女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
6月も最終に入り、IS学園は月曜から学年別トーナメント1色に変わる。その慌ただしさは予想よりも凄く、今こうして第1回戦が始まる直前まで、全生徒が雑務や会場の整理、来賓の誘導など忙しなく行っていた。
それらからやっと解放された生徒達は急いで各アリーナの更衣室に走る。ちなみに織斑とデュノアは例によってだだっ広い更衣室を2人で使っているらしい。俺は着込んでいたので更衣室に走らなくても問題無い。制服は何故か織斑先生が預かってくれた、本当に何故だ?
女子更衣室では本来の肺の女子生徒を収容して、多変なことになっているだろう。ボーデヴィッヒ達は大丈夫だろうか?
「この景色は……凄いな」
モニターから観客席の様子を見る。そこには各政府関係者や研究所員。企業のエージェント、その他諸々の顔ぶれが一堂に会していた。なかには俺に依頼を出してきた人物や、アーノルドの顔ぶれもあった。
3年生には企業からのスカウト、2年生には1年間の成果の確認にそれぞれ人が来ている。1年にはあまり関係はないだろうが、トーナメント上位入賞者になればチェックは入るだろう。まったくご苦労なことだな。
特に今年の1年は専用機持ちが多いらしく、かなり注目されているらしい。織斑、セシリア、凰、ボーデヴィッヒそして俺……かなりいるな。
セシリアは凰とペアを組み、織斑はデュノアと組んだ。そして俺はボーデヴィッヒ、専用機持ち同士で組んだことも注目される原因になったのだろう。
1年の中で現時点最強なのは恐らく……ボーデヴィッヒの可能性がある。ただこれはあくまでも1人での想定、ペアを組んだ場合どうなるのかは分からない。
「待たせたな」
「そんなに待ってないよ、更衣室どうだった?」
「酷いものだった……」
少し髪の毛がボサッとしてしまっているボーデヴィッヒの髪をくしで解かしていく。更衣室がかなり窮屈なのをものがっている。
「黒咲は早かったな」
「色々やることがあったからね」
どういう理由なのか分からないが、ペア対戦への変更をがなされてから従来のシステムが思ったように機能しなくなってしまったらしい。本当であれば前日には出来ているはずの対戦表も、今朝から生徒達が手作りの抽選クジを作っていた。翌年には使用できるように改善しておきたいところではあるが、俺にはそこら辺のノウハウはあまりないので教師達に任せよう。
「そろそろ対戦表が決まるはずだよ」
「まさかあそこまでバタつくとはな……教官も少しお疲れの様子だった」
織斑先生もこの件に関してはかなり動いており、システムの件でため息をついてデスクに突っ伏していたらしい。
「1年の部、Aブロック1回戦1組目って言うのはありがたいね、案外早く織斑くんと戦えるかも知れないよ?」
「それは楽しみだな。だが初めから手の内を晒すことになってしまうのがな」
「ボーデヴィッヒさんは1回戦目で手の内全て晒すほど余裕が無いのかな?」
意地悪そうな笑みを浮かべながら彼女に視線を送る。それに対しボーデヴィッヒはむすっとした表情を浮かべる。こういう所が千冬にも引っかかったのかも知れないな。
「そんな事はしない、ただ他の奴らがボロを出すだろうと考えただけだ」
「そっか」
この日までボーデヴィッヒとペアとして特訓をしたことは無い、織斑の特訓にも付合ったことは無い。1人で黙々とISの稼働時間を稼いでいた。おかげでIS使用時の射撃精度や機体の微調整を事細かく行えたのはラッキーだろう。
「む、対戦相手が決まったみたいだぞ」
モニターがトーナメント表へと切り替わる。ボーデヴィッヒの髪を解くのを辞めて、そこに表示された文字を食い入るように見つめる。
「――ほう」
「――へぇ」
出てきた文字を見て、俺とボーデヴィッヒは面白そうに笑みを浮かべた。
1回戦の対戦相手は織斑、そしてデュノアのペアだった。
「「………………」」
黒咲達が待機しているのと少し離れた更衣室。人口過密など感じないそこで2人はただ黙ってモニターを見つめていた。
「まさかあの2人が組んでるなんて思わなかったな」
