※この作品はR-18です。

クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 単純な構造で細工もなく、ただただシンプルに一つの事を突き詰めた職人技が好きです。

 複雑極まりない構造を美しくまとめあげる職人技も好きです。

 結局は職人だから出せる技術が好きなだけですが、職人の技術に+百合要素が加わるとさらに大好きなのですよ♪

 そんな感じのお話。




第25話:からくりメイドさん

 クフーンside

 

 

 小鳥の囀りって、どうしてこうも女の子の嬌声みたいに可愛らしいんだろうな?

 

 そんなことを考えながらベッドでまどろみながらウダウダする。

 

 うむうむ、やはり春眠に限らず、暁を覚えないのはどの季節も共通していると思うんだよ。

 

 なんせ我が家のベッドは最高級の物を使用し、あたし自身と、愛しのウルの匂いやその他諸々が染みついてるからね。

 

 温もりってーの? なんか一人で寝っ転がってても気持ちいいんだよ♪

 

 そんな風に考えながらゴロゴロしていたら、耳元で可愛らしい声が聞こえて来たんだ。

 

 

「起きてくださいませ、マスター・クフーン」

 

 ん? ウルではないな。誰だ? この声。

 

 気分はさながら眠り姫だったあたしに声をかける命知らずの発言。

 

 否、この声は可愛らしいおにゃの子のものだ。それならば例外。殺さない傷つけない。むしろ抱く!

 

 初めて聞くはずなのに親しみを感じるな。いっそ起きて確認するか?

 

 だが目を開けない。

 

 

「いい加減起きないと蜂の巣にしてしまいますですよ?」

 

 何やらガチャガチャと、これまた懐かしい音がする。

 

 確かこの音は……、

 

 

「主砲一斉射! ファイヤーじゃいやー♪」

 

 放たれたのは銃弾だった。

 

「ほでゅあぁぁぁぁ~!? いってぇぞなんだこりゃぁぁぁぁー!?」

 

 派手にドンパチかまされてしまった。自宅だからと油断したからだろうな。

 

 あ、そういや思い出したわ。この感覚は、あたしが昔愛用していたショットガンのものだな。

 

 そこまで考えたところで眠りから覚醒したばかりの意識は再び闇に沈むのであった。

 

 いやだって、ショットガンの弾って当たったら痛ぇもん!

 

 ~完~

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 ショットガン一斉射というド派手な目覚ましによって闇に沈んだ二度寝のあたし。

 

 それを再び起こしたのも、件のおにゃの子の声だった。それとウル。

 

 

「それで私は言ってやったんですよ。

 おいおい、それじゃあ眼鏡を取ったら目が無いんですか? ってね」

 

「HAHAHA♪ 流石はウル様ですね。

 ギャグのセンスもレベル1000オーバーで、伏線回収の上手い笑いでしたですよ♪」

 

 先ほど謎の声の主に銃撃を受けたのが夢か現か判別しないながらも目を開くと、そこには愛しの弟子と謎の美女がいた。

 

 

「あ、クフーンさんが起きたみたいですよ?

 おはようございますクフーンさん♪」

 

「おや、マスター・クフーン。

 おはようございますです」

 

「……ウルは、あたしの弟子のウルで間違いないとして、……あんた誰?

 随分と可愛いけど、夜這いならぬ朝這いしてきたあたしのファンか?」

 

 知らない美女(何故かメイド服)は頭につけたヘッドドレスの向きを90度ずらしてこちらを見る。

 

 いや、何でそれを動かすんだ?

 

 

「このヘッドドレスは過激な愛情表現を抑えるための安全装置です、マスター。

 私の名前はヘルーガ。

 かつてマスターが銃の魅力に惹かれていた時期に相棒を務めていたショットガンが妖怪化したものですね」

 

「へー……」

 

 

 そうか、この真面目そうでいて、実は内心であたしのことを抱きしめ押し倒し頬ずりから、えっちな流れへ行きたいと考えている彼女はあたしのショットガンだったのか。

 

 あまりにも自然にウルと馴染んでいたが、前から二人は知り合いだったのだろうか?

 

 そこでウルに視線を向けると、

 

 

「私も冒険者になって色々なモンスターだの魔物だのを見てきましたけど、この世界には妖怪もいるんですね。

 少し驚きましたよ」

 

 あ、これウルも事情が分からないなりに楽しんでいただけだな。誰に似たんだか、と思ったがあたしだろうな。恋人だし。

 

「ウルの頭とおっぱいの柔らかさはさておくとして。

 あー、ヘルーガだっけ? 何でまたショットガンから人化したんだ?

 九十九神の類だとしたら、たかだか20年程度の年月でなれるとは思えないんだが」

 

 恨みから妖怪になった説もあり得るが、冒険者として魔法メインで戦うようになってからも、こいつの手入れだけは欠かしていなかったから恨まれる要因もないだろうし。

 

 愛用、してるよな? あたし。

 

 

「ご説明いたしますですよマスター・クフーン。

 マスターは銃に飽きたのか知りませんが、昔は何処に行くにも一緒だったショットガンの私を冒険のお供にすることがなくなりました。

 だから寂しくて怒りが有頂天に達したことで妖怪化しました。

 Do you understand?」

 

「嫉妬深すぎるだろ!

 なんだそりゃ!? 最後に銃として使ったのこそ去年の話だけど、普段から使ってたじゃねぇか!

 ……まぁ、銃としてより、ベッドで寝たままカーテンを開けたり、踏み踏みして足裏マッサージしたりだけど」

 

「ノン! 私はマスターが大好きですからね。それだけでは物足りないのですよ。

 それに、カーテンを開けたり足裏マッサージをするのがショットガンの正しい使い方な訳ないじゃないですか!

 マスターはそれでもガンナーですか!?」

 

「今は前衛の魔法使いだよ!

 身体に付与魔法を使って殴る蹴るで蹂躙する世界最強の魔法使いだよ!

 そもそも、あたしのショットガンのくせに何言ってんだよ」

 

 こいつって結構、生意気な奴だったんだな。

 

 いや、あたしの銃だからあたしに似たのか?

 

 

「まぁまぁ、クフーンさん。

 そんなどうでもいいことは置いといて、朝ごはんにしましょうよ。

 今朝はヘルーガさんが作ってくれたみたいですし」

 

 さり気なくヘルーガと肩を組んでおっぱいを揉んで頬ずりをして……って、なぜそこまで平然と距離を縮めているんだ?

 

 

「ちなみに、これまでもマスターとウルさんが朝までフィーバーしていた時なんかはショットガンの姿のまま作ってましたけどですね。

 お腹も空いたですし、マスターへのガンナー道の教育は食後にしますですよ」

 

 それでいいのか、我が弟子よ……。

 

 ヘルーガもちゃっかり馴染んじゃってるし、ここで何か言ったらあたしが悪いみたいだよな?

 

 とりあえず飯食ってから考えるか。

 




 私はお土産でもらった木刀を持っていますが、素振りとかよりもカーテンを開けたり、リモコンがない時にテレビの電源を入れたりに使ってるんですよね。
 特に足裏マッサージは気持ちいい♪

 新キャラのヘルーガは大体20歳くらいですかね。クフーンが小学生の頃に修学旅先で買った土産物のショットガンです。

 九十九神としてはかなり若いですけれど、それも愛の力ということで!

 「付喪神」とも書きますけど、漢字変換が一発で出来ないので「九十九神」で表記します。
 ちなみにサイコキネシスが使えるので人化する前からも、ちょくちょく家の仕事をしていたそうな。
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