の引っ越しなどがあったので、放課後の特訓は黒咲を除いてやって貰った。
しかし明日からはまた再開しないと行けない。なにせ今月には学年別トーナメントが開催されるのだ、これには国のお偉いさんたちも見に来ると言うことで全力で取り組まなければいけない。特に織斑は。
パートナーはまだ決まっていないが、決まった場合瞬時にその人と連携がとれるようにするのがベストだろう。
「その特訓に僕も加わって良いかな?何かお礼とかしたいし、専用機もあるから少しくらいは役に立てると思うんだ。それに他の専用機持ちとも仲良くしたいからね」
「それはとても助かるよ。ボーデヴィッヒさんはどうする?」
「私は止めておこう、あの男を見ると嫌な気持ちがあふれてくる」
「そっか、残念だけど仕方ないね」
デュノアという心強い人物が参加してくれたことはとても嬉しいが、そんなことでも少し疑ってしまうのは職業病と言ったところだろうか?
ひとまず明日に備えて先にシャワーを浴びさせて貰うとしよう。着替えをバックから抜き取り更衣室へと移動する、ISはバレないように隠してあるのでデータを盗まれると言ったことは無いだろう。
着替えている間に入られたらどうしようと思ったが、流石にそんなことは無かったのでとても助かった。1人でシャワーを浴びているこの時間は千冬の時とも変わらず俺が唯一リラックス出来る空間だろう。
もし今この場にデュノアもしくはボーデヴィッヒが入ってきたらと考えると、この男は今恐ろしい場所にいるのかも知れない。
ひとまずいつも通りムダ毛の処理を行いながら汗を流していく、永久脱毛も視野に入れているが……なんというかあそこを全部無くすと言うのは少し恥ずかしいのだ。
恥ずかしくない人は本当に即決できるんだろうが、黒咲には到底無理だ。簡単に選択できるほど思い切りは良くない。
この学園に女子として入学しているためヒゲや腕、足などの毛は全て永久脱毛している。というか元から脱毛している。
そうしなければ露出の激しいドレスなどを着たとしたら、脚などで男だとバレてしまうからな。
千冬からは休日に領内を歩き回る際にラフな格好をした方が女子感が上がると言われたが、実際どうなのかわからないままレディースの服などをいくつか買いに出かけた事もあった。
どれが十代の乙女が着るような服なのか分からなかったので、千冬に選んで貰った服が多くなった。今かごの中にあるショートパンツやショート丈タンクトップなどは全て千冬のセンスだ。
正直どうして露出の高い服を選んだのか今でも問い詰める事があるが、のらりくらりと交わされてしまうので諦めの領地に至っている。
シャワーを終え着替えて2人が待つリビングへと戻ると、2人して驚いた表情をしていた。
似合ってないのは自分でも理解しているがまさかここまで顔に出されるとは思わなかった、そう思っているとデュノアからは「かわいい!」と抱きつかれ、ボーデヴィッヒからは「随分と露出の多い服装をするのだな。それに良く鍛えられている。ここまで綺麗な腹筋は教官以外見たことない」と興味深そうにじろじろと見られた。
色々な思いが脳内を駆け巡りながら、男である事がバレないように祈るほかなかった。
「黒咲は身体を鍛えているのだな」
「IS学園には一応ジム施設があるからね。ISのGに耐えるためにも基本的に身体は鍛えてるかな」
「黒咲のISはかなり特殊な見た目だったな、あれはデータ取りか?」
「うん。極限まで装甲を削り小型化することの有用性を調べるためにね。身体にかかるGはかなりキツいよ」
実際にリヴァイヴと比較してみたことがあるが、リヴァイヴの方が体感ではあるもののGが少なく安定しているようにも感じた。その理由は勿論性能差にある。
リヴァイヴは比較的安定した性能をしており初心者でも簡単に操縦が可能になっている、しかしノワールは機動力に性能の重きを置いている為かなりピーキーな操縦性になってしまっている。爆発的な機動力に耐えるためには身体を鍛えなければ一瞬で意識を持って行かれてしまうだろう。そのためのこの肉体だ。
「だからここまで腹筋が……凄いね」
「あぁ……見せるための筋肉ではなく、これはまさしく戦うために洗練された筋肉だ。普段どんなメニューをこなしているんだ?」
2人にお腹を何度も触られる。少しくすぐったいな。
「んっ……あっ……2人とも、くすぐったいからその……」
「っぁ!ご、ごめん!」
「す、すまない……」
2人の顔が少し赤くなっていたのが気になったが、顔に何か付いていたのだろうか?それとも変だっただろうか?
ボーデヴィッヒはまだ女の子同士で分かるのだが、デュノアは男だろう?体に触れるのに抵抗もなかったのだろうか……それとも?
その後、ボーデヴィッヒもデュノアも問題無くシャワーを終わらせて就寝しようということになったのだが、そこでどちらと寝るかという問題が再び起こってしまった……
「黒咲さん僕と寝ようよ、その服でソファーは流石に寒いと思うからさ」
「軍人としてお前が実践しているメニューには興味がある、今日だけ特別に私のベッドで共に寝るとしようか」
2人が優しくお互いのベッドに手招きをする。しかも同時に。
「「え?」」
まさか相手も誘ってくると思わなかったのか思わず声を漏らしていた。少しの沈黙が過ぎ去ったかと思えば、今度は2人同時に俺の腕を掴みベッドへと無理矢理連れ込もうとしてきた。
「ぎゃぁぁ!!!腕がちぎれるぅぅぅ!!!痛い痛い!!!」
今となってはなぜあんなにも2人が白熱したのか分からないが、結局3人とも同じベッドで寝れば解決すると言った結論を叩き出されてこの件は無事(?)解決した。
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」