女装して入学することになった暗殺者によるIS学園生活 作:灰崎 快人
「そうだな、久しぶりに全力演習を行うか。明日の放課後、十六時より第二アリーナで準実戦訓練を行う。いいな」
「了解だ。言っておくけど、今度はもうワンサイド・ゲームにはならないぞ」
「ふふん。それはどうかな?私も明日は新式装備の性能を披露してやろう」
そう言ってくるりとラウラはフォークを回す。
その先端にはサラダパスタのマカロニが、ちょうど空洞を通る形で刺さっていた。
「身のある訓練を期待しよう」
マカ──
「「「マカロニだけに」」」
「…………とか言うつもりでしょ」
「…………なんて言わないよね?」
「…………なんてね」
鈴とシャルロット、黒咲にトリプルで先読みされた。……うぐっ。
「はっはっはっ、そんな馬鹿な」
「一夏、お前……」
うっ。箒が白い目で俺を見ている。
違う!違うんだ!勝手に思いつくんだ!俺は悪くない!俺は悪くねぇ!
「まー、どこかのバカはさておき」
どこのバカだ、まったく。
「一夏、アンタの生徒会の貸し出しまだなわけ?」
「ん?なんか今は抽選と調整してるって聞いたぞ」
「ふーん?」
何でもなさそうにそう言って、鈴はラー油たっぷりの麻婆豆腐をぱくりと頬張る。
「ああ、そういえば皆部活動に入ったんだって?」
つい先日、そんなようなことを耳にした。いい機会だし、確かめておこう。
「私は最初から剣道部だ」
幽霊部員だけどな、箒。……しかし、最近はよく顔を出してるらしい。学園祭の時に部長につつかれたからだろう。しょうがないやつめ。
「鈴は?」
「ラクロスよ」
「へぇ!ラクロスか!似合いそうだな」
棒を振り回す辺りが特に。……とは口が裂けても言えないな。
「まあね。あたしってば入部早々期待のルーキーなわけよ。参っちゃうわよね」
確かに、専用機持ちとはいえばその身体能力は一般生徒と一線を画している。グラウンドを走る鈴の活躍姿を思い浮かべて、俺はふんふんと頷いた。
「で、シャルロットは?」
「えっ?僕?」
「うん、何部に入ったんだ?」
「料理部だよ」
「料理部か!そっか、料理部かぁ」
「うん。日本の料理も覚えたくて」
「なるほどなー。なんか作れるようになったら是非一度食べさせてくれ」
「うん。勿論だよ」
シャルロットはそう言ってうなずいた。ときどき黒咲の方を見ていたのは気のせいだと思いたい。
もしかして黒咲に手料理を食べて欲しいから、料理部に入部したのか?それはそれでいいよな!
「それでセシリアは?」
「わたくしは英国が生んだスポーツ、テニス部ですわ」
「へぇ。もしかしてイギリスに居たときからやってたのか?」
「その通りですわ。一夏さん、よろしければ今度ご一緒にいかがですか?」
「でも俺テニスやったことないんだよなぁ」
「でしたら、わたくしが直接教えて差し上げてもよろしいですわよ?と、特別に」
「おお、それはいいな。じゃあいつか頼む」
「ええ!」
にっこりと微笑むセシリアを見て、俺も少し安心する。
本当にここ最近のセシリアは自閉のきらいがあったんだが、こんな風に笑えるなら心配の必要は無いだろう。
「ちなみに私は茶道部だ」
そう言ったのはラウラで、ちょうどパスタを食べ終えたところらしい。
「ん?ラウラ茶道部に入ってたの?それなら教えてよ」
「ラウラらしいよな、日本文化大好きだし。……ん?茶道部の顧問って確か──」
「教官……いや、織斑先生だな」
そうだそうだ、確かに前黒咲から聞いた気がする。
ファンの女生徒が一斉に殺到して、正座二時間でふるいにかけたとかなんとか。
ん?それにしても、千冬姉と茶道部ってなんか不思議な組み合わせだよな。てっきり俺は運動部の顧問だとばかり。
「ラウラは正座平気なの?」
「無論だ。あの程度の痺れなど、拷問に比べれれば容易い」
「いや、拷問と比べちゃいけないんだけど……」
「しかし、ラウラの着物姿って想像できないよな。今度見せてくれよ」
「機会があれば、な」
ラウラが着物を着るとなると、やっぱりその長い髪を結ぶんだろうか。なんか結構似合いそうだな。
「一着ぐらいはあるといいかもしれんな。今度買うとしよう……」
「わざわざ買うのか?」
「気にするな。今後、使う機会が無いとも言えないことだしな」
「そっか。……確かに着物なら初詣の時とかいいよな。あ、でも年末年始には国に帰るのか?」
「いや、日本に居る。何か無い限り私はドイツへ帰国しないからな」
「年末年始かぁ……どうしようかな。とりあえず神社行っておみくじは引くけど、それ以外でやることなんかないから。多分初詣行ったらIS学園に戻って機体の整備とかしてるかな」
黒咲……いくらなんでもそれはつまらないだろ。
「お、おう。それならみんなも一緒に行こうぜ。せっかくだから除夜の鐘からな」
