神室真澄推しの俺がなぜ坂柳有栖の双子の兄に 作:筋骨隆々竹輪マン
風邪をひいてしまったのと難産だったのが嚙み合ってなかなか進みませんでした。
私がその男子と出会ったのは、この学校に入って直ぐの事だった。
――入学式の日、一際目立っている銀髪の男女を見かけた。男の方は正直凄くタイプで、女の方はお姫様みたいな扱いをされてた。
入学して2日目でその男子と話す接点が出来た。そのきっかけは、私がついチラチラとその男子のことを見てた時にバッチリと目が合ってしまったのだ。
「……なに?」
なんて初対面の相手にもこんな態度をとってしまう自分に心の中でため息をつきながら、その男子と会話をする。一緒に食べてた妹は凄い顔でこっち見てたけど…。
話していると、どうやらその男子は弁当をくれるらしくせっかくだし頂くことにした。
食べてみると驚くほどに美味しい物だった。しかもその弁当は全部手作りらしく料理上手なんだ、と新たな一面を知ることになった。
水泳の授業では世界記録を更新するし、入学から1か月の間に2000万PPtも溜めちゃうし、それを使って女子を他クラスから引き抜く。私はその度に驚かされた。
私が累栖に持った第一印象は、完璧で王子様みたいな男子。でもよくよく話していくと、天然っぽいところやポンコツなところもあったりしてちょっとかわいいかも。…ってこれじゃまるで私が累栖のこと好きみたいじゃない。
でも、そんな累栖は私と話すときに『壁』のようなものがある。累栖の妹である有栖にはもちろん、Bクラスから引き抜いて自分の補佐をさせてる姫野には全くないのに。
これから、仲良くなればいい。それなのになんでこんなに悲しいんだろう?
そんな時、木の根っこに足を引っかけた山村を累栖が受け止めて、そのまま楽しそうにしていたのを見てしまった。
――なんだか胸がチクチクして苦しい。何かの病気?
わかんない。よく…わかんない。
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「…眠いな……」
無人島試験二日目、テントがあるとはいえ硬い地面の上だと全然寝た気にならない。これからここで何度も寝ることになるのか…憂鬱だ。
「おはよう累栖。その顔だと…あまり快眠とは言えなさそうだな」
「ああ、まさにその通りだ葛城。いつもより長く寝てるはずなのに全く疲れが取れないとはな」
有栖に添い寝してもらわないと俺はもうダメなのかもしれない。はぁ…有栖……会いたい…。
「それで累栖、今日はどうするんだ? 昨日の皆の頑張りもあって2日分くらいの食料はあるだろう」
「そうだな…葛城、他クラスの拠点の位置は確認できたか?」
「ああ、大まかな位置であれば確認できている。もしかして偵察にでも行くのか?」
偵察…といえば偵察になるのか。ただ原作通りに進んでるかの確認がしたいだけなんだがな…。
原作通りに進んで行けば、俺はリーダーを絶対に外さない。そのために余計な行動は慎んできたつもりだ。
「細かい指示はまた後で出すが、葛城は今日もスポットの探索に身を投じてくれ」
俺がそう言うと葛城は頷き、俺たちは別れた。
そしてその後全体に指示を出し、半分の生徒を今日一日自由行動にした。もう半分は食料がある場所のマークだ。現在俺たちは凡そ2日分の食料を持っている。それ以上取ってしまうと、食べきれずに余ってしまい、腐る可能性がある。そのため食料がある場所のマークを指示した。
「ふぅ、大丈夫か山村?」
「は、はい。全然大丈夫です。というかなんで私を…?」
俺は現在、山村と共に他クラスへの視察に赴いている。山村を選んだ理由はまたグループ作りで余ってしまったからなのだが…。
「い、いやお前は偵察に向いているだろう? だから連れてきたんだ。…それに俺はお前と仲良くなりたい、それだけじゃダメか?」
「ダメじゃない…です……///」
顔が真っ赤になりながらそう言った山村は小動物の如く縮こまっている。可愛い。
「な、何で頭撫でるんですか……///」
「撫でたくなったからだ。嫌ならやめるぞ?」
「嫌ではない、ですけど……///」
その後、山村の頭を撫でながらDクラスの拠点に着いた。当の山村は茹蛸のようになっていたが。
「だ、誰だよお前!」
池だ。あれ、俺図書室で一度会った…よな。忘れられてるのか? なんて思っていると、近くの木に寄りかかっている伊吹がこちらに気が付いたようだ。
「あれ、坂柳。偵察にでも来たのか?」
「伊吹か。まぁ偵察ってのは合ってるが、そっちこそなんでDクラスに?」
龍園の指示なんて全然知らない。俺原作なんて知らない。
「まぁ…色々あってな」
察してくれと言わんばかりの目をする伊吹。あれ、そういえば山村どこ行った?
