女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
試合開始と同時に織斑は瞬間加速を発動させる。初手相手にダメージを与えることが出来れば、戦況はあちらに大きく傾くだろう。
だがそれは相手にダメージが入った場合のみ、逆にダメージを与えられなければ相手のパターンに利用される。
『ふん』
ボーデヴィッヒが右手を突き出す。彼女から一定の距離に離れたあと後方のデュノアに注意を向ける。
彼女も最初は織斑に協力する訳では無くこちらと同じように任せるようだ。織斑に果たして相手が務まるだろうか?
ドイツの第3世代型IS《シュヴァルツェア・レーゲン》には〘アクティブ・イナーシャル・キャンセラー〙通称〘AIC〙が搭載されている。
〘AIC〙は慣性停止能力と読むことが出来る。このシステムは〘PIC〙、〘パッシブ・イナーシャル・キャンセラー〙を発展させたものであり、これを使用することで対象を任意に停止させる事が出来るらしい。
ただしこのシステムはあくまでも実験的な要素が多いため、実用性を確かめているところだろう。
『くっ……!』
このシステム事態を知らなかった織斑は対応できずにAICに腕、胴、足と捕まっていた。これをもろに受けてしまうと身動き1つ取ることが出来なくなってしまう。
『開幕直後の先制攻撃か。わかりやすいな』
『……それはどうも。以心伝心でなによりだな!』
『ならば私が次にどう行動するのかもわかるだろう?』
分かりたくは無いだろうが大方の想像はつく。ガギャン!と巨大なリボルバーの回転音が轟く。織斑の《白式》の〘ハイパーセンサー〙が警告を発しているだろう。
それなのに織斑の表情は冷静だった。しっかりとこの試合が一対一ではなと理解しているらしい
さすがだぞ!この試合のルールをバッチリ理解しているんだな!
『させないよ』
デュノアが織斑の頭上を飛び越えて現れる。それと同時に61口径アサルトカノン「ガルム」による爆発弾の射撃を浴びせた。
『ちっ……』
肩の大型カノンを射撃によってずらされ、織斑へと向けて放たれた砲弾は空を切った。さらにたたみかけるデュノアの攻撃に、ボーデヴィッヒは急後退をして間合いを取った。
「逃がさないよ!」
デュノアは即座に銃身を正面に突き出し突撃体制へと移った、左手にはアサルトライフルを素早い早さで呼び出していた。光の糸が虚空で寄り集まったかと思えば一秒足らずで銃を形成した。
あれが彼女の得意とする技能なのかも知れない。戦闘と並行してのリアルタイム武装呼び出し、デュノアの器用さと瞬時の判断力が優れていることの証明だろう。
「……」
ボーデヴィッヒへの追撃を遮るように彼女の手にあるアサルトライフルにむけて射撃を開始する。世の中には銃弾に銃弾をぶつける技術を持っている人物もいるようだが、俺はそこまで人間離れした技術は持ち合わせていない。
『くぅ……!黒咲さん!』
『忘れられるのは、悲しいね?』
『それじゃあ俺も忘れられないようにしないとな!』
ボーデヴィッヒの〘AIC〙から解放された織斑がすぐさまこちらの方へと〘瞬間加速〙。ボーデヴィッヒから俺にターゲットを変えたか?だが思惑通りにさせるつもりはさらさら無い。こちらも瞬間加速を利用してボーデヴィッヒと合流する、織斑には実体剣を投げ爆破に巻き込もうとしたが、流石に成長しているようで実体剣を1つも爆破させること無く破壊していた。
「余計なことを」
「ちっ……とか言って後退したのは誰かな?2人の連携は間違いなく私達より上だよ。デュノアさんはこっちで引きつけるから織斑くんを頼むよ?」
「……わかった」
ボーデヴィッヒ1人で行けると思っていたがそんなことは無かったな。織斑とデュノアの連携技術は想像以上に洗練されている。俺が見ていないところで徹底的に磨き上げたのだろう。
「行くよ!」
デュノアと同じようにアサルトライフルを展開して突撃する。相手と同じ武器で何処まで持つのか……今この場で試してみようじゃ無いか!
