女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
第60話「欠点」
『でりゃああっ!!!』
ガギィンッ!と鋭く重い金属音を響かせ、織斑と鈴は刃を交えて対峙していた。
九月三日。二学期初の実戦訓練は、一組と二組の合同から始まった。
『クソッ!』
『逃がさないわよ!一夏!』
クラス代表同士ということで始まったバトルは、最初こそ織斑が押していたものの次第に鈴が巻き返し始めていた。
その理由は二つある。一つは織斑の戦術は基本的に変わっておらず、基本的に鈴や他の代表候補生にはスタイルが知られていること。もう一つは第二形態になった《白式》の、さらに加速した燃費の悪さである。
『最初にシールドを使いすぎたわね!』
『まだまだここからだぁっ!』
そう言って刀を振るう織斑だったが、その《雪平弐型》も既に〘零落白夜〙の輝きはなく、通常の物理刀に戻ってしまっていた。
距離が開けば左腕の
『無駄よっ!この《甲龍》は燃費と安定性を第一に設計された実戦モデルなんだからね!──衝撃砲!』
ズドドンッ!と連射性の高い砲撃を近距離で受け、距離が開く。
そしてその瞬間を見逃さないように、鈴は連結状態の《双天牙月》を投擲した。
『うぐっ!』
重い斬撃を受けきったものの、視界から鈴を見失ってしまった。
すぐに〘ハイパーセンサー〙の位置情報補足がやってくるが、しかし時既に遅し。
『たああああぁっ!!』
織斑の真下、足首を掴んだ鈴はそのまま力任せに地面へと織斑を投げ飛ばす。
眩しい陽光に一瞬目を細める織斑。その視界に影が落ちる。
『もらった!』
『!?』
逆さまの格好のまま、鈴は衝撃砲の連射を浴びせる。
それが十発ほど直撃したあたりで、試合終了を告げるアラームが鳴り響いた。
誰が見ても織斑の敗北である。
「これであたしの二連勝ね。ほれほれ、なんか奢りなさいよ」
「ぐぅ……」
前半戦、後半戦ともに織斑の敗北で幕を閉じた実戦訓練。その後片付けを終えて、織斑達いつもの面々は学食にやってきていた。
織斑は鈴の調子に振り回されながらも、負けじと悔しさを認めながらも昼ご飯を食べる。
ちなみにメニューはサバの味噌煮定食。白味噌のこざっぱりとした味とサバの歯ごたえが抜群に良い。うん。今日もIS学園学食のおばちゃんは良い仕事をしている。
「ラウラ、それおいしい?」
「ああ。本国以外でここまでうまいシュニッツェルが食べられるとは思わなかった」
相変わらずシャルロットと仲良しのラウラは、その皿に盛られたシュニッツェルを一切れ切り分ける。
シュニッツェルはドイツ以外にもオーストリアやイスラエルなどで楽しまれている料理であり、日本のとんかつがよく似ているがそれと比べると衣のパン粉が細かく、アンチョビやレモンを添えてさっぱり食べる事が一般的である。
「食べるか?」
「わぁ、いいの?」
「うむ」
「じゃあ、頂きます。実は食べてみたかったんだ、これ」
ラウラから分けて貰ったシュニッツェルを頬ばって、シャルロットは幸せそうな顔をする。
「ん~おいしいね。これ。ドイツ料理ってどれもお肉が美味しくて良いよね」
「ま、まあな。ジャガイモ料理もおすすめだぞ」
自国のことを褒められて嬉しいのか、ラウラの顔は少し赤い。
そんな様子を見ていると他の女子もくわわりたくなったようで、早速料理談義に花が咲いていた。
「はぁ……それにしてもなんでパワーアップしたのに負けるんだ……」
「《白式》の燃費の悪さだね。ただでさえシールドエネルギーを削る仕様の〘零落白夜〙に加えて、それと同じ仕様の多機能武装腕〘雪羅〙。ただでさえ短命なシールドエネルギーが二倍の消費量に増えただけだからね」
「うーん……」
それだけならまだしも、背部ウイングスラスターも大型化に伴い、エネルギーを大量に使用することになってしまった。〘
もちろん、それらはシールドエネルギーを食わないが、荷電粒子砲と同じエネルギー系統なので。使い分けをしっかりとしなければならない。
