女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
「──と言うわけで、一組は喫茶店になりました」
職員室。俺は千冬姉の元でクラス会議の報告をしていた。
「また無難なものを選んだな。──と言いたいところだが、どうせ何か企んでいるのだろう?」
「いや、その……コスプレ喫茶みたいなものです。はい」
「立案者は誰だ?藤村か?それとも大泉か?まぁ、あの辺りの騒ぎたい連中だろう?」
「えっと……」
ニヤニヤしている千冬姉に本当の事を言うのははばかられてしまう。
けれどまあ、意を決して言うことにした。
「立案者は、ラウラです」
「…………」
キョトンとしてしまった千冬姉……嫌な沈黙だ。
それから二度まばたきをして、千冬姉は盛大に吹き出した。
「ははは!ボーデヴィッヒか!それは意外だな!しかし……くっ、はははっ!あいつがコスプレ喫茶?よくもまあ、そこまで変わったものだな」
「やっぱり意外……ですよね?」
「それはそうだ。私はあいつの過去を知っている分、おかしくて仕方がない。ふふふっ、あいつがコスプレ喫茶か……ははっ!」
それからされに笑い始めて、千冬姉は目尻の涙をぬぐう。そんなにおかしかったのか……
そんな千冬姉の反応は、職員室の先生方にとってもかなり意外な光景だったらしく、皆びっくりしたように目をきょとんとさせていた。
「んんっ!──さて、報告は以上だな?」
周囲に視線に気がついた千冬姉が、咳払いをしながら語調を整える。
「はい、以上です」
「ではこの申請書に必要な機材と使用する食材を書いておけ。一週間前には出すように。いいな?」
(うわっ、めんどくさそうだ……)
「い・い・な?」
「は、はいっ!」
凄味の利いた確認に、俺は思わず背筋をピーンと伸ばして答える。
相変わらず、こういった所はとても怖い。それが千冬姉。
(でも昔の千冬姉からしたら変わったよな……あの祭りの時とか……特に)
中学の頃の千冬姉はそこまで覚えていないが、それはそれは怖かった。触れれば一瞬で命の灯火が消えてしまうのではないかと、身内の俺でも時々ビクビクしていたくらいだった。
(でもいつからか丸くなってたっけ。そういえばあの頃って千春さんと束さんと良く連んでいたなぁ……)
稀代の天才、篠ノ之束。その隣に肩を並べられるのは世界広しといえども千冬姉くらいのものだろう。それに巻き込まれた一般男性、黒薔千春。なんとも運が悪かった?悪かったのかな、ある意味運が良かった人とも言えるだろう。
束さんの方はそれは、わかる。間違いなく、確実に、そうだと言える。
だけど、千春さんの方は……うん。
「織斑、学園祭には各国軍事関係者やIS関連企業など多くの人が来場する。一般人の参加は基本的意は不可能だが、生徒一人につき一枚配られるチケットで入場できる。渡す相手を考えておけよ」
「あ、はい」
そんなこんなで千冬姉への報告は終わり、俺は一礼をして職員室を出る。
ドアが閉じる音を背中で聞いて、俺はふぅっとため息を漏らした。
「さてと、どういうつもりか聞かせて貰いますよ。生徒会長」
「そんなに警戒しなくてもいいじゃない」
ふと、そんな会話が聞こえて俺は声のする方へと視線を動かす。
そこでは黒咲と生徒会長が睨み合っていた。
「警戒されても仕方ないと思いますけど?」
「まあまあ、落ち着いて。若い内から疑い深いとこの先苦労するわよ?」
「誰のせいでしょうかね?」
「んーそれなら交換条件を出しましょう。こえから当面私が君のISコーチをしてあげる。それでどう?」
「結構です」
織斑に箒、セシリアに鈴、シャルロットにラウラと寧ろコーチする立場にある。コーチされるにしてもセシリアとシャルロット、そしてラウラでもう十分すぎる。
「そう言わずに。私はなにせ生徒会長なのだから」
「それがなにか?」
「あれ?知らないのかな。IS学園の生徒会長というと──」
