※この作品はR-18です。

女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活   作:灰崎 快人

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第70話「学園祭」

いよいよやってきた学園祭当日。

一般開放はしていないので開催の花火などは一切上がらないが、生徒達の弾けっぷりはそれに匹敵するほどのテンションが高かった。二名を除いて。

「うそ!?一組で織斑君の接客が受けられるの?」

「しかも執事の燕尾服!」

「それだけじゃなくてゲームもあるみたいよ?」

「しかも勝ったら写真も撮ってくれるんだってさ!ツーショット!これは行かない手は無いわね!」

ということもあり、一年一組の『ご奉仕喫茶』は盛況であり、朝から大忙しとなっていた。

基本的には織斑が引っ張りだこな状態で他のメンツは普通に楽しそうにしている。俺を除いて。

「はぁ……」

「大丈夫ですか?千春さん」

「すっかり忘れてたよ。メイド服でご奉仕するって事……執事服もあるのに」

「あはは……頑張ってください。午後は僕も執事服で出ますから」

ため息をつきながら接客をしていると、シャルロットが苦笑いをしながら近づいてきた。彼女も後半からは執事服を着込んで接待をするらしい、一時的ではあるがシャルル・デュノアに戻るって事だろうか?

「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ、お嬢様」

手慣れている様子なのがメイド服姿のラウラで、朝からクール系メイドを演じている。

(ん~こう見るとアリだな。様になっている)

ちなみに接客係(コスプレ担当)は俺にシャルロットにセシリア。そして織斑にラウラ、箒もだった。

まさか箒が接客係になるとは思わなかった。ラウラが接客係になるのは発案者だからだろう。残りのクラスメイトは大きく二つに分かれている。片方は調理班でもう片方は雑務全般。

雑務は切れた食材の補充やテーブル整理など大忙し。そしてそのなかでも一番大変そうなのが、廊下に出来ている長蛇の列を整理しているスタッフだった。

「はーいこちら三時間待ちです!」

「学園祭が終わるまでは開店しているのでご安心くださーい!」

各種のクレームにも対応していて、かなり忙しそうにしている。表情からは限界が既に見えている。

「朝よりも列が長くなってる……参ったな」

正直メイド服は動きにくくて仕方が無い、面倒だからさっさと執事服に着替えてしまおうか……いやそれをしたら更に列が長くなってしまう可能性がある。無計画に着替えるのはやめておくとしよう。

「織斑君~2番テーブルでお待ちですよ!」

「は、はい!」

お客様を待たせてしまって居るであろう2番テーブルに織斑を向かわせる。席に座っている人物の服装がチャイナドレスなので、恐らく座っているのは鈴だろう。

(効率を上げるってのもあるが、せっかくの学園祭だ思い出作りもしないとな?)

「千春さん!5番テーブルおねがいします!」

「はーい!」

まだまだ学園祭は始まったばかりだ。


「遅いわよ執事」

黒咲に言われ2番デーブルへと来てみると、そこにはチャイナドレス姿の鈴がいた。

一枚布のスカートタイプで、かなり大胆なスリットが入っている。真っ赤な生地に龍があしらわれており、金色のラインも付けられかなり凝っている物だとわかる。

「お、鈴!来てたのか。鈴の方は何やってるんだ?」

「うちは中華喫茶やってるわよ」

「そうなのか。飲茶ってやつだな?」

「あたしがウェイトレスしてるんだけど、隣のアンタのクラスのせいで全然客来ないからね」

「そ、そうなのか……」

なんとなく分かっていた。あの長蛇の列を見てしまえば他クラスの客を奪っていると言っても可笑しくないからだ。

「まぁいいわ、とにかく接客して貰える?」

「はいはい。それではお嬢様、ご注文は何になさいますか?」

「お、おじょ……!?」

「そういうのがルールなんだよ」

「ま、まあルールなら仕方ないわね。うん、仕方ないわね」

何故二回も言ったんだろうか?……気にしたら負けだろうか?

