クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~ 作:ヨイヤサ・リングマスター
百合としても実験的な話になりますので、好みが分かれるかもしれませんね。属性的にも。
ちなみに日本の死後の世界という意味での地獄ではないので、神様も魔王も群雄割拠しております。
そしてその中でも最強の属性は百合なのです。
クフーンside
臨死体験……というのをしたことある人はそうはいないだろう。
だが、この超絶素敵な最強無敵な百合冒険者クフーンはあるのさ!
むか~し、友人の魔法研究家のリザが、薬の研究にハマったことがあってな。
毒か薬かも分からん意味不明なもんばかり作ってたんだが、飲んだ人間が『臨死体験』出来る薬を作ったんだよ。肉体と魂を切り離す薬だな。
で、飲んで目覚めたら地獄に居て、折角だから閻魔相手に談笑したってのがあたしの閻魔との思い出だな。
最初は普通の死者と間違えられて死神相手に喧嘩もしたけど、閻魔が出張ってきて臨死体験中だってのを理解してもらって仲良くなったんだよ。
薬の効果が切れるまで酒盛りしたあと別れたんだけど、その時の縁から生きたまま遊びに行ったりもしてな♪(別に死ななくても来れる)
まぁ、何が言いたいかと言うと、閻魔はあたしの数少ない男の友人ってことだ。
「むむむ、それは恋人の私としては聞き捨てなりませんね。
百合王でもあるクフーンさんが、男とイチャコラしていただなんて、街の女性たちに聞かれようものなら晒し首じゃないですか? 閻魔さんが」
「あー、それなら問題ないさ。
何故なら、先代閻魔も特S級冒険者として地上では有名人だからな。
同じ冒険者仲間ってことで性別の違いを抜きにしても、あたしと一緒にいるのを誰も不思議に思わないさ」
先代の閻魔大王は、地獄の激務でのストレスを発散するために、よく現世に現れては魔物の駆逐をしたりする。
あくまで息抜きとして活動しているから、地獄での仕事にも影響はないらしいんだが、それで特S級になれるんだからその実力は大したものだろう。
「それと付け加えるなら、先代の閻魔は“男の娘”だ♪
あたしらの住む百合の街でもあいつに落とされた女は両手の指じゃ足りないくらいさ」
外見年齢は二十歳そこそこな上に無類の女好きの百合にも理解があったからな。だが男だ。
ちょっぴり悔しいけど、先代閻魔の奴は百合の街でもモテモテだったぜ。
個人的には男の娘は百合と相いれない存在なんだが、友情パワーの前には関係ない! 愛情とは別だからベッドインはしないがね。
生粋の百合のあたしが抱くのは女の子だけさ。
まぁ、そんな先代についてはどーでもいいんだ。今回の話はその跡を継いだ二代目の話なんだからな。女の子の閻魔の♪
見れば弱そうな死神も先代を懐かしんでいるようだ。こりゃもしかしたら、先代に惚れていた感じか?
「確かに先代閻魔様は男でも構わないと思えるほどの男の娘でした!
ですが問題は二代目なんすよ、お二人さん。
先代を知ってるなら話は早いんすけど、二代目閻魔様は地獄での仕事を全面放棄なうえに、冒険者としてではなく、地獄でただ暴れているだけなんで迷惑極まりないんすよねぇ~」
「どういうことですか?」
「あー、ウル。
つまりな、“冒険者”をするってのは人畜有害な魔物討伐で人を助けることに繋がるけど、
ただ暴れているだけの二代目は、閻魔としても冒険者としても功績がないから存在そのものが抹消されそう、ってことらしいな。
閻魔よりも上に創造神とかいるし」
その創造神すらノリでぶっ飛ばしたことのあるあたしが言っても分かりにくいかもしれないが、言ってみりゃ閻魔は中間管理職で、そこをクビになったら閻魔は死んじゃうんだろうねぇ~。
それに肩書の偉さで言うなら、魔王や大魔王、銀河最強魔王なんてのもいるが、みんな良い奴らだよ。
「で、迷惑云々はもちろんすけど、二代目閻魔様を救ってもらうのがお二人への依頼の内容でさぁ。
地獄の運営はドMな連中が24時間体制で補佐してるから問題ねぇんですが、閻魔様が上の神様や魔王様から目をつけられて死んじまっちゃあ地獄はお終いっすから。
あっし個人としてもまだ幼いうえに、ナリは可愛い二代目に死んでほしくないんでさぁ」
何気に人望だけはある二代目閻魔。
暴れて面倒を押し付けてきても慕われているってんなら、あたしの出番だぜ!