「お、おい! 結局お前誰なんだよ!」
放置してしまっていた池がかなり大きな声でそう言った。そんな声を聞きつけて他のDクラスの生徒もわらわらと集まってきた。
「俺は坂柳累栖。Aクラスだ」
「え、Aクラス!?」
そんな驚くことか? 別にただの同級生なんだがな。人生2週目なだけで。
「あれ? 君って図書室に居た…?」
櫛田だ。俺はこの約4か月、避けてきた生徒が一定数いる。その1人が櫛田桔梗なのだ。何故避けてきたのか…それは櫛田の本性がバレた際、原作では動揺して綾小路に乳を揉ませていた。もし俺にそんなことをされたら…あ、有栖に殺される…。
と、命の危険を感じていたので櫛田との接触は避けてきた。
「ほんとじゃん! 図書室で健に暴行した奴じゃん!」
やっと思い出したのか。ていうか暴行って言うな。明らかな正当防衛だったろ。
「Aクラスの坂柳くん、だっけ。何か用かな?」
お、平田だ。イケメンだなぁ…。
「他クラスを偵察しに来ただけだ。別に悪いことではないだろ?」
「うん、そうだね。クラスに迷惑をかけないって約束できるなら好きなだけ居てくれても構わないよ」
「ああ、少々邪魔するが長居はしない」
そう言うとほとんどのDクラスの生徒は散らばっていき、最終的に近くには伊吹だけが残った。
「あんたならわかると思うけど、龍園が仕向けたことだから」
「わかってる。誰に聞かれてるかわからないんだ、迂闊にそういうことを話するな」
俺のそんな声に伊吹がため息をついている時、俺の背中にツン、と感触があった。
「あ、あの…いつまでここに…?」
「お、おお山村か。まぁ少しだけな」
完っ全に存在を忘れてた…。なにその特殊能力並みの力は。よう実って異能系だっけ?
「あんた、また女引っかけたのか。きっとあんたが死んだときの死因は刺殺だな」
「誰も引っかけた覚えはないぞ。それに俺を刺せる奴ならそいつは俺より強い。そんな奴と会ったなら死んだとして悔いはないさ」
有栖と真澄の安全を確立させた時、俺はすることがなくなる。そもそも俺は2人のためにここにいるのだ。
「し、死なないでください!」
びっくりした…山村ってそんな大声上げれたんだな。
「坂柳くんが死んじゃったら…私は悲しいです……」
自分で出した声の大きさにびっくりしている様子の山村は少しづつ声のボリュームが下がっていった。
「はは、そうか。俺は山村のためにも生きないとな」
「…///」
少し…俺がここにいることを肯定された気がして、嬉しくなった。
「…イチャイチャするなら帰れよ」
このツンデレ娘め。人が感傷に浸っている時に…。
その後、少し暗くなってきたためその日は帰ることになった。
▽▽▽
「今日も私を…?」
「ああ、俺はお前を信頼することにした。これから頼み事なんかもするかもしれんが、その時はよろしく頼む」
無人島試験、五日目。三日目はBクラスの拠点に行き、四日目はCクラスの拠点(だったもの)に行ったが、どちらも原作通りに進んでいた。原作では今頃下着盗難事件が起こっているだろうから、Dクラスには近づかないでおこう。
「信頼…/// そ、それで今日はなにをするんです?」
信頼という言葉に一喜一憂している山村が可愛い。ほんとにぼっちだったんだな…。
「正直言ってすることがない。順調すぎるくらいだ」
「そ、そうですよね。私も最初は無人島なんて絶対無理だと思いましたけど、ちょっと不便なとこ以外はなんの問題もないですもんね」
なんか過去一喋っている気がする…。成長出来て偉いぞ。
「私、この試験で坂柳くんと仲良くなれて嬉しいです…!」
「それなら俺のことを下の名前で呼んでみろ。それができたなら俺も美紀と呼ぼう」
