クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~ 作:ヨイヤサ・リングマスター
ウルside
天気の良い日はお出かけしたくなるもの。
そう思った私は、クフーンさんとヘルーガさんを誘って街の近くの小高い山へと日帰りのピクニックに行くことにしました。現在その頂上でお昼ご飯を食べています♪
焼きサンマと豚汁。それと押し麦ごはん。山の空気と一緒に食べるお昼は最高の一言に尽きます。サンマの内臓もとっても美味♪
……ですが、いつものことと言うべきか、特S級の冒険者は推理小説の主人公が如く厄介事に巻き込まれやすいようです。
あ、クフーンさんとヘルーガさんは厄介ごとのタネが近づいてきているのに、目を逸らしてお茶を楽しんでいます。
いつもの事とはいえ、この二人はちょっとスルーし過ぎな気もしますね。私も女の子が関わらないと百合的にやる気が出ないので似たようなものですが。
「今回は、謎の飛行物体ですか……」
ポワンポワンポワン、と。
変な音をさせながら飛行する謎の“飛行船”が空に浮かんでいるのですが、これはなんなんでしょうね?
冒険者ですから、あっちこっちに行ってはよく分からないものと戦ったりもしますが、もしかして宇宙人?
「クフーンさん、あれは何でしょうか?」
「決まってんだろ。海賊だ」
「マスター、あの人またここまで来たんですね。
撃ち落としますか?」
食事中は勿論、食後のティータイムも誰にも邪魔されず静かに楽しむのが百合の嗜み。お二人は慌てることなく普通にしています。
「物騒なことすんなよヘルーガ?
ウルも気にする必要はないさ。
あたしは“アイツ”を気に入ってんだからよ♪」
隣で私の作ったサンマ定食弁当を美味しそうに食べながら答えてくれるクフーンさんと、何やら腹立たしげな顔をしたヘルーガさん。
二人の知り合いの飛行船なんでしょうかね?
むむむ、飛行船が帆先をこちらに向けてやってくるようですね。
「お、向こうもこっちに気付いたみたいだな。
こ~りゃ一悶着あるかもねぇ~♪」
「むしろ私が起こす気満々ですよ、マスター」
「もしかして、またクフーンさん絡みの厄介事ですか?」
クフーンさんが関係を持った女性は数知れず。それで恨まれることがないのは流石なのですが、那珂には粘着質で気性の荒い女性もいるので割と大変なんですよね。
まぁ、私がフォローと言う名のつまみ食いをすると、相手の女性はたちまちクフーンさんと私の両方と仲良くなれるので問題は無いのですが。
「まぁ、あたしら絡みではあるが、厄介じゃないさ。
むしろウルには最高の連中かもな♪」
厄介でしかない、という意思を貫くヘルーガさんはさておき、ゆっくりと近づいてくる飛行船。
その船首には何やら人影が。あ、こっちに手を振ってますね。
クフーンさんの知り合いでヘルーガさんが嫌っていて、となると当然女性。んふふ~♪
「げはははは~♪ とうっ!」
少し間抜けな笑い声と共に飛行船から飛び降りてくる影。
「げはは~、ひっさしぶりじゃないかクフーンっち♪
君の愛しの“空の海賊”ヤファイちゃんの登場でーッス!」
ズビシっと、効果音が聞こえるようなポーズで現れたちょっと痛い女の子……?
えっと、本人が言ってますけど、海賊……でいいんですかね?
「久し振りだねぇ、ヤファイ。
あんたのテンションの高さは相変わらずみたいじゃないか♪」
何やらクフーンさんと仲良さげな少……女? と呼んだ方がいいんでしょうかね?
「おっと、こっちは新顔かい?
あたちはクフーンっちの友人のヤファイってー名の海賊よん(きゃぴ♪)」
何と言いますか、海賊を名乗るこのヤファイさん。
少女っぽい口調と違い、どう見てもアラサーな気が……。
いや、美人さんではあるんですよ?
でも服装が超絶に会っていないのですが……。魔法少女のコスプレですか?
「おっと、ウル。ヤファイの年齢と服装には触れてやるなよ?
