※この作品はR-18です。

女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活   作:灰崎 快人

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第27話「子供の説得のやりかた」

就寝時間。本来であればいつも通り3人で眠るはずの所を、今日限定でデュノアに頼み込んでなんとかボーデヴィッヒと2人っきりにさせて貰った。

彼女の度重なる問題行動。流石に無視するわけにも行かない状態になってしまっている、自分が認めた人物以外を見下す癖が付いてしまっているのは正直厄介だ。このまま同じ事を繰り返していれば間違いなく彼女は腫れ物のような扱いになる事は避けられないだろう。

千冬の教え子と言うこともあるしなるべくそう言ったことは避けてあげたいところだが……

「……」

当の彼女は黙って気まずそうに下を向いている。俺があそこまで怒ったからだろうか、少なくともこれから怒られると思っている子供の表情をしていた。

怒るために2人っきりになったわけではなく、ただ単純にボーデヴィッヒが何故あんなことをしてしまったのか聞きたかった。

「ボーデヴィッヒさん。今日の問題も織斑先生には伝えてないよ。流石に通達しておくと2人とも大変でしょ?」

彼女を優しく抱きしめて今回の件について話をしていく。ボーデヴィッヒも申し訳なさそうにこちらを抱きしめ返してくる、なんというか……怒られて縮こまっている小動物を彼女から感じてしまう。

「んっ……すまない」

「私もあの時かなり酷い怒り方しちゃったから……ごめんなさい」

「あの時の私は……どうかしていたのかも知れないな」

子供をなだめるように優しく頭を撫でる。彼女の銀髪はとてもなめらかでさわり心地がとても良かった。

気持ちよさそうに撫でられている彼女を見ると、普段とのイメージのギャップが激しい。

あの時どうしてボーデヴィッヒはセシリアと凰に敵意を出したのだろうか?彼女のISのデータを採取する必要もあるのだろうが……織斑に戦う理由を強制的に作らせるためだろう。

最初に対峙した際に織斑は戦う理由がないと言って彼女との戦闘を拒否した。そこで彼の親友、幼馴染みを徹底的に叩くことで叩く理由を作ろうとしたのだろう。

俺が介入していなかったら間違いなく凰とセシリアは追い詰められていた可能性がある。

「ボーデヴィッヒさん。色々言いたいことはあるけど、あの行動は織斑先生達が関係してるんだよね?」

「……」

黙ったままの彼女の言葉を待たずに、俺は彼女を撫でながら話を続ける。

「ボーデヴィッヒさんが織斑先生に憧れを持ってるのはなんとなくわかるよ。ブリュンヒルデ時代の織斑先生の存在、強さを目標にしているのもね」

彼女は間違いなくブリュンヒルデ時代の千冬に魅入られた1人なんだろう。そしてあの第2回モンド・グロッソで彼女が不戦敗したことに不満を持つ1人。最初に出会ったときに織斑に平手打ちをかましたのは、その原因になってしまった彼が許せないから。彼女の経歴を傷つけたのが許せないからだろう。

もし織斑が誘拐されていなかったら?第2回モンド・グロッソで優勝していたとしたら?

まず千冬はドイツに渡ることは確実にないだろう。ドイツ軍に1年所属していたのはあくまでも織斑の位置を伝達してくれたことの恩義を感じているからだ。それ以外に彼女がドイツ軍に所属する理由は無い。

誘拐が無ければそもそも千冬とボーデヴィッヒが出会うことはなかっただろう。

「織斑さんの事を嫌っているのは……織斑先生が第2回モンド・グロッソで不戦敗した原因が彼だから。これで間違いない?」

「あぁ……そうだ。私は教官に憧れていった。あの人の存在が、強さが、私の目標理由であり存在理由だ」

千冬がボーデヴィッヒの存在理由か……デュノアよりもかなり深い闇を抱えているような気がする。

ボーデヴィッヒの事を裏のルートで調べてみたが、軍人時代から前の情報が全く出てこなかった。ここまで情報が出てこないのはボーデヴィッヒの経歴と亡国機業くらいだろう。

「織斑先生の経歴に傷をつけたのが許せない。それは正直分かるよ」

「分かるのだな……黒咲にも」

「うん、私もあの時の映像は見ていたからね」

実際には見ていない。あの時の俺は亡命企業から織斑を救出していたため彼女の試合は全く見れていない。ドイツ軍があの場所を特定したのは流石ではあるが、そもそもどうやって特定したのかそれが怪しい。

考えたくは無いが当時の亡命企業の人員がドイツ軍にいた可能性がある。もしそうであれば間違いなく特定は可能だろう。

俺の場合か?俺は千冬から織斑の位置情報を共有されていた事もあって、IS学園に入学するまでは常に何処にいるのか分かっていた。姉の愛をしっかりと受けている彼の存在が若干羨ましかったな。

