女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
「ち、千春さん……」
目の前に居る男は本当に千春さんなのだろうか?ISを纏っているオータムを一太刀、それも生身で吹き飛ばしている。はっきり行って人間かどうか怪しい。
「なんなんだよ!お前っ!」
「あぁ、憶えてないか。てめえら精鋭以外をぶち殺した人間だよ」
「なっ……まさか『黒い薔薇』!?」
先ほどまで歪んだ笑みを浮かべていたオータムの表情が焦りと恐怖の両方を浮かべている。それだけ目の前に居る千春さんの存在が恐ろしいと言うことなのか?
『黒い薔薇』……そう千春さんは呼ばれていた、その言葉が一体何を意味しているのかは分からない。だけど、なんでこんなにも嫌な予感がするんだ?
「ふっ!」
「ぐっ……!」
「浅かったか。そのIS、見た目通りの機動性って所だな」
「なんなんだよ!なんでテメェなんかがここに居る!」
オータムの言葉に、千春さんはニヤリと笑みを浮かべる。そして、自身が手にしている刀を構え直す。
「仕事なんでな」
その言葉と同時にオータムに向かって走り出す。たった一振りの刀とISでは圧倒的な戦力の差がある、それなのにもかかわらず今の2人の戦いを見てしまうとほぼ同等なのではないかと感じてしまう。
「今ここで殺してやる!」
「はっ!小物が」
八本の脚、それに加えて二本の腕で攻撃を繰り出してくるオータムに対し、一つしか無い刀でそれら全てを凌ぎきる。
「おいおい、IS使ってその程度かよ……使えないな」
「調子に乗るなぁ!」
腰部装甲から二本のカタールを抜いたオータムは自らの腕を近接戦闘に、背中の装甲脚を射撃モードに切り替えて応戦する。
嵐のような実弾射撃を躱しつつ、的確に攻撃を捌ききっている。
俺も《雪片弐型》一つだけの時、ここまでの動きが出来れば苦労もしなかっただろう。
「効くだろ?篠ノ之博士特製の獲物だぜ」
「な、なんだと!?」
「千春さん!」
「一夏は休んでろ。ここは俺に任せな、そのIS動かせねえんだろ?」
「余裕ぶるんじゃねぇよ!」
自身の攻撃が当たらずひたすら遊ばれているオータムの怒りは、すでに限界を超えていたようで動きが単純なものになっていく。こうなってしまえば千春さんの思う壺なのだろう。
ガギンッ!と《アラクネ》の装甲にダメージが入っていく、焦りを隠せないオータムは必死に抵抗を見せるだけだった。
「そういえばだが一夏、この部屋暑く感じないか?」
「えぇ?」
「湿度って訳じゃないが、人間の体感温度が」
「何言ってやがる……?」
突然千春さんがそんなことを言い始める。俺もオータムも何を言っているのかわからなかった。
「不快指数っていうのは、温度に依存する。──なぁ、この部屋って湿度高いと思わないか?」
はっとした俺が見たのは部屋の一面に漂う霧。しかもオータムの身体にまとわりつく、異様に濃い霧だった。そしてその霧の中に千春さんの姿が消えていった。
「返して貰ったぜ」
その言葉と共に、千春さんの姿が再び現れる。その手には《白式》のコアであるクリスタルが握られていた。
「そいつを返せ!」
装甲脚を伸ばし、千春さんの全身に向けるオータム。しかし千春さんは一歩も動かず装甲脚に貫かれる。
しかし余裕の表情を崩さない。よく見ると、貫かれているはずの身体からは一滴も血が流れていない。
「本当に使えないな。ヒントも出してやったのに」
「なっ……!」
オータムが驚いたその瞬間、背後から誰かの攻撃が飛んでくる。
「今度は誰だ!?」
「お待たせ、一夏くん」
「楯無さん!」
ぱちんっ、と楯無先輩が指を鳴らす。次の瞬間、オータムの身体は爆発に飲み込まれた。
「な、何が起こって……」
「《ミステリアス・レディー》。『霧纏の淑女』を意味するあの機体は、水を自在に操ることが出来る。エネルギーを伝達するナノマシンによって、ね」
千春さんがそう説明してくれると思った否や、姿が変わり楯無先輩に変わる。
「楯無先輩!?千春さんは……」