そう言うと、山村は無理だと言わんばかりに首を横にぶんぶんと大きく振って顔を真っ赤にしている。
「ま、好きなタイミングで呼んでくれ美紀」
「ひゃ、ひゃい…///」
かわよす。
「ねぇ累栖くん。今日も昨日と同じでいい?」
「ユキか。それでもいいんだが、今日は全員休みだな。食料ももう十分あるし、無駄に体力を消費しないようにしておいてくれ」
「わかった。じゃあね」
手を振って去るユキもまたかわいい。
最近、良く思う。なぜ俺の女性周りはとてもかわいいで溢れているのか。
その後全体に休みの指示を出し、皆自由に過ごすようだった。
「ね、ちょっと来てほしいんだけど」
「どうしたんだ真澄?」
「いいから」
昼が過ぎ、少し空が暁色に染まってきた頃に俺は真澄に呼ばれた。その際、妙に焦っているような真澄の表情が気になった。
「どうしたんだ、こんな森の中で」
「…」
声をかけるも、真澄は全く止まる気配がない。
「おい、真澄。どこまで行くんだ」
「っ! …ごめん、ここでいい」
俺が強めに声をかけると、ハッと我に返ったように止まり、真澄が正常ではないことを悟った。
「それで、話は?」
「ねぇ、累栖。私のこと嫌いならはっきり言ってよ」
「…は? すまん、話が見えないんだが……っ!?」
その時、俺の目に入ったのは―――真澄の綺麗な紫色の目に大粒の涙が溜まっている、それだけだった。
「なんで、なんでなの?」
「ちょ、ちょっと待て! 少なくとも俺はお前に好意しか持っていない。何故そんな考えになるんだ」
俺は一旦真澄を近くの切り株に座らせ、真澄が落ち着くまで待つ。
「…なんで、私と話すときだけ距離置いてるわけ?」
「距離?」
「何、無意識でやってたの? 最低」
推しからの最低…これは心にくるものがある。…推し?
「なるほど、そういうことか」
「何がそういうことなの?」
「その、恥ずかしい話なんだが…俺はお前を大事にしすぎて無意識に距離を作っていた可能性がある」
恐らくだが、俺は真澄を推しだと認識しすぎていた。原作を知っているとはいえ幼い頃からずっと近くにいる有栖は家族という認識。ユキや美紀は友人と言った認識。
俺は真澄を推し…尊いものだと認識しすぎて無意識に距離を置いていたのかもしれない。自分なんかは推しに干渉するべきじゃない、といった風に。
「なにそれ。意味わかんないんだけど」
「確かにな。自分でも意味がわからん。だが約束できるのは―――真澄、俺はお前を一番大事に想っている」
「っ!/// そ、そんなこと言われても…態度で示してよ」
俺が片膝立ちでそう伝えると、真澄は少し煮え切らないと言った表情でそう言った。
「それなら、これでどうだ」
俺は真澄の前髪を軽く持ち上げ、口づけをする。
「あ、あんたなにして…///」
「これでもまだ足りない、か?」
「も、もういいっ!///」
真澄は頬を赤く染めた後、立ち上がって足早に拠点のほうへ行ってしまった。
「っ…なにしてんだか、俺」
真澄の顔が赤くなっていたのはこの夕暮れのせい。きっとそうなんだと俺は自分にそう言い聞かせた。
アンケートの結果、R-18に該当するが242票、該当しないが204票と多くの票を頂きました。正直人によって匙加減が変わってしまうので、難しいところだと思っています。圧倒的にどちらかに割り振れば、ここからの流れを変えようかなと思っていましたが、圧倒的な差があるわけでもないですし、これからも程よいエッチさを目指します。なので、ちゃんとしたR-18作品にはならないと思います。ちゃんとしたものを期待してくださった方は申し訳ございません。
この作品、R-18に該当すると思いますか?
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