女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
合宿二日目。今日は午前中から夜まで丸1日ISの各種装備試験運用とデータ取りに追われる。特に専用機持ちは大量の装備が待っているのだから大変だ。
「よし、全員集まったか。――おい遅刻者」
「は、はい……」
千冬姉に呼ばれて身をすくませたのは、意外にも黒咲だった。
あの黒咲が珍しく寝坊したようで、集合時間に十分遅れでやってきたのだった。遅れた原因はわからないが、黒咲の顔色が妙に悪かった。
「……ISのコア・ネットワークについて説明してみろ」
「はい……ISのコアはそれぞれが相互情報交換のためのデータ通信ネットワークを持っています。これは元々広大な宇宙空間における相互位置情報交換の為に設けられていたものですがウプ、現在は〘オープン・チャンネル〙と〘プライベート・チャンネル〙による操縦者会話など、通信に使われています。それ以外にも〘
「流石に優秀だな。遅刻の件はこれで許してやろう」
そう言われて、ふうと息を吐く黒咲。心なしか呼吸を整えているようにも見える。それに度々山田先生から背中を擦られている。昨晩何かあったのだろうか?
「さて、それでは各班ごとに振り分けられたISの装備試験を行うように。専用機持ちは専用のパーツのテストだ。全員迅速に行え」
はーい、と一同が返事をする。流石に一学年全員がずらりと並んでいるので、かなりの人数になっている。ちなみに現在位置はIS試験用のビーチであり、四方を切り立った崖に囲まれている。ちょっとした隠れビーチになっている。ドーム状なのが、どこか学園のアリーナを連想させる。大海原に出るには一度水面下に潜って、水中トンネルから行くらしい。映画みたいなロケーションだ。テンションあがるな。
ここに搬入されたISと新型装備のテストが今回の合宿目的。
当然ISの稼働を行うので、全員がISスーツ着用姿だ……が何故か黒咲は制服のままだ。おそらく着替えることが出来なかったんだろう。中には恐らくISスーツを着込んでいると思われる。って流石に考えたらダメか。海だとますますISスーツが水着に見える。
「ああ、篠ノ之。それと黒咲はちょっとこっちに来い」
「「はい」」
〘打鉄〙の装備を運んでいた箒は、千冬姉に呼ばれそちらへと向かう。黒咲もISスーツに着替え終わっており、まもなくしてそちらに向かっていった。
黒咲のISスーツは前回の事件でボロボロになってしまったため、所々テープで止められているのが気になった。恐らく新調するのが間に合わなかったのだろ。
「まず篠ノ之。お前には今日から専用――」
「ちーちゃ~~~~~~~ん!!!」
「……ホントウニキタノカ」
ずどどどど……!と砂煙を上げながら人影がこちらに走ってくる。無茶苦茶早い。たぶん、ISっぽい何かを付けているからだろうとは思うんだが、問題はその人影が――
「……束」
だということ。立ち入り禁止もなんのその、稀代の天才・篠ノ之束さんは堂々と臨海学校に乱入してきた。
「やあやあ1会いたかったよ、ちーちゃん!さあ、ハグをしよう!愛を確かめ――アウラッ」
飛びかかってきた束さんを片手で掴む。しかも顔面。思いっきり指が食い込んでいた。全くもって手加減の無い千冬姉だった。
「うるさいぞ、束」
「うぐぐぐぐ……相変わらず容赦の無いアイアンクローだね!」
そしてその拘束から簡単に抜け出す束さんもただ者ではない。
よっ、と着地した束さんは、今度は箒の方を向く。黒咲は我関せずといった姿勢で、いつの間にか山田先生の隣にたたずんで何かを話していた。
「やあ!」
「……どうも」
「えへへ、久しぶりだね?こうして会うのは何年ぶりかなぁ。大きくなったね、箒ちゃん。特におっぱいが」
がんっ!バキッ!
