神室真澄推しの俺がなぜ坂柳有栖の双子の兄に 作:筋骨隆々竹輪マン
UAを見ればどれだけの方が見てくれているのかはわかるのですが、やはり感想や評価となるとモニターの表示の奥に人がいるんだ、と感じることができて凄く励みになります。
あと今回エッチな表現ないです。ごめんね。
「あなたは……何者ですか」
…!?!?
ま、まさか森下は俺がこの世界の異物だと言うことに気づいているのか…!?
「何者…とは?」
いや、まさかな。俺が転生していることは親どころか有栖にすら伝えていない。いや伝えろって言われても無理なんだけど。
兎に角、俺が転生者だと言うことはバレるはずがない。…はずだ。
「私にはバレていますよ、坂柳累栖」
ッ!? …こいつ…もしや超能力か何かを使えるのか!?
…もしも……もしもだ。もし、俺の知らない2年生編11巻以降は異能系バトル小説になっている可能性があるとしたら。
「……何が目的だ」
「…思っていたよりも従順なんですね。もっと足掻くかと思っていました」
まずいかもしれない。それもかなり。今ここで森下の息の根を止めることは簡単だ。だが今ここでそんな物音を出せば不審がる生徒は出てくるし、そもそもどこに監視カメラがあるかわからない。もしここで退学にでもなってしまえば…恐らく原作とさほど変わらない結末になるだろう。
「…どうすれば黙っていてくれる」
非常にまずい。何が一番まずいかと言えば、こいつの目的が一切不明なことだ。その何考えてるかわからん顔やめろ。
「では少しこちらに寄ってください」
「……何をする気だ」
かなり警戒しながら、森下の近くへと歩く。それはもう手を伸ばせば身体に当たるくらいには。
「では、失礼します」
そう言って、森下は抱き着いてきた。
…?
なんか色々と柔らかいんだが。…じゃなくて、どういう状況だこれ。森下が俺の秘密を何故か知っていて…俺を脅して……ハグ。
いや意味わかんねぇな。なんだこれ。
「ふふふ。貴方が
…?
いや、ちょっと待て。魔法? 俺魔法使えるのか!? うっそ!?
「貴方は魔法を行使して私の心を自在に操れるんですよね?」
まさか……あふれ出る才能が無意識のうちに暴発してしまっていたのか!?
「だから貴方を一目見たときから心臓がうるさいんですよね…まったく、こんなことをされても許してあげれるのは世界で私一人だけですよ、坂柳累栖」
あ、違うわこれ。ただこの阿呆が恋してるだけだ、これ。
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『ではこれより1回目のグループディスカッションを開始します』
そんなアナウンスが流れた後、少しの間静寂に包まれた。それも仕方ないだろう。本来敵同士である他クラスの生徒同士を同じ部屋に集め、グループ一丸となって試験の結果を追い求めるのだから。
「クク、緊張して喋ることもできねぇようだな」
そんな均衡を破ったのはCクラスの暴君、龍園翔だ。冷ややかな笑みを浮かべながら他クラス、というか俺の方を良く見てくる。俺のことがそんなに気になるのかチェリードラゴン君。
「そんなお喋りしたいなら自己紹介でもしたらどうだ? 龍園。お前のようなやつでも友人になってくれる変わり者がいるかもしれん」
「あァ…? テメェ喧嘩売ってんのか?」
やっべ、龍園イジんの楽しっ。
「ハハ、少々遊びが過ぎたようだ。
「同じくAクラスの坂柳有栖です。短い間ではありますが、よろしくお願いしますね」
俺が選ばれたのはクラスの中心人物が集まる辰グループ。そしてそのメンバーは俺、有栖、葛城、ユキといった原作と大きく変わった面子であった。
そして一通り全員が自己紹介をし終わった後、また少しの沈黙が場を包んだ。
「このグループってさ、多分クラス内で発言力のある人が多く集められてるよね」
櫛田がそう話すと、クラス毎にそれぞれの反応を示す。Aクラスはわかっていたことだとあまり動じず、Bクラスは一之瀬が居ないことに首を傾げつつも概ね共感し、Cクラスは今更か、と言ったような挑発する態度を示していた。
あ~マジで櫛田怖い。というか櫛田と関わることで生じる二次被害が怖い。不意に目を向けてしまうことでさえ隣からの圧を感じる。俺の妹はデカチチ絶対許さないウーマンだな。
「…どうしたの累栖くん。飴いる?」
神妙な表情をしていた俺を心配してか、ユキが飴を差し出してくれた。ありがとうユキちゃん。かわいいかわいいちゅっちゅ。
「ハイ、あーん」
あのツンツン女王のユキが……今となっては飴より甘々なスイーツプリンセスに…なんというビフォーアフターだ。
「…姫野さん、あなた今…食べかけの飴を累栖に渡しましたね……?」
う~ん、デカチチ以外も絶対許さないウーマンだったみたいだね。ユキの食べかけ飴ちゃんうんめェ~!!!
「……緊張感がないのかしら、Aクラスは」
「あ、あはは。坂柳君も苦労してるんだね…」
なんだか平田から憐れみの眼を向けられた。俺は何も悲しくないぞ。何故ならユキの食べかけ飴ちゃんに付着している唾液を舐めとるのに必死だからだァ!!!
