女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
オルコットとの試合が終わり、5分のインターバルを挟んだ後に彼女と織斑の試合が始まった。
幸いなことに前の試合内にISが届けられたらしく、〘
織斑のIS〘白式〙はその名の通り純白の装甲を纏ったISだった。性能を見るにトップクラスであることは間違いないだろう。だが織斑の操縦技術が低いが故に、ISに振り回されていると言った形になってしまうのは目に見えている。
そして基本武器は近接用ブレード1本のみと、本当に試作機であるように見える。
戦術的には性能を活かしながら相手の懐へ忍び込み一撃を叩き込む、もしくは相手の反撃を許さず連撃を叩き込むと言った戦術になるだろう。
はっきりいって今の織斑には到底扱いきれない、扱いきるには相当な訓練を必要とするだろう。
そんな織斑と対峙しているオルコットの顔はとても凛々しいものになっていた。どこか吹っ切れた様な清々しさから繰り出される攻撃は、織斑に回避することは不可能だった。
結果織斑は一撃を入れることすら出来ず、オルコットに完封されてしまった。
オルコットの代表候補生としての実力を示す試合結果となった。
「クソッ……ここまで差があるなんて」
悔しそうに嘆く織斑、しかし結果など明らかに分かっていた。せめて中距離の武器が搭載されていれば多少時間は伸びたかもしれない。どれくらい伸びていたか?三十秒伸びるかなって程度。
織斑の動きは確かにオルコットの特性を理解した上での動きだった。だがそれよりもISに振り回された結果、惨敗という形で終わってしまった。
「お疲れ様、織斑くん」
「まさかここまでとは……オルコットの実力は本物ということか」
「国の代表候補に選ばれる人はこのくらいの実力がないと選ばれませんから」
ビット兵器を扱えなければ候補落ち、どちらかと言えば空間認識能力に長けているからこそあれが使えるのかもしれない。
「試合時間僅か5分で終了とは、情けないものだな」
実の弟に対してもこの態度。相も変わらず冷酷な姉だ。
裏では優しいのにそれを表に出さず、常に厳しい指導を行う。教員であったとしても実の姉弟だろうに。
「5分後には黒咲と試合を行ってもらう、無様な姿を晒さないようにな」
頑張れ。それだけでも織斑の戦闘意欲は上がるだろうに……
なぜ素直に頑張れと言えないんだ。この姉は。
「織斑くん、私は全力で行くよ。私との試合を糧としてISの技術を磨こう!」
「あぁ!全力で来てくれ!俺もこいつの力を知りたいからな!」
待機状態の〘白式〙に目をやる織斑。先の試合で発動させた〘単一仕様能力〙、あれは間違いなくモンド・グロッソで織斑先生が使用していた物と酷似している。
ISの〘単一仕様能力〙がここまで酷似することはとても珍しい、あの天災が手をつけていなければこの状態が起きるのは100億分の1の確率かもしれない。
だが手をつけていた場合、同じ能力が付与されていてもおかしくは無い。届くのが遅れた原因である可能性が高い。
全く随分と変わったことをするものだ。
〘零落白夜〙は凄まじい威力を発揮する、その代わりに自身のシールドエネルギーを大幅に消費する。
言わば諸刃の剣である。
この事を仕様を知らなければあっという間にエネルギーを消費して試合終了。この能力とそれを使用するためのブレードしか装備されていない白式はまさに欠陥機だろう。
そんな欠陥機でも織斑先生は優勝したって?
そりゃあ性能を最大限活かした戦術を編み出せば勝てるだろ。
「時間だ。黒咲、織斑試合の準備をしろ」
「「はい!」」
迅速にISを起動し装着する。カタパルトにて待機する。
本日二度目のカタパルトからの出撃、少し台詞を変えてみるのも面白そうだ。
「2人とも出撃せよ!」
『黒咲千春、〘ノワール〙。任務を遂行する!』
『織斑一夏、〘白式〙。行きます!』
白と黒、正反対のISが今飛び出して行った。
『装甲が少ない、本当にISなのか疑うレベルだな』
『試作機だからね。でも性能は本物だよ!』
相手のISの性能は把握済み、こちらが一方的に攻撃することが可能。だがそれだけでは織斑の成長には繋がらない……こちらも近接戦闘を行わせてもらおう。
『黒咲!本気で行くぞ!』
『それはこっちも同じ……せめて5分以上は保ってよね!』
『第3試合。黒咲千春対織斑一夏を開始します』
『カウント!3、2、1、スタート!』
スタートと共に獲物を取り出す。先程とは違いライフルではなくコンバットナイフを取り出す。
近接戦闘を伸ばすのであればこのやり方が一番いい、前半はナイフ戦後半はライフルも投擲武器も使用させてもらう。
織斑の一撃一撃はとても読みやすい、基本的に大振りであり隙が目立つ。
ナイフとブレードでの鍔迫り合いを起こす、これがもし能力を使った状態であったら間違いなく、こちらの武器が破壊されるだろう。
