※この作品はR-18です。

女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活   作:灰崎 快人

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第62話「生徒会長」

翌日。SHRと一限目の半分を使っての全校集会が行われた。

内容はもちろん、今月中程にある学園祭についてである。

(しかし、これだけの女子が集まると騒がしいな。いやそれを通り越して姦しいな)

「それでは、生徒会長から説明をさせていただきます」

静かに告げたのは生徒会役員の一人だろう。その声で、ざわつきがさーっと引き潮の如く消えていった。

「やあみんな。おはよう」

(やっぱりか)

壇上で挨拶をしている女子。二年のリボンをしたその人は、昨日ロッカールームに現れた人物だった。

彼女の生徒手帳を今もまだ持っている黒咲は、ゆっくりとそれを懐から取り出して再度その人に視線を送る。

「っ!ふふっ」

一瞬だけ目があって、びっくりしたような表情を見せた後、笑みを浮かべられる。

そして視線が外れようとした瞬間、その人の生徒手帳中を拝見しながら話を聞くのあった。

「さてさて、今年は色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったね。私の名前は更識楯無。君たちの生徒の長よ。以後、よろしく」

にっこりと微笑みを浮かべて言う生徒会長は、異性同性問わず魅了するらしく、列のあちらこちらからは熱っぽいため息が漏れていた。

「では、今月の一大イベント学園祭だけど、今回に限り特別ルールを導入するわ。その内容というのは」

閉じた扇子を慣れた手つきで取り出し、横へとスライドさせる。それに応じるように空間投影ディスプレイが浮かび上がった。

「名付けて、『各部対抗織斑一夏、黒咲千春争奪戦』!」

ぱんっ!と小気味のいい音を立てて、扇子が開く。それに合わせて、ディスプレイには黒咲と織斑の写真がデカデカと映し出されていた。

「え……」

「はぁ……?」

「ええええええええええ~~~~~~~っ!?」

割れんばかりの叫び声に、ホールが冗談ではなく揺れていた。

ぽかんとしていると、一斉に視線が集まってくる。主に織斑に。

「静かに。学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出汁、それに対して投票を行って、上位組は部費に特別助成金が出る仕組みでした。しかし、今回はそれはつまらないと思い──」

ぴしっと、扇子で二人を指す生徒会長。もう一つはどこから取り出したのだろうか。

「織斑一夏を一位の部活動に強制入部させましょう!黒咲千春は無所属だからそのついで」

再度、雄叫びが上がる。

「うおおおおおっ!」

「素晴らしい、素晴らしいわ生徒会長!」

「こうなったら、やってやる!やってやるぞぉぉっ!!!」

「今日からすぐに準備始めるわよ!秋季大会?ほっとけあんなもの!」

(秋季大会をあんなん呼ばわりするなよ……しかし、俺ってそんなにお得感あるのか?女子の大会に出場するわけにもいかないし、マネージャーって柄でもないぞ?)

織斑がそんなことを考えていると、生徒会長に向かって小さな一冊の手帳が投げつけられる。

「おっと……」

それをなんなく受け止めると、投げつけてきた相手をじっと見つめる。手帳を投げた相手は……黒咲だった。

「私の了承も取らずによくもまあそんな横暴なことが出来ますね?生徒会長さん?いや今更まともに生徒会が機能しているとは思えないな……今まで何もしてこなかったわけだし」

「それもそうね、クラス対抗戦や学年別トーナメントの動きは遅かったのは事実だし」

「IS学園最強でも、そこまで頭はよろしくないのかな?」

「煽ってるのかな?」

「煽られてると思ってるのであればそうなんじゃないですか?もっともこちらは煽っている気は全くありませんしね」

二人の間では火花がバチバチと散っていた。まさに一触即発と言うべきだろう。しかし生徒会長の方は余裕を見せているのに対して、黒咲は無関心に近いレベル。まるで子供を相手しているようにも見えた。

そんなことがありながらも、初耳&未承諾のまま、織斑黒咲争奪戦が始まったのだった。


教室にて放課後の特別HR。今はクラスごとの出し物を決めるため、わいのわいのと盛り上がっていた。

「えっと……」

クラス代表として、俺は意見をまとめる立場にあるのだが……

(内容が「織斑一夏のホストクラブ」「織斑一夏とツイスター」「織斑一夏とポッキーゲーム」「織斑一夏と王様ゲーム」って……これ面白いのか?)