「全く、俺たちが引きずりおろさねぇといけねぇAクラスのリーダーサマがこんな色ボケだとはな……笑えるぜ」
そこのチェリードラゴン君。羨ましいならハッキリとそう言いなさい。
「フッ、そんな色ボケに弱みを握られてPPtを譲る契約を結ぶことになった阿呆は誰だったかな」
そう言ってやれば、クラスの中心人物になるような頭の切れる連中は直ぐに気づく。そして龍園が面白くない表情をしているのもそれを確信づける証拠となる。
「それに龍園、Aクラスのリーダーは俺ではなく有栖だ。今Aクラスの立場が安定しているのもすべて、有栖の頭脳あってのことだ」
…静寂。俺は何か変なことを言っただろうか。
「も、もう累栖。いくら私のことを溺愛しているとはいえ、こんな公衆の面前で愛をふりまかれては……♡」
有栖はそう言いながら俺の膝の上でクネクネと恥ずかしがるように動く。うーん、すっごくかわいい。けどもっと恥ずべきことがあると思うんだ、うん。
「累栖、お熱いところすまないがこれ以上本題から逸れてしまうと何らかしらのペナルティがあるやも知れん。ディスカッションを再開したほうがいい」
葛城がそう助言してくれたのでディスカッションを再開した。だが勿論進展はなく、当の優待者である櫛田は上手く隠れたまま1回目のディスカッションが終わった。
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「じゃあ、行くから」
「おう、何処からでもこい」
夜、俺は定期的に行っている伊吹との戦闘訓練のため、客船内にある運動の出来る施設にお邪魔している。勿論人避け兼黙っていてもらうためのポイントは店の人に払っている。
「…ッ!」
伊吹は早速こちら側へと回し蹴りを繰り出し、俺の顎を狙ってくる。モロにくらえば脳震盪間違いなしの一撃だな。
「クソッ、そんな簡単に受けられるとガッカリする…よッ!」
攻撃に転じていた右足を下ろし、今度は左足でローキック……と見せかけて、伊吹は俺の服を掴み、蹴りだした左足と対角線上にある俺の左足への小内刈。俺は体制を崩し、伊吹は俺の上へとマウントポジションを取るが、俺は伊吹の両足を逃げられないよう手と脇でホールドする。
伊吹はどうやらこのまま寝技に移行したかったみたいだが、そこまでいかれてしまえば俺の負けは確定するため、その前で勝負を決める。
「今のはいい連携だった。龍園には引っかかるかもな」
「そんなこと言う余裕ある? あんた、今ピンチだよ」
確かに俺は今伊吹に乗りかかられている状態。普通ならボコボコに顔面を殴打され気絶するだろう。だが俺にはピンチだと感じない。ピンチとは何か、さしせまった事態。危機。窮地。それでは危機とは、極めて危ない状態。そう、これは極めて危ない状況だ、と俺は思わないのだ。
「ッチ、当たんないっ! ……ッ!?」
伊吹は俺の頭部に打撃を加えようとパンチを繰り出すが、勿論素人同然のパンチを受けるほど俺は脆弱ではない。その全てを回避し、焦燥と怒りを感じた伊吹は足をホールドされていた俺の手の感覚がなくなっていることに気づかず、油断していた鳩尾に一撃。
「カハッ!……痛っ…」
言わずもがな、伊吹の攻撃は止まり、俺はマウントポジションから脱し、痛みで重心が後ろに傾いた伊吹の背後に周り、首へと手を回す。所謂チョークスリーパーと言われる技だ。勿論ここから振りほどけるわけもなく、降参を意味するタップでチェックメイトだ。
「お疲れ。やはり思った通りにかなり筋がいいみたいだな」
「……あんた、わざとやられてただろ」
そんなことを言いながら俺を問い詰める伊吹。まぁ色んなシチュで試したほうが強くなれると思っているから、わざと小内刈にかかったんだけどね。
「…あんたさ、なんだってこんなことしてるわけ?」
「こんなことって……ああ、伊吹に稽古つけてやってることか」
俺の言葉に伊吹は小さく頷き、ペットボトルに入った水を口に含み、タオルで汗を拭っている。
「そうだな…簡単に言えば、俺はそのうち伊吹を引き抜ければ、と考えている」
俺がそう言うと伊吹は口に含んでいた水を大きく吹き出した。い、伊吹のお口(意味深)から水(意味深)がプシャーってでた…(意味深)
「えっ……は? 引き抜くって…それ本気で言ってんの?」
伊吹はほんのり顔を赤らめ、呆気にとられた表情をしている。……ッ!? これまで俺が体験してきたギャルゲー、美少女ゲー、エロゲ―が俺に告げているッ!! これは"攻め時"だと!!
「伊吹……いや、澪。俺にはお前が必要だ。(主に武力面で) …きっと、俺たちの間には強大な壁が立ちはだかるだろう。(2000万ポイント、ドラゴンボーイ等) だが、俺たちが力を合わせれば必ず、必ず乗り越えることができる!! 時間は掛かるかもしれないが、俺が必ず2000万ポイントをかき集める。だから澪……俺と一緒(のクラス)になってくれ!」
…決まった、これはイケる。
「……な、なんでそんな急に……ば、ばか!!」
澪は耳まで顔を真っ赤にして、その場から走り去ってしまった。あれ、失敗したかな。上手く要約しながらAクラスに勧誘出来たと思ったんだけど…。
辰グループにユキが選ばれた理由としては、真嶋先生からAクラスを見たとき、一番リーダーらしく動いているのは累栖だったそうで、その累栖の補佐を行い、累栖からの伝言等を伝える役割の多いユキを選んだそうです。