能力に警戒しながら織斑との近接戦をこなしていき、大きな隙が目立つところに小型ライフルでダメージを与えていく。
織斑もそれに気づいているのか少しづつ洗練されてきてはいる、おそらく戦闘スタイルは剣道を元にしているだろう。
織斑と篠ノ之がこの2週間で剣道を行っていたのが無駄にならずに済んで良かったな。
『当たらない……』
『動きが単調!そりゃ!』
斬撃を回避し織斑に回し蹴りをお見舞いする、装甲に内蔵されたスラスターの勢いを利用した蹴りは、隙の多い織斑を吹き飛ばすには十分な威力だった。
隙は与えずライフルによる追撃を行う、狙いが多少大雑把であったとしても的が大きい分当たりところは多い。
装甲が無い場所に弾着すれば絶対防御が発動し大幅にエネルギーを消耗させることが出来る、だがこれでトドメをさすつもりはない。
ライフルで織斑の腕を狙い、武器を手放させる。
手元から離れ地面に突き刺さった近接用ブレード「雪片弐型」を回収する。最後はこれで終わらせる。
『武器が!』
『終わり!』
雪片を振り下ろす。防ぐ手段が無くなった織斑には、これがトドメの一撃となった。
自分の武器でトドメを刺される事はかなり屈辱的な事だろう。特に姉から引き継いだ武器であるならなおさら……ね
『試合終了。勝者、黒咲千春』
無慈悲なアナウンスが鳴り響く、これを糧に織斑がより強くなってくれたら嬉しい。
正直やり方は沢山あっただろう、だがこれが一番効果的では無いだろうか?
ピットに戻ってくると織斑先生が凄い顔をしていた。
言葉で表せないほど恐ろしい表情、修羅が宿っているようだった。
「黒咲、放課後話がある」
「は、はい」
生きてる心地がしない。こんなプレッシャーを感じるのは久しぶりだ。
織斑は完全に意気消沈してしまっている。糧とかになると思っていたが、攻めすぎただろうか……
クラス長はオルコットと俺で話し合って決めることになったが、オルコットが早急に辞退してしまった。
オルコットは俺のこれからの成長を見据えており、クラス委員長をして欲しいと言ってきた。
だがその気持ちに答えることは出来ない。そう彼女に伝えた。オルコットは残念そうな顔をしながら、織斑を委員長にするのかと聞いてきた。
不服そうではあるが、1番伸びそうなのは織斑だ。
そして唯一の男性操縦者として強くなければ、所詮男はISを扱えたとしても女性以下というイメージが植え付けられる。
既に手遅れかもしれないが、この段階であればまだ挽回することは可能だろう。
俺自身もクラス委員長を辞退し織斑に任せようと思っていることを伝えると、オルコットも流石に困惑していた。
彼女が困惑するのもわかる。何故最下位であった彼をクラス委員長にするのか、他クラスメイトからのブーイングが起きてもおかしくないだろう。
なのでオルコットに2人で織斑のIS操縦技術の向上させようと提案した。織斑の後ろ盾である織斑先生にも被害が出る前に、クラス委員長として彼を強化していく必要がある。
他様々な意見を伝えると、オルコットは渋々納得してくれた。
オルコットが俺の実力を認めてくれたのは嬉しかった。
成長が楽しみで仕方ないな。
模擬試合が終わりあっという間に放課後になってしまった。
織斑先生から放課後直ぐに寮へ戻るようにと言われた。
寮内で誰にも見られないように部屋へと戻った。
2週間という時間が過ぎた訳だが、ベッド1つというのは慣れないものだ。俺は立って寝るから1人で使って欲しいと言ったが、気がつけばベッドに入れられてしまっている。
挙句の果てに織斑の抱き枕、身長差で彼女の胸の位置に顔が来てしまう。
毎朝目が覚めるとそれが飛び込んでくるのだ。心臓に悪い。
シャワーを使用した後、彼女は下着姿であるのにもかかわらず、普通に部屋の中でそのまま生活する。
目のやり場に困る。早く個室が欲しい……
「なぁ……千冬」
「なんだ?」
「やっぱり寝間着くらいは着て欲しい、下着姿だと目のやり場に困る……」
「そんなの今更だろう?お前はこの布きれの先を何度も見ているはずだろうが」
そう言いながら下着をずらそうとするのを必死に止める。正直、そんなこと千冬にしてほしくなかった。
「それは下品だからやめて」
「むっ、気に入らないか。まあお前がそう言うのなら辞めるとしよう」
「……じゃあ寝間着を着てくれ」
「分かった」
次の番外編
-
おねショタ(無効票)
-
1シャル&ラウラと千春(受け)
-
2シャル&ラウラと千春(攻め)
-
メス堕ち(無効票)(千春総受け)
-
束と千春
-
千冬と千春
-
シャル&ラウラと千春
-
一夏と千春
-
オマケ(無効票)
-
千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
-
千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」