ちょうど生徒会長が言葉を続けようとしたところで、前方から粉塵を上げる勢いの女子が走り込み……いや、竹刀を片手に襲いかかってきた。
「覚悟ぉぉぉっ!!」
〘あっ!やせいのけんどうじょしがあらわれた!〙
〘くろさきのみまもる!〙
〘せいとかいちょうのしゅとう!〙
〘けんどうじょしに100のダメージ〙
〘けんどうじょしはたおれた!〙
信じられないことに生徒会長は扇子で竹刀を受け流し、左手の手刀を叩き込む。
女子が崩れ落ちるのと同時に、今度は窓ガラスが破裂した。
「今度はなんだ……」
生徒会長の顔面に狙いがつけられていたであろう矢が次々と飛んでくる。見ると、隣の校舎の窓から和弓を射る袴姿の女子が見える。──なるほどな。
「ちょっと借りるよ」
倒れている女子の側にあった竹刀を蹴り上げて浮かせ、空中のそれをキャッチすると同時に放る。
割れた窓ガラスから投擲されたそれはスコーンと弓女の眉間に当たり、見事撃破した。
「もらったぁぁぁ!!」
バンッ!と廊下の掃除道具ロッカーの内側から、3人目の刺客が現れる。
その両手にはボクシンググローブが装着されていて、軽やかなフットワークとともに体重を乗せた左ストレートで襲いかかってきた。
「ふむ。元気だね……ところで黒咲千春さん」
「なんですか」
「知らないようだから教えてあげるよ。IS学園において、生徒会長とい「生徒会長という肩書きはある一つの事実を証明している」……生徒会長、即ちす「全ての生徒たる長である存在はさ」──私のセリフ!そう!長である存在は「最強であれ」かぶせないでよ!」
そんなことを言いながらも生徒会長はボクシング女のラッシュを紙一重で避け、振り抜きの右ストレートを円の動きで避け、とんっ……とその足が地面を蹴って身を宙へと跳らせる。そして、突撃槍のようなソバットの蹴り抜き。ボクシング女は、登場したロッカーに逆再生のように叩き込まれて沈黙した。
「全く。ここまでセリフ奪われるとは思わなかったわ」
「怒ってるところ悪いですけど、スカートめくれてますよ」
「えっ!?」
急いでスカートの裾を押さえる生徒会長。しかしスカートは最初から下に下がっている。
「嘘ですよ」
「……貴女」
「大体分かりました。最強である生徒会長はいつでも襲ってもいいと言うことですね。勝てたのであれば、その人が生徒会長になる。と言ったところでしょうか?」
「そ、その通りよ」
「はぁ……無茶苦茶ですね」
「うーん、それにしても私が就任して以来、襲撃はほとんどなかったんだけどなぁ。やっぱりこれは」
「織斑くんの影響ですね」
それ以外考えられないとため息をしながら、生徒会長を見る黒咲。
織斑を今月の学園祭の景品にしたため、一位を取れなさそうな運動部や格闘系が実力行使に出たということだろう。生徒会長を失脚させ、景品キャンセル、ついでに織斑を手に入れるということだろう。
ただしこれは憶測に過ぎないが、なんとなく当たっているような気がする。
この人は、人の心の内側を自然と覗いてくるような所がある。黒咲が警戒を解かないのは、黒咲が男である事を見抜かれる可能性があるためだった。
「でもまあ、一度生徒会室に招待するから来なさい。お茶くらい出すわよ」
「……」
「その沈黙は肯定?」
招待されたとしても行かないのでどうでもいい、と言うのが正しいだろう。
「まぁ」
「もう少し素直になってくれれば、おねーさん嬉しいんだけどな」
「そうですか」
「うん。じゃあ私のことは楯無とでも呼んで貰おうかな。たっちゃんでも可」
「……」
「あら?反応がないわね」
「はぁ……分かりましたよ
「……えっ?」
黒咲の言葉を聞いた瞬間、目の前の生徒会長はきょとんとして言葉を失ってしまっていた。
「それでは失礼しますね。お暇なときに呼んでください。更識さん」
そう言って黒咲は更識の言葉を待たずにその場を後にした。残ったのは「何故っ……」と言葉を漏らす更識の姿だけだった。
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」