※この作品はR-18です。

女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活   作:灰崎 快人

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第33話「再入学」

翌日。朝のホームルームにシャルロットの姿はなかった。

「デュノアは織斑先生に呼ばれてるから」そう彼女に伝えたあと食堂で別れた、少し怯えていたので何も怖がることは無いよと言って安心させておいたので大丈夫だと思いたい。

「ボーデヴィッヒ、無理しなくても良いからな?」

「大丈夫だ。それに無理しているのは黒咲も同じだろう」

確かにそうかもしれない。無理しているのはお互い様という事か。

「み、みなさん、おはようございます……」

教室に入ってきた山田先生は何故だかふらふらとしている。朝っぱらからどんなダメージを受けてしまったのだろうか?朝のデザートが数量限定だったのでそれが食べられなかったとか?それともあれか?

「黒咲さん、何を考えているのかわかりませんが、私を子供扱いしようとしているのはわかりますよ?先生怒ります。まったく……」

怒りますと言っている割りには全く覇気が無い。しかしそれはそれ、申し訳ない山田先生。

「今日は、ですね……みなさんに転校生を紹介します。転校生といいますか、すでに紹介が済んでいるといいますか、えっと……」

言葉で上手く伝える事か出来ないのか山田先生はアワアワした様子で落ち着きが無かった。

「黒咲、この時期に転校生は珍しいのか?」

「勿論そうだよ、ボーデヴィッヒが来たときもびっくりだったんだからね?」

「そうなのか……」

クラスの皆もそこに反応したらしく、一斉に騒がしくなる。今月は既に二人も転校生が来ているというのに、それにまた来るというのだろうか。なにがどうなっているんだ?という反応が多く見られる。

「黒咲は妙に落ち着いているな?」

「まあね。多分ボーデヴィッヒも知ってる人だからね」

疑問符を頭に浮かべているボーデヴィッヒを見て俺はクスクス笑ってしまう。教えてくれても良いじゃないかと頬を膨らませる彼女の顔が、小動物のように見えてとても愛らしい。

「じゃあ、入ってきてください」

「失礼します」

「は?この声はデュノア?」

驚いた様子で目の前の女の子に視線を向けるボーデヴィッヒ。まあびっくりするよね、まさか同室の男子が――実は女子だったなんてね

「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

ぺこり、とスカート姿のシャルロットが礼をする。ボーデヴィッヒを始めクラス全員がぽかんとしたまま、これはどうもご丁寧にとばかりにぺこりと頭を下げ返す。その様子に思わず笑ってしまいそうになる。

「ええと、デュノア君はデュノアさんでした。ということです。はぁぁ……まさかこんなことが起きるなんて」

なるほど、千冬は山田先生に伝えていなかったのか。それで彼女は憂いていると、ご愁傷様です。

「え?デュノア君って女……?」

「おかしいと思った!美少年じゃなくて美少女だったわけね!」

「って織斑くんも知らないって事は――」

「ちょっと待って!昨日って確か、男子が大浴場使ってたわよね!?」

ザワザワと教室が一斉に喧噪に包まれ、あっという間にあふれかえってしまった。

そういえば昨日は男子が大浴場使えたんだったな、俺はこの有様で使えなかったわけだが。

「一夏ぁ!貴様もしや!」

「い、いや!大浴場にシャルル来なかったぞ!?」

事実。シャルロットは一度も大浴場を使用していない。それは同室だったから分かっている。

「黒咲っ!?おまムグググ!?」

余計なことを言う前にボーデヴィッヒの口を塞ぐ。シャルロットと同じタイミングで正体を明かせば良かったといいたいのだろうがそんなこと絶対に無理だ。なんなら卒業するまで隠し通すつもりだからな。


「一夏ぁっ!」

バシーン!と教室のドアが蹴破られたような勢いで開く。

どどんと登場、凰鈴音。その顔は烈火の如く怒り一色。背後には昇竜が見える。これが中国四千年の歴史というものなのだろうか?

「死ねぇぇぇ!!!」

ISアーマーの展開、それと同時に両肩の衝撃砲がフルパワーで解放される。

――あぁ、これ死んだなぁ――

明日の朝刊一面は決まりだな。

『哀れ高校一年生男子。同学年女子に殺害される。死体は原形をとどめておらず、クラスメイト達は口々に悲しみの声を漏らす』

こんな所だろう。まあそんなことさせないがな。

ズドドドドドドオンッ!!!

「ふーっ、ふーっ、ふーっ」

怒りのあまり肩で息をしている鈴がいる。その姿は毛を逆立てて怒っている猫の用にも見える。――って、あれ?俺……生きてる?……俺生きてる!?ナンデ!?ドウシテ!?