「織斑先生の経歴に確かに傷は付いてしまったけど、それにもしっかりとした理由があるんだよ」

「あの男だろ、あんなもの放っておけば良かったものを――」

「織斑さんはね、織斑先生の唯一の家族なの。血の繋がった弟を助けるか、最強の称号を得るために見捨てるか。この選択を出されたら間違いなく織斑先生は前者を選ぶよ」

「何故だ」

「ボーデヴィッヒさんの家族については私知らないけど、家族よりも優先することなんて無いと思うの」

千冬には唯一の家族がいる。それを見捨てるなんてこと彼女には出来ないと思う。俺には出来ない事を彼女は平然とやってのけてくれる。そんなところに俺も憧れている。

「それに織斑さんが誘拐されたことについてなんとも思ってないと思う?」

「……」

「彼にとって織斑先生は大切な家族であり姉という存在。大切な家族の晴れ舞台を壊してしまった、その原因が自分であることを知ってないも思わないほうがおかしいよ。彼だって後悔しているのは間違いない、もしあのとき自分が誘拐されていなかったら、織斑先生は第2回モンド・グロッソで優勝していたんのでは?ってね……」

「……」

「ボーデヴィッヒさんだけじゃないんだよ。あの時のことを悔やんでいるのは」

俺も正直あの時迅速に行動できていたらと何度も思ったことがある。あの時少しでも早く行動していれば、結果は変わっていたんじゃないかなってね……

「ボーデヴィッヒさんが彼の損材を認める認めない以前の問題なの。それにね、この問題は織斑先生と織斑さんの2人で解決するべきであって、私達のような第3者で話し合って解決するべきだと思うの」

「私は考えは余計だと?」 

「はっきり言ってしまえばそうだね。織斑先生があの時の事を気にしているのであれば、そもそも織斑さんとの関係は最悪だとおもうよ。織斑先生にとって一番大切なのは最強の称号ではなく、実の弟である織斑一夏。それだけだったんだよ」

「それで納得で――」

「納得できないとか言わないでよ?そもそも織斑先生が気にしていないんだから」

「ならこの思いはどうすればいい!?私は……あの人が……」

ボーデヴィッヒにとって千冬の存在はとても大きな物になってしまった。

「そうだね……月末の学年別トーナメントで実力を見せるのはどうかな?織斑先生の弟vs織斑先生の教え子って感じで当たれれば最高だね」

織斑のパートナーはデュノアで確定しているため俺は二人と組むことが出来ない、2人と組むことは出来ないが敵として相手することは出来る。織斑の特訓にデュノアが介入してから俺が教えることはあまりなくなった、空いた期間の間どれだけ織斑が強くなったのか興味がある。

彼女には悪いとは思うが、元からデュノアとは組めないのは確定している。ボーデヴィッヒの件もあるからな。

「それで私の気が晴れるとでも?」

「少しは晴れるかもね?戦う理由にもなるし」

あの時のボーデヴィッヒと織斑が戦う理由は一方的な恨みで彼には戦闘する意志は一切無かった、だが学年別トーナメントとなれば話は別。トーナメントで勝ち進めば自然と闘う理由、ステージは強制的に作られる。今度は逃げられない。

「まあ勝てなかったら意味ないけどね」

「私は勝つぞ。どんな手段を使ったとしても必ず勝利し教官に認めて貰う」

「織斑くんはボーデヴィッヒさんが考えてるよりも強いよ。果たして勝てるかな~?」 

「……そういえば学年別トーナメントではパートナーを決めないといけないのだっだな?」

「そうだね~」

「黒咲は空いているのか?」

「私?まだ決まってないよ」

俺のパートナーが決まっていないことを聞いた彼女は小さく笑みを浮かべた。利害は一致しているだろう。

「ならお前が私のパートナーになれ、私があの2人を倒すところを大人しく見ていろ」

「へぇ……随分と余裕だね?まぁ危なそうだったら勝手に介入するけど」

「ふん。私に危機など及ぶものか」

余裕そうに胸を張るボーデヴィッヒ。俺からしたら小さい子が背伸びをしているようにしか見えない。

「じゃあ期待しても良いよね?」

「あぁ貴様に勝利をくれてやる」

千冬のようにクールに決めているところ悪いが、どう見ても背伸びしている子供にしか見えなくて可愛い。

「じゃあ負けたらメイド服着ようね」

「……え?」

「それじゃあおやすみなさい」

笑顔で彼女にそう伝えた後、すぐに背を向けて眠りに入る。背後から「う、嘘だよな?黒咲?……黒咲?」という声が聞こえるが気のせいだろう。服を引っ張られている気がするが気のせいだろう。

もう1つのベッドで眠っているデュノアに視線を移すと、彼女もまだ起きていたようでクスクスと笑っていた――が俺と目が合った瞬間、ジト目でこちらを見ていた。なんでだ……?

次の番外編

  • おねショタ(無効票)
  • 1シャル&ラウラと千春(受け)
  • 2シャル&ラウラと千春(攻め)
  • メス堕ち(無効票)(千春総受け)
  • 束と千春
  • 千冬と千春
  • シャル&ラウラと千春
  • 一夏と千春
  • オマケ(無効票)
  • 千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
  • 千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」
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