「それで、ご注文は何になさいますか?」

「そ、そうね……」

お嬢様にメニュー表を持たせるわけには行かないとのことで、俺やメイド班が手に持ってお見せしている。俺と箒意外が慣れているのが不思議だが、その中でも黒咲は1番様になっているというか……働いてたことあるよな?と思えるような立ち振る舞いだった。

メニューはケーキセットやご奉仕セット、シェフ大泉の『オーロラセット』などさまざまある。また単品のメニューもある為、自分の好みに合わせることも可能だ。

「この『執事にご褒美セット』って何よ?」

……………………ふぅ。

「当店のおすすめのケーキセットはいかがでしょうか?」

「おいこら、誤魔化そうとするな」

「とんでもございません」

「……その喋り方気持ち悪いから辞めて」

「お前なぁ!気持ち悪いって何だよ!こっちは仕事なんだよ!」

「じゃあ『執事にご褒美セット』をひとつ」

…………。

「お嬢様、こちらの『メイドにご褒美セット』は「ダメだよ織斑くん?」……『執事にご褒美セット』がおひとつですね。それでは少々お待ちください」

なんとか足掻こうとしたところを黒咲に止められ、俺は腰を丁寧に折ったお辞儀をしてから、お嬢様──もとい、鈴の前から立ち去る。

「千春、ありがとうね」

「どういたしまして、引き続き当店をお楽しみください。お嬢様」

そんな会話が背後で聞こえる。畜生。

ちなみに俺はオーダーをキッチンに通す必要は無い。復唱のさいに、ブローチ型のマイクから音声で通じているのだ。このへんのこだわりは流石女子というか、なんというか。

「はい、どうぞ」

キッチンテーブルに戻った俺に、すぐさま『執事にご奉仕セット』が渡された。それはアイスハーブティーと冷やしたポッキーのセットで、値段も三百円と格安。

お客様の笑顔は宝物です。と言いつつも俺はものすごく気が進まないのをどうにか我慢しながら、チャイナドレス・ガールの待つテーブルへと向かう。

「お待たせしました。お嬢様」

「う、うむ。くるしゅうない?」

なんだそれ。お嬢様のつもりなのだろうか?色々と間違えてる気がする。

「では、失礼します」

「えっ?」

俺は鈴の正面へと座る。ふたりがけのデーブルに差し向かい。片方は燕尾服、もう片方はチャイナドレス……なんだこの組み合わせ。

「それではご説明させて頂きますね」

どこからか現れたのか分からない黒咲が説明をし始める。

「このセットはお嬢様が執事の方にお菓子を食べさせる、お飲み物を飲ませるセットになっております」

そんな説明を受けた鈴はぱちくりとまばたきをして、ボッとあかくなった。

「な、なによそのセット……ていうか、金取ってお菓子上げるとか」

「キャンセルは不可になっています」

「い、いや、でも、まぁ注文した以上は……」

「ちなみに任意のサービスなのでお嬢様がやりたくないのであれば、こちらの執事も下がりますので」

「なんかもったいないし、せっかくだし、ついでだしね……うん」

「それでは楽しい時間をお楽しみください」

そう言って黒咲は他のお嬢様に接客をしにいった。本当に様になってるよな……

「は、はいご褒美……あーんしなさいよ……」

「思いっきり横向きながらするなよ……他の女子も見てるし、恥ずかしいならやらなくても──」

「する!するってば!お金分サービスしなさいよ!全く……」

「わかったわかった、怒るなよ」

「じゃあ……その、あーん」

「あーん」

ぱきっと弾ける音が口の中で響く。器のパフェグラスごと冷やしてあるそれは、チョコが

食べてもすぐには溶けず、薄い膜のような食感がある。しかしそれも数秒のことで、すぐに溶けてしまうが、そのときの甘さがこれまた心地よい。

(こういうのもたまには悪くないかもしれないな……)

そう思えるほど俺はこの学園祭を楽しめているのかもしれないな。

次の番外編

  • おねショタ(無効票)
  • 1シャル&ラウラと千春(受け)
  • 2シャル&ラウラと千春(攻め)
  • メス堕ち(無効票)(千春総受け)
  • 束と千春
  • 千冬と千春
  • シャル&ラウラと千春
  • 一夏と千春
  • オマケ(無効票)
  • 千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
  • 千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」
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