「却下」

えええええええー!?と大音量のサウンドでブーイングが響く。

「あ、アホか!誰が嬉しいんだ!こんなもん!」

「私は嬉しいわね。断言する!」

「そうだそうだ!女子を喜ばせる義務を全うせよ!」

「織斑一夏は共有財産である!」

「他のクラスから色々言われるんだってば!」

「助けると思って!」

これ以上何をどうしろって言うんです!? 

助けを求めて視線を動かすものの、既に千冬姉はいない。

『時間がかかりそうだから、私は職員室に戻る。あとで結果報告に来い』

うわぁ、優しいお姉様だな。

そして次の頼みの綱である黒咲も既にいない。

『私はあの生徒会長に殴り込みに行ってくるから頑張ってね』

今じゃない。絶対に今じゃないよ。せめて俺も連れて行って欲しかったよ!

「や、山田先生ダメですよね?こういうおかしな企画は」

「えっ!?わ、私に振るんですか!?」

こら、副担任。

「えーと……うーん。わ、私はツイスターなんか良いと思いますよ……」

やや頬を赤らめながら言う副担任・山田真耶先生。……くそぅ!地雷原だった!

「ともかく、もっと普通の意見をだな!」

「メイド喫茶はどうだ?」

そう言ってきたのは、なんとラウラだった。……え?

俺だけでなく、クラスの全員がぽかんとしている。

「客受けは良い。それに、飲食店は経費の回収が行える。確か、招待券制で外部からも入れるのだろ?それなら、休憩場としての需要も少なからずあるはずだ」

いつもと同じ淡々とした口調だが、あまりにも本人のキャラにそぐわない言葉だったため、俺もクラスのみんなも理解し時間を要した。

「えっと……みんなはどう思う?」

とりあえず、多数決を取るにしても反応がないことには仕方ない。

しかし、急に振られたせいかクラスの女子生徒全員がきょとんとしたままだった。

「いいんじゃないかな?織斑くんには執事か厨房を担当して貰えばオーケーだよね」

そう言ったのはシャルロットだった。ラウラの援護射撃と思われるそれは、見事一組女子全員にヒットしていた。

「織斑くんの執事……いい!」

「それでそれで!」

「メイド服はどうする?私、演劇部衣装係だから縫えるけど!」

一気に盛り上がりを見せるクラス女子一同。流石にこれを鎮めるというか、水を差すことはためらわれる。それに多分もう止められない。

(ま、まあ変わった衣装の喫茶店だと思えばいいか)

「メイド服ならツテがある。執事服も含めて貸して貰えるか聞いてみよう」

そう言ったのはまたしても意外な人物。というかラウラだった。

全員が目を丸くする中、ハッと気がついたのか咳払いをするラウラ。

「んんっ。シャルロットと黒咲がな」

注目されたのが照れくさかったのか、ラウラは僅かに顔を赤らめていた。

そしていきなり振られたシャルロットは困った顔をするばかりだった。

「え、えっと、ラウラ?それってもしかして、あの時の……?」

「うむ」

「き、聞いてみるだけ訊いてみるけど、無理でも怒らないでね?」

不安げにそう告げるシャルロットに、クラスの女子は声を合わせて「怒りません!」と断言する。

かくして、一年一組の出し物はメイド喫茶改め「ご奉仕喫茶」に決まった。


「ら、ラウラ。なんでメイド喫茶にしたの?他にも色々あったと思うんだけど……」

クラス会議の結果を聞いた黒咲は恐る恐るラウラに問い詰める、学園祭の催し物を考える際にその場に居なかったのが悪いのだが……

「クラリッサから催し物の代表はメイド喫茶と教えられたのでな、その通りに提案してみただけだ」

「そっか……それならまだ良いけど」

「それにもう一度黒咲のメイド姿を見てみたいと思ったからな!」

そっちが本音か……とガックリする黒咲にシャルロットが寄り添ってくれる。前回執事服を着ていたシャルロットは今回メイド服を着るのかと思うと、それはそれで少し楽しみではある。だけどメイド服を二回も着るとは思わないだろう……

「執事服は予備含めて4着借りれるか聞いてみるね」

「……そうしてくれると助かるよ」

次の番外編

  • おねショタ(無効票)
  • 1シャル&ラウラと千春(受け)
  • 2シャル&ラウラと千春(攻め)
  • メス堕ち(無効票)(千春総受け)
  • 束と千春
  • 千冬と千春
  • シャル&ラウラと千春
  • 一夏と千春
  • オマケ(無効票)
  • 千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
  • 千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」
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