※この作品はR-18です。

クフーン&ウル ~二人の百合の冒険譚~   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 クフーン達の暮らす百合の街は完全に女性優位の街です。というか、そういう世界です。

 男もいますけど、基本的に百合が世界の常識なので男は弱いです。




第6話:伝説の剣 ~カッコワ・ラーイ~

 まったく、ウルは凄過ぎるぜ……というのが朝目を覚まして、あたしが一番に思ったことだ。

 

 そのウルなんだが、裸エプロンで朝食を作り、それを仲良くいただきますした後のこと、普通に二度寝した。

 

 いやまぁ、さすがに歴戦の百合であるあたしと一晩中えっちしたんだからウルだって疲れたんだろう。

 今もあたしの隣で寝息を立てている可愛らしい寝顔を見ていると、昨夜の獣のような激しい攻めが嘘のように思えてくるが間違いなくこの子は百合獣。それもとびっきり激しいやつだ。

 

 でも、

 

 

「むちゃくちゃ可愛いんだよなぁ~♪」

 

 サラサラの髪に手櫛を入れれば、それはもう最高の触り心地♪

 

 おっぱいも大きく、なおかつ柔らかさと固さがなんとも具合の良いハリがある。

 

 そんな可愛らしい美少女の弟子に、これまで自分を肉食系だと思っていたあたしが獲物となる新たな快楽への目覚め。

 

 声を大にして言いたいが、素晴らしい夜だったと言っておこう!

 

 とりあえず、腹も減ったし時間的にはそろそろ昼食か?

 

 寝不足なために、眠い目をこすりながらも、ウルをキスと軽めのレズセックスで起こしてギルドへ顔を出したのが少し前の出来事。

 

 そして、それと同時に喧嘩を売ってくるアホがいるというのが現在の状況だ。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「俺と勝負しろ! ド新人」

 

 

 ギルドにやってきた、あたしらにいきなり喧嘩を売ってくる奴も珍しいもんだな。

 アホが騒いでいるぜ。

 

 

「あー……、誰だお前?」

 

 知らない奴だった。

 

「お、俺を知らないだと!?」

 

 いや、知らんよ。

 

 でもまぁ、よくよく話を聞いてみれば、何でも一日でレベル1000オーバーになったあたしの弟子のウルが気に食わないって輩らしい。

 

 しかも男だぜ、こいつ。カワイコちゃんなら相手してやんのによー。

 

 太陽ももう真上だし、ギルド内も優雅にティータイムをしている連中ばかり。

 

 そんな周りの連中も、この「あたし」の弟子に手を出すだなんて自殺行為だなんだと、この馬鹿を止めているようだが、この男は聞く耳持たずに暴れているそうな。

 

 受付に座っているレシィは……、面白そうに眺めるだけで止める気はないようだな。ギルド職員のくせに。

 

 

「……以上が現状だけど、あたしらが喧嘩を買う理由に誰も文句付ける奴ぁいないだろうね?」

 

 

 若干ドスを効かせて周囲を見渡すと、みんなして顔をそむける。

 

 おいおい、これでも乙女なんだから、その対応には傷付いちまうぜ。

 

 

「クフーンさんのことは元々気に食わなかったんだ!

 どうせてめぇの弟子のレベル1000オーバーも測定器の故障に違いない!

 勝負しろ! 新人冒険者ウル!!」

 

 

 とまぁ、身の程知らずは尚も盛んに喧嘩売ってくるんだが、

 

 

「……何であたしじゃなくてウルに喧嘩売ってんだ? おい?」

 

「だ、だってクフーンさんは強すぎて絶対に勝てないじゃないですか!

 それならば、その弟子に喧嘩売って勝とうと思うのは当然じゃないですか!?

 だから、一日でレベル1000オーバーだなんてありえないんだから、測定器の故障に違いないはずだ!!!」

 

「お前が馬鹿なのは分かった」

 

 あからさまな小物である。

 

 勝てる奴に勝って憂さ晴らしがしたいってことだろうな。

 

 以前、酔った勢いでこの馬鹿ぶっ飛ばした気がするし恨まれてそうだから。

 

 でもなぁ~。う~ん……。

 

 

「クフーンさん。私なら構いませんよ?」

 

 騒動に巻き込まれた当事者でもあるウル自身は気にしていなさそうだ。

 

 というか、むしろ楽しそうにしている。

 

 

「ふははははははははは~!

 いい覚悟だなぁ、小娘!

 俺はクフーンさんには敵わないが、それでもこの街で二番目に強い冒険者を自称しているのだ!

 その俺があえて、貴様のような新人冒険者と戦ってやるのだから感謝するのだなぁ~♪」

 

 あたしに敵わないと諦めている時点でこいつの一生は負け犬人生だろうさ。

 

 そして、こいつよりも腕の立つ冒険者(もちろん女の子)は他にもたくさんいるが、馬鹿に関わりたくないのか誰も出てこない。

 

 ったく、この馬鹿はどこにそんな自信の根拠があるのやら。

 

 

「俺の自信の根拠を見よ!

 この間、古代遺跡で手に入れたこの俺の剣を!

 アイテム屋で鑑定してもらったところ、この剣の名前は『“伝説の剣”カッコワ・ラーイ』とい名称らしい。

 伝説の剣と言うからには相当に強いのだろうな」

 

 ものすごい説明口調をどうも。それを聞いたうえであたしは、で? と問いたいんだがな。

 

 

「<伝説>が強いと安直に考えるのはどうかと思いますよ?

 私の強さはクフーンさんが証明してくれますけど、その剣の強さを証明してくれる人は誰もいないじゃないですか」

 

 

 それよりも、どう見ても伝説とは思えない名称にツッコミを入れなかったのかアイテム屋よ。

 

 気づいていて教えなかったのは酷い気もするが、気付かない本人もどうかと思うので、あたしも黙っているとしよう。面白そうだから。

 

 

「いっくぜぇぇぇぇー!」

 

 

 馬鹿は斬りかかってくるが、その辺の描写は必要ないだろうな。勝負の結果は見えている。

 

「ちょいや♪」

 

 一瞬でウルが馬鹿の剣をへし折って、馬鹿の首の骨を握り潰して終了。

 

 

「壮絶な……色気ぇ。ぐふぅ……」

 

 馬鹿は死の間際(死んでないけどな)、炎の菩薩に抱かれているかのような恍惚の表情を浮かべて病院送りとなった。

 

 

「ふぅ、これで私も『ケンカの相手を必要以上にブチのめし、いまだ病院から出てこれねえヤツもいる』ってセリフが使えるようになりましたね♪」

 

 

「それってあのアホが退院してきたらどうすんの?」

 

 

「もう一度病院送りにしますよ♪」

 

 

 お後がよろしいようで。チャンチャン♪

 

 

 




 補足設定:ウルもクフーンも、料金以下のマズイ飯を出すレストランで無銭飲食したりはしません。

 せいぜい個人情報を網羅してネット上のいたるところに本気出して晒すくらいでしょうか。

 まぁ、こんなでもファンタジーな世界なんですがね。
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