まぁ、あたしよりは年上だけど、魔女っ子が大好きでね。
魔法は使えないんだが、外見だけは魔法使いっぽくコスプレしてるやつなんだよ」
クフーンさんの正直過ぎる説明に子どもっぽく、ぷんすかと腹を立てて抗議をするヤファイさん
「あー、クフーンっちったらひっどーい!
あたちは魔法使いが好きなんじゃなくて、魔法少女が好きなの!
別にいいじゃない。背が高くてアラサーで、デカイ大剣振り回す物理系の魔女っ子がいても。
あたちはの年齢は17歳+192か月ってことで、よろしくぅ~♪」
192か月を無視しても、17歳は魔女っ子にしても年を食っているような……。
「年齢に関しちゃあ、どうでもいいだろ?
でも、ウルがこいつと百合えっちする気ならお互いの事を分かり合った方がいいと思ってさ」
なるほど、確かにファッションは似合うかどうかも重要ですが、本人の好きな服を着るのが正しいですからね。
私自身、年齢は気にしていませんし。
しかし、このヤファイさん。もう少しシックな色合いの服でカッコいい系に決めればクフーンさん並みにモテるでしょうに勿体ないですね。
足も細いですし、タイトな衣装を着せたい欲がムラムラしますよ。
それと、なぜか先ほどからヤファイさんを睨んでいるヘルーガさんが気になりますが、何かあったのでしょうか?
その視線を受けるヤファイさんは何やら嬉しそうに目を細めていますが。
「やぁやぁ、ヘルーガっち。
君が妖怪になって人化が出来るようになったことは聞いているよん。
そんなに熱い視線をくれるだなんて、あたちとイイ事したいのかなん?」
「黙れ変態!
私は貴様から受けた屈辱を忘れはしないですよ!」
クフーンさん以外は基本的にどうでもいいと考えているヘルーガさんには珍しく感情的な発言。
いったいどうしたんでしょうか?
「ヘルーガはショットガンの頃から自我はあったようだしな。
昔、あたしとヤファイで、吸血鬼(もちろん女)退治に行ったんだけどさぁ~、ほらヘルーガこっち来い(むちゅ♪)」
「ぷしゅ~……♪」
今にもヘルーガさんが暴走しそうなのを見て、さりげなく抱き寄せてキスをするクフーンさん。
ん、ちょっとうらやましいですね。こういうことを自然に出来るクフーンさんは本当にカッコいいですよね。
語り部は今度はヤファイさんに代わり、なぜかさっきまで持っていなかったマイクを手に語りだします。
「あたちとクフーンっちの共闘(ヘルーガっちも銃形態で同行)したその時ッ! あたち達にその吸血鬼が生きるのに疲れたから最期に気持ちよくしてくれっていったのよねぇ~♪」
今度は挑発のつもりなのか、ヘルーガさんの胸を揉みしだくヤファイさん。
あ、ヘルーガさんのマジギレ一歩前の殺意の波動が漏れ出しました。
「よせって、ヤファイ。
そんでさ、ヤファイはたまたま道具の持ち合わせがなかったから、ヘルーガ(銃形態)でその吸血鬼を性的に貫いちまったんだよ。
ようはディルドの代わりみたいな使い方だな」
これまた話しながらヤファイさんの手をどけ、自分の手でヘルーガさんに濃厚な愛撫を始めるクフーンさん。
下から愛液が駄々洩れになってますよヘルーガさん。クフーンさんの手が気持ちいいのはよく分かりますが。
「あたちの手に残る肉に分け入る感覚♪ 吸血鬼ちゃんの膣圧の凄まじさ♪
はぁぁ~、ヘルーガっちって結構銃身が太いから入れるのもギッチギチで良かったのよねぇ~♪」
その漏れ出す愛を勝手に舐め出すヤファイさん。
そして先ほどまで大人しくなっていたヘルーガさんは、ついに殺意の波動を解放し、ヤファイさんの顔面にヒザをシュゥゥゥーッ!! 超! エキサイティン!!
