※この作品はR-18です。

女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活   作:灰崎 快人

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なんとなく分かってたけど、三強が強すぎる……


第77話「お前は誰だ」

「お前は誰だっ!」

「……」

襲撃者と対峙した織斑は『雪片弐式』を構え直す。襲撃である《サイレント・ゼフィルス》はBT兵器を展開し織斑へと襲いかかる。

(セシリアと同じBT兵器……だけど、コイツの方が強いっ!!)

BT兵器との戦いはセシリア、黒咲を介して慣れては居るつもりだった。けれど襲撃者の練度はそれとは比にならない。

なんとか回避を取れている物の、BT兵器の偏光制御射撃によって苦戦を強いられる。

(紙一重で避けられている、だけどもうエネルギーが……)

《白式》が堕ちるのも時間の問題だった。

「──っ!」

《雪羅》のシールドでなんとか攻撃を防ぐものの、止めどなく続く攻撃に弾き飛ばされてしまう。

「ぐあぁぁぁっ!!」

「「一夏」さん!」

「織斑くん!」

後ろから声が聞こえる。センサーで確認するとセシリア、鈴そして黒咲が増援に向かってきていた。黒咲はこちらに向かいながら装備を変更しているようで、背部の羽が黒紫から青色に変化していた。あれは確かBT兵器だったはず。

「セシリアと鈴は織斑くんを守って下がって、相手の狙いは織斑くんと《白式》だから」

襲撃者に一人で相手をさせるのはと、鈴がためらうがそんなことをしている場合ではないと黒咲が急かす。

「私が時間を稼ぐから、急いで!」

「けどっ!」

「鈴さん、行きますわよ」

「セシリア……無理すんじゃないわよっ!」

三機が戦線を離脱したのを確認した後、黒咲は《サイレント・ゼフィルス》と向かい合う。

「……随分と優しいんだな?話をしている間に攻撃なんていくらでも出来たのに」

「……」

「だんまりか。なら、無理矢理吐かせる!」

BT兵器を展開し《サイレント・ゼフィルス》へと放つ。それに対抗するように相手もBT兵器を展開する。12基のBTがドッグファイトをしながら数を減らしていく中、本体である《ノワール》《サイレント・ゼフィルス》は中距離からの射撃戦術を仕掛ける。この状態の《ノワール》には近接装備が一切搭載されていないため、接近を許してしまえば徒手空拳のみで対抗するしかない。

(BTの数は……こっちが有利か。BTに実体刃を展開できるようにして成功だったな)

「……流石、あの人の」

《サイレント・ゼフィルス》の操縦者が何かを呟く。あの人の?一体何を言っているんだ?

「お前は何者だ?」

「私は、わたし、は……」

様子がおかしい、何かをこちらに伝えようとしているのに言葉が出ない。そんな感じだ。

その間に俺は動きの止まったBT兵器を全て破壊する。これで完全にこちらが有利だ。

「っ!」

「答えられない、か。ならその仮面を破壊させて貰う」

《ストライク》から《デスティニー》へシステムを戻し《サイレント・ゼフィルス》へと迫る。

近接装備を展開した相手に、俺は容赦なくスラスターの勢いを合わせた斬撃を浴びせ壁に叩きつける。

壁に叩きつけるのと同時に、センサー類をになっている頭部を掴み取り破壊を試みる。《サイレント・ゼフィルス》の操縦者も必死の抵抗を見せるが、それも無駄な抵抗となりついに操縦者の顔が露わになる。

(さて、どんな面をして──)

「なっ……」

動きが止まった。何故という言葉が頭の中を巡っていく。

「お、お前っ……」

「っ!」

鈍くなった俺の腹部に重たい一撃を浴びせ、溜まらず吹き飛んでしまう。

(まさか、いやそんな訳……でもっ)