「殴りますよ」
「な、殴ってから言ったぁ……し、しかも日本刀の鞘で二回も叩いた!酷い!箒ちゃん酷い!」
頭を押さえながら涙目になって訴える束さん。そんなふたりのやりとりを、一同はぽかんとして眺めていた。
「おい束。自己紹介くらいしろ。うちの生徒たちが困っている」
「えー、めんどくさいな。私が天才の束さんだよ、はろー。終わり」
そういってくるりんと回ってみせる。ぽかんとしていた一同も、やっとそこで目の前の人物がISの開発者にして天才科学者・篠ノ之束だと気がついたらしく、女子の間がにわかに騒がしくなる。
「もう少しまともにできんのか、お前は……手が止まっているぞ。コイツのことは無視してテストを続けろ」
「こいつは酷いなぁ、らぶりぃ束さんと呼んでもいいよ?」
「うるさい、黙れ」
そんな旧知の間柄である二人のやりとりに、おずおずと山田先生が割り込もうとするも、黒咲によって止められる。
「黒咲さん?」
「山田先生はここから、とりあえず各班のサポートをしましょう。あれに巻き込まれたら絶対に面倒ですから」
「わ、わかりました」
「私を面倒くさい物扱いした悪い子は誰かな~?」
言うなり、黒咲に飛びかかる束さん。しかし千冬姉みたいに激しい様子はなく、比較的落ち着いた様子だった。
「……やめてください」
「やめろバカ」
「ふふふ~よいではないかよいではないか~」
「……嫌い」
黒咲がそう言った瞬間、膝から崩れ落ちる束さん。その間に千冬姉からどかっと本気の蹴りを食らって砂浜に顔から突っ込む束さん。
何度も言うが、この人がたった一人でISの基礎理論と実証機を開発した稀代の天才である。
「それで、頼んでおいたものは……?」
ややためらいがちに、箒がそう尋ねる。それを聞いて束さんの目がキラーンと光った。
「ふっふっふっ。それはすでに準備済みだよ。さあ、大空をご覧あれ!」
ビシッと直上を指さす束さん。その言葉に従って箒も、そして他の生徒達も空を見上げる。
「出ろぉぉぉぉぉぉぉぉ!シャァァイ〇ング〇ン〇ァァァム!」
何処かのモビルファイターのみたく、高らかに叫び指を鳴らす。
「えっ!?シャ〇ニングガ〇ダム!?」
ズズーンッ!
「のわっ!?」
いきなり、いきなりである。激しい衝撃を伴って、何やら金属の塊が砂浜に落下してきた。
銀色をしたそれは、次の瞬間正面らしき壁がバタリと倒れてその中身を俺たちに見せる。シャ〇ニングガ〇ダ〇なのか……?
「じゃじゃじゃじゃ~ん!これぞ箒ちゃん専用機こと《
真紅の装甲に身を包んだその機体は、束さんの言葉に応えるかのように動作アームによって外へと出される。赤い彗星じゃなくて真紅の稲妻かな?
新品のISだからだろうか、太陽光の光を反射する赤い装甲が眩しい。……束さんなんかとんでもないことさらっと言わなかったか?
全スペックを現行ISを上回っているって……それってつまり、最新鋭機にして最高性能機じゃなのか?
「さあ!箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズをはじめようか!私が補佐するからすぐに終わるよん~」
「……それでは頼みます」
「堅いよ~。実の姉妹なんだし、こうもっとキャッチーな呼び方で――」
「はやく、はじめましょう」
とりつく島もないとはこのことだろう。箒は束さんの言葉を取り合わずに行動を促す。
「ん~。まあ、そうだね。じゃあはじめようか」
ピポ、とリモコンのボタンを押す束さん。刹那、《紅椿》の装甲が割れて、操縦者を受け入れる状態に移る。しかも自動的に肘を落として、乗り込みやすい姿勢にと変わった。おお、地味に凄い。
「……」
そんな中、黒咲だけはそんなのどうでも良いとばかりに《打鉄》の装備を運んでいた。黒咲は最新鋭機に興味が無いのかな……?随分とあっさりしている。
「……織斑くん、私の顔に何か付いてる?」
「え、いや少し体調が悪そうだったなって」
「もう大丈夫だよ、心配ありがとう」
淡々とした表情で作業を続ける、流石に左腕はまだ痛みがあるのか少し庇っていた。万が一のことも考えて俺も手伝うことにした。
「黒咲は束さんの最新鋭機に興味なさそうだな?」
「少し惹かれるけど、それだけだよ」
「そうなのか?クラスの女子とかは羨ましそうに見てるけど……」
少し黙った後、黒咲が真剣な表情でこちらを見てくる。
「確かに最新鋭機には魅力があるよ、最高性能という点もね。でもそれは場合によっては危険なんだよ。そもそもあのISは篠ノ之博士お手製であること、企業や世界が知れば間違いなく奪いに来る可能性は十分にある。次に性能面、現行ISを遙かに上回る性能というのはそれだけ身体にかかる負担が激しいとということ。恐らく負荷は《ノワール》の機体以上、最大稼働状態になればどうなるか……」
「だけど妹の箒の為に創った機体なんだろ?なら安全性は確保されてると思うんだが、それでも危険なのか?」
「それは……なんとも言えないかな。これはあくまで私の考えだけど、もしかしたら操縦者を守るためのシステムが他にも搭載されている可能性もあるから。あとはそうだね……危険を感じたらIS自体が勝手に動くかもね?」
面白そうに話す黒咲に、俺はなんとも言えない気持ちになった。勝手に動くのであれば操縦者は必要ないんじゃないのか?黒咲の考えもある意味正しいのだろう、だけどあのISは束さんが箒のために創ったんだ。変なことはしないはず……だよな?
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」