クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~ 作:ヨイヤサ・リングマスター
ドラゴンの生態や分布などが分かる図鑑。
ドラゴン博士と呼ばれる、子どもが大好きな大人が10歳の少年少女に渡して図鑑を完成させることを強いる。
クフーンは渡された初日に全ドラゴン撃破を達成したそうな。
……という設定は本編で語られる必要がないので出ません。
愛しの恋人兼弟子のウルの活躍に、思わず目を細めるあたし、超絶美人百合冒険者クフーン。いや、目を細めるっつーか、へその下がこう、キュンっとな。子宮が疼く思いってやつよ♪
しっかし、こんなに可愛いいウルだが、冒険者初日でいきなりのS級ドラゴンの討伐ってのも凄いよな。
第一、ドラゴンって種族自体がモンスターの中でも最高ランクだってのに。
そのドラゴンの中のドラゴンとも言える相手を運とはいえ、一瞬で倒しちまうんだから、才能はあたしに匹敵するかも知れない。
と、考えているうちに、あたしとウルは街へと帰還を果たし、ギルドで受付をしていたレシィに報告をするのだった。
「あら、早かったのね?」
「まぁな。
ウルの才能があたしの予想以上だったんで、怪我もなく終了さ」
「クフーンさんのおかげでもありますが、討伐は無事に済みました」
ウルは初めての冒険だったからか、多少疲れた様子もあるが、それは帰りの道中で疲れただけだろう。
「さて、ウルちゃんの初めての戦果報告といきますか。
結果報告書によると……クフーン?
何だか討伐対象の“ゼニッケル”以外にも多く狩ってるみたいだけど?」
「ん? あぁ、帰る途中でA級ドラゴンの“トラレーン”の群れと遭遇してね。
ついでなんで、あたしら二人で石投げて倒してきた」
A級って言えば“ゼニッケル”ほどではないにしろ、かなりの強敵なんだが、そこはあたしとレベルアップしたウルのコンビ。
投石のみで群れの撃破は楽勝だった。ようするに石投げちゃお、というノリだ。
「A級ドラゴンってのもずいぶんと楽勝でしたよ、レシィさん。
ゼニッケルを倒してレベルアップしたからでしょうけど、トラレーン程度なら私も10匹は撃ち落としました♪」
あたしは20匹だな。右手に石、左手にウルのおっぱい。最強!
「いやいや、S級ドラゴンを討伐出来たにしても、A級ドラゴンが楽勝だなんて、ウルちゃんどんだけレベル上がってんのよ?」
「少なくともこの街で二番目くらいに強くなったかな?」
慌てた様子で受付の机の下からレベル測定器を取り出したレシィだったが、残念それではウルのレベルは測定不可能だ。
『現在の冒険者ウルのレベル、測定不能』
そう表示されて終わり。
そう! ウルも一日であたしと同じレベルの限界突破を成し遂げたのだ!!
「測定出来ないってことは、最低でもレベル1000を超えているってことよね?
依頼を受ける前はレベル6じゃなかったっけ?」
「ああ、経験値上昇効果のある魔法をレベル1000オーバーのあたしが掛けておいたからな。
ウル自身の元々の才能もあるんだろうけど、本当にあっさりだったぞ」
ついでに言えば、ウルの運の良さから来るものなのか、道中のA級ドラゴンの群れにしても、一万匹に一匹の確立で出てるか来ないかの、経験値の多いレア種「しか」いない群れだったもんな。
レベルアップでのステータスの上昇も半端ないし、ウルもいわゆるチートだのバグだのと呼ばれる類なんだろう。
まぁ、元が学者志望だけに遠距離魔法に特化したステだから接近戦はあたしよりは弱いみたいだけど。
「そんな訳で、お祝いしようぜ♪
レシィも仕事終わるよな?
あたしが帰って来たんだから働いてないで、酒飲んで肉食って踊って歌って騒ごうぜ♪」
そして、えっちがしたい。
「ふぅ、まったくあなたはいつでも元気ね……」
「では、私も正式にクフーンさんの弟子になったということで三人で一緒にベッドインなんてのはどうですか?
呑んで食べての宴のあとは、お互いの身体をいただくのが当然の流れですよね?」
ふふふ、流石は我が弟子ウル。
弟子入り初日からぶっ飛ばしてくれるじゃないか♪
冒険者なら、肌を重ねてこそ伝わる思いってのもあるはずさ!
「残念だけど、今日は遠慮しておくわ。
ウルちゃんもクフーンも大好きだけど、初めての夜くらい二人きりの方がいいでしょ?
せっかくのコンビなんだから、ね?」
言われて気づく自分の愚かさ。あたしって頭悪いからな。そういえばウルの気持ちを考えてなかったぜ。
そう! 愛し合う師弟ならッ! 最初の一夜は二人っきりで肌を重ねたいじゃ~ないかッ! 勿論、裸で、百合えっちという意味でなッ!!
「……気づかせてくれて感謝するぜ、レシィ。
そうだよな、最初くらいは二人っきりじゃなきゃな。
それに、よく考えたらディープキスで唾液が混ざるなら二人だけの方が味が分かるよな」
「別に私に遠慮する必要なんてないんですけどね~。
体力的にも私は一晩で二人を抱くくらい出来るのに。
確かに唾液も愛液もたった一人のを受け止める方が、愛は濃くなりそうですけれど」
はははっ、体力的問題じゃないんだよなぁ~これが。
百合でいくならまずは二人でゆっくりと育まれる愛ってのがあると思うのさ。
レシィには後で埋め合わせしないとな。
「とにかく、ここはギルドなんだ。まずは出会いと、依頼の達成と、夜のえっちの前祝として乾杯だ~♪」
「「お~♪」」
何故かまだ仕事中のはずのレシィまでジョッキを片手に三人で乾杯。そして一気飲み。今日も元気だ酒が美味い!
そうしてギルドでの報告と宴を終えたあたしは最高に楽しい夜を過ごすことになる。
ただし性的な意味で♪
むふ♪
おまけのドラゴン図鑑。
~トラレーン~ そこそこドラゴン
ドラゴンの中ではそこそこ強いのだが、その素材から作れる武具を身に纏う冒険者が少ないことから地味で印象が薄いドラゴンとされる。
同じ雷系のドラゴンだとサマカピやスンダーサと言ったドラゴンの方がポピュラー。一万匹に一匹の確立で経験値の多いレア種が生まれることがある。
ちなみにこの説明はノリで書いただけで、このドラゴン達が二度と作中に出ることはないと思います。