『正直戦ってみたかったよ!黒咲さんとね!』
『それはこっちも同じだよ!行くよ!』
お互いに射撃を浴びせ始める。相手の行動を予測し無駄な弾薬をなるべく抑えながら対峙する、俺とデュノアで使用しているアサルトライフルには致命的な差がある。弾薬問題だ。相手は恐らく多くの弾薬を所持しているだろう、それに対して俺は予備弾倉3つのみ。
長期戦になればなるほどこちらが不利になるのは目に見えている。
『正確な射撃に加えてこっちの動きを予測した弾道、僕より射撃の腕は上なの!?』
『ふふっ。手の内はそう簡単に明かすわけには行かないからね、それに射撃も結構練習したんだよ?』
確かにデュノアの射撃は正確だ、それゆえに弾道は予測しやすい。時には変わった射撃も織り交ぜた方が予想しづらいものだ。
『最小限の動きで回避される。機体装甲が小さいから下手な銃弾も当たらない!』
『極限まで機動性に特化させたこの機体、そのスペックを最大限活かせればこういう芸当も出来る!』
今の俺に最大限引き出せる機動力でデュノアとの距離を詰めていく。最小限の動きと〘ハイパーセンサー〙の警告、そして俺自身の反応速度、これらが全て最大限まで引き出せている時のみ《ノワール》は最大稼働状態になる。
『な、なにこれ!?まるで分身したみたいにセンサーが反応してる!』
正直かなり無理なことをしている。瞬間加速使用時とはまた違ったGが身体に襲いかかってきている。〘最大稼働状態〙は現時点で持っても1分が限界だろう。
ロボットなどであれば駆動系に支障が出てもおかしくない、だが俺のISは極限まで小型化した仕様であり、従来のISとは違い関節駆動系など存在しない。
壊れるとしたら自身の身体の関節だろう。
「くっ……殺人的な加速だっ!」
それに必死で対応しようとデュノアの攻撃の手は止むことは無い、むしろ拡散弾を使用してこちらの動きを封じ込めようとしていた。判断力は流石と言いたいな。
セシリアと戦ったときと同じように互いに動きの読み合いが続く。だがそれも長くは続かなかった。
『シャルル!援護を頼む』
『っ!了解!』
ボーデヴィッヒの方を見てみると両手のプラズマ手刀を展開し、左右から連続で斬りかかっている。斬撃と突撃を織り交ぜた正確無比の攻撃に、織斑は完全に押されていた。
デュノアが織斑の援護に向かったタイミングで弾切れになった弾倉を交換し休憩に入る、最大稼働状態は今回初めて行ってみたが、あれに慣れるには相当な鍛錬が必要になるだろう。あとこの状態でやるものではないな。
最大稼働状態と言ってもこちらのスラスターなどは相手よりも少なく加速力などでは劣っている、対等に戦えているのは軽量化と小型化のおかげだ。
それにしてもデュノアの判断力には恐れ入る。特にあの高速切替は一定のリズムと間合いを作ることが出来れば近中遠距離に収まらず、攻防の面でも高いレベルで安定するだろう。
これを突破するのはボーデヴィッヒであったとしても容易なことではないかもな。
『ワイヤーブレードか……』
再び2対1となったボーデヴィッヒはワイヤーブレードを展開し手数を増やしていた。両手のプラズマ手刀とワイヤーブレードによる波状攻撃。これを捌ききる程の技量は織斑にはないらしい。手刀を起動している間はAICを発動させることが出来なのか、両手の手刀を解除し〘AIC〙を発動させていた。
『面倒だ。終わらせてやろう!』
〘AIC〙で織斑を完全停止させ、6つのワイヤーブレードを一斉に射出し突き進んでいく。
『くそおおっ!』
ワイヤーブレードにより全身を切り刻まれる。ISの装甲は三分の一持って行かれて、エネルギーは半分以上削られただろう。
さらにボーデヴィッヒの追撃は終わらず、織斑の右腕をワイヤーで拘束し、ねじ切るように回転を加えながら織斑を地面に叩きつけた。勢いを相殺しきれず衝撃が全身に伝わるだろう。
大型レールカノンの照準を織斑に合わせる。
『終わりだ』
砲口から炎を纏い突き破りながら進んでいく砲弾。対ISアーマー用特殊徹甲弾。当たり所が悪ければ一発で勝負が決まる程のシロモノを使っているとは、この試合にかけている彼女の思いが伝わってくる。
『やらせないよ!』
鈍く重い音を響かせてデュノアの盾が砲弾を防ぐ。そしてすぐさまワイヤーを切断し、織斑の手を引いてその場から離脱する。
『助かった……ありがとう』
『どういたしまして』
『黒咲は?』
『こっちの動き次第では介入してくるよ』
そう言って視線を向けてきたデュノアに従って織斑もこちらを見る。地上に降りている俺は2人をじっと見ながらアサルトライフルを手にしていた。シールドエネルギーはまだ半分以上残ってる、装甲に関しても損傷箇所は少なくいつでも動けるだろう。
『……まずはボーデヴィッヒから叩くぞ』
『了解っ』
両手に持っていたアサルトライフルを捨てて、デュノアは新たに武装を呼び出す。ショットガンにマシンガン火力でごり押しするつもりだろうか?
『ここからが本番だね!』
『ああ。見せてやろうぜ、俺たちのコンビネーションをな!』
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」