クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~ 作:ヨイヤサ・リングマスター
何だか最初予想していたのとは随分と方向が変わってしまいましたが、こういうのもアリでしょう。
そんな感じのお話。
クフーンside
う~ん、困ったな。
ウルにさ、秋なのに夏っぽい格好してるのを咎められて、つい「トロイ狩り」だなんて出まかせ言っちゃったけど……、トロイってなんだ?
と、超一流冒険者にして百合のあたしは思案している。勿論、ベッドの上で恋人となッ!
「ん~……、それにしても今日も昼間から、ねっとりと愛し合っちゃいましたね♪
少し遅くなりましたけど、お昼ごはんにしますか?」
ベッドの中――あたしのおめこに顔をうずめながら聞いてくるウル。
あたしが言うのもなんだが、ウルの口元がすっげぇ糸引いてるのがゾクリとするな。
久し振りにワカメ酒が呑みたくなってきたぜ♪
「あ~、そんじゃ食べるか。
ウルお手製の手作り肉まんだっけか」
「お手製なのに『手作り』って、意味が重複してますよ?」
「いやいや、ウルが手ずから食べさせてくれるのなら、意味が二重でもアリだ」
むしろ鳥の親子のごとく、口移しで……ってのは普段からやってるからあんまり変わらないかもな。
それはともかく、お昼だお昼。肉まんおっぱい万歳♪
◆ ◆ ◆
時を置いて場面を変えて、でも何も進展していない昼食後のあたし、それとウル。
「……ところでクフーンさん。
さっき言っていたトロイ狩りって、どんなモンスターを狩りに行くんですか?」
「あ、それはその……トロイって奴を狩りに行くんだよ」
「……まさか私の説教を聞きたくなくて出まかせを言ったんですか?」
う、鋭い。流石はあたしの恋人だけある。そして弟子でもあるが、百合力で負けてベッドで負けて、ウルに勝てる要素が年齢以外にないのが少し悔しくもあるな。
「い、いや、それは違う!
ウルの説教は右から入って右から出ているから、それが原因というわけではないぞ!」
「一度も頭の中を通過しなかったんですね」
「大丈夫ッ! ウルのことは愛しているから!」
「……私も愛していますよ」
うむむ、何とか話を逸らすことは出来ていると思うが、それでもこれはマズイ。
何か代案を……そうだ!
「実はなウル。
トロイ狩りってのは討伐系の依頼ではないんだ」
「誤魔化すための代案を求めていたら、偶然思いついた理由がそうだったって風に聞こえますけど?」
こんな時でもウルのジト目が可愛くてえっちしたくなる。流石はあたし♪ と自画自賛しながら言い訳を続けよう。
「そう! トロイ狩りとは蕩けるような快感で、どんな強者でも座った瞬間にイッてしまう『トロイの三角木馬』のことなんだ!
家具職人でもあるリザに頼めば作ってくれるだろうけど、制作に必要な材料集めに行こうぜって話だ!!」
間違ってはいない。
トロイの三角木馬も、リザが自分で試したら蕩けるようにイッてしまうからつけられた名称だ。
その素材を手に入れるためには特S級冒険者だからこその素材が必要なことも間違ってない。
「……まぁ、いいでしょう。
私も普段の生活に新しい風を吹かしたかったことですし、クフーンさんの言うトロイの三角木馬というものを手に入れてみましょう」
「それでこそウル! ナイスあたしの弟子!!
難易度は求める素材のランクによるけど、せっかく特S級のあたしらが揃っているんだから、素材も最高のものが欲しいんだ」
場所は雪山。
採取系の依頼だが、極寒の地の主の素材も必要なので討伐系依頼の範囲に引っかかっている難易度だ。
でもまぁ、何とかなるだろ?
◆ ◆ ◆
ウルside
はふぅ~……、どうもクフーンさんは単純すぎるところが多い気がするんですよね。
別に服装に関しては人それぞれの趣味ってことで、秋なのに夏っぽい格好をしていても、本音を言えばどうでも良かったのに。
それがどうして、トロイ狩りだなんてバカな流れになったんでしょうか?
嘘を言う人でもありませんから、リザさんすら蕩けてしまうトロイの三角木馬の話も嘘ではないでしょうが、正直どうでもいいです。
でもまっ、どんな冒険になるのか楽しみにしていましょう♪
……冒険を楽しめるようになった、ということは私もすっかり冒険者になっていると考えてもいいんですかね?
◆ ◆ ◆
ここからは結果だけを語りましょうか。
私たちは雪山へと向かい、目的の材料となるモンスターを探しましたが、今は時期が悪かったようで、獲物は冬眠していました。
……ええ、別にいいんですよ。
前の話から季節感をネタにしていたので、秋なのに冬眠を始めている魔物がいるという設定だとしてもそれは構わないのです。
同じ季節ネタですし、雪山は寒いですから他よりも冬眠が早くても不思議はありません。
ではここで目的を果たせなかった私たちは次にどうすればいいと思いますか?
答えは簡単です。季節ネタでオチをつければいいんですから。
パンパンパンパンパンッ! パッシーン!
「もっ、もう、やめて、くれぇにゃいか……?」
「あらら? クフーンさんともあろう人が、そんな弱気でどうするんですか?」
真っ赤に腫れあがったお尻を突き出すクフーンさん。
あ、ただいま私は、クフーンさんへの愛のスパンキング中です♪ お尻ペンペン♪
「せっかくの三角木馬ネタのオチが、材料の魔物が『秋から冬眠しているだなんて気が早すぎだろw』なネタのために使えなくなったんですから、
秋の名物『紅葉狩り』でも楽しみましょうよ(スッパーン!)」
「ひぐっ!」
もう何度となく叩きつけられた私の手形は、まんべんなくクフーンさんの体を性的興奮とは違う意味で朱に染めています。
んふ♪ その度に、ほとばしる汗も、す・て・き♪ 失禁しても続けますから膀胱もゆるゆるにしてもいいんですよ? クフーンさん♪
「ほらほら、ちゃんと快楽を小さじ一杯分くらい混ぜてあげてるんですから、痛いだけじゃないですよね?
よがり狂ってばかりいてはいけませんよ?」
主義ならぬ、手技にて。力加減、当て方、リズム、すべてにおいて百合を極めている私のスパンキングです。
いつものことですけど、クフーンさんの体の感度も上げているので痛みという、少しばかり背徳的な快楽に溺れる良さも十分に感じているでしょうに弱音ばかり吐いています。
私の師匠なら、私よりも百合であるべきですね。
ここは紅葉狩りのついでに弱音狩りもしておきましょう。
「大丈夫ですよ、クフーンさん。
朝を迎える頃にはあなたはもう一段階上の百合へと昇華しているはずですから♪」
「も、んもぉ゛お゛お゛ぉぉ、季節感を無視じた服装はこりごりらぁぁ゛ぁ゛~」
チャンチャン♪
こういったオチはあまり書いたこと無かったかもですね。そして何年も経った今でも他に書いていないはず。
また一つ百合の高みへと進めた気がします(方向違い?)。