クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~ 作:ヨイヤサ・リングマスター
~三人称~
暗い森の中で恐ろしいものは何だろうか?
獣? いいや、現在この密林にいる二人は獣など歯牙にもかけない強さを持っている。
では亡霊などの類か? これも違う。彼女たちの強さは肉体的なものだけでなく、精神的な強さも含んでいる。
二人が最も恐ろしいもの……それはお互いが離れ離れになることだった。
「んっ……♪
もう、そんなにがっつかなくても逃げたりしませんって」
ウルの胸に吸い付いていたクフーンは、自分で思っている以上に興奮していたことに気づいて口を離す。
「ん、悪い。
ダメージ加工の水着姿のウルが珍しくて気持ちが高ぶっちゃってさ」
密林での討伐依頼を終えた二人はベースキャンプにて焚き火を眺めながら肩を寄せ合って座る。
普通なら一週間かけて行われるはずの依頼を、この二人は一日で終えてしまったのだから一週間後まで密林で過ごす必要があるためだ。
勿論、普段の二人なら目的を達成したあとに長々と外に居たりはしないのだが。
「それにしても、別に一週間もここで過ごさなくてもいいんですよ?
信号弾打ち上げれば迎えも来てくれるでしょうし」
「たまには屋外でのプレイも燃えるだろ?」
露出したお互いの肩は素肌がつくほどに寄り添い、珠となった汗は混ざり合って地面に落ちる。
それだけで、二人が密林で夜を過ごす理由には十分だ。
「……燃えますね。野外プレイ♪」
「だろ?」
ようするに、二人揃ってお互いの性欲を燃やしているのだった。
ウルは先ほども言ったが、狩りの時に着ていた水着をを破られてしまったためにボロボロの格好。
それがまたクフーンの劣情を誘い。その反応にウル自身も興奮を覚えるのだった。
そしてクフーンはすでに水着なんて脱ぎ捨てていた。
豊かな胸を惜しげもなく晒し、今か今かとウルとの激しい行為に柔らかな膣肉は閉じることを忘れて蜜を滴らせている。
何度も受け入れて来た愛しいウルだからこそ、もう待ちきれないのだ。
「それじゃ……いいか?」
「いつもは私がリードしていましたが、やっぱりクフーンさんも百合力を高めただけありますね。
私の方はいつでも準備万端です。ムラムラですよ♪」
ウルの笑顔にたまらなくなったクフーンは、力いっぱいに抱き締める。
手を伸ばせば届く距離。
ここで手を出すか出さないかは人によるかもしれないが、そこで手を伸ばすのがクフーンの彼女らしさでもある。
腕に、指に力を込め、愛情を込め、慈しみを込めて抱きしめ、抱き寄せ、押し倒す。
顔を近づけ、頬に優しくキスをするとすぐに離し、もう一度、目を見て愛を囁く。
「ウル……」
「クフーンさん……」
その距離およそ10センチ。お互いの瞳には相手の姿しか映っていない。
今夜の空模様はあいにくの曇り空だが、それすらも関係がないかのように心は目の前の相手のみを想い、見つめ合う二人。
月明かりもない闇夜を照らすのは焚き火の炎だけだが、その灯りが互いの身体に生み出す光と影のコントラストがますます気持ちを高め合う。
じっとりと汗ばむ不快な湿度と気温。焚火こそあるものの、密林特有の環境もまた、二人の愛の前にはただの飾りのようなものだ。
「ん、ぁ……」
クフーンの力強い口付け。そこから舌をそれだけが別の生き物であるかのように動かしてウルの口内を蹂躙する。