俺の脳内は終始混乱してた。目の前の襲撃者、少女の容姿は間違いなく彼女にそっくりだった。

だが彼女には弟以外の家族は居ない。居ないはずなのだ。なのに……

「お前は一体何者なんだ……なんでそんな顔をする?」

「っ!」

混乱してしまっている状態の俺に、少女は襲いかかってくる。思考がまとまらず武装を取ろうにも躊躇いが生まれてしまう。その隙を逃さないと言わんばかりに連続攻撃を浴びせ《ノワール》のシールドエネルギーは半分近く持って行かれる。

「くっ……」

頭部センサーの仮面を戻した少女は、俺の事を放置してアリーナへと下がっていく。

その表情からは「またいつか」と何処か別れを惜しんでいるようにも見えた。

(……一体何者なんだ)


《アラクネ》を操るオータムはなんとかその場から撤退しようと必死に脚を動かしながら、頭の中で何度も毒づいていた。

(何が簡単な仕事だ!ふざけやがって、あのガキ!)

そもそも、今日の潜入にしたって予定外だったのだ。本来なら寮の部屋にいたときに襲う計画だったが、突然の同居によって大幅に修正せざるおえなかった。

(大体あのガキは組織に来たときから気に入らなかったんだ……!)

いつでも他人を見下したような少女を思い出す。自らの能力の高さと相手の能力の低さを確信している、そんな少女の目。

それは《リムーバー》と今回の潜入計画を用意した本人でもある。

リムーバーを一度でも使った以上、ISには耐性が出来てしまう。

(この私の顔によくも泥を塗ってくれたな!)

忌ま忌ましさに奥歯を噛みしめていると、突然ISの動きが重くなる。

「ぐっ……」

(こいつは……AICか!)

「クソッ!ドイツのISだな!」

「その通りだ『亡国機業』」

ラウラの静かな声が響く。

それは何処までも続く氷河のごとく冷たい威圧感を放っていた。

「動かない方が良いと思うよ」

「これまでだと思え」

その横からシャルロット、箒が武装を展開して構える。

「少しでも動いてみろ、既に狙撃手がお前の眉間に狙いを定めている」

「くっ……!」

「洗いざらい吐いて貰おうか。貴様らの組織について」

そして今回の襲撃。ISによる戦闘。それらのことから、組織が相当巨大な物だと理解していた。

「お前のISはアメリカの第二世代型だな。どこで手に入れた。言え」

「言うわけねーだろうが!」

ISのコアを製造する技術は一般的には公開されていない。

それはつまり、どこからか奪った物だと言うことに他ならない。

そして、国防に関する重大な過失であるがため、どの国も盗まれたことを公にはできない。

ISの強奪計画を企て、それを実行するだけの組織力は、けして小さくないということだった。

「よかろう。私は尋問の心得は多少ある。長い付き合いになりそうだな」

そう言ってラウラが接近しようとした瞬間、プライベート・チャンネルからセシリアの声が響いた。

『離れて!一機来ますわ!』

「何ッ!」

ラウラがセンサー域を拡大した次の瞬間に、四機の周りにレーザーが降り注ぐ。箒とシャルロットは瞬時にその場を離れるが、AICを使用しているラウラは回避することが出来ず、その場に止まる。

