ぼざろ・ぐろぉりぃ・ほぉる~STARRYの裏事情、即尺基本のオーラルセックスをお客様にお届け、たまに本番行為もあり 作:37級犬築士
おねショタを、しますッ(声高)
雨が降る日、ライブハウスにとっては客足が減る嫌な日。だが、主演するバンドチームの彼女達は青い息も吐かず意気健康に働いている。姦しい声を見て、ライブハウスに早めに入ってきた客たちはそんな彼女たちを見ていた。
『……』
高校生以上、社会人、客達の中でひと際目立たない背丈の者が一人。
黒を基調としたライブハウスで、陰に隠れてしまえばそれっきり誰も見つけられなさそうな、そんな小さくておとなしそうな少年が一人。
黒髪に、蒼く綺麗な瞳。一見では性別がどちらかもわからない、そんなあどけなさが多く残る少年。身長は140半ば程度の、中学生にしては発育が遅い少年が一人。
あわあわと、見慣れぬ場所で、嗅ぎ慣れない空気で、その上少年をここに連れてきた保護者もとい彼の兄は知人と音楽の話に夢中。
中学生の弟を自分の趣味に付き添わせたくせに、半ば放置して楽しんでいる。そんな、少し説教をしたくなるような兄弟の問題がそこに在ったりするが、この場ではそこはたいして問題ではない。
STARRYに、まだ年若い少年がいる。
年齢制限が無いとはいえ、ここは少々特殊な行為もある。
目を離してはいけない。でないと、小さな男の子にとって、大きすぎる何かが起きてしまうかもしれない。
それは、例えばこんなきっかけから
〇
……びちゃッ
『!』
それは偶然の接触だった。
知らず、背後を通る客がいるにもかかわらず少年は一歩下がろうとして、そしてほんの少し、少しばかり擦れる程度の接触をした。
ぶつかられた側は何も気づかない。だが、体重の軽い少年は二歩、三歩、つんのめって歩いてもまだ衝撃が消しきれない。
持っているジュースを溢すまいとしていたのもあったのだろう。まあ、その結果
『!?』
「……あ、お客、さま?」
ぶつかって、そして抱き留められる形で、少年は喜多郁代と出会った。
カップの中身を喜多の上着にかけてしまって、申し訳ないことをしたと居た堪れなくなる想いをする出会いを果たした。
「あ、お客様……申し訳ございません、お飲み物を溢してしまい……今、代わりのモノを」
『……——ッ』
喜多の言葉は少年の耳に入っているが入っていない。
間近で拝む年上の女性が可憐で、魅力的で、濡れてしまっていても余計にそそる姿をしているから目の毒、なんてことかもしれないが、とにかく少年は返事が出来ず、ただ止まっていた。
「お客様……あの、ねえ…………大丈夫、君」
『……!?』
呼びかけに、少年の止まった時は動き出す。というより、本人が懸命に針を先へ巻きなおしている。手足を動かして、早口で言葉をまくしたてて、とにかくごめんなさいを連呼した。悪いのはこちら、そんな謝罪の説明を喜多は聞き届けていた。
『……ッ(アワアワ)』
感情が露になる少年の顔に、喜多は脱力して優しい笑みを返す。
安心して、大丈夫だよと
「いえいえ……気になさらないでください。服は替えがありますから……これ、濡れても大丈夫なんです。ライブ衣装だから、汗をかいてもすぐ乾く素材を使ってるんです。だから、お客様は気になさらないで……ね、大丈夫、大丈夫だから、ね」
『————……ゥ』
丁寧な物腰で、明らかに年下な少年に対してもへりくだる言葉を使う。
それだけでも、目の前の女性が素晴らしい内面をお持ちであることは、13歳の少年でも十分に理解できる。
……ポタ、ポタ
「……喜多ちゃん、これまた盛大に濡れたね」
「はい、ちょっと失敗しちゃいました……でも、お客さまの服は汚していません。あの、よかったらドリンク弁償します……オレンジジュース、お代わり欲しいなら、だけど」
『!』
少年は喜ぶ、ことはできない。出来るわけがない、むしろ逆。申し訳ない気持ちがいっぱいだ。
背後に誰かが通過して、そのせいで動いてしまったとはいえぶつかって服にジュースをかけたのは自分
少年は、目の前の見目麗しい女性を汚した事実を、軽く流すことなんてできない。していいわけがない、そう固執していると言ってもいい。
『————ッ』
「え?」
「あらあら、喜多ちゃんったら可愛い男の子に心配されて、流石ですなぁ……顔真っ赤にさせて、これはあれだね。おねショタってやつだね」
「もう、虹夏先輩ッ……」
赤い顔、虹歌が指摘している通り、少年は顔に真っ赤な熱を灯している。原因は明快、すらっとやせた体系の喜多には豊かと言える膨らみは無い。しかし、そんな彼女と言え、胸はある。確かな、小さいながらもツンと前に出る膨らみはある。
故に、ブラジャーは付けないといけない。そして、結論を言うならば、ブラが見えてしまった。
『……————ッッ!!』