主に百合的な意味で♪
「そんじゃ、いっちょ性格矯正に入ろうかねぇ~♪」
「嬉しそうなクフーンさん素敵です♪」
「ははっ、やっぱ分かるかウル?
百合にとって面白い展開になりそうだからな♪」
なんせ今日のあたしの星座占いは第一位!
さぁて、閻魔ちゃんはどんな子なのかなぁ~♪
◆ ◆ ◆
「遅いわよサム!
あんまり愚図が過ぎるなら、その皮膚引っぺがして逆向きに貼り付けるわよ!」
「す、すんません閻魔様!
じ、実は客人を連れてきたんでさぁ」
着いて早々湯呑を投げつけられるピンク色死神のサム。
死神長官ってのが肩書ほど偉くないのは置いといて、このキツい口調の女の子が二代目閻魔大王ちゃんか。
先代閻魔が見た目若かったし、その孫の二代目も小さいんだろうな~と思っていたが、想像よりもずっと小さくて、ずっと幼くて、ずっと可愛いじゃねぇか♪ 身長も130センチもないんじゃないか?
先代め、こんな可愛い孫が居るのを黙ってるだなんて!
知ってたら、もっと前にあたしの虜にしてやったものを。(あ、これが理由か?)
「何よ、あんた達。
地獄に人間が生きたまま来るだなんて舐めてんの?
私が殺してあげようかしら? ねぇ?」
偉そうにふんぞりカエル閻魔ちゃんだが、見事なまでにぺったんなお胸♪ きゃわわ♪
「うわ、クフーンさん。この子、声もめちゃくちゃ可愛いですね♪
見た目の小ささも相まって、器の小ささも可愛く見えちゃいますよ♪
ロリ声と幼児体型の組み合わせ最強!」
ウルも最強の百合だけあって、こういう小さな子もイケるんだな。
「確かに……あたしも閻魔の孫っていうから、まだ小さい子だとは思っていたが、これは幼女の域だな。
いや、
Mでもないあたしが思わずときめいてしまうぐらいだ。
ドMな奴なら間違いなく虜になってる妖艶さだぜ」
「いえ、クフーンさんは意外とMっ気がありますよ?」
ウルが何か言っているようだが、その辺は気分次第なので基本的にあたしは押せ押せさ!
女の魅力は背の高さやスタイルの良さだけじゃない。
この閻魔ちゃんは低身長の、ちっぱいロリ体型なんだが、大人でもありえない淫靡な美しさを持っている。
服装はお尻が半分以上見える丈の短い着物。それをきっちり着こみ、しかも上から西洋風のマントまで羽織っている。
襟元も裾も露出は無いに等しいというのに、何だこの胸の高鳴りは?
肉体美ならぬ雰囲気美が凄過ぎる!
まるでブラックホールのような引力だぜ!
目と目が合うと、バチバチと火花が散る。この感覚も久しぶりだな。
「ふふん、人間にしては見る目があるじゃないの。
私の奴隷になりたいのなら、してあげてもいいわよ?
ただし、その頃には身も心も廃人になってるでしょうけどね」
……これは挑戦と見ていいのだろうか?
いいんだよな? 行くぜ? 遠慮しないぞあたし“達”は。
「ウル、確かにこの子は魅力的だし、惑星のような引力を感じる強さがある。でも……」
「そうですね。これまで会ってきたどの子よりも物理的に強い雰囲気を纏っています。でも……」
ウルと視線を合わせて心を一つにする。
「あたしらコンビには勝てねぇよ」
「私たちコンビの百合力の方が上ですよ」
二代目閻魔ちゃんの目の前まで近づき、その小さい体躯を見下ろすように宣言する。
「いいわ。二人纏めてかかってきなさい。
私は二代目閻魔のレン。地獄のすべてを取り仕切る権力者。
出せる力の全てでお客さん二人を奴隷にしてあげるから本気で来なさいよ」
吹き出る妖力と神力……それに百合力。
彼女の着物とマントが音も無く消滅すると同時に、周囲に撒かれる眩いばかりの百合力。どうやら着物は百合力を抑える拘束具のようなものだったらしい。
幼女の白い肌の魅力すげぇ! レンちゃん可愛い♪
まったく、幼女は最高だぜ!
「しょせん閻魔は我らの中では一番の格下よ!」とかの展開もアリですが、創造神や魔王の設定はノリなので名前だけ出ただけですからね。