「それは霧で作った幻影、本体はこっち。それじゃあ終わりにしましょうか、一夏くん?」
オータムは嫌な予感がして、こちらを振り向く。そこで見たのは、コアを取り戻し、完全復活を遂げた、俺と《白式》の姿だった。
「……これなら、行ける!」
(あれは本当に幻影だったのか……?どう見ても本物だった)
一つの疑問を持ちながら、俺は《雪片弐型》を最大出力にしオータムに構えるのだった。
「くっ……千春のヤツ、何処へ行った?」
「千春さんの動き凄かったよね、壁走ると思わなかったし」
「いやまぁ、千春さんはパルクールが得意だったからな」
アリーナのセットにて、専用機持ちによる黒咲と織斑の捜索が行われていた。織斑と離れた黒咲は、まるで人間離れしたかのような動きを見せ、あっというまに彼女達の前から姿を消してしまった。
捜索を続けていると、突然アリーナ全体にブザーが鳴り響く。
『ロッカールームに未確認のIS出現、《白式》と交戦中』
「「「「「っ!」」」」」
『専用機持ちは直ちにISを展開、状況に備えてください』
「「「「「了解!」」」」」
その言葉と共に、専用機持ちが一斉にISを展開する。しかしそこに黒咲の姿はなかった。
『オルコットと凰は天空につけ、篠ノ之、デュノア、ボーデヴィッヒは織斑の援護。ロッカールームに迎え!』
「「わかりました!」」
「よし、行こう」
それぞれが私の指示にしたがい動き始める。
「千春は既に戦闘中か……しかも黒薔として」
「ISが使えたら可笑しいからと言う理由で生身で対抗するなんて、危険すぎます!」
「何か策があるのだろう」
とは言ったものの、少しばかり心配にはなる。刀一つしかも生身と来た。はっきり言って死にに行くような物だ。
(──任せるしかない。頼んだぞ、千春)
「右舷前方クリア」
「こちらも問題ありません」
空に上がったセシリアと鈴は、敵増援が何時向かってきても可笑しくないよう警戒を行っていた。
『高速で移動中のISを二つ捕捉』
『2人とも、油断するな!』
「はい」
「わかりました」
二機の増援、今だどんな機体を送り込んでくるか不明。
「……食い止めるわよ」
「IS反応確認!ただちに急行します!」
高速接近してくる機体へと照準を向ける。
(そんな、これは……BT二号機《サイレント・ゼフィルス》!)
ロングレンジ用ズームに映し出されたのは、セシリアが見たことある機体だった。
BT二号機《サイレント・ゼフィルス》。
シールド・ビットを試験的に搭載した機体であり、その基礎データには一号機であるセシリアの《ブルー・ティアーズ》が使われている。
「どうしたのセシリア!撃って!」
「──っ!はい!」
すぐさまレーザーライフルによる狙撃を試みるが、シールド・ビットを展開されて、有効打を与えられない。
「なによアイツ!?」
「ならばこちらも!」
ミサイル・ビットを自身の真下へと射出、空中で制御動作を取らせて死角から襲撃者へと向かわせる。
秘中を確信したセシリアだったが、次の瞬間信じられないことが起きた。
「なっ……!?」
ビームが弧を描くように曲がり、ミサイルを撃ち落とした。
(今のは、BT兵器の偏光制御射撃!?そんなこと──)
信じがたい光景を前に、セシリアは棒立ちになってしまう。
(現在の操縦者ではわたくしがBT適性が最高値のはず。それが、どうして!?)
「セシリア危ない!逃げて!」
「っ!」
鈴が大声で叫ぶのと同時に、ビットのレーザー射撃が迫ってくる。しかし先ほどとは違い一直線上にレーザーが流れていく。これならば回避しつつも反撃をすることが出来るだろう。
「お前は先に行け、俺が足止めしてやる」
「……わかった」
その言葉と共に《サイレント・ゼフィルス》はアリーナへと向かっていき、残ったのは奇妙な形をした緑色のISだった。
「さてと、こいつの性能を試すとするか。《ドーベン・ウルフ》!」
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」