空を舞うヤファイさんの姿は、確かに鍛え抜かれた海賊らしさというものがあるのかもしれませんね。
「ヤファイさんが百合なのとヘルーガさんの怒りの理由は分かりました」
これはあれですか。
ヘルーガさんにとって、初めての相手が自分の主人でなかったことに腹を立てていると。
「いえ、私が腹を立てているのはその吸血鬼が初めての相手だからではありませんですよ。
滑りを良くするために、と言ってヤファイが自分で自分のおめこに私(銃形態)を突き入れて濡らしたからです」
銃形態だったのでヘルーガさんの膜は無事だともいいますが、言い訳臭いのは本人も分かっているからこその怒り何でしょうね。
ヘルーガさんは純情で愛情深い人ですから。
「ごめんねぇ~。ヘルーガっち~。
あの頃はクフーンっちがずっと持ち歩いていたあなたに興味があったからなのよん♪」
好きな女性の前で為すすべもなく別の女性に初めてを散らされたヘルーガさん、ですか。
確かに自我があるのに何も出来ないのは辛かったでしょうね。
破られなかったから良しという問題じゃないんでしょう。
「これがせめて、あたしが最初に自慰行為に使ってやってればまだマシだったんだろうけどね。
あたしは一人遊びする必要がないほどモテるからなぁ~、夜も誰かしらが側にいたし」
「クフーンさん、それはフォローとは違うと思いますよ?」
しかし肝心のヤファイさんは気にしていない様子です。
海賊らしいですし、自分の意思が第一なんでしょうね。
その辺は少しばかり私も許せない思いがありますが。
「そんな訳でマスター。
この変態に鉄鎚を下す許可を!」
「そりゃ無理だろう。
ヤファイは海賊だし、メイドのあんたじゃ勝てやしないさ。
暴力によるバトルも、百合バトルでも、まだまだ経験が浅いんだろ?」
「うっ……」
確かに、ヘルーガさんは私の百合力の一端をその体内に取り込み、爆発的に成長していますが、それでもまだまだです。
私の千百合眼で推測するに、このヤファイさんの百合力はヘルーガさんよりも上です。心身ともに鍛え抜かれた百戦錬磨の百合ですねッ!
ならばここでクフーンさんの恋人であり、ヘルーガさんの友人であり恋仲間としてするべき行動は、
「ではクフーンさん。私がヤファイさんのお相手をするというのはどうでしょうか?
幸いにもここは屋外ですし、周囲の迷惑にはならないでしょうし」
「げはははは~♪ あたちは最初からそのつもりだったのよん♪
海賊らしく、大好きなクフーンっちの弟子のウルっちも美味しく食べてあげるわん♪」
ふふふ、食べるのは私の方ですよ。
ヤファイさんは、ヘルーガさんよりは百合力が高いかもしれませんが、私と比べると……んふふふ♪
仇討ちというのはあまり好きではありませんが、同じクフーンさんを愛する家族として、ヘルーガのために一肌脱ぎますか。(性的な意味で♪)
銃形態だったのでセーフ。
ヘルーガの「人化しての初めての相手」はクフーンです。一人遊びは決してせず、クフーンにのみ忠誠と愛情を誓ったメイドさんなのです。
その辺に関してはヘルーガを、クフーンの幼い頃から人化出来る妖怪として出しておけばよかったとも思います。おねロリ的な♪
ちなみにクフーンの初めてはレシィ。
あとはそうですね。リメイクの移転ついでに後書きもオマケを加えますが、
この話を投稿した当時は感想でも聞かれましたが、まさか漫画『ブラックラグーン』が2024年になっても完結していないとは思いもしませんでしたね。
それと、今回の新キャラ(使い捨てヒロイン)って、後に書くダクソ2の二次創作『トゥル・トゥル・ダクソ』のコンちゃんみたい、と思ったり。
まさかあんなキャラを過去にも書いていたとは、割と記憶力の良い自分のことながら完全に忘れておりましたね。
たぶん、時期的には『魔法少女リラメル☆鈴木』が切っ掛けで書きだした話だと思います。飛行船に乗った海賊ですし。