「全く……凰さん、こんな狭いところで暴れないでくださいね?」

間一髪、だったのかどうかわからないが、俺と鈴の間に入ってきたのは黒咲だった。

黒咲はかなり酷い怪我を負っていてもおかしくないのに、それを全く感じないほど普段通りに接していた。

それに身体には黒咲の専用機《ノワール》ではなく、黒いIS《シュヴァルツェア・レーゲン》を纏っている。おそらく、衝撃砲をレーゲンが搭載しているAICで相殺したのだろう。しかし、よく見てみるとあの大型レールガンが無い……じゃなくて!なんで黒咲がボーデヴィッヒの専用機を纏ってるんだ!?それにそのISはもう壊れてたはず……

「《シュヴァルツェア・レーゲン》!?どうして……」

「コアはかろうじて無事だったらしいです。そこでドイツから送られてきていた予備パーツで組み直していたものを、私が今朝預かりました」

「へー。そうなんだな」

「ホームルームが終わった後、ボーデヴィッヒに渡そうと持っていたらこんなことに使えるとは。よくこの子も許してくれましたね。さてと、凰さんが怒ってるのはシャルロットと織斑くんが大浴場に一緒にいたかも知れないから。だよね?」

「え、ええ」

「結論から言うと、シャルロットさんは大浴場を使ってないよ。同室だった私が言うんだもん間違いないよ」

その言葉に再び教室がざわつき始める。そもそも黒咲とシャルルが同室だったこと知らないんだけど!?

「く、黒咲さんはどうしてそんなに落ち着いていらっしゃいますの?」

セシリアが戸惑いながら恐る恐る黒咲に尋ねる。普通なら驚くはずなのに彼女はまったく動揺していない。それに男子として入学してきたシャルルと同室だった事も皆には隠して一体なにがしたいんだ?

「えっとね……実はシャルロットが女子だって事、結構最初の頃から知ってたんだ」

「「「えぇぇーーー!?!?」」」

「黒咲!?同室の私も聞かされてないぞ!?」

同じく同室であったボーデヴィッヒが異議を唱えてくる。え?転校生二人と同室だったって事か!?

「ボーデヴィッヒに伝えたらすぐに報告するでしょ?それは避けたかったからさ……ごめんね?」

「くっ……反論できない」

《シュヴァルツェア・レーゲン》を解除した黒咲が申し訳なさそうに、待機状態のISをボーデヴィッヒに返す。

ボーデヴィッヒにはバレずに黒咲だけにバレたって事か……黒咲そういう所しっかり見てるんだな。

「ち、ちなみに黒咲さんはどうして、シャルロットさんが女性だとわかったのですか?」

「え、えっと……えっとね」

バツの悪そうに言葉を選んでいる黒咲。もしかしてとんでもないタイミングでシャルルの――シャルロットの正体に気がついたのか?

「えっと……「僕がシャワールームに入ってるときに、替えのシャンプーを持ってきてくれたんだ。その時にバレちゃった」……うんそうなんだよね!」

それは、なんというか不幸な出来事だったな。

「そうか、それはちゃんと報告して貰わないと困るな?黒咲」

……黒咲の背後に般若の形相を浮かべた千冬姉が見える。あはは、疲れているのかな俺。

「お、織斑先生」

「あとでじっくり話そうじゃないか?なに時間はたっぷりある」

「ハ、ハイ……」

あそこまで怯えた様子の黒咲を見るのは初めてだった。千冬姉と比べても小さいその身長が、余計小さく見えてきた。

その日の黒咲はまるで怯えたように縮こまった状態で1日を過ごしていた。




「あちゃ……これはかなり壊しちゃってるネ♠、もちろんコアは無事だけどサ」
奇妙な部屋。一人彼女はぽつりと呟く。
部屋の至る所には機械の備品がちりばめられ、ケーブルがさながら樹海のように広がっている。
その金属の根の上を歩いて行くのは、機械仕掛けのリス。時折床に転がっているボルトを、どんぐりのようにかじっている。
カリカリバキグチュァゴリゴリブシュバゴーン……と響くその音は、昔一般的に使われていた磁気式記憶装置の書き込み音によく似て――いるわけがない。なんだよバキグチュァゴリゴリブシュバゴーンって、機械でもそんな音出さないぞ。
不要な部品を識別、その構成素材を分解して吸収、別の形状へと再構成するリスなど、世界中を探してもここにしかいない。
そう、ここは――篠ノ之束、その秘密ラボである。
「全く、無茶するよね……相変わらずサ♥」
彼女が見つめるモニターには黒咲がVTシステムと対決している映像が流れている。
それをため息交じりにじっと見つめる篠ノ之博士、彼女にはこの映像がどう映っているのだろう。
『はい、マユでーす!でもごめんなさい、いまマユはお話できません』
突然マユと名乗る少女の声が聞こえる。それはどうやら彼女の携帯からなっていたようだった。
「この着信音は!」
大ジャンプ。携帯電話にダイブである。ガシャーンとマグカップなどが激しく散らばるが、束にとってはどうでもいい。すぐさま携帯電話に耳を当てる。
「やあやあ!久しぶりだね!ずっーーーーと待ってたよ!!!」
「っ――。姉さん」
「うんうん。用件は分かってるよ。欲しいんだよね?君だけのオンリーワン、オルタナティブ・ゼロ、箒の専用機が。モチロン用意してあるよ。最高性能にして規格外仕様。そして、白と並び立つもの。その機体の名は――『紅椿』」
二章完

次の番外編

  • おねショタ(無効票)
  • 1シャル&ラウラと千春(受け)
  • 2シャル&ラウラと千春(攻め)
  • メス堕ち(無効票)(千春総受け)
  • 束と千春
  • 千冬と千春
  • シャル&ラウラと千春
  • 一夏と千春
  • オマケ(無効票)
  • 千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
  • 千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」
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