「え、あぁ……そっか……あぁ、えへへ~……ご、ごめんなさいね」
目線が、元の一に戻る。
背の低い少年に合わせて膝を曲げていた喜多、そして濡れたシャツ、首元から覗く赤色のブラと同じぐらいに少年は顔を真っ赤にしていた。
まだ若い少年に着用しているブラのチラリズムはそれだけで凶器。
『……ッ……ッッ』
ごめんなさいを繰り返す少年、そしてついぞドリンクを受け取らずそのままライブハウスを後にする。こともできず、喜多から離れて部屋の隅に移動した。
少年は、音楽好きの兄に連れられてライブハウスに来た。
勝手には帰れない。
『……』
踵を返して、また元の位置に。そして、都合が悪いと言うべきか
「喜多ちゃん、そろそろ着替えないと。ライブ、次の出番だから」
「あ、はい……着替え、あの虹歌先輩」
〇
~明くる日~
少年は学校の帰り道、下北の通りを歩いていた。寄り道だった。
制服を着たままなのは気が引けるが、彼はどうしてもSTARRYに用があった。
『!』
放課後の時刻、前座として真っ先に舞台に立つ結束バンドの皆々。
兄の部屋からCDを拝借して、曲を視聴。SNSで喜多郁代なる人物の存在を知った。
少年は、ファンとして彼女を見にSTARRYに足を運んでいたのだ。
「結束バンドです、今日はお越しいただきありがとうございます……では」
…………チラ
『……ッ』
視線を、一瞥だが少年は喜多の目を見た。客に目を向けながら挨拶をする様子、一瞬だけ目が意図的に瞬きをしたように見えた。
それが痛い勘違いならなんとも恥ずかしい話だと、少年は食べてもいない酸っぱい味を噛みしめる。
オレンジジュースで流し込んで、意識を集中。
バンドの演奏が始まる。
……突然夕立、ああ、傘も無いや、嫌……空のご機嫌なんて知らないッ
「————ッ———————ッッ!!」
『!』
好きな曲、機械で再生した音にはない生の振動。息を吐いて響かせる感情の籠った歌詞。
耳で、体で、喜多郁代の演奏を感じていた。結束バンドの三人を差し置いて、少年は贅沢なことにたった一人にだけ意識を向けていた。
舞台の上に立つお姉さんたちは皆かっこいい、比べるなんて、きっとひどい趣味だ。嫌なやつになっているかもしれない。
でも、そうだとしても、悪いことに自分は夢中だ。
それだけは、どう言い繕っても否定できない。どんなに卑しくても、我慢できない。
メイド服を着た、赤髪のお姉さん。
少年は、目が離せない。
『ァ……————ッ』
曇った空が似合うから。
猫背のトラになりたい。
どこか、暗く強い歌詞だ。けどもそれが心筋をくすぐる。鼓動が早鐘を打つ。
明るく元気なお姉さんが、低くかっこいい歌声を響かせているのが、たまらなく心惹かれる。
『————ッッ!』
少年はロックを受け止めながら、音の中で喜多郁代を見続けていた。
視線をくれたアイドルに夢中になるファンの様に
今、目の前で歌う年上のお姉さんに、ただただ魅入っていた。
〇
~また、明くる日~
「郁代、そういえばなんで今日メイド服?」
「はい、先輩にお見せするためです♡」
「え、服が濡れたからって……喜多さん」
「ぼっちちゃん、恋は盲目なんだよ……ほらほら、ライブが終わってもお仕事はあるから。働いた働いた」
『…………』
夕刻に近づく頃合い。夕立が重く響く、だから帰ろうにも足が重い。というのは、きっと言い訳だろう。そのことは少年本人が一番よく理解している。
少年は、帰る時間を超えてまだライブハウスにいた。土曜日の休日で私服姿だから、問題ないかもしれないが、やはり罪悪感はある。
「ねえ、小さなお客さん……ちょっと待ってあげたら。喜多さん、もうすぐ来るかもですよ」
『!』
ちょっと怖い、けれど優しい声の美人なお姉さん。PAさんと呼ばれているお姉さんに話しかけられて、少年は踵を返そうとした、そんな時
「あれ、あなた!」
『!?』
喜多さん、そう皆から呼ばれている、本人様が現れた。少年の背に近づき、陽気な声と言葉で迫ってくる。
……ドクン、ドクン
心臓の音は三割り増しほどしていた。
「ライブ、観てくれたのね。あれ、お兄さんはいないのね……もしかして、一人なのかしら?」
『————ッ(コク)』
「そう、そうなの……えっと、もしかして私に何か用があるのかな?」
『!?』
「うん、だって目が合ったから……何か話しかけたがってたし、何かな?もしかして、飲み物の件?」
『……ッ!!』
ここまで来ては隠せない、そんな思いで、少年は
「え、これって」
『————ッ!!』
少し強引に、少年はあるものを喜多に渡した。
受け取ったソレに戸惑う喜多を置いて、少年は足早に店を去ってしまった。
「あ、君!」
次回に続く
次回もお楽しみに?
感想・評価等頂けると幸い。モチベ上がって日々の健康が良くなります。たぶん