「僕は最初から知ってたよ、黒咲さんに直接言われてたし」
意外なことにシャルルはこの組み合わせになんの違和感もなく対応できるようだった、俺としては驚きしか無い。まさか黒咲がボーデヴィッヒと組むなんて無いと思っていた。セシリア、鈴には黒咲とボーデヴィッヒが睨み合っていると聞いたときにはとても驚いた。
「黒咲だけでも厄介なのにボーデヴィッヒとか」
「彼女はおそらく1年の中では現時点で最強、その次に実力があるのが黒咲さんかも知れない。気をつけていこう」
シャルルの意見は間違いないだろう。黒咲はこちらの戦術や技術をほとんど知っている、対してこちらはあまり彼女の技量を知らない。何度も手合わせしたことはあるが加減されてるとしか思えないくらい手の内を明かしてこない。
セシリアや凰と戦った際には主に中遠距離からの攻撃が多く、近距離で仕掛けてきたとしてもメインは銃。ナイフを装備しているのにもかかわらず銃器に依存した戦い方をする。
そんな黒咲と対等に戦えるのは現時点でボーデヴィッヒ1人だけかも知れない。彼女のISの性能などについては未知数な部分が多く、装備などもあまり判明していない状態で挑むことになる。
1度ISを見たことがあるのでなんとなくの想像にはなってしまうが、おそらく黒咲と同じように中遠距離からの攻撃を得意としている可能性がある。
正直言って俺とはかなり相性が悪い相手だ。いや基本的に遠距離から攻撃されたら俺は回避行動するしかないんだけど……デュノアとの相性は正直分からない。そもそもデュノアと黒咲が戦ってるところ一度も見たこと無いような気がするな。
「――黒咲は任せて良いか?」
「ボーデヴィッヒさんの相手するの?わかった、僕に出来るなりに黒咲さんを押さえ込んでみる。だから負けないでよ?」
正直俺にボーデヴィッヒの相手が務まるのか分からない。そもそもろくに黒咲にも勝つことが出来ていない俺が彼女の相手を出来るのかと思ってしまう。
「織斑くん」
「……なんだ?」
「この試合、絶対に勝ち取ろうね!」
デュノアは負ける気は無いと自信に満ちあふれた表情を浮かべている。そうだよな最初から弱気になってたらダメだよな!
「あぁ!絶対にな!」
自分を奮い立たせるために大声でシャルルに答える。ボーデヴィッヒ、黒咲には絶対に負けられない!
ボーデヴィッヒには叶わないかもしれない、だけどこれはチーム戦だ。相手の連携を崩す事が出来れば可能性はある。
『1戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ』
『それはなによりだな。こっちも同じ気持ちだぜ』
ボーデヴィッヒと織斑の睨み合いが続く。1戦目からこの組み合わせとは面白い巡り合わせだな?睨み合いが続いている中、隣で佇んでいるデュノアへと視線を送る。
『手加減は……しないよ?』
こちらが見ているのに気づき言葉をかけてくる。彼女の瞳には絶対に勝つという闘志が宿っているように見える。この期間3人で寝ることは無く彼女は夜を1人で過ごして貰った、そのせいなのかは知らないが少し不貞腐れているような気がする。これが終わったら構ってあげた方が良いだろな。
『それはこちらも同じ。全力で叩き潰してあげるよ!』
デュノアと戦うのは今回が初。どれほどの実力を秘めているのか気になって仕方が無い。俺は獲物を見つけたときのようにニヤリと笑みを返す。
『その笑顔は少し怖いよ』
『……ごめんなさい』
怖がられてしまった。そんなに怖い顔はしていないと思うんだけどな?
『ボーデヴィッヒさん、私は少し様子見させて貰いますよ』
『当たり前だ。あいつらの相手など私一人で十分だ』
『危険だと判断したら容赦なく介入しますからね?』
ボーデヴィッヒと軽く会話をしたのち少し離れる、試合開始まであと二十秒。楽しみだ。
『5、4、3、2、1――開始』
『『叩きのめす!!』』
織斑とボーデヴィッヒの言葉は奇しくも同じだった。さぁ、お手並み拝見だ。
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」