飛来した襲撃者はラウラに小型レーザー・ガトリングを浴びせて、オータムへと再接近を許さない。

それと同時にピンク色に光るナイフでAICを切り裂き、オータムの自由を確保した。

「なっ……」

「この程度か、ドイツの遺伝子強化素体」

その顔は、バイザー型ハイパーセンサーに覆われていて、口元しか見えない。

しかし、それが嘲笑の笑みに歪むのを、ラウラは確かに見たのだった。

「貴様……何故それを知っている」

「言う必要は無い……スコールか、わかった。迎撃態勢が整いすぎた、帰投するぞ。オータム」

飛来した襲撃者はオータムに逃げる隙を与えるため、三人を再びガトリングを浴びせる。

その隙をついたオータムは《アラクネ》からコアを抜き取る。ブシュッ!という圧縮空気の音を響かせて、オータムのISが本体から離れる。

「何!?」

本体から離れたISは警告音を鳴らしながらラウラ達へと向かっていく。

「皆離れろ!」

その言葉と共に織斑が三人へと接近、その背後ではオータムが《サイレント・ゼフィルス》に右腕を掴まれそのまま飛来した方向へと離脱しようとしていた。

しばらく足止めをしていたガトリングからの攻撃が止み、二人の姿が露わになる。

「今度はぶっ殺してやるよ!」

オータムが歪んだ笑みを浮かべていた次の瞬間、彼女の左腕から鮮血が流れた。

「──は?」

ゆっくりと自身の左腕を見ると、左肩からその先が全て無くなっている。左腕には確かISのコアを握っていたはずだ。それが無くなっていた。

「ああああああっ!!!!」

痛みのあまり叫ぶことしか出来ないオータムを抱え、急いでその場から飛び去るサイレント・ゼフィルス。

警告音が速くなるアラクネは光を放ち始め、数秒後に大爆発を起こした。

……三人と織斑は、巻き込まれる寸前のところで、更識の体に覆われた。


「大丈夫?一夏くん」

最大展開した水のヴェールが俺たちを包んで守っていた。後ろでは三人が気絶しているのか、倒れている。いくらISの絶対防御があるからとしても、あの位置で自爆に巻き込まれたら無傷ではすまないだろう。

「え、ええ、まぁ……あの女は」

「逃げられたわ。ISのコアは事前に取り出したみたいだけど、黒咲さんが相手の腕を切り落として奪ったみたいね。ISは装備と装甲だけを爆発させたみたい。それにしても無茶をするわね。失敗すれば自分だって危なかったでしょうに……」

意外なことに真剣な口調で話す楯無さんは、妙に格好良かった。

腕を切り落とした?と疑問に思った俺は、少し離れたところで立ってる千春に目をやる。

オータムと呼ばれていた女の左腕と、ISのコアを手にしていたものの、流れている鮮血を見ていると気分が悪くなりそうでそっと視線を戻した。

「そ、そうですか。あの……ところでそろそろ……」

「ん?」

「離して貰えると嬉しいんですが……」

俺を庇った楯無さんは爆発を背中で受けているように覆い被さっていた。

つまり、その……‥

「やん。一夏くんのえっち」

「ち、違いますよ!これは、その、緊急事態だったからで……」

「あー言い訳なんて男らしくないなぁ。で?おねーさんのおっぱいの感想は?」

「え、その……や、柔らかかったです……けど……」

「一夏くん」

「は、はい」

「えっち」

なんかもう言い返す気にもなれずに、俺はがっくりとうなだれる。

今日はとにかく、色々なことがありすぎた。

とりあえず風呂に入りたい。そんな気分だった。

「ところで、これなーんだ?」

そう言って楯無さんは指でくるりんと『それ』を回して遊ぶ。

「あ、その王冠!」

「うん。これをゲットした人が織斑くんと同じ部屋で暮らせるっていいう素敵アイテム」

「はぁ!?そんなの聞いてないですよ!」

「うん。女の子にしか言って無いし」

「何考えてるんですか……。大体、俺と暮らして楽しいわけないでしょう」

「そうかな?ま、なんにしても、ゲットしたのは、わ・た・し」

嫌な予感がする。いや、もう遅い。

「当分の間、よろしくね。一夏くん」

俺はもうどうにでもなれとばかりに背中から倒れた。

次の番外編

  • おねショタ(無効票)
  • 1シャル&ラウラと千春(受け)
  • 2シャル&ラウラと千春(攻め)
  • メス堕ち(無効票)(千春総受け)
  • 束と千春
  • 千冬と千春
  • シャル&ラウラと千春
  • 一夏と千春
  • オマケ(無効票)
  • 千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
  • 千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」
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