人数が多いとそれだけで楽しそうだ。
「あ、でもみんなはどうするんだ?年末年始。やっぱり帰国するのか?」
「僕は残るよ」
そう言ったのはシャルロットだった。流石にラウラと仲が良いことだけのことはある。
「でしたらわたくしも」
「まあ、帰国しても面白いことないしね」
セシリア、鈴と続く。となるとあとは箒だけか──と思ったところで、ふとあることに気がついた。
「箒は神社のお手伝いするのか?夏休みもしてたよな。また終わったら一緒に──」
「ば、馬鹿者!」
ぺしっ!と、箒が俺を叩く。
「いてぇ!な、なんだよ!」
「う、うるさい!軽々しく言うな!」
「「「「また?」」」」
聞き返してきたのは、鈴にセシリア、シャル、ラウラ──って黒咲以外全員じゃないか!
「一夏ぁ!夏休みに何してたのか言いなさいよ!」
「一夏さん!箒さんとそのような──見損ないましたわ!」
「またってどういうこと……?」
「私達に隠れてこそこそと……許せんな」
がたたっと音を立てて四人が立ちあがる。
「わあっ!待て待て!別にやましいことは……なあ、箒!なあ!?」
「何故そこまで否定する……」
「え?」
ばしん!と頭をはたかれる。
「ふん!」
ちょうど食事も終わったらしく、箒はトレーを持って立ちあがるとそのまま去っていった。
おい、待て!この状況で俺だけを置いていくな!
「じゃあ、俺も食べ終わったし、部屋に帰──ぐはっ!」
立ちあがったところを賃に掴まれ、俺は椅子に逆戻り。
いてーな!と反発するよりもはやく詰めてきた。
「一夏!夏休みになにがあったのよ!」
「説明を要求するわ!」
「一夏、隠し事はダメだよ?」
「ここで吐いて貰うぞ」
ま、待て!待ってくれ!そ、そうだ!黒咲助け──っていねぇ!!!
「ま、待っ──ギャアアアアアア!!」
「箒」
「黒咲……」
「今は千春でいい」
織斑が四人に問い詰められている中、俺は箒と一緒に自室へ戻っていた。
あの時真っ先に席を離れたのは、秘密にしたかった事を何でも無いようなことのように人前で話す織斑が嫌だったからだろう。それにそれを話をされてしまえば詰められるのは自分だったからだろう。
「一夏の誕生日、何を渡すか決めてるか?」
「いえ……千春さんはなにを渡す予定ですか?」
「んーまぁ身に着けられるものを渡す予定だ。ファッションとしてというのもあるが、監視のためにGPSをつけてな」
「……あの、千春さん」
「なに?」
箒が思い詰めたような表情でこちらを見てくる。
「千春さんがこの学園に来た理由を教えてください」
「……ごめんね、今は教えられない。だけど、いつかしっかり説明するよ。俺の演技が限界になったその時に」
「……わかりました。では一つだけ私のお願いを聞いて貰えますか?」
こんな表情をする箒は本当に聞いて欲しいときか、覚悟を決めたときのどちらかしかない。
「うん、なにかな?」
「無理は、しないでくださいね」
「────その言葉、覚えておこう」
次の番外編
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おねショタ(無効票)
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1シャル&ラウラと千春(受け)
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2シャル&ラウラと千春(攻め)
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メス堕ち(無効票)(千春総受け)
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束と千春
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千冬と千春
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シャル&ラウラと千春
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一夏と千春
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オマケ(無効票)
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千春&箒「これは練習だから浮気じゃない」
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千春&セシリア&鈴「IS3分クッキング」