ぬるりと、たっぷりと時間をかけてまさぐった後、引き抜かれた舌が糸を引く。
トロンと、尾を引く快感の波に瞳は潤み、思考は混濁する。意識を持っていかれそうになるが、これはまだ始まりに過ぎない。
クフーンも、ウルも、この程度で満足するほどに薄い関係などではない。濃密な時間をこれまでに過ごしてきたからこそ、これから相手のすることが理解できるのだ。
「……迎えの馬車を呼ばなくて、正解だったな。
毎日の行為に飽きが来るなんてありえないが、それでも場所が違うだけで、いつもと違った興奮が味わえる」
荒い息でクフーンは言う。
「確かに……、今日のクフーンさんは、いつも以上に積極的ですね。
普段は私が攻めてますし……今夜はクフーンさんが引っ張ってくださいね♪
私は何でも受け入れますから」
ウルもまた、自分の上でこれから激しさを増すであろうクフーンに期待しながら返事をする。
まだ夜は始まったばかりなのだから。
「その言葉に甘えさせてもらうとしようか。
何でもするんだろ?」
二人がしたのは、まだキスだけ。どんなに濃厚でもキスだけだ。
だが、それだけで二人の上気した肌には珠のような汗が浮かんでいる。
だからこそ、ここで終わるなんて出来っこない。最後まで突っ走る。
炎に照らされる影が刻まれるお互いの裸体が芸術作品のように、二人の内面――性欲という本能すらも芸術の高みへと至っているのだから。
柔らかなウルの乳房にクフーンは手を重ね、お互いの熱が混ざり合うほどに感覚を共有する。
環境が違うためか、普段使っているような感度を上げたり触手を生やしたり、幻覚を交えるような魔法の類は使っていない。
純粋な手技、そして愛情のみで二人は身体を重ね合っているのだ。
クフーンの空いたもう片方の手が下に伸び、そのまま草原を掻き分けるようにして刺激を与えあう。
「ウルの中……暖かいよな。
それに甘いし瑞々しい」
くちゅり、と。割れ目へ伸ばした指は、ゆっくりとそのまま侵入し、襞の一つ一つを味わうようにして堪能していく。
指先だけが別の生き物のように、自分も相手も一緒に快感を共有できるように、最大限の愛情をこめてクフーンは行為を続ける。
再びの口付けは、唇を舐めるだけ。口から垂れる糸を舐め取るだけに終わる。
「んぅ、クフーンさんの方こそ、美味しいです、よ……。
私がこれまでに食べた、他のどんなものよりも、甘くて……、興奮が抑えられなくなります♪」
次にクフーンは、ウルの蜜で濡れた指先を舐め取り、今度は自身の舌で割れ目を優しく舐める。
冒険者らしい力強さに溢れながらも、女性らしさも併せ持ったその指は、しっかりとウルの両足を抑え、これまでに何度も繰り返して身体で覚えて来た行為を密林で行う。
環境が違う以外はいつもと同じ。それでも、環境が違うからこそ今日のクフーンはいつもより積極的なのだ。
「もう、何度もしているのに今更焦らさないでくださいよ……。
もっと、激しくしてもいいんですってば♪」
「……」
ウルの催促を無視し、クフーンはウルの一番敏感な部分だけを避けるように舌を這わせる。
生い茂る草原をかきわけ、溢れる蜜を舐め取り、刺激を与えながら絶頂までは至らないように。
ビリビリと脳が焼き切れそうなほどに昂ぶっているウルは、すでに我慢の限界に達している。それが堪らなくもどかしいのだった。
「ほら、クフーンさんそこです!
