女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
あれから数時間、ひたすらお嬢様達に接客を続けている。その間にまさかの生徒会長である更識がお手伝いに来るというイベントがあった。
俺の姿を見た際にはぎょっと驚いた表情を浮かべていたが、数秒後にはニヤニヤとした笑みを浮かべていた。その際に持っていたセンスには『弱み』と書かれていたが、はっきり言ってしまおう。
こんなものは弱みにはならない。
「織斑くん~ちょっと余裕出来たから、校内を色々と見てきたら?」
「えっ?良いんですか?」
「うん、大丈夫よ。優しいサービスよ」
「僕が代わりに執事で対応するから、少しだけでも羽を伸ばして来なよ」
「大丈夫だから任せて!」
執事服のシャルロットが織斑にここは大丈夫だから安心していけと伝えると、お言葉に甘えますと言って執事服の上を脱いで廊下へと出て行った。
「……シャルロット、更識さん。後をお願いしますね」
「千春さんも休憩?わかった!頑張るね!」
「……通信は繋げておきます」
「……よろしく頼む」
二人に後を任せ、俺は織斑の後を追う。彼の背中が少しだけ見えてきたところで、話し声が聞こえてくる。俺はそれに気がつかれないようにそっと気配を消す。
「ちょっといいですか?」
「はい?」
正面玄関へと向かっている道中、ふと声をかけられた。それも階段の踊り場で。
「失礼しました。私、こういう者です」
スーツ姿の女性は素早く名刺を取り出して渡してくる。
「えっと……IS装備開発企業『ヒテンミツルギスタイル』渉外担当・巻紙礼子……さん?」
その人はふわりとしたロングヘアーがよく似合う、美人な人だった。
声をかけてきてからずっとにこにこと笑みを浮かべている。なんというか、企業の人間って感じだ。仕事だから笑顔で対応してますって気がする。
「はい。織斑さんにはぜひ我が社の装備を使って頂けないかなと思いまして!」
(またこんな話か……)
《白式》に装備提供を名乗り出てくる企業は後を絶たない。夏休みもそれで半分持って行かれてしまっていた。
はっきり言って、世界で唯一ISを使える男子である俺が駆る《白式》に装備を使って貰えるというのは、想像以上に広告影響があるらしい。
特に元々《白式》を開発していた『倉持技研』が未だに後付武装を開発できていないとのことで、各国の企業から山のようにお誘いが来てしまっている。
(そう言われてもな……《白式》が嫌だったらどうしようもないんだよな)
後付武装に使用される拡張領域は各機体の量子変換容量に依存している。しかし、それ以外にもコアの好みもあるようで、それによって装備を取り込めるかどうか決まってしまっている。
《白式》は射撃武器は全滅、盾もダメだった。《雪片弐型》意外の格闘装備もダメだった。
けれどラウラ戦で俺がマニュアルで射撃装備を使ったものだから、その結果として第二形態では射撃・格闘。防御をマルチにこなせる《雪羅》が生み出された……らしい?
「あーえっと、こういうのはちょっと……とりあえず学園側に許可を取って貰ってからお願いします」
「そういわずに!」
スーツの女性こと巻紙さんは見た目とは裏腹に、随分とアグレッシブな交渉をしてくる人らしい。
腕を思い切り掴まれ、その場を失敬することも出来ない。
「こちらの追加装甲や補助スラスターなどいかがでしょうか?さらに、今ならもう一つ、脚部ブレードが付いてきます!」
「いや、あの、本当にいいんで「ではこちらのカタログから!」…………」
どうしたものだろうか?周りには箒達がいないので頼ることも出来ない。教師の一人でも居れば良かったが姿は見当たらない。
どうにかしてこの状況を抜け出す方法を考えていると、俺の携帯電話が鳴った。
「ちょ、ちょっとすみません。はい、もしもし?」
『織斑くん、今どこですか?織斑くんはどこだってクレームが更識さんだけじゃ対処しきれない剣幕になってきたから、戻ってきて欲しいんだけど』
黒咲らしからぬ焦りの色が見える言葉に、俺は戻らざるを得なくなる。
「わかった、近くだからすぐに戻る」
『お願いね』
通話を終えて、俺は急いで教室へと戻る。
「すみません。呼ばれてるので!」
「あっ!」
電話をしている間は離れてくれていたことが幸いし、ダッシュでその場を後にする。
(くそぉ……ろくに回れなかった……)
そう思いながら、急いで俺は教室へと戻るのだった。
「…………あの女要注意だな。更識聞こえるか?」
「聞こえてますよ」
「IS装備開発企業『ヒテンミツルギスタイル』渉外担当・巻紙礼子、そしてそれに招待状を送った相手を探って貰いたい。普通じゃない、すぐに織斑を呼び戻す。俺もすぐに戻って執事の服装で接客する」
「わかりました」
すぐに更識へと依頼した後、織斑と会話をするために電話を繋げる。織斑が俺がまだメイド姿で働いていると思っているからな。
『はい、もしもし?』
「織斑くん、今どこですか?織斑くんはどこだってクレームが更識さんだけじゃ対処しきれない剣幕になってきたから、戻ってきて欲しいんだけど」
『わかった、近くだからすぐに戻る』
「お願いね」
電話を切るのと同時に織斑の様子を見る。どうやら上手く相手をかわせるきっかけにはなったようで、こちらに向かってくる姿が見えた。
問題無いだろうと判断した後、すぐに一組の教室へと走る。
「あれ?千春さんもう休憩良いの?」
「うん、大丈夫。更識さんは?」
「なんか生徒会の仕事があるって言って何処か行っちゃった」
「そっか。じゃあ私も執事になろうかな?」
「……大丈夫なの?」
男である事を隠しているのに執事服を着て接客をするのはかなりのリスクを含んでいるが、それでも織斑の負担を減らせるんであれば十分だろう。
「大丈夫だと思うよ。シャルロットの方は?」
「僕は大丈夫。懐かしまれてるくらいかな、あとは基本的に一夏のことでクレームが来てるくらい」
「大丈夫。すぐに戻ってくるだろうから」
そう言って執事服片手に更衣室へと駆け込んでいく。予定とは少し異なるがメイド服を着ているよりもマシなので急いで着替え更衣室から抜け出す。
「すまん!戻った!」
「織斑くん。良かった。すぐに3番テーブルでゲームして。ついでにこっちのオーダーを4番に持って行って!」
戻ってすぐ、俺は織斑にトレーを渡す。
「お、おう。って千春さん!?なんで執事服着て働いてるんですか!?」
「……?いいからよろしくね!」
なにがなんだか分からないと言った様子のまま、織斑は3番テーブルへと向かっていった。
「お待たせ致しました。お嬢様」
「織斑くんだ~!」
「ゲーム!ゲームしよ!」
「こっちはご褒美セットだから!座って座って!」
ちらっと他のメンバーの様子を見ると、結構人気があるようだった。
特に、執事服に着替えたシャルロットと何故か執事服で働いている千春さんが人気だった。
なんで千春さんがこの学園に居て執事服で働いているのか全く分からないが、他のクラスメイトは特に気にすることなくそれぞれの仕事をしている。
(もしかして千春さんって……いやそんな訳ないよな?)
そんなことを考えながら二時間ほど忙しく動き回り、やっとの事で引っ張りだこから解放されるのだった。
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」