「近距離戦闘と遠距離戦闘の即時切り替え。基本戦略の組み立て直し。それに射撃訓練の追加、新装備の経験訓練と……やることが山積みだね。とは言え優先順位は第一形態の時と変わらずエネルギーの運用かな?」
「どこかにエネルギーとか落ちてねぇかな……はぁ……」
「ま、まぁ、アレだな!そんな問題も私と組めば解決だな!」
どどん!と腕組みで啖呵を切ったのは箒だった。
箒の専用機《紅椿》の〘ワンオフ・アビリティー〙、〘絢爛舞踏〙は《白式》の〘零落白夜〙とは全くの逆。つまり最小のエネルギーを増大させるという性質を持っている。これだけではなく、本来難しいはずのIS同時のエネルギー譲渡を接触だけで簡単に行えるという側面を持っている。
本来この《白式》と《紅椿》は一対の存在で、両方を同時に運用することを前提に設計された。
恐らくそれはお互いの抑止力としての意味合いもある。《
このふたつは、それぞれがそれぞれに、お互いを停止させる破壊キーなのだろう。
「確かに問題は解決出来ると思う、だけどもし組めなかったら?織斑君と箒が離れたタイミングで戦闘が起きてしまったら?少なくとも試行錯誤しないと間違いなく負けるよ」
「た、確かにそうかもしれないが……」
「うーん、じゃあ今日の放課後は2対2で実戦訓練してみようか。そうすれば《白式》と相性の良い機体とか分かると思うし。《紅椿》は元々分かってるから無しね」
「そ、そうか……」
目に見えて落ち込んでしまっている箒。《白式》と《紅椿》の相性が良いのは専用機持ち全員分かっていることだった。
「ちなみに織斑くんは誰と組んでるときが安定する?」
「んーシャルロットかな」
「僕?」
「それはどうして?」
「前に組んだから」
「あ、そう……」
「これは本格的にやらないとダメだね……ひとまず今日はセシリアと織斑君で組んで貰おうかな。対戦相手は……箒とシャルロットが良いかもね?ラウラと鈴は私とやろうか、良いリハビリになると思うし」
最初にセシリアと組ませることで《白式》の苦手な距離をカバーできるようになる。ただしオールレンジ攻撃をしようものならセシリアは良い的になってしまう、かと言ってオールレンジ攻撃をしないとなればライフルとミサイル攻撃のみで対処しなければならない。《ブルー・ティアーズ》のシステムに〘マルチロックシステム〙や、〘自立機動AI〙を入れることが出来れば状況は綺麗に変わるだろう。しかしこれでも《白式》のエネルギー問題あそのままである。
鈴と組ませると近中距離と対応出来る為相性は良い。遠距離攻撃を仕掛けてくる相手には分が悪いものの、近中距離に持ち込むことが出来れば問題は無いだろう。ただし相手が一定の距離を取って戦う場合、分が悪くなってしまう。これもエネルギー問題がある。
シャルロットは言わずもがな近中遠距離全て対応できる。全てにおいて対応できるのは最も良いことではある。正直《紅椿》の〘ワンオフ・アビリティー〙が無ければもっともこの相性が良い。
ラウラは近距離と遠距離を得意としている他、ワイヤーブレードなどによる翻弄攻撃が得意。しかし中距離を補う事が出来ない欠点をもつ。それ以前に織斑とラウラが連携を取れるのかどうか怪しいまである。
「だ、代表候補生二人に対してリハビリ相手ね……やってやろうじゃない」
「結果は目に見えているが……本気で行かせて貰おう」
「元からそのつもりなんだけどね?」
どうやら黒咲の発言で火を付けられてしまったようだが、本気でなければこちらとしても全力が出せないと言わんばかりに余裕の笑みを見せていた。しかし《ノワール》のバックパックである〘Dシステム〙は未だに復元出来ていない状態。にもかかわらずこの謎の自信は一体何なのだろうか?
「あの時とはまた違うシステムで行くからね……油断してるとあっという間に負けちゃうよ~」
「上等じゃない」
「そこまで大口を叩くことが出来るのだ、負けても文句は言えまい!」
「それじゃあ放課後はそんな感じでね」
そんなこんなで昼食は終わり、黒咲達は午後の実習へと向けて再度アリーナへと向かった。
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」