ここに早く!!」
それでも焦らすクフーン。
ぬらぬらと光沢を見せる草原はその輝きを増すばかりで、一向に次の行為へと発展しない。
じわじわとその舌はウルの一番敏感な部分に近づいてはいるが、それでも肝心の部分には触れない。
「はぅっ……うぅ……はぁ……」
調律を施された楽器のごとき声とでも呼べばいいのだろうか。
この行為こそ、ウルという楽器を調律する音楽家としてのクフーンの一面。
「(これは、もしかしたら私はクフーンさんのことを見誤っていたのかも知れません……)」
この時のウルは、自分の発言を後悔していた。
否、百合としての自分の経験や技術を過信していたと言った方が正しいだろう。
今回はクフーンの攻め。
それは、いつもと違う流れだが、自分がクフーン以上に女の体に慣れて強いからこその慢心から来るものだったのだ。
自分が限界を超えても絶頂に達せないだなんて想像もしていなかった。また、そんな生殺しをされるとも思っていなかった。
だからこそ、自分が攻めに回ることも出来ず、かといってこれ以上強い催促を求めることも出来ないのだ。
クフーンは、この場においてはウルの方を堕とすことを考えて攻め続けているのだから。
「ク、クフーンひゃん……」
「そろそろ……いいかな?」
顔を上げて呟くクフーン。
呂律も回らなくなり、頭に霞がかかったような状態だったウル。
しかし次の瞬間、訪れた雷のような衝撃にウルは言葉を失った。
「ひぐぅっ!」
ズドンと、激しい音を響かせながらクフーンの手が差し込まれた。
指を一本や二本ずつという、まどろっこしいものではない。
勢いよく振り抜かれたクフーンの拳をウルのクレヴァスは、深々と手首まですんなりと飲み込んだのだ。
「ク……、クフー、さ……そ……いきな……」
内側からの圧迫の激しさに気持ちよさと一緒に息苦しくもなる。
確かに、二人はこれまでに何度もこうした行為に及んできた。
時には身の丈以上の触手でプレイもしたし、百合であっても拒みたくなるような激しいプレイもしてきた。
それでも、ここまで獣のように強引に、それもクフーンが攻め立てるようにした夜は初めてだったのだ。
「夜はこれからだぜ? あたしの愛しいウル」
ぎちゅ、と腕が動く。
差し込まれた腕をさらに捻り、動かし、内側を抉るように擦る。
そこには一遍の情け容赦もないが、ただ一つ、愛情だけは無限に込められていた。
「それじゃあウル、あたしはまぁ、超一流の冒険者だから魔法使いでもあるんだけどさ。
だから、こういう時にもっと気持ち良くなる魔法を使うのが普通だと思うんだよ。
前にあんたがリザに習った身体の感度を上げるって魔法だけど知ってるよな?」
「ま、ましゃか……」
「あたしは前々から思ってたんだよ。
弟子が師匠を超えるのは嬉しいことだけど、簡単には追い越せないような師匠でありたいってね。
だから修行した。毎日ウルと寝ていた。
そうして鍛えた今のあたしの百合力はいったいどれくらいか分かるか?」
クフーンの手に圧倒的なまでの魔力と慈しみ、それにスプーン一杯ほどのサディステックな感情が込められて輝く。
「さぁ、今夜はあたしが攻めだ。
幾らでもイっていいぜ?
絶頂して気絶しようとも、疲れてもう無理だとしても、何度でも起こして何度でも絶頂させてやるからさ♪」
クフーンは有言実行する冒険者。そして百合である。
ウルの意識は次の瞬間にはもう耐えようなどと言う生ぬるいことも考えられない快楽でズタボロにされていた。
子宮にまで侵入したクフーンの指先から放たれた快楽の魔力が全身に浸透し、それでもう快感以外は何も考えられなくなる。
何度も何度もクフーンの百合力と魔力を内側で放出されて絶頂し続け、ウルの意識は白濁の元に落ちていく。クフーンは言葉通り朝まで行為を続けるのだった。
正確には迎えの馬車がやってくる一週間後まで、毎日朝から晩まで日が昇り、沈むまでウルの体は休むことも出来ず、クフーンの欲望のすべてを一身に受け続けたのだが。
「もっとイケるよな? ウル♪」
体力の限界を超えて意識が途絶えそうになればクフーンの魔力で無理矢理目覚めさせられ、体内に直接注ぎ込まれる魔力と百合力をカロリーや水分に変換して一週間を過ごす。
絶頂で気絶すれば快楽という罰を与えられ、従順にクフーンの責めを受け容れれば快楽というご褒美を与えられる。
休まる暇なんてないが、それでもこれまでウルがクフーンにしてきた行為と何ら変わり無い。
ただ、環境が変わり、立場を変えてプレイしているだけのことだ。
それはさながら理想郷とも地獄とも言える光景だが、二人にとっては永遠にでも続いてほしい天国のような時間であった。
三人称って久しぶりですけど、これはこれで楽しいんですよねぇ~♪
あと百合描写もこれ位なら大丈夫でしょう、と思って当時は書いていましたが駄目だったので、よりえっちぃ方向に修正も加えてみたり。
今となってはもう知りようがありませんが、直接的な単語を使っていなくてもダメなのですから一体何が原因でこの小説は削除を食らってしまったのやら。